JP2595921B2 - 抗rna結合蛋白質抗体の測定法 - Google Patents

抗rna結合蛋白質抗体の測定法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自己免疫病、自己免疫
現象の予知、診断、経過観察の一環として行われる自己
抗体検査の抗原試薬として有効に利用される抗RNA結
合蛋白質抗体の測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】低分子RNAに特異的に結合する蛋白質
としては、細胞核内の低分子RNAに結合し、RNAの
スプライシングに寄与する一群の蛋白質および細胞質内
の低分子RNAに結合し、RNA代謝調節を司る一群の
蛋白質が知られている。全身性の自己免疫疾患では何ら
かの機構により該RNA結合蛋白質に対する抗体を産生
するようになり、それが原因となって例えば炎症、潰
瘍、皮疹、乾燥などの様々な自己免疫現象に伴う病変が
発現する。さらに、自己免疫疾患患者血清中に出現する
抗体に対し対応するRNA結合蛋白質は、該疾患群間で
多様であり、例えば全身性紅斑性狼瘡(SLE)、混合
性結合組織病(MCTD)では核内RNA結合蛋白質に
対し、乾燥症候群(SjS)では細胞質内のRNA結合
蛋白質に対し高頻度で抗体を産生する。したがって、こ
れら自己免疫疾患患者血清中に出現する各種の自己抗体
を検出することの臨床上の本質的意義は該疾患の診断、
経過観察および自己免疫現象の予知にある。
【0003】従来から該抗体群を検出するために使用さ
れる抗原としては、ヒトの培養細胞や哺乳動物細胞の抽
出液あるいは細胞そのものが粗抗原として用いられてき
た。これは、該蛋白質の抗原性が種を越えて共通である
ので自己免疫疾患患者血清中に見いだされる自己成分に
対する抗体すなわち自己抗体を検出するための抗原とし
ていかなる哺乳動物由来のものも使用できるからであ
る。また、細胞核内RNA結合蛋白質に対する抗体群と
しては、抗リボ核蛋白質抗体群と抗スミス抗体群が、細
胞質内RNA結合蛋白質に対する抗体群としては、抗S
SA/Ro抗体群と抗SSB/La抗体群が広く知られ
ており、これら抗体群の検出は、因習的に管理された基
準血清と上述した粗抗原液との反応様式に対比させて、
例えば2元免疫拡散法による出現沈降線の融合現象ある
いは蛍光抗体法による培養細胞の染色像の判読により検
出されているにすぎず、抗原が精製されているものであ
る必要がなかった。
【0004】近年、該抗体群に対する抗原の性質、機能
が分子生物学的あるいは蛋白化学的に明らかにされるに
至り、精製抗原を検出試薬として用いる鋭敏で定量的な
臨床検査法を確立する必要性が生じてきている。RNA
結合蛋白質の分離精製法に関しては多くの科学文献に記
載されている(Clin Exp.Immunol.,54,731-738,(198
3)、J.Biol.Chem.,258,2604-2613(1983)など)。大抵の
方法においては、イオン交換クロマトグラフィ、分子ふ
るいクロマトグラフィなどの精製対象である蛋白質の物
理化学的性質に基づく生化学的分離手段により精製が行
われる。また、方法によっては、色素等の吸着体を担体
とした吸着クロマトグラフィに精製が行われる(Scand.
