JP2597347B2 - 貯水容器 - Google Patents

貯水容器

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JP2597347B2
JP2597347B2 JP6225900A JP22590094A JP2597347B2 JP 2597347 B2 JP2597347 B2 JP 2597347B2 JP 6225900 A JP6225900 A JP 6225900A JP 22590094 A JP22590094 A JP 22590094A JP 2597347 B2 JP2597347 B2 JP 2597347B2
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田 勇 森
慶 吉 桂
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として非常時に飲料用
に供することのできる防火用の貯水容器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ビルや
マンションには、飲料用の貯水水槽が備えられており、
また屋外には適宜な防火水槽が設置されたりしている。
これらの貯水水槽は、外部からの異物の侵入を防止して
いるが、雑菌の侵入によって水槽中に微生物や藻が発生
してしまうことがある。
【0003】そこで雑菌の繁殖を防止するには、貯水自
体の殺菌を行うと良いが、殺菌手段として多用されてい
る次亜塩素酸ソーダやオゾン等を用いると、いずれも飲
料水中に残留する虞があり、僅かでも残留すると人体の
健康上に問題があり、飲料水には簡単に利用できない。
【0004】またある種の重金属イオンが殺菌作用を有
していることから、水槽中に金属処理物を沈下したり若
しくは樹脂容器に混入しておく手段も知られている。例
えばこの目的で、ゼオライト,りん酸ジルコニウム,シ
リカゲルに銀や銅や亜鉛を処理したものが市販されてい
る。然しいずれも重金属含量は5%以下と低く、例えば
樹脂容器に混入させて利用しようとすると、樹脂に対し
5〜20%も混入させないと効果がない。更に又重金属
溶出の虞もある。そこで本発明は、樹脂に簡単に混在で
き、且つ殺菌効果を備えた材質のもの利用して、抗菌
性並びに防藻性に優れた貯水容器を提案したものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る貯水容器
は、容器の内面がキトサン重金属錯体を含む樹脂で形成
されていて、特に前記キトサン重金属錯体が、重金属と
して金,銀,銅,錫,亜鉛よりなるキトサン錯体である
ことを特徴とするものである。特に前記貯水容器は、貯
水容器をキトサン重金属錯体を含むFRP容器で形成し
たり、貯水容器を金属製若しくはFRP製で形成すると
共に、容器の内面をキトサン重金属錯体を含む樹脂でラ
イニングして実現されるものである。
【0006】また本発明に係る貯水容器は、容器の内面
が炭素数8以上22以下の脂肪酸又はナフテン酸重金属
塩を含む樹脂で形成されていて、特に前記重金属塩が、
重金属として金,銀,銅,錫,亜鉛よりなる所謂重金属
石鹸であることを特徴とするものである。特に前記貯水
容器は、貯水容器を脂肪酸又はナフテン酸重金属塩を含
むFRP容器で形成したり、貯水容器を金属製若しくは
FRP製で形成すると共に、容器の内面を脂肪酸又はナ
フテン酸重金属塩を含む樹脂でライニングして実現され
るものである。
【0007】
【作用】キトサンとは、カニ殻やエビ殻を塩酸で脱カル
シウムし、苛性ソーダで脱蛋白したキチンを、更に苛性
ソーダ等で脱アセチル化して得られるもので、このキト
サンはグルコサミン骨格を有するカチオン性ポリマー
で、そのアミノ基が強いキレート効果を発揮するので、
抗菌性,防藻性を有する重金属と強い錯体を形成する。
またキトサン自体も抗菌防藻性を有することが知られて
おり、この錯体が樹脂に混練され、貯水との接触表面に
現出することによって、両者が相乗効果を発揮し、貯水
容器内に貯留する水の腐敗防止に有効に作用する。
【0008】脂肪酸又はナフテン酸重金属塩は、銀の場
合脂肪酸又はナフテン酸をエタノール等に溶解し、硝酸
銀と反応させて得る方法、又は脂肪酸ナトリウム又はナ
フテン酸ナトリウムの水溶液と硝酸銀と複塩反応させて
得る方法等があり公知である。これら沈殿生成した脂肪
酸又はナフテン酸塩を濾過し、何回も水で洗浄して未反
応物を取り除く。これを乾燥すると目的の銀塩が得られ
る。このものの銀含有量は非常に高く、市販の抗菌ゼオ
ライトやシリカゲルの数倍から十倍も高い。
