JP2595448B2 - パルプモールド型の製造方法 - Google Patents

パルプモールド型の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、梱包材料等のパルプモ
ールドに係わり、パルプモールド成形体を製造する際に
使用するパルプモールド型の製造方法に関するものであ
る。
【0002】パルプモールドは製造方法によって、ソフ
トモールドとハードモールドの二種類に分類される。 (a)ソフトモールド ソフトモールドは、厚さ1.5mm〜3.0mmが一般的で
あり、主に鶏卵、青果物、工業製品等の梱包材料として
使用される成形品である。近年の廃棄物再利用の考え方
から従来のプラスチック製の発泡緩衝体の代わりに、古
紙を主原料としたパルプモールド法による成形体の重要
性が大きくなっている。
【0003】その製造にあたっては、古紙を水で溶解
し、離解した原料を水で希釈した状態で槽の中に入れ、
その中に多数の吸引孔を設けた金属(例えば、アルミニ
ウム、砲金など)の成形型に網をかぶせてなる型を浸漬
させる。そして、型の一方から真空ポンプで吸引・脱水
して原料繊維を金網の上に堆積させることにより、水分
を含んだパルプモールド成形体を得る。次に、この成形
体を取り出し、乾燥して製品としている。その後、必要
に応じてプレスによって形を整えることも行っている。
【0004】(b)ハードモールド ハードモールドは別名「テックス」とも呼ばれ、厚さは
10mm〜15mmが一般的であり、モーター、自動車部
品、家電製品、便器などの重量物の包装材や緩衝材、固
定材として使用される。ソフトモールドとの製造方法上
の違いは、槽内の原料希釈液の濃度を高め、ソフトモー
ルドと同じ構造の成形型を上下に設け、その間に原料希
釈液を供給し、上下の成形型で挟み込み、加圧脱水する
ことにより、網上に原料繊維を堆積させパルプモールド
成形体を得る点である。次いで、この成形体を取り出
し、乾燥して製品とするのは、ソフトモールドと同じで
ある。
【0005】
【従来の技術】従来のパルプモールド用の成形型1は、
図4に示されるような構成である。即ち、形状を決める
型本体10の上に、その形状に沿うように網20が密着
して設置されてなり、型本体10をその裏側にて保持台
30に取り付けて使用するようになっている。この保持
台30には、保持台30と型本体10とにより画成され
てなる空間40を真空吸引するための排気口31が設け
られている。
【0006】図5はパルプモールド成形体を製造してい
る状態であり、網20を設けた型本体10を槽60内の
原料希釈液70中に浸し、矢印(イ),(ロ)のように
真空吸引するか、又は上下に夫々配設してなる成形型に
より加圧脱水することにより、網20上にパルプ繊維を
堆積させてパルプモールド成形体50を得る。成形され
たパルプモールド成形体50は、網20の上から取り出
され、以降乾燥工程を経て製品化される。
【0007】これまで述べたように、型本体10におい
ては、金属鋳物(例えばアルミニウム、砲金等)を切削
加工して製作し、これにドリル等で吸引孔11をあけた
後、表面に40〜80メッシュ程度の網20を張ること
が必要である。
【0008】一般にパルプモールド製品の形状は複雑で
あり、物によっては孔加工も困難な場合が生じる。その
上、網20を張るのが不可能な形状が多い。その場合に
は、網20を張ることのできるような形状まで分割して
なる金属鋳物を製作し、夫々に孔加工した上で、網20
を張った分割成形型を作る。そして、それらを組み合わ
せることによりパルプモールド型1としている。
【0009】孔加工して網20を張る作業は、熟練を要
する手作業となる。この網20は繰返し吸引又は加圧に
さらされるために損傷することがあり、その修理にも多
くの手間が必要である。さらに、この網20の材質とし
て耐食性が高く、強度に優れたステンレス鋼の種類が望
ましいが、加工性に劣る点が問題であり、型本体10の
裏側から細い針金で固定するなどの多くの手間を要す。
【0010】このように成形型1の製作工程が複雑な結
果、その製造コストも高価となるだけでなく、その製作
期間も長い。さらに多数の吸引孔11を設ける成形型1
においては、銅系の合金鋳物が多く採用されているが、
サイズによっては甚だ重くなるので成形型1の取替え
は、困難な作業となる。
【0011】特殊なパルプモールド型として、網を使わ
ずに済むように、微細な孔を多数生成させた金属粉末焼
結体或いはセラミック粉体を固化してなる型が考案され
