JP2598949B2 - 袋縫いアッパーの底付け部構造 - Google Patents

袋縫いアッパーの底付け部構造

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一秀 飯田
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、グッドイヤー・ウェルト式製靴法を適用す
ることのできる袋縫い式アッパーのくつ低構造に関す
る。
<従来の技術> 従来より、袋縫い式のアッパーを使用した靴として、
第6図に示すように、一枚のU字状の甲革用主裁断片に
より底面(1a)の形成部および甲側面(1b)の形成部を
一体に形成し、これにプラグ部材(2)をモカ縫い(モ
カ縫い糸(5))して袋状のアッパー(3)とし、該ア
ッパーの底面を表底(4)に対接してその周縁部をマッ
ケー縫い(マッケー縫糸(6))することにより底付け
する方式のものが知られている。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、このような従来の袋縫い式の靴による
と、袋状に足を包みこむ状態であるので、フィット感が
あるとともに屈曲性に優れている反面、次のような問題
点があった。
すなわち、このような袋状のアッパーを使用する靴で
は、該アッパー(3)の底面にリブがないので、底付け
工程中に細革を掬い縫いすることができない。従って、
いわゆるグッドイヤーウエルト式の底付け構造とするこ
とはできないものである。
この結果、アッパー(3)の底面すなわち中底に相当
する部分に直接表底(4)が接合されるので、水が侵入
易いとともに、接地面の厚さが薄いため歩行時の衝撃吸
収性に劣るという欠点がある。
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、
袋縫い方式の靴にグッドイヤーウエルト式の底付けを可
能とすることにより、上記袋縫いの長所を生かしつつ、
グッドイヤーウエルト式製靴法の長所をも併せ持つよう
に設けた袋縫いアッパーの底付け構造を提供するもので
ある。
<課題を解決するための手段> このため、本発明に係る靴の底付け構造は「略U字状
の裁断片により底面形成部と甲側形成部とを一体に形成
し、これにプラグ部材を固定した袋縫いアッパーを用い
る靴の底付け部構造において、上記底面形成部の全周縁
又は一部周縁に沿ってリブ部材を立設固着することによ
り、細革との掬縫いを可能にしたことを特徴とする袋縫
いアッパーの底付け部構造」とする。
<作用> 本発明にかかる袋縫いアッパーを用いた靴によれば、
フィット感があり且つ屈曲性に優れているという袋縫い
方式の長所が発揮されると同時に、アッパー底部と表底
とが細革の掬い縫いを介して接合されるので、水の侵入
を防止でき、また中物の挿入が可能となるので歩行時の
衝撃吸収性が向上する。更に、足の踏まず部アーチにお
ける荷重支持と保形、および歩行時の衝撃吸収にとって
充分な大きさの踏まず芯(シャンク)の挿入も可能とな
るものである。
<実施例> 次に、本発明の実施例を図面に基いて説明する。
第1図には本発明に係る袋縫い式アッパーを用いた靴
の底付け構造の一実施例が示されており、(7)は袋縫
いアッパーであり、略U字状の甲革用裁断片により底面
部(71)と甲側面部(72)を一体的に形成し、これにモ
カ縫い(モカ縫い糸(9))でプラグ部材(10)を縫合
して袋状としたものである。(11)は該アッパー(7)
の底面部(71)立設固着されたリブ部材、(12)は該リ
ブ部材(11)な掬い縫い(掬い縫い糸(13))で縫合連
結された細革、(14)はアッパー(7)の底面(71)に
おいて前記リブ部材(11)の内方スペースに挿入配設さ
れた中物、(15)は細革(12)および中物(14)の外方
底面に配設されて出縫い(出縫い糸(19))により細革
(12)と連結固定した表底である。
なお、(16)は製靴工程で使用する靴型(ラスト)で
ある。
次に、係る構造の袋逢い式のアッパーを用いた靴の底
付け法について説明する。
まず、第2、3図に示す甲革用の主裁断片(18)に
は、中底面に相当する底面形成部(71a)と甲側面形成
部(72a)とが一体的に形成される。なお、一点鎖線(7
1b)で示される仮想線は底面形成部(71a)の外周縁と
なるラインである。次いで、底面形成部の外周縁ライン
(71b)に沿ってその内側に、踵方向に対して開放する
略U字状のリブ部材(11)を接合立設する。
このリブ部(11)は、布製、皮革製、プラスチック
製、等からなり、縫合又は接着により底面形成部(71
a)に強固に固着される。
次ぎに、主裁断片(18)を屈曲成形しつつプラグ部材
(10)(第4図参照)をモカ縫いして袋縫いアッパー
(7)を形成し(第5図参照)、次いで前記リブ部材
(11)によって囲まれたスペースに粘弾性体であるスポ
ンジ、コルク等の中物(14)やシャンク(図示せず)を
重合配設し、次いで表底(15)を重合配設してこれを細
革(12)に出縫い固定する(第1図参照)。
上記構造にかかる袋縫いアッパーを用いる靴による、
フィット感があり、且つ屈曲性に富むという袋縫い小僧
の長所が発揮されるとともに、表底(15)が細革(12)
に接合されるので、水の侵人を防止でき、またリブ(1
1)による表底とのスペースに中物(14)の挿入が可能
となるので歩行時の衝撃吸収性がよい。更に、踏まずア
ーチ部の荷重支持および保形のために充分な大きさのシ
ャンク材の挿入も可能である。
<発明の効果> 以上のように、本発明に係る靴の底付け構造によれ
ば、袋縫い式アッパーの中底相当面の下面にリブ部材を
接合立設したので、袋縫い式のアッパーを用いてグッド
イヤーウエルト式製靴の長所を併せ持つ靴とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る底付け構造の靴の一実施例を示す
縦断面図、第2図はその甲革用主裁断片の構成を示す平
面図、第3図は第2図におけるA−A'線断面図、第4図
はプラグ部材の構成を示す平面図、第5図は袋縫いアッ
パーの構成を示す縦断面図、第6図は従来の袋縫い式ア
ッパーを用いた靴の構成を示す縦断面図、である。 (7)……袋縫いアッパー (71a)……底面形成部 (72a)……甲側面形成部 (10)……プラグ部材 (11)……リブ部材 (12)……細革 (13)……掬い縫い糸 (14)……中物 (15)……表底 (18)……甲革用主裁断片

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略U字状の裁断片により底面形成部と甲側
    面形成部とを一体に形成し、これにプラグ部材を固定し
    た袋縫いアッパーを用いる靴の底付け部構造において、 上記底面形成部の全周縁又は一部周縁に沿ってリブ部材
    を立設固着することにより、細革との掬縫いを可能にし
    たことを特徴とする袋縫いアッパーの底付け部構造。
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