【0009】これを貯水容器の内面の樹脂に処理するわ
けであるが、銀含量が高く市販の銀コートやゼオライト
やシリカゲルの1/10から数分の1で有効となる。そ
の分樹脂の物性を落下させない。又、FRPに用いた場
合、ステアリン酸はワックスであるから樹脂の表面に集
まってくる。従って、銀が樹脂の表面に出てきて有効に
作用する。又、ワックスの代替として空気中の酸素の影
響を緩和する働きがあり、樹脂の硬化を促進する。
【0010】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 <第一実施例>第一実施例に示した貯水容器は、内側に
FRP層1をライニングした鋼鉄製の貯水容器2の内面
に、抗菌防藻被膜3をコーティング若しくはライニング
したもので、抗菌防藻被膜2は、市販の凝集剤用キトサ
ン(共和油脂製)粉末を粉砕機にて微粉砕し、これに硫
酸銅を作用させてキトサン銅錯体(銅含有量15%)を
生成し、このキトサン銅錯体を4%重量比練り込んで
0.2mm厚のFRPを造り、ライニングしたFRP層
1の内表面側を被覆したものである。
【0011】比較例として同様に鋼鉄製容器の内面にキ
トサン銅錯体を含まないFRP層をライニングした容器
を形成し、前記実施例と比較例に、同じ水道水を張り、
日光を当て藻の発生並びに一般細菌の発生を観察したと
ころ、比較例は8日後に一般細菌が、又20日後に藻の
発生が顕微鏡観察で認められたが、キトサン銅錯体を表
面処理した本発明第一実施例容器は、2ケ月経っても一
般細菌並びに藻の発生は認められなかった。又、容器か
らの銅の溶出は認められなかった。
【0012】<第二実施例>第二実施例は、樹脂製容器
で、市販の微粉末キトサン(甲陽ケミカル社製SK−5
0P8、80メッシュ)に硝酸銀を作用させて製出した
キトサン銀錯体(銀含有量15%)を、ポリプロピレン
の中に10%含有させたマスターバッチを製造し、これ
を用いて製造したキトサン銀錯体1%を含むポリプロピ
レン容器4である。
【0013】比較例は、キトサン銀錯体を含まないポリ
プロピレン容器であり、両者に同じく水道水を張り日光
を当て、一般細菌の発生並びに藻の発生を観察したとこ
ろ、比較例は10日後に一般細菌が、又23日後に藻の
発生が顕微鏡観察で認められたが、本発明第二実施例で
あるキトサン銀錯体を含むポリプロピレン容器は3ケ月
経っても一般細菌並びに藻の発生は認められなかった。
又、容器からの銀の溶出は全く認められなかった。
【0014】キトサンを採用した本発明は前記実施例に
限定されるものではなく、容器自体は樹脂製でも金属製
でも良く、単にその内面がキトサン重金属錯体を含む樹
脂で形成(被覆)されていれば良いもので、その樹脂も
前記実施例で示したFRP及びポリプロピレンの他ポリ
エチレン,ポリエチレンテレフタレート(PET樹
脂),ABS樹脂等貯水に適するものであれば任意に採
用でき、更に樹脂容器の材質自体にキトサン重金属錯体
を練り込んでも良いし、その表面部分のみにキトサン重
金属錯体を練り込んでだ樹脂を塗布その他の手段で被覆
してもよいものである。
【0015】勿論錯体を構成する金属原子も抗菌防藻作
用を具備するものであれば適宜選択使用できるものであ
る。
【0016】<第三実施例>第三実施例に示した貯水容
器は、前記第一実施例と同様の構造で特に抗菌防護被膜
3の組成を変更したものである。即ち内側にFRP層1
をライニングした鋼鉄製の貯水容器2の内面に、抗菌防
藻被膜3をコーティング若しくはライニングしたもの
で、抗菌防藻被膜3は、市販のステアリン酸ナトリウム
を用い、これに硝酸銀を作用させてステアリン酸銀(銀
含有量27%)を生成し、このステアリン酸銀を1%重
量比練り込んで、0.2mm厚のFRPを造り、ライニ
ングしたFRP層1の内表面側を被覆したものである。
【0017】比較例として同様に鋼鉄製容器の内面にス
テアリン酸銀を含まないFRP層をライニングした容器
を形成し、前記実施例と比較例に、同じ水道水を張り、
藻の発生並びに一般細菌の発生を観察したところ、比較
例は10日後に一般細菌が、又23日後に藻の発生が顕
微鏡観察で認められたが、ステアリン酸銀を表面処理し
た本発明第三実施例容器は、2ケ月経っても一般細菌が
発生せず、藻は2カ月目やっと発生が認められる状態で
あった。又、容器からの銀の溶出は認められなかった。
【0018】<第四実施例>第四実施例は、第二実施例
と同様の構造で容器組成物を変えたものである。即ち第
四実施例の容器は、市販のナフテン酸銅(銅含有量15
%)を、ポリプロピレンの中に10%含有させたマスタ
ーバッチを製造し、これを用いて製造したナフテン酸銅
2%を含むポリプロピレン容器4である。
