JP2597652B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、被検体の体腔内を観察することができる内
視鏡装置に関し、特に内視鏡スコープの先端及び導中部
内管路を内視鏡検査終了後に洗浄する機構の改良に関す
る。

（従来の技術） 医療用として用いられる内視鏡装置は、被検体の体腔
内へ内視鏡スコープの導中部を導入して使用されるか
ら、内視鏡スコープの先端から導中部内管路まで胃液や
血液等の液状物にさらされる。

そこで、内視鏡検査時にあっては、対物レンズやライ
トガイド等の光学系部材の端部が上記液状物で汚損され
ると、撮影環境が悪化されるため、これを回避するた
め、送水，送気，吸引等の処置を内視鏡スコープの先端
で行わせる。

一方、内視鏡検査の終了後には、内視スコープの先端
から導中部内管路まで上記液状物が侵入していることが
想定されるから、次回以降きれいな状態で使用し得るよ
うに、また保管する観点で上記液状物を除去するための
送水，送気，吸引の諸動作にともなう媒体移動を導中部
内管路で行わせる。

しかしながら、従来の内視鏡装置では、内視鏡検査時
の被検体の安全性確保のみを重視した構造を採用してい
たため、内視鏡検査の終了後の洗浄作業が煩雑となっ
た。

（発明が解決しようとする課題） 即ち、従来の内視鏡装置の場合においては、送水，送
気，吸気等の洗浄に必要なスイッチ操作を行うとき、こ
のスイッチ操作の対象となる送水スイッチ，送気スイッ
チ，吸引スイッチを択一的に押し続けなければ、送水，
送気，吸引等の諸動作が連続されなかった。

また、その諸動作の駆動源となるポンプを駆動させる
ために別操作を行わなければならなかった。

要するに、従来は内視鏡検査終了後の洗浄のための配
慮が全くなされていないため、その内視検査終了後の洗
浄に際して、スイッチ操作を繁雑に行わなければならな
かった。

本発明は、係る課題に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、内視鏡検査終了後のスコープ先端か
ら導中部管路までの洗浄作業を簡単操作で確実に行える
内視鏡装置を提供することにある。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 本発明は、上記の目的を達成するため、内視鏡検査時
及びこの内視鏡検査終了後に、装置本体から内視鏡スコ
ープの先端まで配設された管路を通して送水，送気，吸
引の諸動作にともなう媒体移動を行える機能を有する内
視鏡装置であって、 内視鏡検査終了後に、洗浄モードを指定する旨の所定
の入力操作に応答して前記諸動作を継続可能な状態に
し、洗浄モードを指定解除する旨の所定の入力操作に応
答してその諸動作の継続可能状態を解除する条件設定手
段と、 この条件設定手段が前記諸動作を継続可能な状態にし
ている際、そのいずれかの開始動作を認識すると、他の
開始動作を認識するまで、対応する媒体移動動作を継続
する制御を行う洗浄制御手段と、を具備したことを要旨
している。

（作用） 本発明による内視鏡装置であれば、送水，送気，吸引
の諸動作を条件設定手段により継続可能な状態にしてお
くことにより、例えば送水開始の操作を行うと、継続し
て送水が行われることになる。そして、この送水時に送
気開始の操作を行うと、送水が停止されて送気へ移行
し、この送気が継続される。

従って、内視鏡検査終了後の洗浄作業のための操作が
簡単となる。

（実施例） 第１図は、本発明が適用された一実施例の内視鏡装置
の概略を示す構成図である。

この一実施例の内視鏡装置は、被検体の体腔内へ内視
鏡スコープ１を導入して体腔内を観察しているとき、ま
たは内視鏡検査終了後に、装置本体２から内視鏡スコー
プ１の先端まで配設された管路（第３図参照）を通して
送水，送気，吸引の諸動作にともなう媒体移動を行える
ように、バルブユニット３と、ポンプ４と、これらの動
作を制御するコントローラ５と、キーボード5aとを備え
ている。

送水／送気の制御系を図示すると、第３図に示す通り
となり、内視鏡スコープ１の手元操作部に送水スイッチ
６、送気スイッチ７が設けられ、またその導中部に送水
チューブ８、送気チューブ９が配設されている。

他方、装置本体２には、キーボード5aに洗浄モードス
イッチ10、ポンプ圧設定ノブ11が設けられ、またバルブ
ユニット３に電磁弁12〜14、タンク15が設けられてい
る。そして、電磁弁12〜14と上記ポンプ１とがコントロ
ーラ５により駆動制御されるものとされている。

