JP2598062B2 - 基板バイアス方式のマグネトロンスパッタリング方法及びその装置 - Google Patents

基板バイアス方式のマグネトロンスパッタリング方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、下地形状に対し、付き廻り性良く被膜を形
成することのできる基板バイアス印加方式のマグネトロ
ンスパッタリング方法及びその装置に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
スパッタリング法は近年マイクロエレクトロニクス用
部品に用いる金属薄膜や誘電体薄膜等の作成に広く用い
られている。詳しくは例えば「薄膜作成の基礎」(麻蒔
立男:日刊工業新聞社1984)、「スパッタリング現象」
(金原 粲:東京大学出版会1987)を参照されたい。さ
てスパッタリング法には当然の事ながら種々の形態があ
る。本発明はその中でもバイアススパッタリング法に関
わるものであり、バイアススパッタリング法についての
背景についてまず説明する。
第3図はバイアススパッタリング法の基本概念につい
て説明する図である。真空容器101の中にスパッタ電極1
08、基板電極104、基板電極104に置載されたその表面に
被膜を形成する基板102がある。真空容器101は適当なる
真空排気手段(図示せず)によって高真空にまで(10−
7〜10−8メール)排気した後、適当なるガス導入手段
(図示せず)によってスパッタリングガスを導入し、数
ミリトールの圧力に維持される。スパッタリングガスに
は通常はアルゴンなどの稀ガスを用いる。
スパッタ電極108は電気的に付勢される。即ちスパッ
タ電極108の前面に取り付けられたスパッタリングター
ゲット109の表面が負の高圧電位となるように、スパッ
タ電極に直流高電圧電源111または高周波電源(図示せ
ず)を接続する。スパッタリングターゲット109は一般
には基板上に形成する被膜材料で構成しておく。金属膜
を形成する場合には一般には直流電源を用いる。
スパッタ電源108に高電圧が印加されるとスパッタリ
ングターゲット109から放電が起こりスパッタリングタ
ーゲットの前面にプラズマ(図示せず)が発生する。こ
のプラズマ中のスパッタガスイオン、即ち通常の場合で
あればアルゴンイオンがスパッタリングターゲット205
の負の高圧電位に引かれて加速され、スパッタリングタ
ーゲット205を衝撃する。このためにスパッタリングタ
ーゲット205からそれを構成する材料が叩き出され、こ
れが基板204上に堆積する。
基板電極203には基板バイアス電源207が接続されてい
る。基板電極203と基板バイアス電源207との目的は基板
表面に概略負の電位を与えることである。スパッタ電源
同様被膜材料が金属材料であれば直流電源をバイアス電
源207には直流電源を用い、被膜材料が絶縁材料である
場合には高周波電源が用いるといった使い分けを行うこ
とが可能であるが、総じて両方の材料に使用できる高周
波電源を用いることが多い。
さてこのバイアス電位を基板に付与することの目的に
ついて次に説明する。以下それを箇条書きにすると、 1.被膜中の不純ガスの成膜中における除去 2.被膜の性質の制御、即ち硬度、結晶性の改善など 3.被膜の下地との密着性の改善 4.被膜の下地形状上への付き廻り性の改善 などが挙げられる。バイアス電位を付与することの効果
については実用上の技術としては盛んに利用されている
が、その効果が材料や装置条件などによって複雑にこと
なるために、上記した利用目的は必ずしもが一般的な条
件について広く当てはまるものではない。
次に2重磁極スパッタ電極について説明する。
第4図は2重磁極スパッタ電極の概念図である。内側
コイル1081、外側コイル1082、コイル前面に取り付けら
れたスパッタリングターゲット109、外周ヨーク301、中
間ヨーク302、中心ヨーク303で構成され、内側コイル10
81に流す電流(I in)と外側コイル1082に流す電流(I
out)の比率によってスパッタリングターゲット109前面
に発生するプラズマ304の位置を変えることが可能とな
る。このプラズマ発生位置を変えることによって、次の
利点があげられる。
1.基板内の成膜分布改善 2.スパッタリングターゲットの長寿命化 以下には本発明の目的の一つである被膜の下地形状上
への付き廻り性の改善について従来技術を説明する。
近年LSI(大規模集積回路)は益々微細化が進み、こ
れに対応してチップ内の配線を微細化するために配線膜
を絶縁膜を挾んで交互に積み重ねた多層配線構造をとる
ようになった。このような多層配線構造を工業的に生産
する際の主だった問題点の1つに、上記した絶縁層を介
しての配線層間の接続の実現がある。配線層間の接続に
は絶縁層にスルーホールと呼ぶ穴を開け、この上から配
線膜を形成することによって下に位置する配線膜との接
続を行う。このスルーホールの大きさ(直径)はLSIの
微細化とともに次第に小さくなっている。
第5図はスルーホールを介しての配線層間の接続の様
子の断面構造を示したものである。この例ではAl第1層
501の配線幅は約5μm、また高さ(厚さ)は1μm、
絶縁層502の厚さは第1、第2配線層間で約1μm、Al
