JP2597746B2 - 自走式作業ロボット装置 - Google Patents

自走式作業ロボット装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は配管内の作業を行なう自走式作業ロボットに
より遠隔操作用のケーブルや作業用の水ホース等を牽引
する際、ロボット後方でケーブル等にかかる張力並びに
ロボットの走行速度に追従してケーブル等を繰出しまた
は巻戻しを行なう自走式作業ロボット装置に関する。
(従来の技術) 配管内部の清掃、点検、塗装などの作業を行なう自走
式作業ロボットにおいては、遠隔操作用のケーブルや作
業用の水ホース等を配管入口から管内を牽引しながら走
行している。
すなわち、第4図に示すように地上からの遠隔操作用
のケーブル2および水ホース3等を配管出口の地上に設
置された巻取機4を介して管内の作業ロボット1に個々
に接続し、ケーブル2およびホース3を牽引しながら走
行させている。
配管には水平管だけでなく、傾斜管や垂直管および曲
管等があり、しかも作業ロボットは走行する管路長さの
ケーブルやホースを牽引する。
ケーブル2およびホース3は作業ロボット本体1によ
り管壁上を直接滑らせて牽引されるため、曲管エルボ部
や配管継ぎ目部の溶接ビードの引掛かり等により摩擦抵
抗が大きくなると、作業ロボット1は大きな牽引力が必
要となる。
特に作業用ロボット1が垂直管からそれ以降の配管内
を走行する場合には、ケーブル2および水ホース3の管
壁との摩擦抵抗が大きく、走行に支障を受け易いため、
大きな牽引力が必要になり、また作業ロボット1を垂直
管から帰還(後退)させる場合、ケーブル2およびホー
ス2が走行の妨げとなる。
(発明が解決しようとする課題) このように遠隔操作用のケーブル2および水ホース3
等を牽引しながら配管内部の清掃、点検、塗装等の作業
を行なう自走式ロボットでは、水平管、傾斜管、垂直
管、曲管エルボ部等がある配管や長い配管経路を牽引す
る場合、摩擦抵抗等の影響により牽引が困難となり、作
業ロボットの走行および作業に支障がある。
また、遠隔操作用のケーブル2および作業用の水ホー
ス3等には許容引張力があり、無理に牽引すると損傷し
てしまう。
したがって、作業ロボットの牽引力および配管出口の
地上に設置された巻取機の巻取力を大きくすることがで
きず、牽引力および巻取力は制限されてしまう。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目
的は作業ロボットの走行速度並びに遠隔操作用のケーブ
ル等の張力に応じて各々の繰出し、繰戻し速度を制御可
能とすることにより、牽引力および巻取力を軽減するこ
とができる自走式作業ロボット装置を提供するにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は上記の目的を達成するため、次のような自走
式作業ロボット装置を構成するものである。
(1)配管出入口の地上側に設置された巻取機により巻
取または巻戻される遠隔操作用ケーブル及び作業用ホー
スを牽引しながら配管内を走行し、所定の作業を行う作
業ロボットと、この作業ロボットと前記配管出入口との
間に配置され、前記作業ロボットの後方を追従して走行
する補助ロボットと、この補助ロボットに設けられ、前
記ケーブル及びホースを各々把持する把持機構とこの把
持機構により把持した状態で駆動モータにより各々独立
に駆動して前記ケーブル及びホースを繰出しまたは繰戻
し方向に移動させる移動機構とを備えたケーブル及びホ
ース送出し装置と、前記作業ロボットと前記ケーブル及
びホースとの連結部間に設けられた張力検出器と、この
張力検出器により検出された前記ケーブル及びホースの
張力と前記作業ロボットの走行速度に応じて予め設定さ
れた作業ロボット前進時または後退時の張力設定値にな
るように前記ケーブル及びホース送出し装置の駆動モー
タに制御信号を与えて前記ケーブル及びホースの繰出し
または繰戻し速度を制御する制御装置を備える。
(2)ケーブル及びホース送出し装置は、補助ロボット
の下部腹部の両側の前後部にそれぞれ取付けられ且つ駆
動モータにより各々独立に回転駆動される上下1対の回
転ローラとこれら前後部に対応する回転ローラ間に掛け
られたケーブル及びホースの外形に合う形状のキャタビ
ラにより移動機構を構成し、上下1対のキャタビラ間に
挿通させたケーブル及びホースをキャタビラ側に移動し
て把持する押え板とこの押え板を駆動する駆動源により
把持機構を構成する。
(3)制御装置は作業ロボット追従制御側と単独制御側
に切換える切換手段を有し、単独制御側はケーブル及び
ホース送り出し装置の速度として高速度設定、中速度設
定、低速度設定の何ずれかに切換え選択可能な選択回路
と、ケーブル及びホースの前進または後退の繰出し方向
が選択可能な選択回路とを備える。
(作用) このような構成の自走式作業ロボット装置にあって
は、配管出入口から配管経路を通して作業ロボットによ
