JP2597735B2 - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JP2597735B2
JP2597735B2 JP16145090A JP16145090A JP2597735B2 JP 2597735 B2 JP2597735 B2 JP 2597735B2 JP 16145090 A JP16145090 A JP 16145090A JP 16145090 A JP16145090 A JP 16145090A JP 2597735 B2 JP2597735 B2 JP 2597735B2
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虔一 天野
利夫 藤田
綽久 田畑
昭三郎 中野
修三 上田
健二 白浜
英正 戸村
嶽 中村
宏 岡田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、建築物とその基礎との間に配設し、建築
物の鉛直荷重を支えかつ地震による基礎の振動を建築物
に直接伝達しないための緩衝材となる免震装置に関す
る。
(従来の技術) この種の免震装置としては、建築と基礎との間に、鉛
直荷重を支持しかつ水平方向の地震力を弾性変形により
緩衝する弾性体と、水平方向の地震力を弾性変形そして
塑性変形により吸収する一定断面積の鋼棒とを並設した
構造のものが、特開昭60−223576号公報に提案されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 上述の免震装置においては、地震の際鋼棒に生じる曲
げモーメントの分布に応じて鋼棒の軸方向中央付近(以
下中央部と示す)高い応力が発生し、その結果鋼棒全体
ではなくその中央部にのみ集中的に大きな弾性歪み、ひ
いては塑性歪みが生じる。このため、鋼棒の弾塑性変形
によって吸収可能の地震力の範囲は、その中央部の剛
性、耐力等に制限されるため比較的狭く、従って中小地
震から大きな地震まで幅広く対応することができない。
即ち中央部の剛性や耐力等を考慮して横断面積の大きな
鋼棒を用いると、大きな地震力に対しては好ましいエネ
ルギ吸収作用を発揮するものの、小さな地震力に対して
は鋼棒の剛性が高すぎて十分な弾性変形、ひいては塑性
変形を生じさせることができず、一方横断面積の小さな
鋼棒を用いると、小さな地震力に対しては適当な免震機
能を発揮するものの、大きな地震力に対しては容易に破
断してしまい、いずれの場合にあっても地震エネルギー
に対して幅広い吸収機能を得ることができないところに
問題があった。
そこで発生頻度の高い地震に対して有効なエネルギ吸
収作用を発揮させるべく、この高頻度地震に対応させた
一定の断面積で鋼棒を設計するのが通例であったが、大
きな地震が発生した場合には鋼棒の変形が追従できず、
鋼棒が折損するおそれがあった。
なお大きな地震力の作用に伴い基礎と建築物との間に
大きな相対移動が生じることを考慮して、この相対移動
量に見合う大きな許容変形量を鋼棒に付与すべく鋼棒を
長くすることも考えられるが、これでは鋼棒の弾性変形
域が広がってしまい、中小地震の範囲では弾性変形に終
始して十分に地震エネルギーの吸収し得ないことにな
る。
この発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、
小地震から大地震まで幅広い範囲にわたって適用可能の
免震装置について提案することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この発明は、建築物とその基礎との間に、該建築物の
荷重を支持しかつ水平方向の地震力を弾性変形によって
緩衝する弾性体と、水平方向の地震力を弾塑性変形によ
って吸収する鋼棒とを並設した免震装置において、上記
鋼棒は変態誘起塑性を有する鋼材になることを特徴とす
る免震装置である。
(作 用) さて鋼における変態誘起塑性(Transformation Induc
ed Plasticity:以下TRIPと示す)とは、鋼材を変形した
とき、鋼中に含まれるオーステナイト相が次々にマルテ
ンサイト変態することによって均一伸びが大きく増加す
る特性を指す。このとき生成されたマルテンサイトは、
鋼材の強さを高める働きもある。
このような特性を有する鋼材を棒状に成形し、この鋼
棒を免震装置のダンパーとして用いると、地震の際には
鋼棒の軸方向に沿って応力が生じて歪みが発生し、よっ
て鋼中のオーステナイトはマルテンサイト変態をおこし
均一伸びの増加した鋼棒となる。
上述のように、鋼棒には地震の際に生じ曲げるモーメ
ントの分布に応じてその中央部に高い応力が発生し、中
央部にのみ大きな弾性歪み、ひいては塑性歪みが生じ、
大きな地震では容易に破断してしまう。
ところが鋼棒がTRIPを有していると、大きな塑性歪み
を生じた部分はマルテンサイト変態をおこして硬化し、
鋼棒の中央部に集中していた塑性歪みは鋼棒の他の部分
に順次移動する。即ち発生する弾性歪みひいては塑性歪
みを鋼棒全体にわたって均一化できる。これにより、鋼
棒に局所的に大きな塑性歪みが発生するのを抑え、小変
形から大変形までの広い範囲でダンパーとしての機能を
期待できる。
また鋼棒の形状は、歪みの集中をさけるため、軸方向