ている。この場合、生成する孔は、成形型内部ではほと
んど総べてが真直ぐではないため、原料繊維が詰まり、
連続運転が困難である。従って、現状では見本の試作用
にしか使用されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】既述のように、これま
でのパルプモールド型1は、その製造コスト、その型の
納期、網張作業者の熟練度、網20のメンテナンスなど
に多くの問題があり、短い納期で安価なパルプモールド
製品を供給する上で障害となっていた。このことが、今
日環境問題としてクローズアップされている包装梱包業
界に於て、古紙を主原料としたリサイクル製品であるパ
ルプモールド製品の開発スピードを鈍らせている大きな
原因の一つである。また、このような型1を用いること
により得られた成形体の表面には、網20が転写されて
網目が付いてしまうため、成形体の表面性状は好ましい
ものではなかった。
【0013】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであり、熟練作業者を必要とする網張り作業をなく
し、短時間での成形型の供給を可能ならしめ、さらに
は、メンテナンス性に優れた作業性のよい軽量のパルプ
モールド型を容易に製造するためのパルプモールド型の
製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、上記型本体に設ける貫通孔の形状や
直径やピッチなどを最適化することにより、上記網を設
けずとも、目詰まりを起こすことなく、懸濁液中でのパ
ルプ繊維の吸着を継続して行うことができると考え、鋭
意研究を重ねて本発明の完成に至った。また、青果物の
ような不定形の被梱包体を梱包する際の容器や緩衝体を
形成する場合には、複雑な形状のパルプモールド型が必
要となるが、超塑性を有する材料を超塑性変形させるこ
とによりそのような複雑形状を容易に形成することがで
きることがわかった。特に、超組成材料としてステンレ
ス鋼を用いれば、耐食性や強度の点でも都合がよい。
【0015】本発明は、上記知見等に基づきなされたも
ので、表面から裏面に至るまで略同一の直径で略まっす
ぐに貫通し、且つ2.0mm以下の直径で、0.05mm以
上2.0mm以下のピッチで点在してなる複数の孔を有
し、前記表面又は前記裏面の見 掛けの面積に対する前記
孔群の開口面積の割合が8.8%以上75%以下である
パルプモールド型を製造するにあたり、パルプモールド
型の転写すべき形状と相補形状をなす凹部を有する成形
用型の上に、表裏に貫通する複数の孔を有してなる第1
の超塑性材料板を載せ、さらにその上に、少なくとも前
記第1の超塑性材料板の前記貫通孔群を閉塞可能な、孔
の設けられていない第2の超塑性材料板を重ねて載せ、
該第2の超塑性材料板に上から成形圧を印加してそれら
第2の超塑性材料板及び第1の超塑性材料板を超塑性変
形させることにより、当該第1の超塑性材料板を前記成
形用型の前記凹部に押し当ててパルプモールド型の形状
に成形することを提案する。
【0016】 パルプモールド型に設けた上記貫通孔の直
径を2.0mm以下とした理由は、その上限を越える場合
にはパルプ懸濁液中の繊維分がその貫通孔を通過してし
まい、均一で十分な強度のパルプモールド成形体が得難
いからである。一方、貫通孔の直径の下限に付いては、
特に規定する必要はないが、真空吸引の際に十分な吸引
力を得て強度上満足される程度の厚さの成形体を適当な
成形速度で形成するためには、好ましくは0.05mm以
上であるのがよい。
【0017】また、上記貫通孔のピッチを0.05mm以
上2.0mm以下としたのは、その上限を越える場合には
吸着したパルプ繊維同士が有効に絡み合わなくなってパ
ルプモールド成形体の形成が困難となり、一方下限を越
える場合にはパルプモールド型の強度が著しく低下して
しまい実用に耐えられなくなるからである。
【0018】さらに、パルプモールド型の表面又は裏面
の見掛けの面積に対する上記貫通孔群の開口面積の割合
(以下、「開孔率」とする。)を8.8%以上75%以
下としたのは、以下の理由による。即ち、その上限に付
いては、貫通孔が2.0mmの孔径で0.05mmピッチで
設けられている場合に最大の開孔率が得られ、その値が
約75%であるからである。一方、その下限に付いて
は、パルプモールド成形体を安定して形成するには孔の
ピッチが孔径の3倍を越えないようにしなければなら
ず、その3倍を越えない時の開孔率の値が8.8%であ
