JP2595416Y2 - マーキングペン用インキ補充容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、繊維製ペン芯、フェル
ト製ペン芯を使用したマーキングペンにインキをペン芯
より補充するための補充容器に関する。

【従来の技術】従来のマーキングペンにインキを補充す
る方法としては、速乾性筆記具においてはペン芯ホルダ
ーを筆記具本体よりねじって分離させ、筆記具本体にイ
ンキを滴下補充した後ペン芯ホルダーを筆記具本体にね
じって固定させている。しかしながらこれらの補充方法
はインキを滴下補充するときインキにて手、指を汚した
り、所定量以上にインキを補充してしまったりする。こ
れらの欠点を解消するために補充インキ瓶から一定量、
例えば１ｃｃの量しか出ないような構成にしている。し
かしながら、ペン芯ホルダーと筆記具本体を分離して補
充するので前記欠点の解消には不充分であった。更にペ
ン芯ホルダーと筆記具本体を分離できるようにしておか
なければならないので筆記具本体中のインキが蒸発しや
すくなり保存中において筆記出来なくなってしまうこと
があった。そこで、万年筆用のインキカートリッジの補
充方法を利用し、ペン芯部より直接インキを補充するた
めのインキ補充容器を考案するものである。さて、万年
筆用のインキカートリッジは実公昭３４−２２２８号、
実公昭４７−２５６１３号、実公昭３７−２１９０６
号、実公昭３７−９５１８号等にて公知である。これら
のインキカートリッジは開口部をボール、半球状の栓、
中子等にて封じたものであるが、筆記具のペン芯部より
インキを補充するには、ボール、半球状の栓、中子を押
圧し開封するので押圧部材が必要であり、かつ、筆記具
本体中の空気をペン芯ホルダー部を通して置換しなけれ
ばならない。従来のインキ補充とはまったく異なる観点
から新規の補充容器を開発するに至った。

【０００２】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、上述した通
り従来技術におけるマーキングペン用インキ補充容器を
ペン芯保持部から補充するための補充容器をインキカー
トリッジの形状にし、インキ補充時においてもインキ漏
れを防止したマーキングペン用インキ補充容器を提供す
る。

【０００３】

【課題を解決するための手段】内壁面に凹部２及び長さ
ａの舌片３を端部に有する舌片保持体４を一体に設けか
つ他端を閉じたインキ補充容器本体１と、大径部１０の
内壁面に突部７及び外壁面に隆起部６及び外壁面の下端
部に段部１８を設け小径部９の側面に舌片３の長さａよ
り小さい直径ｂの孔８を設けた有底筒体の押子５とを、
凹部２と隆起部６の嵌着にて保持させるとともに、孔８
より下方の小径部９と舌片３にて密閉させた。

【０００４】

【作用】舌片３の長さａより小さい直径ｂの孔８を有す
る有底筒体の押子５を、凹部２と隆起部６の嵌着にて保
持されるとともに、孔８より下方の小径部９と舌片３に
て密閉させ、小径部９の外周面にインキが漏れるのを防
止する。