J.Immunol.,15,1-7,(1982))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のごとく、単離対
象であるRNA結合蛋白質を、蛋白質の分子量の差、荷
電状態の差あるいは或物質への吸着性の差に基づいて分
離する旧来の方法では、他蛋白の相当量の夾雑は避けが
たく、精製倍率の飛躍的増加は見込めない。これは、生
体材料中には同じ物理化学的挙動を示す蛋白質が存在す
るからである。したがって、一般的に上述した方法によ
り特定の蛋白質を分離する場合は、複数の分離手段を組
み合わせることで精製倍率を増加させる必要があり、精
製日数が長期に及ぶことになる。一方、一段階の操作で
精製倍率を大幅に増加させる方法として、生物学的な親
和性を利用する方法があり、例えば単離対象に対し生物
学的親和性を有する物質を、リガンドとして固定化した
担体を用いるアフィニティクロマトグラフィ法等があ
る。そこで本発明者らは、このような一段階で精製倍率
を大幅に増加させる方法に関し、鋭意検討した結果、本
発明を完成させた。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、動
物組織、培養細胞、またはそれらの加工品からRNA結
合蛋白質を抽出し、次いで得られる抽出物を塩またはカ
オトロピックイオンを含有する溶液環境下に、ウリジル
酸ポリマーをリガンドとする担体を含むアフィニティゲ
ルに接触させ、その後に該アフィニティゲルに吸着した
RNA結合蛋白質を、溶液中の塩濃度またはカオトロピ
ックイオン濃度を増加させることにより溶離させ、精製
されたRNA結合蛋白質を取得し、これを抗原として使
用し、被験対象物中に存在する抗体を検出又は定量する
ことを特徴とする抗RNA結合蛋白質抗体の測定法に関
する。
【0007】動物組織、培養細胞またはそれらの加工品
からRNA結合蛋白質を含む希薄塩可溶性画分を抽出す
る過程において、同時に可溶化される考えられうるすべ
ての蛋白分解酵素による侵襲から保護するため蛋白分解
酵素に対する阻害剤を添加した抽出用緩衝液で抽出され
るのが好ましい。さらにこの抽出操作に関し、なるべく
多くのRNA結合蛋白質を得るために被抽出対象物から
の抽出は2回行い、2回の抽出物を合体するのが好まし
い。本抽出操作に用いる抽出用緩衝液の塩濃度は、グロ
ブリン分画の蛋白質が溶解し易く、かつ核内ヒストンが
溶解しない濃度であれば特に制限はないが、生理的塩濃
度で行うのが好ましい。また、抽出液中のRNA結合蛋
白質の検出は操作が簡易であることから、目的とするR
NA結合蛋白質を特異的に認識する抗血清を用いた2元
免疫拡散法により行うのが好ましい。
【0008】次いで、上述した方法により抽出した抽出
物(未精製画分)を、所定濃度の塩またはカオトロピッ
クイオンを含有する弱アルカリの緩衝液に対し十分に透
析する。前記カオトロピックイオンとは、イオン半径の
大きい陰イオンであり、該イオンは疎水性分子の水溶性
を増し、担体と分離対象物の間の疎水結合を弱める作用
をする。カオトロピックイオンとしてはSCN-、I-
ClO4 -、NO3 -、Br-、Cl-、CH3CO2 -、F-
SO4 2-などが挙げられ、その作用の大きさ(カオトロ
ピシティー)の順は前記の順と同様である。
【0009】塩またはカオトロピックイオンを含む化合
物としては、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化マグネシウムなどの溶解度の高い1価または2
価の金属塩化物、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン
酸カリウムなどのチオシアン酸金属化合物などが挙げら
れるが、中でも特に塩化マグネシウムが好ましい。その
濃度は塩の種類により相異し、例えば塩化マグネシウム
の場合約0.1M程度が好ましい。そして、予め該緩衝
液で平衡化したウリジル酸ポリマーをリガンドとする担
体に接触させ未精製画分中のRNA結合蛋白質を該担体
に結合せしめる。該担体としては、ポリウリジル酸アガ
ロース(市販される)、ポリウリジル酸をリガンドとし
てセファロースゲルにカップリングさせたアフィニティ
ゲル等が使用される。接触させる担体の量は、全蛋白濃
度が10mg/mlの抽出液1mlに対し5ml以上であること
が好ましい。さらにその後、上述したウリジル酸ポリマ
ーをリガンドとする担体の平衡化に用いた弱アルカリの
緩衝液で該担体を洗浄する。引き続き担体が懸濁される
溶液の塩またはカオトロピックイオンの濃度を、抽出液
と該担体の接触時より増加させることによりRNA結合
蛋白質を溶離させる。溶離回収する方法は、いかなる方
法であっても特に制限はなく、例えばクロマトグラフィ
