JP2597692Y2 - 排ガス中のダスト試料採取器 - Google Patents

排ガス中のダスト試料採取器

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JP2597692Y2
JP2597692Y2 JP1993041628U JP4162893U JP2597692Y2 JP 2597692 Y2 JP2597692 Y2 JP 2597692Y2 JP 1993041628 U JP1993041628 U JP 1993041628U JP 4162893 U JP4162893 U JP 4162893U JP 2597692 Y2 JP2597692 Y2 JP 2597692Y2
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博 濁川
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濁川理化工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ダスト試料採取器挿入
孔の狭い管、特に挿入孔の直径が50mm程度のダスト濃
度などを測定するためのダスト試料採取器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】排ガス中に含まれるダスト濃度を測定す
る場合、排ガス流路中のダスト粒子分布と同じ粒子分布
を有する状態にて排ガスの試料をノズルより吸引する、
そのためには、排ガス流速とノズル内流速を等しくしな
ければならない。所謂「等速度吸引」が必要である。こ
の試料ガスを濾過層を通しでこの濾過層上にダスト粒子
を捕集し、この捕集した粒子重量と通過させたガスの量
を標準状態に換算した体積1m3 当たりのmg/m3
で表してダスト濃度としている。
【0003】このためには排ガスの流速を測らねばなら
ない。排ガスの流速v(m/s)を求めるためにはピト
ー管を使用して動圧(mmH2 O)を計測し、流速の計算
式:v=c(2gH/γ)-2 より求める。この場合、
cはピトー管係数であり、gは重力の加速度、γはガス
の密度である。
【0004】このγの値を知るためにガス成分を分析
し、水分の%をはかり、温度と圧力を計測しなければ得
られない手間のかかるものである。上記のような手段や
計測により排ガス中のダスト濃度測定のためには、『煙
道排ガス中のばいじん量の測定方法』として日本工業規
格JIS Z8808で規制されており、ダストを含む
排ガスを、測定点における流速と等しい速度でガスを吸
引ノズルから採取し、排ガス中のダスト濃度を乾き排ガ
スの単位体積中のダスト質量で表わさなければならな
い。
【0005】そこで、本考案者等は、ピトー管の動圧
と、ガス吸引ノズルから吸引される排ガスの流速をベン
チュリー管で検出した圧力の両方を常に平衡に保ちつつ
ガス吸引ノズルから排ガスを吸引捕集し、吸引ガス量と
捕集ダスト重量からダスト濃度を求めるようにした排ガ
ス自動等速吸引装置に関する技術を特公昭56−669
7号公報ですでに提案している。
【0006】以上のごとき排ガス中のダスト濃度測定装
置の排ガス試料採取器には、ピトー管と、ガス吸引ノズ
ルと、そのガス吸引ノズルから吸引したガスを濾過して
ダストを捕集する濾紙と、その濾紙ホルダー等で構成さ
れている。この場合、排ガスの流れる管路に直角に排ガ
ス試料採取器の先端を挿入する挿入孔の内径は、排ガス
の流れる管路より小さくなり、排ガス試料採取器の挿入
径も当然制限を受けることになる。特に、近年はエンジ
ン等の排気管等の排気ガスの性質を測定する要望が多
く、この排気管等に開口される挿入孔は50mm径程度の
小径のものが多い。
【0007】しかしながら、従来使用されている排ガス
試料採取器では、ガス吸引ノズルの下流側に、ダスト捕
集用のサック形状の濾紙の開口部をかぶせるようにセッ
トし、その濾紙の外周をガラス製の円筒濾紙ホルダーに
挿入して構成している。この円筒濾紙ホルダーの排ガス
試料採取器の本体側との組付部は、充分な強度と密封性
を保持するために円筒濾紙ホルダーの端部にフランジ部