り牽引される遠隔操作用ケーブルおよび作業用ホースが
作業ロボット後方の把持装置により把持されながらケー
ブルおよびホースの張力と作業ロボットの走行速度に応
じて各々独立に繰出しまたは繰戻されるので、作業ロボ
ットの牽引力を軽減することができると共に、ケーブル
およびホースへの過張力や引掛かり等による損傷を未然
に防止することが可能となる。
(実施例) 以下本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第1図は自走式作業ロボット装置の構成例を示すもの
である。第1図において、1は配管内部の清掃、点検、
塗装等の作業を行なう自走式作業ロボットで、この作業
ロボット1は配管出入口の地上側に設置された巻取機に
より巻取または巻戻される遠隔操作用ケーブル2および
作業用水ホース3を結合し、これらを各々牽引しながら
配管内を走行するものである。5は作業ロボット1の後
方を追従して走行する補助ロボットで、この補助ロボッ
ト5の下部腹部には第2図(a),(b)に示すような
構成のケーブル送出し装置6が設置されている。即ち、
このケーブル送出し装置6は補助ロボット5の下部腹部
の両側の前後部にそれぞれ上下1対の回転ローラ8が取
付けられ、これら前後部に対応する回転ローラ8間にケ
ーブルおよび水ホースの外形に合う形状を持つゴム製の
キャタビラ7が掛けられている。これら上下1対の前部
または後部の回転ローラ8軸には互いに噛合された歯車
9aが連結され、歯車機構9を構成している。そして、歯
車機構9には歯車9aを回転駆動するためのサーボモータ
10が連結されている。したがって、サーボモータ10によ
り歯車機構9を駆動することにより、上下1対のキャタ
ビラ7が走行することになる。また、上下のキャタビラ
7間に遠隔操作用ケーブル2および作業用水ホース3を
挿通させると共に、シリンダ11により押え板12を上下方
向に移動させることにより、ケーブル2および水ホース
3を把持できるようになっている。
一方、作業ロボット1とケーブル2および水ホース3
との結合部間にこれらの張力値を検出するロードセル13
が取付けられ、このロードセル13により検出された張力
値はひずみアンプ14を介して前述したサーボモータ10を
制御する制御装置15に入力される。この制御装置15はひ
ずみアンプ14よりアナログ入力回路16を介して入力され
る張力値と張力設定値とを比較し、その偏差分を図示し
ない速度検出器により検出された作業ロボット1の速度
検出値に加え、その出力を制御指定値としてアナログ出
力回路17を介してサーボモータ10を運転するACサーボド
ライバ18に入力することにより、サーボモータ10を制御
するものである。この場合、張力設定値としては作業ロ
ボット前進時の設定値と後退時の設定値があり、スイッ
チ19によりそのいずれかに切替られるようになってい
る。また、作業ロボット1の速度に追従できない等の支
障がある場合に備え、スイッチ20により作業ロボット追
従側から単独制御側に切換えられるようになっている。
この場合、ケーブル送出し装置の速度として高速度設
定、中速度設定、低速度設定のいずれかを選択回路21か
らの選択指令によりスイッチ22により切替選択し、さら
にスイッチ23により前進、後退の繰出し方向が選択可能
になっている。
次にこのように構成された自走式作業ロボット装置の
作用について述べる。いま、作業ロボット1がケーブル
2および水ホース3を牽引しながら前進しているものと
すれば、このときのケーブル2および水ホース3の張力
値がロードセル13により検出され、制御装置15に入力さ
れる。この制御装置ではその張力値と前進時の張力設定
値とを比較し、その偏差分を作業ロボット1の走行速度
に加えてサーボモータ10の速度指令とし、ACサーボドラ
イバ18に入力する。サーボモータ10はそのときの速度指
令に応じた回転速度で歯車機構9を駆動し、上下1対の
キャタピラ7が走行する。この場合、押え板12をシリン
ダ11により互いに接近する方向に移動させることによ
り、上下1対のキャタピラ7はケーブル2および水ホー
ス3と接触し、その摩擦力によりケーブル2および水ホ
ース3が把持された状態で移動する。
したがって、ケーブル2および水ホース3は作業ロボ
ット1の走行速度とロードセル13により検出された張力
値に応じた速度で順次繰出される。
以上は作業ロボット1が前進時の場合であるが、後退
時においてはサーボモータ10が逆転する以外は上記とほ
ぼ同様であり、ケーブル2および水ホース3の張力値と
作業ロボット1の速度に応じてケーブル2および水ホー
ス3が順次繰り戻される。
このように本実施例では作業ロボット1の走行速度と
ロードセル13により検出されたケーブル2および水ホー
ス3の張力値に応じてケーブル2および水ホース3を把
持しながら自動的に繰出し、または繰戻し速度を制御す
るようにしたので、特に作業ロボット1が配管出入口か
ら水平管、傾斜管、垂直管や曲管等を通る長い経路を作
業する場合であっても作業ロボット1の牽引力を軽減す
