JP2595226B2 - ポリアミドファイバーの黄変を減少させる方法 - Google Patents

ポリアミドファイバーの黄変を減少させる方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ポリアミド繊維製品を耐汚染性(stain r
esistance)にする方法に関する。
繊維又は繊維述、布張り地(upholstery)、及びカー
ペツトに汚染及び/又は着色抵抗性を付与するために、
種々の方法が織物工業で試みられてきた。これらの方法
は、繊維を弗素化学化合物、シリコーン化合物、又はア
クリル化合物で処理することを含む。望ましくない着色
に対する耐性は予じめ染色した又は染色してない繊維に
耐染色剤を適用することによって繊維に付与できること
も公知である。ポリアミド物質に良く働くスルホン化さ
れたナフトール−又はスルホン化されたフエノール−ホ
ルムアルデヒド縮合生成物を含む多くの耐染色剤が存在
する。しかしながら、これらの縮合生成物は、NO2の存
在のような環境条件にさらした時繊維上で黄変するとい
う欠点をもつことが発見された。もの問題は明色相の織
物製品(textile articles)において特に顕著であ
る。
本発明は、スルホン化されたフエノール−ホルムアル
デヒド又はスルホン化されたナフトール−ホルムアルデ
ヒドの縮合生成物をポリアミド織物製品に適用してこれ
を耐汚染性にする際に、該縮合生成物を含むが非イオン
性分散剤及び撥水性液体ポリシロキサンを含まない水溶
液をpH1.5〜2.5で適用し、これによって処理した製品
の、大気中におけるNO2への露呈による、黄変を減少さ
せる方法に関する。
本発明は、スルホン化されたナフトール−又はスルホ
ン化されたフエノール−ホルムアルデヒド縮合生成物
(以下「縮合生成物」又は「耐汚染性剤」として言及)
を含むポリアミド織物製品の、大気中のNO2の存在によ
る如き環境条件への露呈による望ましくない黄変化の劇
的な減少を提供する。
有利には、これらの縮合生成物を染色した織物物質に
適用する場合、それはある種の食べ物例えばコーヒー、
赤ワイン、及びソフトドリンクを偶然こぼしたことによ
る汚れに対する対汚染性剤として役立つ。後者の飲み物
は染料、例えば食品、薬品、及び化粧品(FD&C)赤色
染料40号をしばしば含んでいる。例えばFD&C赤色染料
40号を含有する液体をポリアミド物質上にこぼした時、
それはポリアミドをかなりの程度で着色する(即ち汚染
する)。しかしながらこの物質を最初に耐汚染性剤で処
理してあるならば、こぼれた染料はカーペツトを永久的
に汚染せず、この望ましくない染料は洗い出すことがで
きる。
ポリアミド基質に関して効果的な、スルホン化された
ナフトール−又はスルホン化されたフエノール−ホルム
アルデヒド縮合生成物の種類からの耐汚染性剤は米国特
許第4,501,591号及び他の特許並びに商品パフレツトに
記述されている。そのような耐汚染性剤は市販品例えば
エリオノール(Erionol )NW)[チバガイギー(Ciba
−Geigy)]、イントラテツクス(Intratex )N[ク
ロンプトン・アンド・ノウレス(Crompton & Knowle
s)]、及びメシトール(Mesitol )NBS[モベイ(Mob
ay)]が代表である。これらの生成物は耐着色性剤とし
て又は織物商品の浴加工における湿潤堅牢性を改善する
ための試剤として商業的に市販されており、約4〜6の
酸性pH範囲で使用することが推奨されている。
上述の耐汚染性剤で処理したポリアミド物質は、優秀
な耐汚染性を有するけれど、それらがある環境条件例え
ば大気中に通常見出され且つ特に市街地に多いNO2に露
呈された時に黄偏するという明らかな欠点を有する。こ
の黄変化は耐汚染性が最も期待される製品である明染色
色相の織物製品に対して耐汚染性剤の使用を妨害するほ
ど十分に深刻となりうる。
本方法はポリアミド物質の黄変が最小となるように耐
汚染性剤をポリアミドに適用する方法を提供する。これ
は耐汚染性剤をポリアミド織物物質にpH4〜6よりはむ
しろ1.5〜2.5で適用することを含む。実施例5に示すよ
うに、耐汚染性剤をこの方法で適用すれば、織物物質は
大気中のNO2への露呈による続く黄変化に対して有意に
保護される。更に、耐汚染性剤のpH約2.5以下での適用
は、それより高pH値で起こるよりも大きい試剤のポリア
ミドへの吸着をもたらす。それ故に黄変は本提案の方法
によって減ぜられるばかりでなく、低pH値における試剤
の吸着の増大のために耐汚染剤がより効率良く且つ費用
についても効果的に適用できるという更なる利点が具現