第2層503配線膜の厚さは約1μmとした。またスルー
ホールの直径は約3μmである。第6図はAl第1層501
の配線膜の幅を2μmとして、更に配線の微細化に対応
した例を示している。2μm幅の配線同士を接続するも
のであるから、スルーホールの大きさ(直径)も配線幅
に対応して小さくなければならず、第6図に示した例で
はスルーホール直径は1μmとなっている。
現在のところLSI内部の配線にはアルミまたはアルミ
ニュウム合金が非常に多く使用されている。またこのア
ルミニウムの薄膜の形成にはスパッタリング法を使用す
るのが一般的である。スパッタリング法は蒸着法に比較
すると基板上の形状に良く沿って膜形成を行うことがで
きるが、第5図、第6図に示したようにその下地形状が
鋭角状であり、また穴のように成膜される面が自由空間
に対して持つ立体角が、基板の形状自身によって狭めら
れている場合には、その付き廻り性に問題がある。
スルーホールの形状と付き廻りとを関連付けるため
に、アスペクト比という値を用いる。アスペクト比とは
スルーホールの深さをスルーホールの直径で除した値で
あり、その値が大きい程そのスルーホールの形状は急峻
である。即ち第5図の例ではアスペクト比は0.33、第6
図のスルーホール形状ではアスペクト比は1.0である。
従来からのスパッタリング技術ではアスペクト比0.5を
持つスルーホールまでは大きな問題を発生することな
く、充分な付き廻り性を確保できている。しかしながら
第6図に示すようにアスペクト比が1に近付くにつれ、
次第に付き廻り性が不足する。
このLSIの多層配線構造におけるスルーホールへのア
ルミ配線膜の付き廻り性が不足する問題については、例
えばセミコンダクター・ワールド第10巻(Semiconducto
r World No.10)1984、PP116〜137に詳しい解説がある
ので、参照されたい。
アルミスパッタ膜の付き廻り性を改善するためには、
もちろん下地の形状を緩いものに改めることを含めて種
々の検討がなされている。バイアススパッタ法は先に述
べた如く付き廻り性の改善に効果があるとの報告が多く
なされている。
バイアススパッタリング法による付き廻り形状の改善
の原理は以下の如くである。
基板表面に負の電位を付与するとアルゴンイオンがス
パッタ電極上に発生しているプラズマから加速して引き
出され、基板表面に衝突する。この時アルゴンイオンが
持つエネルギによって種々の効果が発生すると考えられ
ている。アルゴンイオンのエネルギが充分に大きけれ
ば、すでに基板上にあるアルミ原子はアルゴンイオンに
よって再びスパッタされ、膜を離れる。このためにスル
ーホール形状の角に存在するアルミ原子はアルゴンイオ
ンの衝撃によって再スパッタされやすく、このように再
スパッタを伴いながら成膜を行っていくことによって、
最終的には最も安定な形状、即ちスルーホールの穴形状
をアルミ膜の表面で穏やかにした形状であるほぼ平坦化
された付き廻り形状をとることになる。
これに対してアルゴンイオンの持つエネルギが低い
と、アルミの再スパッタは発生しないが、すでに成膜さ
れたアルミ原子を熱的に励起することができる。また、
アルゴンイオンはアルミ原子同士の結合エネルギ以上の
運動エネルギを持つのでスパッタリングを発生させない
までも、アルミ原子をアルミ膜表面上で再配列させる効
果をもつことができる。
実際には上記した2つの効果が同時に発生しているこ
とがあり得る。以上、アルミの付き廻り形状の改善につ
いては、例えばインフルーエンス・オブ・デーシーバイ
アス・オン・アルミニュウム・フイルム・プリペアレッ
ド・ウイズ・ア・ハイレイト・マグネトロン・スパッタ
リング・カソード(シン・ソリッド・フイルム・第129
巻)第309〜314頁1985“Influence of d.c.bias on Alu
minum Films Prepared with a High Rate Magnetron Sp
uttering Cathode"(Thin Solid Film、vol.129 PP309
〜314 1985)の報告がある。
しかし、プラズマを固定した状態のバイアススパッタ
リングでは、プラズマ近傍の基板上段差とプラズマから
離れたそれとでは、はっきりとした差が見られる。これ
は、バイアススパッタリング於て基板に流入するイオン
電流は、プラズマ中にあるアルゴンイオンの量であり、
固定されたプラズマからでは基板上のあらゆる点で均一
な基板流入電流を得ることはむずかしい。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上述べたように、バイアススパッタ法によって下地
形状に沿った付き廻り性の良い膜を形成することは可能
であるが、以下に述べるように実用に供するには多くの
課題がある。
1.基板内の付き廻り性分布が悪い。バイアススパッタリ
ング法において、基板に流れ込むアルゴンイオンは、プ
ラズマ中にいたものが殆んどであるため、そのプラズマ
近傍に位置した段差部での付き廻り性は良いが、プラズ
マから少し離れた位置での付き廻り性は劣る。
2.生成膜の膜質が悪い。バイアス電圧と電流による基板
投入電力エネルギによって基板温度が温度に上昇して鏡