を形成し、そのフランジ部より外径の大きなリングナッ
トなどの連結金具で組付けており、ガス吸引ノズルの周
囲がかなり太いものとなっている。
【0008】更に、この構造のガス吸引ノズルに対して
ピトー管が固定的に併設されている関係から、このガス
吸引ノズル回りの外径が大きくなり、ガス吸引ノズルと
ピトー管とを一緒に設けた状態では、前記挿入孔の制限
寸法の50mm径の要請に合致しないという本質的な問題
があった。また、排ガス試料採取器では、上記円筒濾紙
ホルダーの他に管内の排ガスの流速を測定する2本のピ
トー管と排ガスの温度を測定するための温度センサーと
して熱電対が装備されている。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】これらピトー管の先端
のガス流入口と、熱電対と、更にガス吸引ノズルのの方
向をピトー管の方向と一致されたガス吸引口とほぼ同位
置になるようにそれぞれ同定されているので、装置の先
端部分全体の外径はかなり大きなものとなる。従って、
挿入孔への挿入時、および引抜き時に挿入孔への引っ掛
からないように作業を慎重にしなければならない。
【0010】その上にガス吸引ノズルのガス吸引口は、
濾紙のセットの位置によりその都度前後にずれることが
あり、ピトー管のガス流入口の中心とガス吸引ノズルの
ガス吸引口の中心との位置が僅かながらずれる恐れがあ
り、正確な測定がなされないという問題もあった。本考
案は、前記従来の問題点を解決するためになされたもの
であり、排ガスの流れる管路に設けられた狭い挿入孔に
も容易に挿入できる外径を有し、円筒濾紙ホルダーにノ
ズル及び円筒濾紙を容易に嵌着脱着でき、更に嵌着した
円筒濾紙ホルダーのノズル方向をピトー管の方向に合は
せることも可能になり、しかもガス吸引ノズルに併設さ
れるピトー管を、ガス吸引ノズルに対して移動可能と
し、ピトー管の先端とガス吸引ノズルの先端位置に簡単
に調節して固定できる排ガス試料採取器を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めの本考案にかかる排ガス中のダスト試料採取器は、ガ
スの流速を測定するピトー管と、このピトー管と同位置
で前記ガスの流速と同一速度で吸引するノズルを併設
し、この吸引ノズルより吸引した試料ガスを濾過する装
置において、採取器本体に固定された円筒濾紙ホルダー
のテーパー部に前記吸引ノズルのテーパー部に濾紙を嵌
着した状態で嵌合すると共にこのテーパー部の肩部にパ
ッキングをあてがい、前記ホルダーのテーパー部の外周
に設けたネジ部に袋ナットを螺合して固定し、この嵌着
した円筒濾紙ホルダーのノズル方向をピトー管の方向と
同一にし、更にピトー管は吸引ノズルに対してその位置
を変更できるように採取器本体に対して移動可能に固定
されている。
【0012】
【作 用】上記の構成からなる排ガス中のダスト試料採
取器では、排ガスの流れる管路に設けられた挿入孔から
管路に挿入するピトー管および濾紙をセットしたガス吸
引ノズルを挿入した円筒濾紙ホルダーを含む全体の外径
が小さく、かつコンパクトに形成され、採取器の挿入孔
への挿入を容易にすると共に、その挿入および引出し時
にピトー管をスライドさせることによりその挿入、引出
しをさらに容易にし、しかもピトー管とガス吸引ノズル
方向と各先端部の中心位置を確実に合致固定することが
できる。
【0013】
【実 施 例】以下図面を参照して本考案の排ガス中の
ダスト試料採取器の一実施例について説明する。図1は
その排ガス中のダスト試料採取器の一部を破断面で示す
側面図、図2は図1のガス吸引ノズル部の側断面図、図
3は図1のA−A矢視正面図、図4は図2のB−B矢視
正断面図、そして図5は図2のC−C矢視正断面図であ
る。
【0014】まず、この採取器は、図示されていない排
ガスの流れる管路に設けられた挿入孔からその管路内に
挿入して、その排ガスのダスト濃度などを測定するため
のガス試料を採取するものであり、その先端には2本の
ピトー管13とガス吸引ノズル11とが併設されてい
る。ピトー管13は上記管路内の排ガスの流速を測定す
るものであり、その排ガスの流速とガス吸引ノズル11
から吸引される排ガス試料の流速とを等しくするための