第２図は、前述した本発明の一実施例のシステム構成
での制御フローを示しており、まず、洗浄モードスイッ
チ10がオンされた否かを判定する（ステップ201）。

このステップ201の判定は、内視鏡検査時であるか、
あるいは内視鏡検査終了後であるかを判定することを兼
ねている。即ち、被検体に対する安全性の確認のためで
もある。

こうして、洗浄モードである旨認識されると、自動的
にポンプ圧を強に設定することになり（ステップ20
2）、この設定完了でポンプ４がオンされる（ステップ2
03）。同時に、電磁弁13が開いて送水系と送気系とが連
通され、洗浄モード条件下で送水スイッチ６、送気スイ
ッチ７の操作が可能となる。

そして、送水スイッチ６又は送気スイッチ７がオン操
作されると洗浄オンルーチンが実行されることになる
（ステップ204）。この場合、送水スイッチ６のオンで
電磁弁14が開くと、洗浄モードで電磁弁13が開いている
ため、送水チューブ８だけでなく送気チューブ９にもタ
ンク15から水が供給されることになり、この水の供給
は、送気スイッチ７がオン操作されるまで、又は洗浄モ
ードスイッチ10がオフされるまで継続される。

また、送気スイッチ７のオンで電磁弁12が開くと、や
はり洗浄モードで電磁弁13が開いているため、送気チュ
ーブ９だけでなく送水チューブ８にもタンク15から空気
が供給されることになり、この空気の供給は、送水スイ
ッチ６がオン操作されるまで、又は洗浄モードスイッチ
10がオフされるまで継続される。

従って、内視鏡検査終了後の洗浄作業が従来に比して
著しく簡素化される。

なお、ステップ201で洗浄モードスイッチ10がオン操
作されずにオフのままである場合、あるいはオフ操作さ
れた場合、ステップ205以降のルーチンへと進む。

そして、まず、安全確認の意味で洗浄モードスイッチ
10がオンされる前のポンプ圧にもどすかあるいはポンプ
をオフにするかを判断し（ステップ205）、対応する処
置（ステップ206又はステップ207）を実行し、従前通り
とする洗浄モードオフルーチンを実行するものとなる
（ステップ208）。即ち、ポンプ４を駆動するための操
作が行われ、更に送水スイッチ６や送気スイッチ７が押
したときに始めて送水，送気をなし得る。なお、この非
洗浄モードでは、電磁弁13は閉じている。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明が適用された内視鏡装置
は、内視鏡検査の終了後に洗浄モードを指定するだけ
で、送水，送気等の操作スイッチを連続して押し続けた
り、ポンプ駆動操作をしないで済むので、洗浄作業の作
業性が従来に比して著しく向上されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明が適用された一実施例の内視鏡装置の概
略を示す構成図、第２図は本発明の一実施例の制御フロ
ーを示すフローチャート、第３図は送水，送気系の制御
系統図である。 １……内視鏡スコープ、２……装置本体 ３……バルブユニット、４……ポンプ ５……コントローラ、5a……キーボード ６……送水スイッチ、７……送気スイッチ ８……送水チューブ、９……送気チューブ 10……洗浄モードスイッチ 11……ポンプ圧設定ノブ 12〜14……電磁弁、15……タンク

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内視鏡検査時及びこの内視鏡検査終了後
   に、装置本体から内視鏡スコープの先端まで配設された
   管路を通して送水，送気，吸引の諸動作にともなう媒体
   移動を行える機能を有する内視鏡装置であって、 内視鏡検査終了後に、洗浄モードを指定する旨の所定の
   入力操作に応答して前記諸動作を継続可能な状態にし、
   洗浄モードを指定解除する旨の所定の入力操作に応答し
   てその諸動作の継続可能状態を解除する条件設定手段
   と、 この条件設定手段が前記諸動作を継続可能な状態にして
   いる際、そのいずれかの開始動作を認識すると、他の開
   始動作を認識するまで、対応する媒体移動動作を継続す
   る制御を行う洗浄制御手段と、 を具備したことを特徴とする内視鏡装置。
2. 【請求項２】前記条件設定手段は、前記管路として送気
   管路と送液管路とが前記内視鏡スコープに配設されてい
   る場合、洗浄モードのとき、前記諸動作の駆動源となる
   ポンプを駆動開始とするとともに、電磁弁の開放で前記
   送気管路と前記送液管路とを連通し、洗浄モード解除の
   とき、前記ポンプを駆動停止とするとともに、前記電磁
   弁の閉成で前記送気管路と前記送液管路とを非連通とす
   ることを特徴とする請求項１記載の内視鏡装置。
3. 【請求項３】前記条件設定手段は、洗浄モードのとき、
   前記諸動作の駆動源となるポンプに非洗浄モード時より
   も高いポンプ圧を指示することを特徴とする請求項１又
   は請求項２記載の内視鏡装置。