面反射率の低下を招く。また、通常アルミ1μm厚さの
膜では、比抵抗が2.7μΩ−cm程度であるが、バイアス
電圧を印加した場合、バイアス電圧が高い程比抵抗も上
昇する。これは、結晶欠陥が多いことを示す。
以上、バイアススパッタリングによる金属膜を実用化
するために解決しなければならない課題を述べたが、こ
れらをまとめると、 1.基板内における付き廻り性の分布 2.膜形成時の基板温度の過度な上昇 である。
本発明の目的は、上記バイアススパッタリング方法の
課題を解決すべく、プレーナマグネトロン方式のスパッ
タリング成膜において、成膜対象基板の中央部における
過度な基板温度上昇を防止し、しかも成膜対象基板の中
央部と周辺部との間において下地形状に対する付き廻り
性分布をできるだけ均一にしてIC素子等への多層配線を
可能にした基板バイアス方式のマグネトロンスパッタリ
ング方法及びその装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するために、プラズマ移動
型のマグネトロンスパッタ電極を用いてターゲット材料
上に発生させるプラズマリングを中央部分と周辺部分と
の間において周期的に移動させてこのプラズマリングに
よってターゲット材料から叩きだされた成膜材料を、前
記ターゲット材料に対向する成膜対象基板上に形成され
た穴または段差部に対して中央部分と周辺部分との間に
おいて均一に充填して成膜するプレーナマグネトロン方
式のスパッタリング方法において、前記プラズマリング
を周辺部分に移動させたときにおいて、イオンを少なく
引き込む浅いバイアス電圧とイオンを多く引き込む深い
バイアス電圧とを1MHz以下の所望の繰り返し周波数で交
互に形成して周期的にその振幅が脈動する第1の脈動バ
イアス電圧を前記成膜対象基板に対して投入してバイア
ススパッタ成膜を施し、前記プラズマリングを中央部分
に移動させたときにおいて、イオンを少なく引き込む浅
いバイアス電圧とイオンを多く引き込む浅いバイアス電
圧とを1MHz以下の所望の繰り返し周波数で交互に形成
し、前記深いバイアス電圧の少なくとも前記繰り返し周
波数の周期に対するデューティを前記第1の脈動バイア
ス電圧に比べて小さくして周期的にその振幅が脈動する
第2の脈動バイアス電圧を前記成膜対象基板に対して投
入してバイアススパッタ成膜を施し、中央部分と周辺部
分との間におけるプラズマリングの移動に同期させて前
記第1および第2の脈動バイアス電圧を切り替えること
を特徴とする基板バイアス方式のマグネトロンスパッタ
方法である。
また本発明は、前記基板バイアス方式のマグネトロン
スパッタ方法において、前記第2の脈動バイアス電圧に
おける深いバイアス電圧の値を、前記第1の脈動バイア
ス電圧における深いバイアス電圧の値に比べて小さくし
たことを特徴とする。
また本発明は、ターゲット材料を備えたプラズマ移動
型のマグネトロンスパッタ電極と、穴または段差部を形
成した成膜対象基板を前記ターゲット材料に対向して載
置した基板電極とを備え、前記前記プラズマ移動型のマ
グネトロンスパッタ電極によってターゲット材料上に発
生させるプラズマリングを中央部分と周辺部分との間に
おいて周期的に移動させてこのプラズマリングによって
ターゲット材料から叩きだされた成膜材料を、前記成膜
対象基板上の穴または段差部に対して中央部分と周辺部
分との間において均一に充填して成膜するプレーナマグ
ネトロン方式のスパッタリング装置において、前記プラ
ズマリングを周辺部分に移動させたときにおいて、イオ
ンを少なく引き込む浅いバイアス電圧とイオンを多く引
き込む深いバイアス電圧とに対応する1MHz以下の所望の
繰り返し周波数で交互に形成して周期的にその振幅が脈
動する第1の脈動電圧波形を発生させ、前記プラズマリ
ングを中央部分に移動させたときにおいて、イオンを少
なく引き込む浅いバイアス電圧とイオンを多く引き込む
深いバイアス電圧とに対応する1MHz以下の所望の繰り返
し周波数で交互に形成し、前記深いバイアス電圧に対応
する電圧波形の少なくとも前記繰り返し周波数の周期に
対するデューティを前記第1の脈動電圧波形に比べて小
さくした第2の脈動電圧波形を発生させ、中央部分と周
辺部分との間におけるプラズマリングの移動に同期させ
て前記第1および第2の脈動電圧波形を切り替える脈動
電圧波形切替え発生手段と、前記プラズマリングを周辺
部分に移動させたときと前記プラズマリングを中央部分
に移動させたときの各々において、前記脈動電圧波形切
替え発生手段で切り替えられて発生された第1および第
2の脈動電圧波形を、イオンを少なく引き込む浅いバイ
アス電圧とイオンを多く引き込む深いバイアス電圧とを
前記繰り返し周波数とデューティとで交互に形成した第
1および第2の脈動バイアス電圧に変換するバイアス電
圧変換手段とを備え、該バイアス電圧変換手段の出力で
ある第1および第2の脈動バイアス電圧を前記基板電極
に接続して前記成膜対象基板上にバイアススパッタ成膜
を施すように構成したことを特徴とする基板バイアス方
式のマグネトロンスパッタ装置である。
ところで、バイアススパッタリング法に於ける付き廻
り性の改善は、基板バイアス電圧がプラズマポテンシャ
ルを基準に、少なくとも100V以上負でなければ、観察で
