JP2595670B2 - 超電導膜形成基板の製造方法 - Google Patents
超電導膜形成基板の製造方法Info
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Classifications
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,高い臨界電流密度を有し,かつ接合性に優
れた,超電導膜を形成した基板に関する。
れた,超電導膜を形成した基板に関する。
高温超電導セラミックスは,高い臨界温度を有すると
ころから,将来広範囲の応用が期待されている。しかし
て,この高温超電導セラミックスは基板の上にその超電
導膜を形成することにより使用に供される。
ころから,将来広範囲の応用が期待されている。しかし
て,この高温超電導セラミックスは基板の上にその超電
導膜を形成することにより使用に供される。
従来,かかる高温超電導セラミックスとしては,SrTi
O3の基板上にYBCO(YBa2Cu3O7-d)をスパッタリングに
よりエピタキシャル成長させた薄膜が知られている。こ
の薄膜は106A/cm2程度の高い臨界電流密度を得ることが
できる。また,基板としてAl2O3,MgO,ZrO2,SrTiO3等を
用いることも知られている。
O3の基板上にYBCO(YBa2Cu3O7-d)をスパッタリングに
よりエピタキシャル成長させた薄膜が知られている。こ
の薄膜は106A/cm2程度の高い臨界電流密度を得ることが
できる。また,基板としてAl2O3,MgO,ZrO2,SrTiO3等を
用いることも知られている。
しかしながら,前者のエピタキシャル成長によるもの
と異なり,多結晶粒子の集合体として利用するバルクセ
ラミックスや,スクリーン印刷による厚膜の場合には,
低い臨界電流密度しか得られない。特に,後者の厚膜に
よる場合は,1A/cm2程度の臨界電流密度しか得ることが
できない。
と異なり,多結晶粒子の集合体として利用するバルクセ
ラミックスや,スクリーン印刷による厚膜の場合には,
低い臨界電流密度しか得られない。特に,後者の厚膜に
よる場合は,1A/cm2程度の臨界電流密度しか得ることが
できない。
一方,前記後者のAl2O3等の基板を用いる場合には,
基板上に超電導膜を形成して,熱処理(アニール)をす
る段階で,超電導膜に割れを発生することがある。この
割れの原因は,上記基板の熱膨張係数が7.5×10-6/℃
(Al2O3の場合)程度であるのに比し,上記YBCO多結晶
セラミックバルク全体のそれが通常のセラミックスに比
して非常に大きく,18×10-6/℃程度であり,両者の熱
膨張差によるものである。
基板上に超電導膜を形成して,熱処理(アニール)をす
る段階で,超電導膜に割れを発生することがある。この
割れの原因は,上記基板の熱膨張係数が7.5×10-6/℃
(Al2O3の場合)程度であるのに比し,上記YBCO多結晶
セラミックバルク全体のそれが通常のセラミックスに比
して非常に大きく,18×10-6/℃程度であり,両者の熱
膨張差によるものである。
本発明は,かかる従来の問題点に鑑み,高い臨界電流
密度を有し,かつ割れのない接合性に優れた超電導膜形
成基板を提供しようとするものである。
密度を有し,かつ割れのない接合性に優れた超電導膜形
成基板を提供しようとするものである。
本発明は,1300〜1450℃で焼成したY2BaCuO5よりなる
基板を用い,該基板の上面にYBa2Cu3O7-dよりなる超電
導膜を形成することを特徴とする超電導膜形成基板の製
造方法にある。
基板を用い,該基板の上面にYBa2Cu3O7-dよりなる超電
導膜を形成することを特徴とする超電導膜形成基板の製
造方法にある。
本発明において注目すべきことは,基板と超電導膜と
における材質の組合せ,及び超電導膜を形成するための
Y2BaCuO5よりなる基板の焼成温度を選定したことにあ
る。しかして,基板上への超電導膜の接合は,基板上に
上記YBa2Cu3O7-dの高温超電導セラミックスを厚膜印刷
し,熱処理することにより行うことが好ましい。Y2BaCu
O5は,半導体的抵抗−温度特性を有する結晶であり,超
電導相であるYBa2Cu3O7-dとY2BaCuO5とが材料中で混在
すると超電導特性を劣化させるおそれがある。しかし上
記のごとき接合によれば,両者は接合部分以外では独立
した材質として存在しているので,かかる問題は生じな
い。
における材質の組合せ,及び超電導膜を形成するための
Y2BaCuO5よりなる基板の焼成温度を選定したことにあ
る。しかして,基板上への超電導膜の接合は,基板上に
上記YBa2Cu3O7-dの高温超電導セラミックスを厚膜印刷