化される。
本発明の好適な具体例においては、最初に織物製品
(例えばカーペツト)を所望の色相に染色し、次いであ
る期間(20分間)スルホン化されたナフトール−又はフ
エノール−ホルムアミド縮合物を含む溶液(液体比30:
1)を、溶液のpH2及び温度170℃において飽和させる
(結果として製品上に0.3〜1.0重量%の最終濃度が付与
される)。次いでこの製品をゆすぎ、必要に応じて更に
処理する。
本発明はいずれのポリアミド織物物質に対しても適用
しうる。これらの物質は織布、家具の上張り、及びカー
ペツトを含む。実際には、この物質を1.5〜2.5のpHの浴
中において耐汚染性剤で処理する。浴のpHを低下させる
ためには、いずれの酸を使用しうるが、腐食性のない酸
例えばスルフアミン酸、燐酸、又はクエン酸が好適であ
る。織物製品を耐汚染性剤で処理する前に染色又は着色
することも好適である。処理浴中の耐汚染性剤の濃度及
び処理温度は厳密でない。他の繊維処理化合物(但し、
非イオン性分散剤及び撥水性液体ポリシロキサンを除
く)を浴中に存在させてもよい。
試験法 汚染(strain)試験 カーペツトを汚染するための液体溶液を、FD&C赤色
染料40号を0.1g/の濃度で水に溶解することによって
調製する。他に、FD&C赤色染料40号を含む市販のチエ
リー味の砂糖入り清涼飲料用の粉末を水に溶かしてFD&
C赤色染料40号を0.1g/で含有する溶液を調製する。
汚染溶液の30ml量を3″x 4″(7.6cm x 10.2cm)のア
ルミニウム皿に入れる。ポリアミド繊維から作られたカ
ーペツトをこの試験では用いるが、ポリアミド繊維を含
むいずれの織物材料も使用できた。処理すべきカーペツ
トの2 1/2″x 3 1/2″(6.4cm x 8.9cm)片を汚染溶液
中に1時間、表面(タフト)が完全に浸るように漬け
る。このカーペツト試料を汚染溶液から取出し、水道中
で完全に洗い、オーブン中212゜F(100℃)で15分間乾
燥する。カーペツトの耐汚染性を、汚染溶液によってカ
ーペツトに付与された赤色の程度を肉眼で評価すること
によって決定する。耐汚染性として評価されるカーペツ
トは汚染及びゆすぎ後に赤色を有さず或いは僅か痕跡程
度の色しか示さない。耐汚染性でないと評価されるカー
ペツトは汚染及びゆすぎ後に深い赤色を示す。
NO2黄変化試験 試験すべき試料を、気体露呈キヤビネツト[アトラス
・デバイシーズ社(Atlas Devices Co.,Chicago,Illino
is)、GE−15型]中において、相対湿度83±5%及び10
4±9゜F(40±5℃)下に2ppmのNO2に24時間(1サイ
クル)露呈する。色の変化を、イリユミナントCを用い
るマクベス(Macbeth )1500型光度計で測定する。NO2
に露呈した試料を露呈していない試料と比較し、結果を
Δb+(黄変)として報告する。この場合b値の正の増
加は黄色値の増加に相当する。試験すべきカーペツトの
試料を、タフトがガラスの蓋に面するように丸い試料保
有器[直径7/8″(2.2cm)]中に置いた。10ポンドの重
りを保有器中のカーペツト試料に適用し、タフトをガラ
スの蓋に押しつけた。この重りはAATCC発汗試験機装置
[参照AATCC試験法15−1979]を、試料保有器内にぴっ
たり入る円筒形ピストンと組合せて用いることにより便
宜上試料に適用される。圧縮試料のΔb+を試料保有器
のガラスの蓋を通して読みとる。
耐汚染性剤の繊維への吸着 耐汚染性剤の、処理浴からのポリアミド繊維物質への
吸収を、吸収%として報告し、そして処理前後における
浴の波長293nmにおける吸光度を測定することにより決
定する。
実施例1 68本フイラメントの、トライローバル断面を有する延
伸且つバルクにした連続フイラメントナイロン6,6ヤー
ン(全1140デニル)を常法によって製造した。これらの
ヤーンの2本を重ね且つ撚って、バランスのとれた3.5
回転/インチ(tpi)[1.4回転/cm]のよりを有するヤ
ーンとした。次いで得られたヤーンをスパーバ(Superb
a)熱固定装置270゜F(132℃)]中で熱固定した。カツ
ト・パイルのタフトカーペツトを次の明細に従って熱固
定したヤーンから作った:37オンス/平方ヤード(1.25k
g/m2)、パイル高3/4″(1.9cm)、3/16ゲージ、44ステ
ツチ/4インチ(10.2cm)。このカーペツトを通常のバツ
チ染色法及び染色助剤を用いて明青色に染色した(染料
組成は次の通りであり、カーペツトの重量に基づいた:
C.I.酸性イエロー219の0.0022%、C.I.酸性レツド361の