きなかった。また、このときの基板中央部分と周辺部分
(プラズマリング近傍)との付き廻り性比較では、周辺
部分の方が優れた付き廻り性であった。
この実験結果から、少なくとも成長中の膜表面に存在
するアルミ原子をその表面上で拡散させるには、プラズ
マポテンシャルに対して−100V程度のバイアス電圧が必
要であると考えられる。
また、付き廻り性の基板内分布を改善するためには、
成膜中にプラズマを動かし、プラズマリングが基板上の
あらゆる位置に対し、同じ条件にする必要があると考え
られる。
前述した実験では、基板に流入する電流は約1Aであ
り、即ち約100Wの電力が基板に投入されたことになる。
また、基板表面の温度上昇は、形成された膜の鏡面反射
率から400℃以上と推定された。このような電力の影響
を減ずるために基板印加電圧波形を単純な直流電圧から
パルス状のものとして、基板バイアスとして(負側に)
大きな電圧が印加されている時間を減じた。第7図は負
側に大きな電圧が印加されている時間をその1周期の時
間に対して20%とした時のパルス波形を示したものであ
る。パルスは2値をとるものであって、第7図の場合、
最深値は−170V、底値は−50Vである。
また、第8図は2重磁極スパッタ電極の内側コイル電
流(I in)と外側コイル電流(I out)を比率を変えた
時のプラズマ発生位置を示したものである。第8図の場
合、I in/I outは10A/−2Aと10A/0Aである。
第9図は、1回の成膜工程に於けるI inとI outの比
率と基板側の間欠バイアスのタイミングチャートの一例
を示したものである。成膜工程の1サイクル中に、コイ
ルの励磁条件を変えそれぞれのI in/I outに対し、バイ
アス電圧の深さや1周期に対する負側に大きい電圧印加
の割合を変えることで各々の条件で基板流入電流が制御
できる。そして、基板流入電流分布もほぼ一定にでき
る。
〔作用〕
前記構成により、成膜対象基板上の穴または段差部に
対して中央部分と周辺部分との間において付き廻り性が
ほぼ一様にし、且つ上記成膜対象基板全体に亘って基板
または形成膜に対して過度の温度上昇を防止して高品質
で良好な付き廻り特性を有する成膜を施すことができ
る。
第10図はプラズマ発生位置(プラズマリングの径)と
基板流入電流密度分布との関係を示したものである。プ
ラズマリングの径を小さく絞って成膜対象基板の中央部
分にした際(I in/I out=10A/−2A)1001には、基板に
流れ込むイオン電流が最大となり、プラズマリングの径
を大きくする(I in/I out=10A/0A)1002につれて基板
に流入する電流が減少する。プラズマに近い位置とプラ
ズマから離れた位置とで付き廻り形状を比べると、第11
図に示す如く、プラズマリング近傍に位置した基板上の
段差部で優れた付き廻り形状を示している。
そこで、ターゲット材料上に発生させるプラズマリン
グを中央部分と周辺部分との間において周期的に移動さ
せるのに同期して互いに深いバイアス電圧の周期に対す
るデューティの異なった1MHz以下の所望の繰り返し周波
数で交互に形成された周期的にその振幅が脈動する第1
および第2の脈動バイアス電圧を切り替えて成膜対象基
板に対して投入することによって、前記成膜対象基板上
の穴または段差部に対して中央部分と周辺部分との間に
おいて付き廻り性がほぼ一様し、且つ上記成膜対象基板
全体に亘って基板または形成膜に対して過度の温度上昇
を防止して高品質で良好な付き廻り特性を有する成膜を
施すことができる。
〔実施例〕
以下本発明の1実施例を第1図から第8図を用いて示
す。
本実施例では、基板に印加する電圧波形として波形の
制御の容易な方形波を用いた場合について示す。
第1図は、本発明に用いるスパッタ装置の構成を示し
ている。スパッタガス導入口112と排気口113とを有する
真空処理室101内にスパッタ電極108、該スパッタ電極に
装着したターゲット109、上記ターゲット109の侵食領域
以外のターゲット外周部と上記スパッタ電極とを間隔約
2mmで覆うアノード110、上記スパッタ電極に対向する位
置に配設した成膜対象基板102、該成膜対象基板102に電
位を印加する基板電極104とを具備するプレーナマグネ
トロンスパッタ装置を用いる。
ここでスパッタ電極108は、内側コイル1081と外側コ
イル1082に流す電流比を制御することによってプラズマ
リングを移動できる二重磁極方式のスパッタ電極108と
する。
例えば、ターゲット109としてアルミ99.999%以上の
高純度のAl−1wt%Si合金(以下アルミとする)のφ200
mmの円板を用い、成膜対象基板102としては直径125mmの
単結晶Siウェハを用いたスパッタ電極には内側コイル10
81と外側コイル1082のコイル電流を別々に制御できる直
流電源111を接続しアノード110および真空処理装置101
は接地して用いた。基板電極104には本発明に係わる基
板バイアス電位を成膜対象基板102に印加するためのバ
イアス電源120を接続する。
排気口113に接続した図示しない真空排気装置により
真空処理装置101内の残留ガス分圧を10−7〜10−8Torr
に保った状態で、ガス導入口112より高純度アルゴンガ