し,熱処理することにより行うことが好ましい。Y2BaCu
O5は,半導体的抵抗−温度特性を有する結晶であり,超
電導相であるYBa2Cu3O7-dとY2BaCuO5とが材料中で混在
すると超電導特性を劣化させるおそれがある。しかし上
記のごとき接合によれば,両者は接合部分以外では独立
した材質として存在しているので,かかる問題は生じな
い。
しかして,上記Y2BaCuO5は,例えば以下のようにして
作成する。即ち,その構成元素であるY(イットリウ
ム),Ba(バリウム),Cu(銅),O(酸素)を含む,Y
2O3,BaCO3,CuO等の化合物を所定割合で配合し,湿式混
合する。乾燥後900〜1200℃で仮焼して,原料粉末を完
全反応させ,Y2BaCuO5粉末を得る。次いで,該粉末にバ
インダーを加えて造粉し,所望形状に加圧成形し,1300
〜1450℃にて焼成し基板とする。これにより,焼成密度
が向上し,優れた超電導特性を有する超電導膜形成基板
を得ることができる(第3実施例参照)。なお,該基板
は超電導膜接合に先立って,その表面を研磨しておくこ
とが好ましい。
作成する。即ち,その構成元素であるY(イットリウ
ム),Ba(バリウム),Cu(銅),O(酸素)を含む,Y
2O3,BaCO3,CuO等の化合物を所定割合で配合し,湿式混
合する。乾燥後900〜1200℃で仮焼して,原料粉末を完
全反応させ,Y2BaCuO5粉末を得る。次いで,該粉末にバ
インダーを加えて造粉し,所望形状に加圧成形し,1300
〜1450℃にて焼成し基板とする。これにより,焼成密度
が向上し,優れた超電導特性を有する超電導膜形成基板
を得ることができる(第3実施例参照)。なお,該基板
は超電導膜接合に先立って,その表面を研磨しておくこ
とが好ましい。
次に,厚膜印刷による基板上への超電導膜の形成は,
例えば,YBa2Cu3O7-dの粉末を,PVB(ポリビニルブチラ
ール)等の糊料,溶媒と共に混合してペースト状にして
おき,これを前記基板上にスクリーン印刷する。その
後,900〜960℃で1〜10時間焼成して,超電導膜を基板
に接合する。次いで,400〜600℃で1〜20時間,酸素雰
囲気中でアニーリング(焼なまし)を行う。
例えば,YBa2Cu3O7-dの粉末を,PVB(ポリビニルブチラ
ール)等の糊料,溶媒と共に混合してペースト状にして
おき,これを前記基板上にスクリーン印刷する。その
後,900〜960℃で1〜10時間焼成して,超電導膜を基板
に接合する。次いで,400〜600℃で1〜20時間,酸素雰
囲気中でアニーリング(焼なまし)を行う。
また,上記において熱処理を980〜1000℃の高温で短
時間行い,YBa2Cu3O7-dを半溶融状態となし,冷却時に
再結晶化させた場合には,一層高い臨界電流密度を得る
ことができる。
時間行い,YBa2Cu3O7-dを半溶融状態となし,冷却時に
再結晶化させた場合には,一層高い臨界電流密度を得る
ことができる。
(第2実施例参照)。
上記により,本発明にかかる超電導膜を形成した基板
を得る。しかして,該基板上の超電導膜には,金(Au)
スパッタ電極,銅リード線等を接合し,超電導膜素子と
して使用に供する(第2図参照)。
を得る。しかして,該基板上の超電導膜には,金(Au)
スパッタ電極,銅リード線等を接合し,超電導膜素子と
して使用に供する(第2図参照)。
本発明においては,基板として1300〜1450℃で焼成し
たY2BaCuO5を,超電導膜としてYBa2Cu3O7-dを用い,両
者を接合しているので,基板の焼成密度が4.9付近とい
う高い値に向上し(第3実施例参照),高い臨界電流密
度を有すると共に,割れのない超電導膜形成基板を提供
することができる。
たY2BaCuO5を,超電導膜としてYBa2Cu3O7-dを用い,両
者を接合しているので,基板の焼成密度が4.9付近とい
う高い値に向上し(第3実施例参照),高い臨界電流密
度を有すると共に,割れのない超電導膜形成基板を提供
することができる。
かかる効果が得られるのは,まず高い臨界電流密度に
関してはYBa2Cu3O7-δによりもたらされ,また割れのな
い優れた接合性は上記両者の材料の組合せによりもたら
されるためである。しかして,この優れた接合性は,次
の理由によるものと思われる。
関してはYBa2Cu3O7-δによりもたらされ,また割れのな
い優れた接合性は上記両者の材料の組合せによりもたら
されるためである。しかして,この優れた接合性は,次
の理由によるものと思われる。
まず,第1にはY2BaCuO5とYBa2Cu3O7-dとは,その熱
膨張係数がほぼ近接していることである。即ち,YBa2Cu
3O7-dの熱膨張係数はa,b軸が11×10-6/℃,C軸が25×10