法、バッチ法等が使用できる。さらに、RNA結合蛋白
質の結合したウリジル酸ポリマーをリガンドとする担体
が懸濁される溶液の塩あるいはカオトロピックイオン濃
度を増加させる方法に関しても特に制限はなく、グラジ
ェント法またはステップワイズ法等が採用できる。
【0010】以上のような工程により、全蛋白量に対す
る分離精製の対象であるRNA結合蛋白質の比を飛躍的
に増大させることができる。すなわち、他の夾雑蛋白の
大部分を除去することができる。ここで、この方法によ
り精製倍率を飛躍的に増大できる具体的なRNA結合蛋
白質としては、YRNA複合体蛋白質を構成するSSB
/La蛋白質、SSA/Ro蛋白質、UsnRNA結合蛋
白質を構成する各分子量の蛋白質が挙げられる。以上の
工程により得られるRNA結合蛋白質は、例えばオクタ
ロニ法などの一部の免疫測定法に使用する抗原としてそ
のまま用いることができる。さらに分子ふるいクロマト
グラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、吸着クロマト
グラフィ、ある種の群特異的クロマトグラフィなどの操
作を少なくとも一段階組み合わせることによりさらに高
度に精製されたRNA結合蛋白質標品を得ることがで
き、該標品は免疫化学反応を測定原理とするいかなる自
己抗体測定用診断剤に使用する抗原としても用いること
ができる。
【0011】次に得られるRNA結合蛋白質を抗原とし
て使用し、被験対象物中に存在する抗体を検出又は定量
する抗RNA結合蛋白質抗体の測定法について説明す
る。本発明の測定法は、前記抗原を使用しさえすれば、
どのような測定方法であってもよい。例えば、酵素免疫
測定法、放射免疫測定法、免疫比濁法、免疫比ろう法、
ラテックス凝集法、血球凝集法、蛍光免疫測定法、免疫
化学発光法、色素免疫測定法などを行なうことができ
る。好ましい一例として、標識2次抗体を用いる免疫測
定法について説明する。
【0012】固体表面、例えばポリスチレン孔を前記ポ
リペプチド鎖で覆う。通常、この被覆操作はアルカリ域
に緩衝作用を有する。例えば炭酸ナトリウム緩衝液にポ
リペプチド鎖を溶解し0.01ないし100μg/ml溶液
として用い、低温下にて1夜中行う。その後に、固体表
面に物理吸着されなかったポリペプチド鎖を緩衝液と共
に吸引除去し、つづいて該ポリペプチド鎖と免疫化学的
交叉性のない親水性球状蛋白質、例えばミルクカゼイン
などの0.01ないし1%(重量/容積)溶液で、室温
下約1時間ブロッキングを行う。これは、ポリペプチド
鎖で被覆されなかった固体表面あるいは固体表面に物理
吸着したポリペプチド鎖の分子表面上の易吸着性部位を
覆うことにより、その後に添加する被験対象物溶液また
は標識2次抗体溶液中の蛋白成分が非特異的に吸着する
のを防ぐためである。その後に、被覆あるいはブロッキ
ングに使用されなかったポリペプチド鎖または蛋白成分
を固体表面から除去するため、非イオン系界面活性剤を
含有する中性の洗浄液で十分に洗浄する。以上のように
して抗原となるポリペプチド鎖を担体に固定し、次いで
抗体の検出又は定量を行なう。
【0013】非イオン系界面活性剤と免疫化学的交叉性
のない親水性球状蛋白質とを含有する生理的緩衝液で適
宜に希釈した被験対象物、例えば患者血清を該ポリペプ
チド鎖で被覆した固体表面と抗原抗体結合反応が完結す
るのに十分な時間接触させる。その後更に、非イオン系
界面活性剤を含有する中性の洗浄液で固体表面を十分に
洗浄し、過剰量の標識2次抗体を含有する生理的溶液に
該固体表面を抗原抗体結合反応が完結するのに十分な時
間接触させる。ここで標識物質は、酵素、放射性同位元
素、蛍光物質等、特に制限されないが、酵素標識が特に
好ましい。そしてひきつづき、非イオン系界面活性剤を
含有する中性の洗浄液で固体表面を十分に洗浄し、該標
識2次抗体の存在または量を検出する。酵素標識の場
合、酵素に対する特異的基質溶液に該固体表面を酵素反
応の生成物が検出されるに十分な時間接触させる。この
場合、酵素反応により生成される産物の量は被験対象物
中に含有される該ポリペプチド鎖上の抗原決定基に対す
る抗体量に比例依存的であり、したがって間接的に被験
対象物中の該抗体を定量することができる。
【0014】
【実施例】以下に、RNA結合蛋白質のうち、SSB/
La蛋白質の分離精製法について、実施例により本発明
を詳述する。 実施例 緩衝液A:1L中に、塩化ナトリウム8g、塩化カリウ
ム0.2g、燐酸2ナトリウム・12水塩2.7g、燐
酸1カリウム0.2gを含有する燐酸系緩衝液。 緩衝液B:蛋白分解酵素阻害剤として、エチレングリコ
ール−OO′−ビス(2アミノメチル)−NNN′N′
−4酢酸塩(EDTA)10-3M、フッ化フェニルメチ