スを数百sccm導入し動作アルゴンガス圧力を3mTorr程度
に維持し、スパッタ電極108に10〜20KWの電力を投入し
スパッタ成膜を行う。成膜対象基板102上には半導体素
子同志または下層配線間を接続する配線膜として膜厚略
1μmのアルミ膜を形成する。
直流バイアススパッタ法では、バイアス電源120と堆
積させるアルミ膜とを電気的に接続するためにバイアス
スパッタ成膜を行う前に予め極薄い膜を成膜しておく必
要があり、この間をプリコート膜と呼ぶことにする。即
ち、成膜対象基板102を電気的に絶縁した状態で(バイ
アスを印加しないで)0.1〜0.2μm程度アルミ膜119を
成膜し、続いて一端を基板電極104に接続した爪状電極
部材103の他の一端を該アルミ膜119の表面に接触させる
ことにより該アルミ膜表面と基板バイアス電源120とを
接続し、残り0.8〜0.9μmをバイアススパッタ法により
成膜する。
バイアス電源120は、パルス電圧発生器105により発生
させた方形波を増幅する増幅器(バイアス電圧変換手
段)106とパルスの形状を設定しファイリングするた
め、および成膜中にパルス形状ファイルを交換するため
のコンピュータ107とにより構成されている。これらパ
ルス電圧発生器105およびコンピュータ107によって交番
波形切替え発生手段を構成する。成膜対象基板102に印
加するパルス形状ファイルの1例を第2図に示す。同図
の横軸は時間で縦軸は基板バイアス電圧である。パルス
形状は、最も浅いバイアス電圧値をVs、最も深いバイア
ス電圧値をVdと、1回のパルスの印加時間をτ、繰り返
し周期をTとした場合のτ/T(デューティ)とで定義す
る。即ち、時間Tのうちτだけ基板バイアス電圧が最も
深いバイアス電圧Vdとなり、デューティが0から1に増
すにつれて最も深い基板バイアス電圧Vdが印加されてい
る時間が長くなる。上記バイアス電源120は最も浅いバ
イアス電圧値(以下Vsとする)および最も深いバイアス
電圧値(以下Vdとする)を0V〜−300Vまで変化でき、デ
ューティが0.05〜0.95の範囲内で変化させて成膜でき
る。本実施例では最も浅いバイアス電圧Vsを−50Vとし
た。
また、第8図にスパッタ電極108における内側コイル1
081と外側コイル1082に流す電流の比率に対するプラズ
マ発生位置の関係を示した。
例えば、内側コイル径をφ110程度、外側コイル径を
φ190程度の二重磁極スパッタ電極108を使用した。
内側コイル電流(以下I inとする。)外側コイル電流
(以下I outとする。)とも−10A〜10Aの範囲で設定す
ることができ、I inに対しI outを逆向きに増大させる
とプラズマリングは小さく絞ることができI inとI out
を同相にしてI outを増大するとプラズマリングは大き
くなる。本実施例では、内側コイル電流I inを10Aと固
定し、外側コイル電流I outを−2A、0Aとした。
本発明では、プラズマ中のアルゴンイオンが基板に印
加した電圧波形に追従して空間を移動可能なことを特徴
としている。一般におよそ5MHz以上の周波数を電極に印
加すると、空間に存在する電子はこの5MHzの周波数に対
して追従するが、アルゴンイオンはその重量が大きいた
めに追従できないので、その電極前面で放電が発生す
る。従って本発明ではアルゴンイオンを電圧波形に追従
させるために、基板に印加する電圧波形の繰り返し周波
数を1MHz以下、即ち波形の繰り返し周期は1μ秒以上と
する。本実施例ではパルスの繰り返し周期Tを1msecと
した。
本発明の説明の前に、一定の直流バイアスを基板に印
加するバイアススパッタ法によるスルーホールへの付き
廻り性について述べる。第12図は一般の直流基板バイア
ス電源の出力電圧をパラメータとしてスルーホールへの
付き廻り性を評価した結果を示した図である。スルーホ
ールの寸法は直径が1μm、深さ1μmである。アルミ
の膜厚は1μmとした。−150Vの基板バイアスの時にス
ルーホールは付き廻り性良くアルミが成膜されるが、更
にバイアスを深くし−180Vの基板バイアスの時にはアル
ミ膜の温度が過度に上昇するために空洞がスルーホール
内に発生し、配線としてスルーホール部での接続信頼性
が低下する。これに対して、本発明によればスルーホー
ル内に空洞を取り残すことなく良好な付き廻り性を得る
ことができることを以下に示す。
まず二重磁極スパッタ電極を用いて、プラズマを動か
しながら成膜中にパルス形状ファイルを交換せずに、1
種のパルス形状ファイルを用いて成膜した場合について
このデューティをパラメータとして示す。
第13図はパルスデューティをパラメータとしてスルー
ホールへの付き廻り性を評価した結果を示したものであ
る。連続印加によるバイアス電圧が−180Vでは第12図に
示すごとくスルーホール内に空洞が残り、付き廻り形状
が好ましくないが、プラズマリングを動かしながら間欠
的にパルス状でこの電圧を印加するのであれば、第13図
のデューティ0.1〜0.2の結果に示すごとく空洞の発生は
なく、0.3〜0.5では下地を均一に覆うような好適な付き
廻り特性を得ることができる。更にデューティを0.8以
上にしていくと、空洞が発生し、第12図の−180Vの状態
と等価になる。
また、この時付き廻り性の基板内分布はプラズマリン