-6/℃である。通常YBa2Cu3O7-dはC軸が基板に垂直に
配向し,a,b軸方向の熱膨張係数がY2BaCuO5とほぼマッチ
ングするため,割れが生じない。また第2に,両者は同
一元素により構成され互いに濡れ性が良く,両者接合の
ための焼結が円滑に行われ,緻密な焼結ができることで
ある。
膨張係数がほぼ近接していることである。即ち,YBa2Cu
3O7-dの熱膨張係数はa,b軸が11×10-6/℃,C軸が25×10
-6/℃である。通常YBa2Cu3O7-dはC軸が基板に垂直に
配向し,a,b軸方向の熱膨張係数がY2BaCuO5とほぼマッチ
ングするため,割れが生じない。また第2に,両者は同
一元素により構成され互いに濡れ性が良く,両者接合の
ための焼結が円滑に行われ,緻密な焼結ができることで
ある。
前記従来技術で示したAl2O3等の従来の基板は,YBa2C
u3O7-dとの接合性(焼結性),反応性が悪い。
u3O7-dとの接合性(焼結性),反応性が悪い。
第1実施例 本発明にかかる,超電導膜形成基板を作製し,その特
性を測定した。
性を測定した。
即ち,まず基板を作製するため,Y2O3粉末44.9%(重
量比,以下同じ)とBaCO3粉末39.3%と,CuO粉末15.8%
とを配合し,エタノール中で湿式混合した。乾燥後,空
気中950℃で,5時間仮焼し,原料粉末を完全に反応さ
せ,Y2BaCuO5粉末を得た。該粉末をエタノール中で湿式
粉砕し,乾燥した後,バインダーを加えて造粒し,600kg
/cm2の圧力下で板状体に成形した。次いで,該成形品を
白金板上に置き,約1400℃で2時間空気中で焼成した。
更に,その表面を研磨し,後述する超電導膜形成用の基
板とした。
量比,以下同じ)とBaCO3粉末39.3%と,CuO粉末15.8%
とを配合し,エタノール中で湿式混合した。乾燥後,空
気中950℃で,5時間仮焼し,原料粉末を完全に反応さ
せ,Y2BaCuO5粉末を得た。該粉末をエタノール中で湿式
粉砕し,乾燥した後,バインダーを加えて造粒し,600kg
/cm2の圧力下で板状体に成形した。次いで,該成形品を
白金板上に置き,約1400℃で2時間空気中で焼成した。
更に,その表面を研磨し,後述する超電導膜形成用の基
板とした。
次に,超電導膜の形成に当り,まずYBa2Cu3O7-dの粉
末に対して,PVB10%含有テレピネオール溶液を加えてペ
ースト状となした。そして,前記基板上に該ペーストを
スクリーン印刷して厚膜を形成し,酸素雰囲気中,第1
表に示す焼成温度,時間で加熱した。そして,600℃で10
時間アニールを行った。
末に対して,PVB10%含有テレピネオール溶液を加えてペ
ースト状となした。そして,前記基板上に該ペーストを
スクリーン印刷して厚膜を形成し,酸素雰囲気中,第1
表に示す焼成温度,時間で加熱した。そして,600℃で10
時間アニールを行った。
以上により,第1図に示すごとく,Y2BaCuO5よりなる
基板1上に,YBa2Cu3O7-dよりなる超電導膜2を形成し
た。次いで,第2図に示すごとく,超電導膜2の上に,
金スパッタ電極3を4個形成した。そして,その内側の
2個の電極3には電圧測定用の銅リード線41,41を,ま
た外側の電極3には電流入力用の銅リード線42,42を,
それぞれ銀(Ag)ペーストにより接合した。
基板1上に,YBa2Cu3O7-dよりなる超電導膜2を形成し
た。次いで,第2図に示すごとく,超電導膜2の上に,
金スパッタ電極3を4個形成した。そして,その内側の
2個の電極3には電圧測定用の銅リード線41,41を,ま
た外側の電極3には電流入力用の銅リード線42,42を,
それぞれ銀(Ag)ペーストにより接合した。
そして,第1表に示すごとく本発明にかかる2種類の
試料(No1,2)について臨界温度(Tc),臨界電流密度
(Jc)の測定を行った。なお,測定に使用した上記基板
上の超電導膜は幅5mm×長さ20mm,厚み0.15mmであった。
また,基板は幅10mm,長さ30mm,厚み5mmであった。
試料(No1,2)について臨界温度(Tc),臨界電流密度
(Jc)の測定を行った。なお,測定に使用した上記基板
上の超電導膜は幅5mm×長さ20mm,厚み0.15mmであった。
また,基板は幅10mm,長さ30mm,厚み5mmであった。
上記測定結果を第1表に示す。同表中,基板の熱膨張
係数は0〜500℃における測定値である。比較のため,
従来の種々の基板を用い,他は上記と同様にして作製し
た超電導膜形成基板(NoC1〜C4)についても併示した。
係数は0〜500℃における測定値である。比較のため,
従来の種々の基板を用い,他は上記と同様にして作製し
た超電導膜形成基板(NoC1〜C4)についても併示した。
第1表より知られるごとく,本発明にかかる試料No1