【０００５】

【実施例】以下、本考案の実施例を図１、図２にて具体
的に説明する。図１において、１はインキ補充容器本体
であり、厚さ１ｍｍのポリプロピレン製の円筒体であ
り、一端開口部の内方内壁面に凹部２及び、凹部２より
内方内壁面に舌片保持体４をインキ補充容器本体１の軸
方向に対して垂直方向の内壁面に設け、その舌片保持体
４の全周端部にインキ補充容器本体１の軸方向と同一方
向でかつ、内方向に長さａの舌片３を設けた。インキ補
充容器本体１の他端は閉じてある。５は押子であり、ポ
リプロピレン製の有底筒体である。開口部を有し、内径
が大きい大径部１０と小径部９よりなり、大径部１０の
ほぼ中間部内壁面に突部７及び、大径部１０の外壁面に
隆起部６を押子５の軸方向に対して垂直方向の全周面に
設けた。更に大径部１０の下端部に段部１８を設け、小
径部９のほぼ中間部に直径ｂの孔８を設けた。前記イン
キ補充容器本体１に押子５を挿入し、凹部２に隆起部６
が嵌着し、同時に舌片３に小径部９の先端部が嵌入され
る。舌片３の長さａは孔８の直径ｂより長い。又、イン
キ補充容器本体１の容量は、筆記具本体１５に保持され
るインキ量の４０から７０％がよい。前記インキ補充容
器本体１および押子５の材質はポリプロピレン以外イン
キの組成により、インキと何ら変化変質しないでかつ、
透過しない材質であれば、ポリエチレン、ポリアセター
ル、ユリア等の合成樹脂を適宜選択して使用できる。１
１はペン芯で、フェルト、アクリル繊維等合成繊維製、
合成樹脂粉末の焼結体等の材質であり適宜選択して使用
することができる。１２はペン芯ホルダーで、ペン芯保
持部１３と筆記具本体保持部１６を有し、ペン芯保持部
１３の内面には空気溝１９を設けてある。ペン芯ホルダ
ー１２の材質としては、ユリア樹脂、フェノール樹脂等
の熱硬化性樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用できるが、イ
ンキの組成により、溶剤の透過性、強度等を考慮し選択
して使用できる。通常は、水性インキには熱可塑性樹
脂、油性インキには熱硬化性樹脂が使用されている。１
４はパッキンで、インキに侵されない熱可塑性樹脂製で
ある。１５は筆記具本体で、アルミニウム、合成樹脂製
でインキの組成により適宜選択して使用する。開口部に
おいて、ペン芯ホルダー１２とパッキン１４とともに螺
旋固定されている。１７はインキ吸収体で、フェルト、
アセテート等の合成繊維の収束体等である。合成繊維の
収束体の形状としては、セロハン等の外皮付きのもの、
あるいは、合成繊維の収束体の外周を部分的に樹脂等で
固めた外皮無しのものを使用できる。ペン芯保持部１３
の外径は、前記押子５の大径部１０の内壁面の突部７の
内径よりわずかに大きい寸法である。

【０００６】本考案のインキ補充カートリッジの製造方
法は、インキ補充容器本体１に押子５を嵌着した後、イ
ンキ補充容器本体１の他端よりインキを定量注入した後
熱溶着して閉じる。又は、インキ補充容器本体１の他端
をあらかじめ閉じた後、インキを定量注入し、押子５を
インキ補充容器本体１に嵌着する。これらの方法の選択
はインキの沸点、引火点等を考慮し決定する。次に、図
２により、インキ補充する場合を説明する。まず、ペン
芯１１を押子５の大径部１０に挿入し、さらにペン芯保
持部１３を突部７を超して押込むと、隆起部６が凹部２
から離脱し、押子５の段部１８が舌片保持部４にて止ま
るまで押し込むと、直径ｂの孔８が長さａの舌片３にて
孔８の下方から開かれ、インキが小径部９に流入しはじ
める前に孔８の上端は塞がれるので、小径部９の中を通
りペン芯１１と空気溝１９を通ってインキ吸収体１７に
補充される。このように密封されたインキ補充容器本体
１のインキが筆記具本体１５のインキ吸収体１７に補充
されるのは、筆記具本体１５中及び、インキ吸収体１７
中の空気とインキの蒸気がインキ補充容器本体１に移動
置換されインキが補充されるのである。

【０００７】

【効果】以上の通り、本考案は従来の補充方法とは異な
りペン芯ホルダーをねじって外さないので、筆記具本体
保持部１６を密封固着できる。よって、長期間筆記具を
保存してもインキの蒸発を防止できる。又補充する時
は、筆記具のペン芯ホルダー１２をインキ補充容器の開
口部に押込むだけで、手指をインキで汚さないで簡単に
できる。更に、舌片保持体４に孔８の直径ｂより長い舌
片３を設けたので押子５の小径部９とインキ補充容器本
体１との間にインキが漏れずに、インキ補充できる。

【０００８】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の一部断面図

【図２】使用状態を示す一部断面図

【０００９】

【符号の説明】

１ インキ補充容器本体 ３ 舌片 ５ 押子 ６ 隆起部 ８ 孔 １２ ペン芯ホルダー １７ インキ吸収体

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内壁面に凹部２及び長さａの舌片３を端
   部に有する舌片保持体４を一体に設けかつ他端を閉じた
   インキ補充容器本体１と、大径部１０の内壁面に突部７
   及び外壁面に隆起部６及び外壁面の下端部に段部１８を
   設け小径部９の側面に舌片３の長さａより小さい直径ｂ
   の孔８を設けた有底筒体の押子５とを、凹部２と隆起部
   ６の嵌着にて保持させるとともに、孔８より下方の小径
   部９と舌片３にて密閉させたことを特徴とするマーキン
   グペン用インキ補充容器。