ルスルフォニル(PMSF)10-3M、ロイペプチン0.0
5%(重量/容積)、アンチパイン0.05%(重量/
容積)、キモスタチン0.05%(重量/容積)、ペプ
スタンチンA0.05%(重量/容積)をさらに含有す
る緩衝液A。 緩衝液C:トリス緩衝液10mM×HCl pH8.0。 緩衝液D:塩化マグネシウム0.1Mを含有する緩衝液
C。 溶離液E1:塩化マグネシウム0.2Mを含有する緩衝
液C。 溶離液E2:塩化マグネシウム0.3Mを含有する緩衝
液C。 溶離液E3:塩化マグネシウム0.4Mを含有する緩衝
液C。 溶離液E4:塩化マグネシウム0.5Mを含有する緩衝
液C。
【0015】以下に示す操作は、すべて4℃で行った。 1)RNA結合蛋白質を含有する組織抽出液の取得 緩衝液B300mlを家兎胸腺アセトン粉末(ペルーフリ
ーズ(Pel Freeze)社製)30gに添加し、該混合物を
一昼夜溶解させた。その後、該懸濁液を10,000×
gで30分間遠心分離し、上澄液を抽出液Aとした。こ
の沈澱物から2回目の抽出を行うため、沈澱物に緩衝液
B50mlを添加し4時間攪拌した。その後、該懸濁液を
10,000×gで30分間遠心分離し、上澄液を抽出
液Bとし、抽出液Aと合わせることにより抽出液Cとし
た。
【0016】2)ウリジル酸ポリマーをリガンドとする
担体による分画 1)で得られた抽出液Cを緩衝液Dに対して2昼夜透析
し、その後に該抽出液0.1容に対し、緩衝液D0.9
容と予め緩衝液Dで平衡化したウリジル酸ポリマーをリ
ガンドとする担体(ポリウリジル酸アガロース、シグマ
社製)、1容を加え、15分間以上ゆっくりと転倒混和
した。引き続き遠沈により上清を除去、緩衝液D1容を
加え該担体を遠沈洗浄した。さらに引き続き、溶離液E
11容を添加して遠沈し上清に溶離してくるRNA結合
蛋白質を回収した。同様に溶離液E2、E3、E4を順
に用いて同様の操作を行い各溶離液でのRNA結合蛋白
質を回収した。
【0017】3)各溶離液中のSSB/Laの蛋白質の
酵素免疫測定法による測定 96穴のELISA用マイクロプレートの孔に500分
の1に希釈したSSB/La蛋白溶液(各溶離液)200
μlを入れ、4℃で1晩吸着させた。希釈には、0.1
M炭酸ナトリウム緩衝液、pH8.6を使用した。その翌
日、0.2%ミルク溶液400μlで室温下に1時間ブ
ロックし、プレート上の未反応部位および吸着蛋白表面
の易吸着性部位を被覆した。つづいて、1次抗体溶液
(抗SSB/La血清を、0.1%ミルクおよび0.1
%トウィーン20を含むダルベッコリン酸緩衝生理食塩
液で1,000分の1に希釈)200μlを添加し、室
温下で2時間反応させ、抗SSB/La抗体を被覆抗原
に結合させた。1次抗体反応後プレートを洗浄し(洗浄
用緩衝液として、0.1%トウィーン20を含むダルベ
ッコリン酸緩衝生理食塩液を用い、3分間5回洗浄)、
2次抗体溶液(フォスファターゼ標識抗ヒトIgG+A
+M抗体血清(KPL社製)を0.1%ミルクおよび
0.1%トウィーン20を含むダルベッコリン酸緩衝生
理食塩液で1,000分の1に希釈)20μlを添加
し、さらに室温下で2時間反応させ2次抗体をプレート
上の1次抗体(抗SSB/La抗体)と結合させた。2
次抗体反応にひきつづいて、上記同様にプレートを洗浄
し、基質溶液(1mg/ml p−ニトロフェニルリン酸、
1Mジエタノールアミン緩衝液)200μlを添加し、
1次抗体に捕捉された標識2次抗体の酵素活性を分光光
度計により405nmの波長で吸光度を測定することによ
り求めた。この酵素活性は、プレート上のSSB/La
抗原の量と比例関係にあるので、酵素活性の大きさをも
って試料中の抗原量を測定することができる。
【0018】得られた結果を図1に示す。なお、Lowry
法により各溶離液の蛋白量を求めたが、蛋白量あたりの
各溶離液(MgCl20.2M、0.3M及び0.4M
のもの)のSSB/La抗原の活性は格段に増大してい
た。
【0019】4)SDSポリアクリルアミドゲル電気泳
動法による分析 Laemmliらの方法に準じ、12.5%アクリルアミドゲ
ル(架橋度0.8)中で各溶離液を泳動試料として展開
した。泳動条件は、泳動開始時40mA、濃縮泳動時4
V/cm、分離泳動時8V/cmとした。また、泳動試料は
予め還元剤を含まない試料用緩衝液(312.4mMトリ
ス−塩酸、pH6.8、0.1%ブロムフェノールブルー、
10%ドデシル硫酸ナトリウム、20%グリセリン)を
25体積%加え30分間室温処理した。泳動後のゲルは
0.05%クマシーブリリアンブルーで1晩染色し、翌
日、0.7%酢酸で脱色した。なお、分子量マーカーと
して、92.5Kダルトン、66.2Kダルトン、4
5.0Kダルトン、31.0Kダルトン、21.5Kダ