ることができると共に、ケーブル2および水ホース3へ
の過張力や引掛かり等による損傷を防止することができ
る。
上記実施例では水平管内を走行する作業ロボット1に
追従する補助ロボット5について述べたが、作業ロボッ
ト1が第3図に示すように水平管に垂直管がつながる配
管内を作業する場合には、補助ロボット5を垂直管24の
手前まで作業ロボット1に追従させ、それ以降は補助ロ
ボット5に取付けられたスタンドより送出される昇降ロ
ープ25を介して作業ロボット1をサポートすると共に、
ケーブル送出し装置6からケーブル2および水ホース3
を繰出すことにより、作業ロボット1はケーブル2およ
び水ホース3の牽引力に影響されず、円滑な作業および
走行ができる。また、上昇走行時にはケーブル2および
水ホース3を巻戻すことにより、作業ロボット1の走行
の妨げを防止することができる。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、作業ロボットの走
行速度並びに遠隔操作用のケーブルおよび作業用のホー
スの張力に応じて各々の繰出し、繰戻し速度を制御可能
としたので、牽引力および巻取力を軽減することができ
ると共にケーブルおよびホースの損傷を防止することが
できる自走式作業ロボット装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による自走式作業ロボット装置の一実施
例を示す構成図、第2図は同実施例の機構説明図、第3
図は水平管に垂直管がつながら配管内を作業する作業ロ
ボットに本発明装置を適用した場合の状態を示す図、第
4図は従来の作業ロボットによるケーブル牽引状態を示
す説明図である。 1……作業ロボット、2……遠隔操作用ケーブル、3…
…作業用水ホース、4……地上巻取機、5……補助ロボ
ット、6……ケーブル送出し装置、7……キャタピラ、
8……回転ローラ、9……歯車機構、10……サーボモー
タ、11……シリンダ、12……押え板、13……ロードセ
ル、15……制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−172915(JP,A) 特開 平1−281262(JP,A) 特開 昭62−236694(JP,A) 実開 昭61−169433(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配管出入口の地上側に設置された巻取機に
    より巻取または巻戻される遠隔操作用ケーブル及び作業
    用ホースを牽引しながら配管内を走行し、所定の作業を
    行う作業ロボットと、この作業ロボットと前記配管出入
    口との間に配置され、前記作業ロボットの後方を追従し
    て走行する補助ロボットと、この補助ロボットに設けら
    れ、前記ケーブル及びホースを各々把持する把持機構と
    この把持機構により把持した状態で駆動モータにより各
    々独立に駆動して前記ケーブル及びホースを繰出しまた
    は繰戻し方向に移動させる移動機構とを備えたケーブル
    及びホース送出し装置と、前記作業ロボットと前記ケー
    ブル及びホースとの連結部間に設けられた張力検出器
    と、この張力検出器により検出された前記ケーブル及び
    ホースの張力と前記作業ロボットの走行速度に応じて予
    め設定された作業ロボット前進時または後退時の張力設
    定値になるように前記ケーブル及びホース送出し装置の
    駆動モータに制御信号を与えて前記ケーブル及びホース
    の繰出しまたは繰戻し速度を制御する制御装置を備えた
    ことを特徴とする自走式作業ロボット装置。
  2. 【請求項2】ケーブル及びホース送出し装置は、補助ロ
    ボットの下部腹部の両側の前後部にそれぞれ取付けられ
    且つ駆動モータにより各々独立に回転駆動される上下1
    対の回転ローラとこれら前後部に対応する回転ローラ間
    に掛けられたケーブル及びホースの外形に合う形状のキ
    ャタビラにより移動機構を構成し、上下1対のキャタビ
    ラ間に挿通させたケーブル及びホースをキャタビラ側に
    移動して把持する押え板とこの押え板を駆動する駆動源
    により把持機構を構成したことを特徴とする請求項1記
    載の自走式作業ロボット装置。
  3. 【請求項3】制御装置は作業ロボット追従制御側と単独
    制御側に切換える切換手段を有し、単独制御側はケーブ
    ル及びホース送り出し装置の速度として高速度設定、中
    速度設定、低速度設定の何ずれかに切換え選択可能な選
    択回路と、ケーブル及びホースの前進または後退の繰出
    し方向が選択可能な選択回路とを備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の自走式作業ロボット装置。
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