グを二位置組み合せることにより、プラズマがターゲッ
ト表面上を往復するため基板中央部と周辺部との付き廻
り性に差のない結果が得られる。
次に、アルミ膜質の改善効果について、膜の表面の荒
さの指標として表面反射率と膜内部に残される欠陥を表
す膜比抵抗について説明する。これについても基板表面
上でプラズマが動くため基板上の一部にイオン電流が集
中することがなくなり、反射率分布や膜比抵抗分布に対
しても良好である。
第14図は波長405nmの分光光度計により測定したアル
ミ膜表面の反射率の結果であり、横軸に最も深い基板バ
イアス電圧Vdをとってある。○は従来法と等価であるデ
ューティ=1の時、●はデューティ=0.5の時、×はデ
ューティ=0.1の時のものである。上記3種のいずれの
デューティにおいても基板バイアスを深くするに従い反
射率が低下するが、デューティを小さくするほど反射率
の低下を著しく小さくすることができる。第13図に示し
た良好な付き廻り特性を得ることのできる基板バイアス
電圧−180Vの場合では、従来法と等価であるデューティ
=1で反射率が約40%まで低下するのに対して、デュー
ティ=0.1では75%を確保できる。以上前述したように
本発明により膜温度の過度の上昇を防ぐことができる。
第15図は最も深い基板バイアス電圧Vdに対する膜の比
抵抗を示した図である。○は従来法と等価であるデュー
ティ=1の時、△はデューティ=0.5の時、×はデュー
ティ=0.1の時のものである。デューティ=1の場合で
は、基板バイアスを深くするほど比抵抗が増加してしま
い導電膜としての特性が劣化するのに対して、デューテ
ィ=0.1では基板バイアス電圧に対して殆ど変化せずに
バルク値(2.7μΩ−cm、図示せず)により近い値3.0μ
Ω−cmで安定している。以上本発明によれば膜内への欠
陥の導入を著しく低減できる。
即ち、プラズマを膜厚分布が良好な範囲で適当に移動
させながらデューティを適当に制御することによって、
付き廻り形状の改善効果を呈する深い基板バイアス電圧
値を維持したまま、基板に投入するトータルの電力を適
量に抑えることができる。結果として、本発明によれば
第13図のデューティ=0.3〜0.5と第14図、第15図に示す
ように良好な付き廻り性を得ることと、良質なアルミ膜
を得ることを両立することができる。
次に、成膜途中にパルス形状ファイルを交換する場合
について示す。
深い尖頭電圧を維持したまま基板に投入する電力を変
えた2値のファイル、例えば、第1のファイルとしてVs
=−50V、Vd=−200V、デューティ0.4の電圧波形、第2
のファイルとしてVs=−50V、Vd=−200V、デューティ
0.1の電圧波形によりバイアススパッタ成膜を行う。第
2のファイルは第1のファイルに比べてデューティを小
さくすることで基板への投入電力をを小さいものにして
いる。プリコート膜0.2μmを成膜した後、バイアスス
パッタ成膜初期の約0.4μmを上記第1のファイルで成
膜し、引続きより低電力である第2のファイルで残り約
0.4μm(合計約1μm)を成膜する。この際、第1の
ファイルによりプリコート膜を含め0.6μmまで成膜し
た時のアルミ膜の付き廻り性を第16図に示すが、この時
点で既に下地スルーホール形状にほぼ沿った良好な付き
廻り形状を得ており、第2のファイルによる残り0.4μ
mの成膜での付き廻り特性向上に対して非常に有利な下
地形状を得ることができる。
また成膜後期において基板投入電力を小さくしたこと
により、アルミ膜表面の反射率を高く維持できる。例え
ば上記第1のファイルのみによりプリコート膜を含めて
1μm成膜した場合の反射率が60%であるのに対して、
上記実施例による第1および第2の2種のファイルを用
いる場合は、70%の反射率を確保できる。
また、成膜途中パルス形状ファイルを交換するタイミ
ングとプラズマリングを動かすタイミングの同期をとっ
た場合について示す。
プラズマリングを小さく絞って時(I in/I out=10A/
−2A)のファイルを、Vs=−50V、Vd=−150V、Duty=
0.1の電圧波形とし、プラズマリングを大きくした時(I
in/I out=10A/0A)のファイルをVs=−50V、Vd=−20
0V、Duty=0.4の電圧波形として第一ファイル、第二フ
ァイルをある一定の周期で動かしながらバイアススパッ
タ成膜を行う。第一ファイルは、基板中央部の小さい面
積に対して電力が投入され第二ファイルでは、基板周辺
部の比較的大きい面積に対して電力が投入される。この
時各々の投入電力が基板内でほぼ一定になり、基板内で
の付き廻り性分布が向上する。
また、前述したような0.2μmのプリコート後の残り
の膜厚を0.4μmずつに分けて成膜するファイルと組み
合せることにより基板内付き廻り性分布が良く、またア
ルミ表面反射率の高い膜が得られる。
第一ファイルをI in/I out=10A/−2A、Vs=−50V、V
d=−150V、デューティ=0.1、第二ファイルをI in/I o
ut=10A/0A、Vs=−50V、Vd=−200V、デューティ=0.4
としてプリコート後の0.4μmをこの2つのファイルで
成膜し、残りの0.4μmを、第三ファイルとしてI in/I