及び2は,臨界温度が高く,また77Kにおける臨界電流
密度も高いことが分る。これに比して,従来基板である
Al2O3を用いたもの(NoC1)は,半導体的性質を示し
て,臨界温度は示さなかった。また,YSZ(Y添加安定化
ジルコニア)を用いたもの(NoC2)は,零抵抗臨界温度
が77K以下であった(NoC4も同様)。また,MgO基板を用
いたもの(NoC3)は零抵抗温度が低く,また臨界電流密
度が低かった。
及び2は,臨界温度が高く,また77Kにおける臨界電流
密度も高いことが分る。これに比して,従来基板である
Al2O3を用いたもの(NoC1)は,半導体的性質を示し
て,臨界温度は示さなかった。また,YSZ(Y添加安定化
ジルコニア)を用いたもの(NoC2)は,零抵抗臨界温度
が77K以下であった(NoC4も同様)。また,MgO基板を用
いたもの(NoC3)は零抵抗温度が低く,また臨界電流密
度が低かった。
また,前記5種類の試料につき,基板に形成された超
電導膜の接合状態を検査した。その結果,本発明にかか
る試料(No1,2)は,何らの損傷も見られなかった。し
かし,比較例のNoC1〜C4の場合には,いずれも超電導膜
に割れが認められた。この原因は,前記のごとくYBa2Cu
3O7-dのa,b軸方向熱膨張係数が11×10-6/℃であるのに
対し,本発明にかかる基板はこれとほぼ同程度の値であ
るが,比較例のものは熱膨張係数がこれよりかなり低い
(NoC1,C2,C4)か,又は高い(NoC3)からであると考え
られる。
電導膜の接合状態を検査した。その結果,本発明にかか
る試料(No1,2)は,何らの損傷も見られなかった。し
かし,比較例のNoC1〜C4の場合には,いずれも超電導膜
に割れが認められた。この原因は,前記のごとくYBa2Cu
3O7-dのa,b軸方向熱膨張係数が11×10-6/℃であるのに
対し,本発明にかかる基板はこれとほぼ同程度の値であ
るが,比較例のものは熱膨張係数がこれよりかなり低い
(NoC1,C2,C4)か,又は高い(NoC3)からであると考え
られる。
第2実施例 本例は,基板上に超電導膜用のペーストをスクリーン
印刷した後、その厚膜の焼成条件を,980℃×10分,更に
はその後960℃×5時間の2段階で行ったものである。
その他は,第1実施例のNo1と同様である。
印刷した後、その厚膜の焼成条件を,980℃×10分,更に
はその後960℃×5時間の2段階で行ったものである。
その他は,第1実施例のNo1と同様である。
このように,本例においては,厚膜を一旦980℃に加
熱して該厚膜を半溶融状態にした後,No1と同様に焼成し
ている。得られた超電導膜形成基板(No3)の測定結果
につき,第1表に示した。
熱して該厚膜を半溶融状態にした後,No1と同様に焼成し
ている。得られた超電導膜形成基板(No3)の測定結果
につき,第1表に示した。
同表により知られるごとく,本例にかかる試料No3は
臨界温度が高く,また臨界電流密度も前記No1,2に比し
て一層高いことが分る。これは,前記のごとく超電導膜
を一旦溶融させているためである。また,該試料No3に
ついても,その超電導膜に何らかの損傷も見られなかっ
た。
臨界温度が高く,また臨界電流密度も前記No1,2に比し
て一層高いことが分る。これは,前記のごとく超電導膜
を一旦溶融させているためである。また,該試料No3に
ついても,その超電導膜に何らかの損傷も見られなかっ
た。
なお,上記と並行して,前記試料NoC1〜C4の基板を用
いて,試料No3と同様に,超電導膜を一旦溶融させる実
験を行った。その結果,いずれも基板と超電導膜との反
応が進み,全て絶縁体の性質を示し,超電導膜体として
の性質を喪失していた。
いて,試料No3と同様に,超電導膜を一旦溶融させる実
験を行った。その結果,いずれも基板と超電導膜との反
応が進み,全て絶縁体の性質を示し,超電導膜体として
の性質を喪失していた。
第3実施例 次に,本発明にかかるY2BaCuO5基板の最適密度を調べ
るために焼成温度を変更してY2BaCuO5基板を作成した。
なお,焼成時間は2時間である。その他の基板製造条件
は,第1実施例と同一である。
るために焼成温度を変更してY2BaCuO5基板を作成した。
なお,焼成時間は2時間である。その他の基板製造条件
は,第1実施例と同一である。
第3図に焼成時間と基板焼成密度との関係を示す。
第3図から明らかなように,この基板の最高焼成温度
は,焼成密度が最高となる1300℃〜1450℃であることが
分る。焼成温度が1300℃より低い場合は密度が十分に上
がらず,焼成温度が1500℃になると一部溶融が始まり密
度が低下する。
は,焼成密度が最高となる1300℃〜1450℃であることが