基準値を得るものである。
【0015】次にガス吸引ノズル11はガラス製であっ
て、その後端の下流側はテーパ部11aが形成されて細
くなっている。そしてこのテーパー部11aに先端が閉
止した円筒状のサック形の濾紙12(一般にガラス繊維
製)の開口部をセットする。そして濾紙12と共にガス
吸引ノズル11をステンレス鋼などの金属製の円筒濾紙
ホルダー4内に挿入する。
【0016】この実施例においては、円筒濾紙ホルダー
4の前端に外側濾紙押え3の端部のねじ部Yがねじ込ま
れているが、この外側濾紙押え3の内面は先細りのテー
パー面3aに形成され、そして先端部にねじ部Xを有し
ており、ガス吸引ノズル11のテーパー部11aと外側
濾紙押え3のテーパー面3aとの間に濾紙12の開口部
の近傍を挟み込んで気密に固定する。次にガス吸引ノズ
ル11の前記テーパー部11aの肩部にパッキン2を介
在させ、袋ナット1をねじ部Xに螺合して組付ける。
【0017】なお、円筒濾紙ホルダー4の先端部に外側
濾紙押え3が別体として製作されて取付けられているの
は、この外側濾紙押え3の内面にテーパー面3aを正確
に形成し濾紙12をノズル11との間に容易に嵌着し、
また脱着することのできるようにしたものである。外側
濾紙押え3は円筒濾紙ホルダー4の一部を形成する円筒
体であって、円筒濾紙ホルダー4と同様に小径に形成す
ることが可能である。そしてガス吸引ノズル11の肩部
11bを押圧する袋ナット1はこの外側濾紙押え3より
僅かに大きな径とする程度であって、このガス吸引ノズ
ル11回りは著しくスリムに形成されている。
【0018】前記円筒濾紙ホルダー4の端部にはねじ部
5が形成され、採取器本体32より突出している管30
のフランジ部に設けた袋ナット8と螺合され、この管3
0にはガスの流速を測定するためのベンチュリ部33が
接続されている。さて、この種のガス試料採取器におい
ては、ガス吸引ノズル11の位置を流れるガスの速度を
検出し、ガスの吸引速度をその速度に合わせなければそ
の流れの一部を正確に採取したことにならない。そこで
ガスの吸引ノズルの位置の流れの速度を測定するために
ピトー管13が併設される。
【0019】ガス吸引ノズル11の開放入口部は、挿入
した排ガスの管路内の排ガスの流れ方向に向って開孔す
ると共に、ピトー管13の全圧方向と一致して使用しな
ければならないが、ガス吸引ノズル11を円筒濾紙ホル
ダー4に取付後、円筒濾紙ホルダー4の後端のねじ部5
と採取器本体32側の袋ナット8の螺合により正確な方
向に固定することができる。
【0020】採取器本体32を構成する筒管31の前後
は固定盤17,18で閉止されて筒体を構成し、この筒
管31の固定盤17側に固定された管30にベンチュリ
ー部33が接続され、管16で固定盤18に固定され、
この管16の端部に袋ナット15を介してL形のつなぎ
管14を連結している。ガスの流速を測定するための全
圧用と静圧用の2本のピトー管13の連結管13aは前
記筒管31を貫通し、矢印H方向に移動可能に挿入し、
止めねじ10によって位置決めしている。従って、この
ピトー管13とガス吸引ノズル11との位置をピトー管
13を移動させて正確に合わせることができる。
【0021】本考案の排ガス中のダスト試料採取器を使
用する際は、ピトー管13を後方位置に矢印Hに引く。
すると採取器は先端には吸引ノズル11が突出した状態
となるので、ガス吸引ノズル11を排ガスの流れる管路
内に簡単に挿入できる。次にピトー管13を押し出して
前記管路内に挿入して吸引ノズル11との位置合わせを
行なって止めねじ10で固定する。従って、吸引ノズル
11とピトー管13からなる採取器の頭部の管路内へ挿
入する際の引っ掛かりを防止し、挿入を円滑に行うこと
ができる。
【0022】また、採取器の頭部を採取孔からの引き抜
き時にも、まず止めねじ10を緩めてピトー管13のみ
を引き抜き、次に吸引ノズル11を引き抜くことにより
引っ掛かりが防止できる。ピトー管13の連結管13a
にはカラー9がねじ止めしてあり、このカラー9をピト
ー管13を前進させた状態で固定盤18に当接するよう
に位置決めしておけば、前記採取器の頭部を排気管の採
取孔に挿入した後でピトー管13を所定の位置、即ち吸