に下端から上端に向けて先細りとなる形状とすることが
好ましい。
なおこの発明に好適な鋼は、使用温度以上のMd(加工
によりマルテンサイト変態が開始する温度)点を有し、
使用温度でTRIPを示す材料であればいかなる材料でも良
い。
(実施例) 以下この発明の好適な実施例を、図面に参照して詳述
する。
第1図にこの発明に従う免震装置の一実施例を示し、
この装置は、建築物1とその基礎2との間に、建築物1
の荷重を支持しかつ水平方向の地震力を弾性変形によっ
て緩衝する弾性体3と、水平方向の地震力を弾塑性変形
によって吸収する、TRIPを具備する鋼材からなる鋼棒4
とを並設したものである。
弾性体3は、ネオプレンゴム等を平板状に形成してな
る弾性シートと、鋼等の金属をこの弾性シートと同形状
に形成してなる金属シートとを接着材を介在させて交互
に積層し、この両端に平板状のエンドプレート5を取付
けて構成し、各エンドプレート5は上記した建築物1と
基礎2とにそれぞれ固定する。
また鋼棒4は、第2図に具体的に示すように、まず下
端4aのみを片持ち梁様に基礎2に挿入して固定すると共
に、上端4bを球面すべり軸受6を介して建築物1の下部
に固定した鋼製のダンパ受架台7に連結した構造にな
る。なおこの実施例において鋼棒4は円形断面である
が、角形や円環形等の断面形状の棒を用いてもよい。
TRIPを具備する鋼棒4は中小地震から巨大地震までの
揺れに対して変形が十分に追従できるため、小変形から
大変形まで広い範囲でダンパとして機能し、免震装置全
体の性能を向上できる。
実験例 第3図に示す実験装置を用いて、鋼棒にTRIPをそなえ
る鋼材を用いた場合の特性を、比較としてPC鋼棒(JIS
G3109 SBPR A種1号に準拠)を用いた場合の特性と併せ
て調べた。同図の実験装置は、固定配置したダンパー取
付部8に鋼棒4の下端を固定する一方、鋼棒4の上端を
軸受9を介して載荷用ジグ10に固定して試験に供するも
のである。
そして試験はこの実験装置における載荷用ジグ10を水
平方向に多数回変位させ、荷重と変位量から鋼棒4の累
積エネルギー吸収量を算出した。
なお鋼棒に用いたTRIP鋼材の成分組成は表1に示す通
りで、またPC鋼材を含む各鋼材の測定結果を表2に示
す。
表2から、TRIP鋼棒は従来のPC鋼棒に比較して破断ま
での回数および累積エネルギ吸収量が共に高いことがわ
かり、この発明に従う装置の免震効果が高いことが立証
できた。
(発明の効果) 以上説明したようにこの発明に従う免震装置によれ
ば、地震の際に鋼棒の軸方向に沿って生じる応力分布は
均一化され、発生する弾性歪み、ひいては塑性歪みを鋼
棒全体にわたって均一化することができ、しかも破断ま
での繰り返し回数が増加し、大きな累積エネルギを吸収
することが可能になるため、小変形から大変形までの広
い範囲でダンパとしての機能を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に従う免震装置の一実施例を示す側面
図、 第2図は免震装置の鋼棒付近の構造を示す側面図、 第3図は実験装置を示す側断面図である。 1……建築物、2……基礎 3……弾性体、4……鋼棒 4a……下端、4b……上端 5……エンドプレート、6……球面すべり軸受 7……ダンパー受架台、8……ダンパー取付部 9……軸受、10……載架用ジグ
フロントページの続き (72)発明者 田畑 綽久 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (72)発明者 中野 昭三郎 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (72)発明者 上田 修三 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (72)発明者 白浜 健二 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組東京本社内 (72)発明者 戸村 英正 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組東京本社内 (72)発明者 中村 嶽 東京都清瀬市下清戸4―640 株式会社 大林組技術研究所内 (72)発明者 岡田 宏 東京都清瀬市下清戸4―640 株式会社 大林組技術研究所内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物とその基礎との間に、該建築物の荷
    重を支持しかつ水平方向の地震力を弾性変形によって緩
    衝する弾性体と、水平方向の地震力を弾塑性変形によっ
    て吸収する鋼棒とを並設した免震装置において、上記鋼
    棒は変態誘起塑性を有する鋼材になることを特徴とする
    免震装置。
JP16145090A 1990-06-21 1990-06-21 免震装置 Expired - Lifetime JP2597735B2 (ja)

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JPH0452385A JPH0452385A (ja) 1992-02-20
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