分る。焼成温度が1300℃より低い場合は密度が十分に上
がらず,焼成温度が1500℃になると一部溶融が始まり密
度が低下する。
この各温度で焼成した基板に対し,実施例1と同様の
工程で本発明にかかる超電導膜を形成し,その特性を評
価した。その結果を第2表に示す。第2表の超電導特性
データからも明らかなように,1300℃〜1450℃で焼成し
た焼成密度4.5g/cm3以上のY2BaCuO5基板において,良好
な特性が得られることが分る。
工程で本発明にかかる超電導膜を形成し,その特性を評
価した。その結果を第2表に示す。第2表の超電導特性
データからも明らかなように,1300℃〜1450℃で焼成し
た焼成密度4.5g/cm3以上のY2BaCuO5基板において,良好
な特性が得られることが分る。
第1図は第1実施例にかかる超電導膜形成基板の側面
図,第2図はその特性測定時の状態を示す平面図,第3
図は第3実施例における基板焼成温度と焼成密度との関
係を示す線図である。 1……基板,2……超電導膜,41,42……銅線。
図,第2図はその特性測定時の状態を示す平面図,第3
図は第3実施例における基板焼成温度と焼成密度との関
係を示す線図である。 1……基板,2……超電導膜,41,42……銅線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 利之 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 河鰭 実昌 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 井村 徹 愛知県名古屋市千種区東山元町2丁目58 番地 東山コーポラス102号 (56)参考文献 特開 平1−186696(JP,A) 特開 平1−175793(JP,A) 特開 平1−234305(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】1300〜1450℃で焼成したY2BaCuO5よりなる
基板を用い,該基板の上面にYBa2Cu3O7-dよりなる超電
導膜を形成することを特徴とする超電導膜形成基板の製
造方法。 - 【請求項2】請求項1において,上記超電導膜の形成時
に980〜1000℃の熱処理を行ない,YBa2Cu3O7-dを半溶融
状態となし,冷却時に再結晶化させることを特徴とする
超電導膜形成基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63177535A JP2595670B2 (ja) | 1988-07-15 | 1988-07-15 | 超電導膜形成基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63177535A JP2595670B2 (ja) | 1988-07-15 | 1988-07-15 | 超電導膜形成基板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0227613A JPH0227613A (ja) | 1990-01-30 |
JP2595670B2 true JP2595670B2 (ja) | 1997-04-02 |
Family
ID=16032635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63177535A Expired - Lifetime JP2595670B2 (ja) | 1988-07-15 | 1988-07-15 | 超電導膜形成基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2595670B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5101243A (en) * | 1990-05-21 | 1992-03-31 | International Business Machines Corporation | Superconducting device structures employing anisotropy of the material energy gap |
-
1988
- 1988-07-15 JP JP63177535A patent/JP2595670B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0227613A (ja) | 1990-01-30 |
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