るからである。なお、上記見掛けの面積とは、パルプモ
ールド型の表面又は裏面において、実際に型の材料が露
出してなる部分(即ち、孔と孔の間の型の実体のある部
分)の面積(真の面積)と、貫通孔の開口部分(即ち、
孔となっているため実際には何もない部分)の面積とを
足したものである。
【0019】上述したような径及びピッチで貫通孔が設
けられてなるパルプモールド型を超塑性成形により製作
する場合には、予め孔を穿設してなる第1の超塑性材料
板と孔の開いていない第2の超塑性材料板とを重ね合わ
せて行う。その際、特に限定しないが、成形圧としてガ
ス圧を利用するガスブロー成形法が最も効果的である。
【0020】第2の超塑性材料板を重ねるのは以下の理
由による。即ち、第2の超塑性材料板を重ねずに第1の
超塑性材料板のみでガスブロー成形を行っても、貫通孔
から成形圧印加用のガスが漏れてしまい、第1の超塑性
材料板にガス圧が有効に印加されない。従って、第2の
超塑性材料板で貫通孔を塞ぐ必要があるからである。な
お、第1の超塑性材料板の変形が終了するまで、貫通孔
を塞いでおかねばならないので、第2の超塑性材料板も
超塑性を有する材料でできていなければならないのはい
うまでもない。
【0021】ここで、上述したように第1の超塑性材料
板と第2の超塑性材料板とを重ね合わせて、両板の周縁
をともに超塑性成形用型に固定してもよいし、或は第2
の超塑性材料板の周縁のみを超塑性成形用型に固定し、
第1の超塑性材料板は何等固定せずに自由な状態にして
おいてもよい。第1の超塑性材料板を固定しない場合に
は、印加したガス圧によって第2の超塑性材料板が変形
し、その変形した第2の超塑性材料板によって第1の超
塑性材料板が超塑性成形用型に押し当てられて、第1の
超塑性材料板の成形がなされる。また、成形キャビティ
からは成形に伴い大気等が排出されるが、第1の超塑性
材料板の酸化を防いで表面性状に優れたパルプモールド
型を成形するために、好ましくは予め大気と不活性ガス
を置換しておくとよい。さらに、パルプモールド型に生
成した酸化スケールを除去するため、超塑性成形後に、
パルプモールド型を酸洗したり機械的に研磨したりして
その表面を清浄に調整してもよい。
【0022】
【作用】本発明によれば、上述のように超塑性成形によ
り製造される有孔板を使った成形品を網を用いることな
パルプモールド型として使用することが出来る。これ
により、従来のパルプモールド型の欠陥を克服した軽量
の成形型、網をなくしたメンテナンスフリーの成形型、
成形型納期の短縮、製造コストの低減を図ることが出来
る。その上、成形型の耐食性の向上も図れる。また、こ
のような型を用いて得られた成形体の表面性状は、型に
網がないため、平滑となる。
【0023】また、上述のように予め孔を穿設してなる
第1の超塑性材料板と孔の開いていない第2の超塑性材
料板とを用いることにより、予め孔が穿設された第1の
超塑性材料板を超塑性成形することができるので、超塑
性成形した後に孔を形成するよりも、極めて容易に超塑
性成形により上記構成を有するパルプモールド型を製造
することができる。 また、予め孔が穿設された第1の超
塑性材料板を上述のように超塑性成形できることによ
り、通常の深絞り加工では成形困難な複雑な形状の成形
を行うことができる
【0024】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明の特徴とする
ところを明らかとする。なお、本明細書及び図において
は、同一対象に対しては同一の符号を付している。(実施例) 図1には、本発明に係るパルプモールド型の実施例及び
その型により成形されてなるパルプモールド成形体の縦
断面が示されている。同図に示すように、このパルプモ
ールド型200は、複数の貫通孔211を有し、超塑性
成形されてなる超塑性材料板よりなる。そして、パルプ
モールド型200は、従来と同様に、保持台30に取り
付けらて使用されるようになっている 。なお、符号31
は排気口であり、懸濁液中で空間40を真空吸引する際
に真空ポンプを連結するようになっている。超塑性成形
技術によれば通常の深絞り加工では成形困難な複雑な形
状の成形を行うことができるので、果物などのように不
定形状をなす被梱包体の容器や緩衝体を成形するための
型を製造する際に有効である。
【0025】以上のように構成されてなるパルプモール
ド型200は以下のようにして製造される。先ず、耐力
552N/mm2 、強度724N/mm2 を有する厚さ2.