ルトン及び14.4Kダルトンのマーカーを有するBI
O−RAD社製分子量マーカーを使用した。その結果、
塩化マグネシウム濃度が0.2M、0.3M及び0.4
Mのものは、全染色蛋白バンドに対する分子量約50K
ダルトンのバンドの濃さの比が増大していた。
【0020】
【発明の効果】従来、RNA結合蛋白質に対する抗体測
定時に使用する抗原としては細胞の抽出液がそのまま用
いられてきた。しかし、近年自己抗原になりうる細胞構
成成分としてRNA結合蛋白質の分子的性状が明らかに
されつつあり、これらの機能と自己免疫疾患罹患者の血
清中に出現する、これらに対する抗体の機能および病因
との関連、または疾患経過中に見られる自己免疫現象と
血清中の抗体価変動との関連もしくは病日との関連につ
いても諸説が議論され、病因物質としての抗RNA結合
蛋白質抗体の寄与ならびに臨床像との関連の把握が重要
となってきている。したがって、本発明のごとく、特異
的に効率よくRNA結合蛋白質を他の蛋白質や成分から
分離する方法の確立は、自己免疫疾患の診断や経過観察
あるいは自己免疫現象の予知のために行われる臨床検査
に用いられる試薬構成要素を調製する方法として有効な
ものである。そして得られたRNA結合蛋白質を用いた本
発明の抗RNA結合蛋白質抗体の測定法は臨床上非常に
有効なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるRNA結合蛋白質(S
SB/La蛋白質)のポリウリジル酸アガロースからの
溶出を示す図であり、縦軸は、各上清中のSSB/La
の抗原量を酵素免疫測定法で定量した時の波長405nm
における吸光度を、横軸は用いた塩化マグネシウムの濃
度を表す。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物組織、培養細胞またはそれらの加工
    品からRNA結合蛋白質を抽出し、次いで得られる抽出
    物を塩を含有する溶液環境下に、ポリウリジル酸ポリマ
    ーをリガンドとする担体を含むアフィニティゲルに接触
    させ、その後に該アフィニティゲルに吸着したRNA結
    合蛋白質を、溶液中の塩濃度を増加させることにより溶
    させ、精製されたRNA結合蛋白質を取得し、これを
    抗原として使用し、被験対象物中に存在する抗体を検出
    又は定量することを特徴とする抗RNA結合蛋白質抗体
    の測定法。
  2. 【請求項2】 精製するRNA結合蛋白質がSSB/L
    a蛋白質である請求項1記載の抗RNA結合蛋白質抗体
    の測定法。
  3. 【請求項3】 精製するRNA結合蛋白質がSSA/R
    o蛋白質である請求項1記載の抗RNA結合蛋白質抗体
    の測定法。
  4. 【請求項4】 動物組織、培養細胞またはそれらの加工
    品からRNA結合蛋白質を抽出し、次いで得られる抽出
    物をカオトロピックイオンを含有する溶液環境下に、ポ
    リウリジル酸ポリマーをリガンドとする担体を含むアフ
    ィニティゲルに接触させ、その後に該アフィニティゲル
    に吸着したRNA結合蛋白質を、溶液中のカオトロピッ
    クイオン濃度を増加させることにより溶離させ、精製さ
    れたRNA結合蛋白質を取得し、これを抗原として使用
    し、被験対象物中に存在する抗体を検出又は定量するこ
    とを特徴とする抗RNA結合蛋白質抗体の測定法。
  5. 【請求項5】 精製するRNA結合蛋白質がSSB/L
    a蛋白質である請求項4記載の抗RNA結合蛋白質抗体
    の測定法。
  6. 【請求項6】 精製するRNA結合蛋白質がSSA/R
    o蛋白質である請求項4記載の抗RNA結合蛋白質抗体
    の測定法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4784942A (en) 1984-11-05 1988-11-15 The Board Of Regents For The University Of Oklahoma Monoclonal antibodies against autoimmune RNA proteins

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US4784942A (en) 1984-11-05 1988-11-15 The Board Of Regents For The University Of Oklahoma Monoclonal antibodies against autoimmune RNA proteins

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