out=10A/−2A、Vs=−50V、Vd=−100V、デューティ=
0.05、第四ファイルとして、I in/I out=10A/0A、Vs=
−50V、Vd=−150V、デューティ=0.1のファイルで成膜
した場合、第一、第二ファイルのみで成膜した時に反射
率が60%であるのに対して、上記実施例による第三、第
四ファイルを使った4種のファイルを用いることにより
80%の反射率を確保できる。
また、プリコートを0.2μm付けた後、残りの0.8μm
うち0.3μmを、第1ファイルI in/I out=10A/−2A、V
s=−50V、Vd=−125V、デューティ=0.15、第2ファイ
ル10A/−1A、−50V、−150V、0.2、第3ファイル10A/0
A、−50V、−175V、0.3で基板投入電力分布が一定にな
るようにプラズマを動かしながら成膜する。残りの0.5
μmは、バイアス電圧を浅くし、反射率を高く維持する
ことを目的として、第4ファイルI in/I out=10A/−2
A、Vs=−50V、Vd=−75V、デューティ=0.15、第5フ
ァイル10A/−1A、−50V、−100V、0.2、第6ファイル10
A/0A、−50V、−125V、0.2でやはりプラズマを動かしな
がら成膜する。この場合、低バイアスの膜厚比率が高く
なるため、上記4種のファイルよりも高い80〜85%の反
射率を確保することができる。
また、層間絶縁膜としてポリイミド系化合物を用いる
場合は逆に、該層間絶縁膜へ膜ダメージを与える顕著な
時期である成膜初期には極低電力とし、成膜後期になる
に従い必要充分な電力にする等して過度の温度上昇を防
ぎ、該ポリイミド系化合物の蒸発収縮や該ポリイミド系
化合物からの不純物ガス脱離等を抑制して、尚かつ高品
質で良好な付き廻り特性を得ることができる。
このように、成膜中に交換できるパルス形状ファイル
の内容およびファイルの数は1種以上何種類でも可能で
あり、スルーホールのディメンジョンや下地膜を性質に
合わせて適用することができる。尚、本発明の実施は上
述した実施例に限定されるものではない。例えば、基板
に印加する電圧波形としては方形波に限るものではな
く、2種以上の方形波を重畳した波形、正弦波および複
数の正弦波を組み合せた合成波、また上記方形波もしく
は正弦波を一定電圧に重畳させた電圧波形など、本発明
の主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが
可能である。
上記プリコート膜はアルミ膜に限られるものではな
く、Ti、Mo、Ta、W、やこれらのシリサイド膜やナイト
ライド膜であってもよい。
また配線膜としてはアルミ(もしくはアルミ合金)に
限らず、Ti、Mo、Ta、Wなどあらゆる金属材料あるいは
それらの合金を用いる場合の膜質改善を図ることができ
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、成膜対象基板上の穴または段差部に
対して中央部分と周辺部分との間において付き廻り性が
ほぼ一様にし、且つ上記成膜対象基板全体に亘って基板
または形成膜に対して過度の温度上昇を防止して高品質
で良好な付き廻り特性を有する成膜を施すことができ、
その結果IC素子等への多層配線を可能にする効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いるスパッタ装置の構成図、第2図
は基板に印加するパルス形状ファイルを示す図、第3図
はバイアススパッタの基本概念図、第4図は2重磁極ス
パッタ電極の概念図、第5図、第6図はスルーホール断
面構造図、第7図は本発明で使用したパルス形状の一実
施例を示す図、第8図は励磁条件別のプラズマ位置の一
実施例を示す図、第9図はタイミングチャートの一実施
例を示す図、第10図は本発明での基板流入電流分布の一
実施例を示す図、第11図はプラズマ固定時の付き廻り性
の一実施例を示す図、第12図は一般の直流バイアス電圧
印加時の付き廻り性の一実施例を示す図、第13図はパル
スデューティを変えた時の付き廻り性の一実施例を示す
図、第14図は本発明の鏡面反射率特性図、第15図は膜比
抵抗特性図、第16図は本実施例における付き廻り性の一
実施例を示す図である。 101……真空槽、102……基板、103……バイアス印加
爪、104……基板電極、105……パルスジェネレータ、10
6……アンプ、107……パソコン、108……スパッタ電
極、109……ターゲット、110……アノード、111……ス
パッタ電源、120……バイアス電源、301〜303……ヨー
ク、501、503……Al配線、502……絶縁層、1001、1002
……基板流入電流分布曲線、1401、1402、1403……鏡面
反射率曲線、1501、1502、1503……膜比抵抗曲線、108
1、1082……励磁コイル、1601……プリコート膜、1602