0.0021%、C.I.酸性ブルー277の0.0219%;pH=6.0)。
染色した後、カーペツトをゆすぎ、次に耐汚染性剤、イ
ントラテツクス(Intratex )N液体を含有する浴中で
処理した。この浴は耐汚染性剤を水で希釈することによ
って製造した。イントラテツクスN液体の量は処理すべ
きカーペツトの重量の2%に等しく、浴を硫酸(約0.5
〜1.0g/)によってpH2に調節した。カーペツトを浴中
に液体比30:1で20分間170゜F(77℃)に保ち、次いでゆ
すいだ。カーペツトを浴から取り出し、250゜F(121
℃)で乾燥した。耐汚染性剤の浴からの吸収は79%であ
ることがわかった。このカーペツトを上述の方法によっ
て耐汚染性に関して試験し、耐汚染性であることがわか
った。またNO2による黄変を上述の方法によって試験し
た。Δb+値は3.39であった。耐汚染性処理を省略した
時にはΔb+値が0.85であった。
実施例2(対照) 処理浴のpHを酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液を用いてpH
=5に調節する以外実施例1におけるようにカーペツト
を製造し、処理した。吸収%は67%にすぎないことがわ
かった。これは浴をpH=2で用いた時に測定したものよ
りも低い吸収割合であった。このカーペツトを耐汚染性
に対して処理し、これが耐汚染性となったことがわかっ
た。NO2露呈試験において、カーペツトは実施例1のそ
れよりも黄変し、4.05のΔb+値を有した。
実施例3 用いた耐汚染性剤がメシトールNBS粉末である以外実
施例1における如くカーペツトを製造し、処理した。処
理溶液は、耐汚染性剤を水に溶解して、処理すべきカー
ペツトの重量に基づいて0.56%のメシトールNBS粉末の
濃度とすることによって調製した。次いで浴のpHをスル
フアミン酸で2に調節した。吸収%は72%として測定で
きた。このカーペツトを汚染に対して試験し、耐汚染性
であることがわかった。またΔb+値は2.83であった。
実施例4(対照) 耐汚染性処理溶液を酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液でpH
=5に調節する以外実施例3における如くカーペツトを
製造し且つ処理した。吸収%は61%にすぎないことがわ
かった。このカーペツトを耐汚染性に対して処理し、耐
汚染性になったことがわかった。NO2露呈試験におい
て、カーペツトは実施例3のそれよりも黄変し、4.17の
Δb+値を有した。
実施例5 実施例1のものと同一の構造のカーペツトを、染色工
程を染料を存在させずに行なうモツク(mock)−染色浴
工程で処理した。次いで6つのカーペツト試料を、処理
溶液のpHを2〜5の範囲で変化させる以外実施例1と同
一の方法によりメシトールNBSで処理した。このカーペ
ツトを、試料を2サイクル露呈する以外前述の方法に従
いNO2による黄変に対しての耐性について試験した。NO2
黄変試験の結果を第1表に要約する。耐汚染性剤をpH2.
5〜3.0で適用する場合にΔb+値のかなりの低下が認め
られた。 第1表 pH Δb+値 2.0 7.30 2.5 7.71 3.0 9.57 3.5 10.27 4.0 10.65 5.0 10.67
フロントページの続き (56)参考文献 米国特許3178309(US,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルホン化されたフエノール−ホルムアル
    デヒド又はスルホン化されたナフトール−ホルムアルデ
    ヒドの縮合生成物をポリアミド織物製品に適用してこれ
    を耐汚染性にする際に、該縮合生成物を含むが非イオン
    性分散剤及び撥水性液体ポリシロキサンを含まない水溶
    液をpH1.5〜2.5で適用し、これによって処理した製品
    の、大気中におけるNO2への露呈による、黄変を減少さ
    せる方法。
  2. 【請求項2】織物製品が染色されたポリアミド繊維カー
    ペットである特許請求の範囲第1項記載の方法。
JP62030719A 1986-02-14 1987-02-14 ポリアミドファイバーの黄変を減少させる方法 Expired - Fee Related JP2595226B2 (ja)

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US829232 1986-02-14
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