【0019】比較例は、ナフテン酸銅を含まないポリプ
ロピレン容器であり、両者に同じく水道水を張り日光に
当て、一般細菌の発生並びに藻の発生を観察したとこ
ろ、比較例は8日後に一般細菌が、又20日後に藻の発
生が顕微鏡観察で認められたが、本発明第二実施例であ
るナフテン酸銅を含むポリプロピレン容器は2カ月経っ
ても一般細菌並びに藻の発生は認められなかった。又、
容器からの銀の溶出は全く認められなかった。
【0020】本発明は前記実施例に限定されるものでは
なく、容器自体は樹脂製でも金属製でも良く、単にその
内面が炭素数8以上22以下の脂肪酸又はナフテン酸重
金属塩を含む樹脂で形成(被覆)されていれば良いもの
で、その樹脂も前記実施例で示したFRP及びポリプロ
ピレンの他、ポリエチレン,ポリエチレンテレフタレー
ト(PET樹脂),ABS樹脂等貯水に適するものであ
れば任意に採用でき、更に樹脂容器の材質自体に上記炭
素数の脂肪酸又はナフテン酸重金属塩を練り込んでも良
いし、その表面部分のみに上記炭素数の脂肪酸又はナフ
テン酸重金属塩を練り込んだ樹脂を塗布、その他の手段
で被覆しても良い。
【0021】勿論、金属塩を構成する金属原子も抗菌防
藻作用を具備するものであれば適宜選択使用できるもの
である。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明は、貯水容器に於い
てその内面をキトサン重金属錯体を含む樹脂、若しくは
炭素数8以上22以下の脂肪酸又はナフテン酸重金属塩
を含む樹脂で形成したもので、抗菌性,防藻性を有する
重金属が貯溜水に溶出することなく、効果的に貯溜容器
内の貯溜水の腐敗防止を実現できたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の説明図。
【図2】同第二実施例容器の要部断面図。
【符号の説明】
1 貯水容器 2 FRP層 3 抗菌防藻被膜 4 ポリプロピレン(抗菌防藻樹脂)容器

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の内面がキトサン重金属錯体を含む
    樹脂で形成されていることを特徴とする貯水容器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の貯水容器に於いて、キト
    サン重金属錯体が、重金属として金,銀,銅,錫,亜鉛
    よりなるキトサン錯体であることを特徴とする貯水容
    器。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の貯水容器に於い
    て、貯水容器をキトサン重金属錯体を含むFRP容器で
    形成したことを特徴とする貯水容器。
  4. 【請求項4】 貯水容器を金属製若しくはFRP製で形
    成すると共に、容器の内面をキトサン重金属錯体を含む
    樹脂でライニングしたことを特徴とする貯水容器。
  5. 【請求項5】 容器の内面が炭数8以上22以下の脂
    肪酸又はナフテン酸重金属塩を含む樹脂で形成されてい
    ることを特徴とする衛生貯水容器。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の貯水容器に於いて、脂肪
    酸又はナフテン酸重金属塩が重金属として金,銀,銅,
    錫,亜鉛よりなる塩であることを特徴とする衛生貯水容
    器。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の貯水容器に於い
    て、貯水容器を脂肪酸又はナフテン酸重金属塩を含むF
    RP容器で形成したことを特徴とする衛生貯水容器。
  8. 【請求項8】 貯水容器を金属製若しくはFRP製で形
    成すると共に、容器の内面を脂肪酸又はナフテン酸重金
    属塩を含む樹脂でライニングすることを特徴とする衛生
    貯水容器。
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JP4921815B2 (ja) * 2006-03-15 2012-04-25 大日精化工業株式会社 防藻剤および防藻方法
WO2012059992A1 (ja) * 2010-11-04 2012-05-10 エバタ株式会社 給排水施設用構造体
KR101967843B1 (ko) * 2017-11-22 2019-04-10 안승비 Frp 조형물의 항균성 조성물 및 이를 포함하는 항균성 frp 조형물

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