0mmのSUS329J1L二相ステンレス鋼の超塑性材
料板201(図2参照)を用意し、電子ビームなどを利
用して、貫通孔211を、直径2.0mm以下で、且つ
0.05mm以上2.0mm以下のピッチで、さらに開孔率
が8.8%以上75%以下となるように、表裏に貫通さ
せて開ける。なお、貫通孔211の上記条件に付いて
は、超塑性成形後にその条件を満たすようにしてもよ
い。
【0026】そして、図2に示すように、その超塑性材
料板201を第1の超塑性材料板とし、その上に孔の開
いていない第2の超塑性材料板202(例えば、厚さ
0.5mm)に重ね合わせ、目的とする成形形状を有する
超塑性成形用型300の上に載置する。さらにその上
に、密閉用の蓋体350を被せ、上から荷重をかける。
なお、予めその型300を加熱して超塑性の発現温度
(例えば、926℃)に設定しておくのはいうまでもな
い。
【0027】続いて、図3に示すように、上記温度を保
ったまま、矢印(ハ)で示したように最高で27kg/cm
2 の圧力の不活性ガス(例えば、アルゴンガス)を蓋3
50に設けられてなるガス供給管351より導入する。
そして、矢印(ニ)で示したようにガス圧を作用させて
超塑性材料板201,202を超塑性変形させる。この
際、超塑性成形用型300の凹部301内のガスは、矢
印(ホ)で示したように排気管302を介して型の外に
排気される。なお、必要に応じて、成形の開始前、或は
成形中、凹部301内を減圧あるいは不活性ガス雰囲気
にしておいてもよい。
【0028】成形終了後、超塑性材料板201,202
を超塑性成形用型300から取り外し、超塑性材料板2
01と202とを分離することによって、パルプモール
ド型200が得られる。
【0029】上記製造方法にしたがって、実際に製造し
て得られたパルプモールド型200の一具体例に付いて
以下に記し、その有効性を明らかとする。この例では、
直径0.3mmの貫通孔211を、互いに60゜を成す千
鳥状に0.6mmピッチで開けた。この場合の超塑性成形
前、即ち超塑性材料板201における開孔率は約23%
であったが、成形後の型200における平均開孔率は約
27%であった。
【0030】そのパルプモールド型をパルプモールド成
形機に装着し、従来と同じ方法及び条件でパルプモール
ド成形体の成形を行ったところ、滑らかな曲面で構成さ
れた肉厚2.8mmのパルプモールド成形体250(図1
参照)が得られた。従って、実施例のパルプモールド型
200を用いて何等問題なくパルプモールドを行うこと
ができることが確認された。しかも、パルプモールド成
形体250の表面250a、即ちパルプモールド型20
0に接触していた面は、従来に較べて平滑であった。
【0031】また、従来のブロンズ製の型(図4参照)
との比較結果を表1に示す。同表において、製造コスト
及び納期に付いては、実施例のパルプモールド型200
の上記具体例を製造する場合を1とし、従来例の型を製
造する場合に要するコスト及び納期がその具体例に対し
て何倍に相当するかを記した。ここで、製造コストに付
いては、パルプモールド成形体250の実際の量産時に
は型200を複数個用意しておくことに鑑み、具体例及
び従来例ともに型を6個ずつ製造して比較を行った。
【表1】
【0032】表1より、従来例の型に較べて上記具体例
の型においては、その肉厚が略半分で済み、重量も半分
以下となっている。また、網がないためメンテナンスも
不要である。さらに、製造コスト及び納期においても優
れていることがわかる。なお、具体例の型における強度
は従来例の型の強度と同じか又はよりも高くなってい
る。
【0033】なお、超塑性材料板201,202の各材
質や厚さや耐力や強度などは、上記実施例によっては何
等制限されないのはいうまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、多くの
微細な孔を有する板をもって構成するパルプモールド型
の製造方法であって、該製造方法により製造されたパル
プモールド型を用いた場合には、パルプモールド成形時
には網をまったく必要としないため、メンテナンス性に
優れ、網を張るための熟練した作業者も不要となり、し
かも成形型は軽く、耐久性に優れ、その製造コストが低
減し、製作納期が短縮できる成形型を製造することがで
きる。
【0035】その上、パルプモールド成形時に、従来の