……第1ファイル膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島村 英昭 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 亀井 常彰 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭53−72790(JP,A) 特開 昭61−153275(JP,A) 特開 昭61−261472(JP,A) 特開 平1−195273(JP,A) 特公 昭61−27464(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ移動型のマグネトロンスパッタ電
    極を用いてターゲット材料上に発生させるプラズマリン
    グを中央部分と周辺部分との間において周期的に移動さ
    せてこのプラズマリングによってターゲット材料から叩
    きだされた成膜材料を、前記ターゲット材料に対向する
    成膜対象基板上に形成された穴または段差部に対して中
    央部分と周辺部分との間において均一に充填して成膜す
    るプレーナマグネトロン方式のスパッタリング方法にお
    いて、前記プラズマリングを周辺部分に移動させたとき
    において、イオンを少なく引き込む浅いバイアス電圧と
    イオンを多く引き込む深いバイアス電圧とを1MHz以下の
    所望の繰り返し周波数で交互に形成して周期的にその振
    幅が脈動する第1の脈動バイアス電圧を前記成膜対象基
    板に対して投入してバイアススパッタ成膜を施し、前記
    プラズマリングを中央部分に移動させたときにおいて、
    イオンを少なく引き込む浅いバイアス電圧とイオンを多
    く引き込む深いバイアス電圧とを1MHz以下の所望の繰り
    返し周波数で交互に形成し、前記深いバイアス電圧の少
    なくとも前記繰り返し周波数の周期に対するデューティ
    を前記第1の脈動バイアス電圧に比べて小さくして周期
    的にその振幅が脈動する第2の脈動バイアス電圧を前記
    成膜対象基板に対して投入してバイアススパッタ成膜を
    施し、中央部分と周辺部分との間におけるプラズマリン
    グの移動に同期させて前記第1および第2の脈動バイア
    ス電圧を切り替えることを特徴とする基板バイアス方式
    のマグネトロンスパッタ方法。
  2. 【請求項2】前記第2の脈動バイアス電圧における深い
    バイアス電圧の値を、前記第1の脈動バイアス電圧にお
    ける深いバイアス電圧の値に比べて小さくしたことを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の基板バイアス方式
    のマグネトロンスパッタ方法。
  3. 【請求項3】ターゲット材料を備えたプラズマ移動型の
    マグネトロンスパッタ電極と、穴または段差部を形成し
    た成膜対象基板を前記ターゲット材料に対向して載置し
    た基板電極とを備え、前記前記プラズマ移動型のマグネ
    トロンスパッタ電極によってターゲット材料上に発生さ
    せるプラズマリングを中央部分と周辺部分との間におい
    て周期的に移動させてこのプラズマリングによってター
    ゲット材料から叩きだされた成膜材料を、前記成膜対象
    基板上の穴または段差部に対して中央部分と周辺部分と
    の間において均一に充填して成膜するプレーナマグネト
    ロン方式のスパッタリング装置において、前記プラズマ
    リングを周辺部分に移動させたときにおいて、イオンを
    少なく引き込む浅いバイアス電圧とイオンを多く引き込
    む深いバイアス電圧とに対応する1MHz以下の所望の繰り
    返し周波数で交互に形成して周期的にその振幅が脈動す
    る第1の脈動電圧波形を発生させ、前記プラズマリング
    を中央部分に移動させたときにおいて、イオンを少なく
    引き込む浅いバイアス電圧とイオンを多く引き込む深い
    バイアス電圧とに対応する1MHz以下の所望の繰り返し周
    波数で交互に形成し、前記深いバイアス電圧に対応する
    電圧波形の少なくとも前記繰り返し周波数の周期に対す
    るデューティを前記第1の脈動電圧波形に比べて小さく
    した第2の脈動電圧波形を発生させ、中央部分と周辺部
    分との間におけるプラズマリングの移動に同期させて前
    記第1および第2の脈動電圧波形を切り替える脈動電圧
    波形切替え発生手段と、前記プラズマリングを周辺部分
    に移動させたときと前記プラズマリングを中央部分に移
    動させたときの各々において、前記脈動電圧波形切替え
    発生手段で切り替えられて発生された第1および第2の
    脈動電圧波形を、イオンを少なく引き込む浅いバイアス
    電圧とイオンを多く引き込む深いバイアス電圧とを前記
    繰り返し周波数とデューティとで交互に形成した第1お
    よび第2の脈動バイアス電圧に変換するバイアス電圧変
    換手段とを備え、該バイアス電圧変換手段の出力である
    第1および第2の脈動バイアス電圧を前記基板電極に接
    続して前記成膜対象基板上にバイアススパッタ成膜を施
    すように構成したことを特徴とする基板バイアス方式の
    マグネトロンスパッタ装置。
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