引ノズル11の位置に正確に合わせて固定することがで
きる。
【0023】一方、この採取器を排気管内に挿入孔から
挿入してガス試料を採取する際に、ピトー管13の先端
の開口部とガス吸引ノズル11の先端の開口部のそれぞ
れの中心の方向が同じ方向になっていなければならない
が、これらは管路内に入っているので外部から見ること
ができない。このため、筒管31の後部に突出したL形
つなぎ管14を管16に固定する際に袋ナット15を操
作してガス吸引ノズル11方向とL形つなぎ管14の方
向が一致するように調節しておくと良い。これは、排気
管の外部からこの排気管内に挿入されているガス吸引ノ
ズル11方向を決定する時に便利である。
【0024】図1に示すようにピトー管13の位置に温
度センサーとして熱電対19が併設されているが、この
熱電対19の先端はピトー管13の側部に設けたセンサ
ーガイド20を通して先端の位置を決めし、途中は固定
盤17を経由し、固定盤18でその端部を止めねじ32
で押えて固定している。
【0025】
【考案の効果】本考案にかかる排ガス中のダスト試料採
取器は、ガスの流速を測定するピトー管と、このピトー
管と同位置で前記ガスの流速と同一速度で吸引するノズ
ルを併設し、この吸引ノズルより吸引した試料ガスを濾
過しダストを採取する装置において、採取器本体に固定
された円筒濾紙ホルダーのテーパー部に前記吸引ノズル
のテーパー部に濾紙を嵌着した状態で嵌合すると共に、
このテーパー部の肩部にパッキンをあてがい、前記ホル
ダーのテーパー部の外周に設けたネジ部に袋ナットを螺
合して固定し、この嵌着した円筒濾紙ホルダーのノズル
方向をピトー管の方向と同一にし、更にピトー管は吸引
ノズルに対してその位置を変更できるように採取器本体
に対して移動可能に固定されて構成されている。
【0026】従って、ガス吸引ノズルに対してピトー管
を移動可能に採取器本体に設けているので、このガス吸
引ノズルとピトー管を別々に排ガスが流れる管路のガス
採取孔に挿入することができるために、このガス採取孔
が小径であってもこれに簡単に挿入し、ガス試料を採取
することができる。
【0027】また、ガラス製のガス吸引ノズルに濾紙を
取付け、これを外側濾紙押え内に挿入した時に、このガ
ス吸引ノズルの位置が変化することがあるが、この位置
の変化に対してピトー管側の位置を調節して位置合わせ
して、ガスを吸引する部分のガスの流速を正確に測定す
ることができる。また、ガス吸引ノズルおよび濾紙を挿
入する円筒濾紙ホルダーを小径の金属製の管とすること
により、このガス吸引ノズル回りの寸法を小さくするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の排ガス中のダスト試料採取器の一実施
例に係る一部破断面で示す説明図である。
【図2】図1のガス吸引ノズル部の側断面図である。
【図3】図1のA−A方向の正面図である。
【図4】図2のB−B方向の正断面図である。
【図5】図2のC−C方向の正断面図である。
【符号の説明】
1 固定ねじ 4 円筒濾紙ホル
ダー 8 固定ねじ 11 ガス吸引ノズ
ル 12 濾紙 13 ピトー管

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガスの流速を測定するピトー管と、こ
    のピトー管と同位置で前記ガスの流速と同一速度で吸引
    するノズルを併設し、この吸引ノズルより吸引した試料
    ガスを濾過しダストを採取する装置において、 採取器本体に固定された円筒濾紙ホルダーのテーパー部
    に前記吸引ノズルのテーパー部に濾紙を嵌着した状態で
    嵌合すると共に、このテーパー部の肩部にパッキンをあ
    てがい、前記ホルダーのテーパー部の外周に設けたネジ
    部に袋ナットを螺合して固定し、この嵌着した円筒濾紙
    ホルダーのノズル方向をピトー管の方向と同一にし、更
    にピトー管は吸引ノズルに対してその位置を変更できる
    ように採取器本体に対して移動可能に固定されている排
    ガス中のダスト試料採取器。
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