網を有する型では成形脱水のときに型本体と網との間に
原料の微細繊維が高い頻度で堆積残留して、パルプモー
ルド品質に穴開きなどの障害を及ぼすのでそのような堆
積残留した微細繊維を洗い落とす必要がある。しかるに
本発明は、網がなく、孔は真直ぐで短い距離であるので
パルプモールドの成形脱水時に原料の微細繊維の堆積は
殆どない。
【0036】加えて、網を使用しないため、製造される
パルプモールド成形体の表面には、従来の技術では必ず
生じていた網目や分割成形型を組み合わせた接続部分の
条痕がなくなる。従って、本発明は、平滑性も高く、優
れた表面意匠性をもった梱包材料の生産が出来る、実用
上画期的なものである。また、上述のように予め孔を穿
設してなる第1の超塑性材料板と孔の開いていない第2
の超塑性材料板とを用いることにより、予め孔が穿設さ
れた第1の超塑性材料板を超塑性成形することができる
ので、超塑性成形した後に孔を形成するよりも、極めて
容易に超塑性成形により上記構成を有するパルプモール
ド型を製造することができる。 また、予め孔が穿設され
た第1の超塑性材料板を上述のように超塑性成形できる
ことにより、通常の深絞り加工では成形困難な複雑な形
状の成形を行うことができるので、複雑な形状の製品に
対応したパルプモールドからなる梱包材、包装材、緩衝
材、固定材を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパルプモールド型の製造方法
で製造されるパルプモールド型及びその型により成形さ
れてなるパルプモールド成形体を示す縦断面図である。
【図2】上記実施例のパルプモールド型の製造方法を説
明する図で、超塑性成形用型に超塑性材料板を載置した
成形前の状態が示されている。
【図3】上記実施例のパルプモールド型の製造方法を説
明する図で、超塑性成形用型に載置した超塑性材料板の
成形後の状態が示されている。
【図4】従来のパルプモールド型の縦断面図である。
【図5】従来のパルプモールド型を用いたパルプモール
ド成形体の形成方法を説明する 図である。
【符号の説明】 00 パルプモールド型 11 貫通孔 50 パルプモールド成形体 50a パルプモールド成形体の表面(パルプモール
ド型との接触面) 201 第1の超塑性材料板 202 第2の超塑性材料板 300 超塑性成形用型 301 凹部
フロントページの続き (72)発明者 岡登 信議 神奈川県川崎市川崎区小島町4番2号 日本冶金工業株式会社 研究開発本部 技術研究所内 (72)発明者 片桐 立夫 神奈川県川崎市川崎区小島町4番2号 日本冶金工業株式会社 研究開発本部 技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−63268(JP,A) 特開 昭60−9704(JP,A) 特開 平3−113100(JP,A) 特開 昭58−144199(JP,A) 特表 昭60−500505(JP,A) 特公 平2−40800(JP,B2) 特公 昭58−32556(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面から裏面に至るまで略同一の直径で
    略まっすぐに貫通し、且つ2.0mm以下の直径で、0.
    05mm以上2.0mm以下のピッチで点在してなる複数の
    孔を有し、前記表面又は前記裏面の見掛けの面積に対す
    る前記孔群の開口面積の割合が8.8%以上75%以下
    であるパルプモールド型を製造するにあたり、パルプモ
    ールド型の転写すべき形状と相補形状をなす凹部を有す
    る成形用型の上に、表裏に貫通する複数の孔を有してな
    る第1の超塑性材料板を載せ、さらにその上に、少なく
    とも前記第1の超塑性材料板の前記貫通孔群を閉塞可能
    な、孔の設けられていない第2の超塑性材料板を重ねて
    載せ、該第2の超塑性材料板に上から成形圧を印加して
    それら第2の超塑性材料板及び第1の超塑性材料板を超
    塑性変形させることにより、当該第1の超塑性材料板を
    前記成形用型の前記凹部に押し当ててパルプモールド型
    の形状に成形することを特徴とするパルプモールド型の
    製造方法。
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