JP2594650Y2 - 電動油圧式グラブバケットの油圧制御回路 - Google Patents

電動油圧式グラブバケットの油圧制御回路

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JP2594650Y2
JP2594650Y2 JP1993070747U JP7074793U JP2594650Y2 JP 2594650 Y2 JP2594650 Y2 JP 2594650Y2 JP 1993070747 U JP1993070747 U JP 1993070747U JP 7074793 U JP7074793 U JP 7074793U JP 2594650 Y2 JP2594650 Y2 JP 2594650Y2
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pilot
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は電動油圧式グラブバケッ
トの油圧制御回路に係り、詳しくは、遊休循環時の油温
の上昇を大幅に低減することができる電動油圧式グラブ
バケットの油圧制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電動油圧式グラブバケットの油圧
制御回路は例えば図6に示すように構成されている。図
6において、1は油タンク、2は吸込管路、3は電動機
Mで回転駆動される油圧ポンプ、4は油圧ポンプ3に接
続された吐出管路、5は吐出管路4に分岐されて接続さ
れた回路圧設定用のリリーフ弁、8は該吐出管路4の末
端に接続され油圧シリンダ9に作動油を切り換え供給す
るためのメイン切換バルブ、6は該ポンプ吐出管路4の
リリーフ弁5とメイン切換バルブ8の取付け位置の間で
分岐されて取付けられ電磁パイロット切換バルブ7にパ
イロット圧を作動させるためのパイロット管路である。
10、11はそれぞれ該メイン切換バルブ8のセンター
8aのA、Bポートと油圧シリンダ9のロッド側室9a
およびヘッド側室9bとの間に接続された管路である。
【0003】メイン切換バルブ8のセンタ部分8aは中
立位置でポンプポートPとタンクポートTが連通状態と
されたタンデムセンタ形の切換バルブであり、このポン
プポートPからタンクポートTに至るラインにはチェッ
ク弁8dが介装されている。一方、パイロット切換バル
ブ7のセンタ部分7aは中立位置でポンプポートがブロ
ックされたプレッシャポートブロック形の切換バルブと
されている。
【0004】グラブバケット本体は図示していないが油
圧シリンダ(この場合は2本)9はグラブバケット本体
に取付けられており、油圧シリンダ9のロッド側室9a
に油圧ポンプ3の圧油を供給すればロッドが縮んでグラ
ブバケットが開かれ、ヘッド側室9bに圧油を供給すれ
ばロッドが伸びてグラブバケットが閉じられるようにな
っている。また、図示していないが、前記油圧ポンプ
3、電動機M、油タンク1、油圧管路2、4、6等、リ
リーフ弁5、パイロット切換バルブ7およびメイン切換
バルブ8などの油圧機器はグラブバケットのガーダに搭
載されて設置されている。
【0005】このような構成の油圧制御回路において、
電動機Mを駆動して油圧ポンプ3を回転させると、油圧
ポンプ3から吐出された油は吐出管路4およびパイロッ
ト管路6に供給される。この状態で図示の状態、即ち、
パイロット切換バルブ7が中立位置にあるときはメイン
切換バルブ8には切換用のパイロット圧が作用されない
ためメイン切換バルブ8は図示の状態の中立位置にあ
る。従って、この状態では、油圧ポンプ3の吐出油は、
パイロット管路6にパイロット圧を立たせながら、メイ
ン切換バルブ8のPポートから入ってチェック弁8dを
通りTポートを出てタンク1に戻されて循環される。な
お、メイン切換バルブ8のチェック弁8dはパイロット
切換バルブ7のパイロット圧(例えば10Kg/cm2程度)を
立たせるものである。このようにメイン切換バルブ8が
中立位置にあるときはグラブバケットの開閉動作は行わ
れずグラブバケットは全閉状態又は全開状態、或いは、
全閉又は全開になる途中の状態、例えばバケットが半開
きの状態にあり、油圧ポンプ3の吐出油は油タンク1と
の間で遊休循環される。
【0006】そして、このような遊休循環を経てグラブ
バケットを閉じるときには、パイロット切換バルブのSO
L.b を励磁して位置7bとしてパイロット作動油を管路
13を通してメイン切換バルブ8に送って位置8bとす
ることにより、油圧ポンプ3の圧油を管路4、メイン切
換バルブ8の位置8b及び管路11を通して供給し、油
圧シリンダ9のヘッド側室9bに送ってそのピストンロ
ッドを伸長させる。また、グラブバケットを開くときに
は、パイロット切換バルブのSOL.a を励磁して位置7c
としてパイロット作動油を管路12を通してメイン切換
バルブ8に送って位置8cとすることにより、油圧ポン
プ3の圧油を管路4、メイン切換バルブ8の位置8c及
び管路10を通して供給し、油圧シリンダ9のロッド側
室9aに送ってそのピストンロッドを縮める。このよう
なグラブバケットの開閉動作時には油圧シリンダ9の作
動圧はリリーフ弁5の設定圧力で調節される。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところで、前記のパイ
ロット切換バルブ7およびメイン切換バルブ8が中立位
置にあるときの、所謂、遊休循環時には油圧ポンプ3の
吐出油は全てメイン切換バルブ8のチェック弁8aを通
って油タンク1に戻されるが、その油はこのチェック弁
8aを通るときに絞られながら比較的高圧の例えば10Kg
/cm2程度の圧力を立たせながら流されるため油温上昇の
原因の一つとなる。また、このように油が所定の圧力を
立たされた状態で循環されるので油圧ポンプ3駆動用の
電動機Mの電力消費にもつながることになる。
【0008】なお、遊休循環時に油温の上昇を防止する
ために、図5の油圧制御回路において前記リリーフ弁5
をパイロット操作リリーフ弁(バランスピストン形リリ
ーフ弁)とし、そのベント接続口に油タンクとの間を接
続したり遮断したりすることができる電磁切換弁を取付
け、遊休循環時に該電磁切換弁を切り換えてリリーフ弁
のベント接続口を油タンクに開放させることによりリリ
ーフ弁のポンプポートとタンクポートを連通させて油圧
ポンプの吐出油を油タンクに戻して循環させることも考
えられるが、この方法は、電気結線やリレーが必要であ
ること、電力消費があること、電気的故障の可能性があ
り操作上信頼性が少ないこと、等の理由で好ましくな
い。特に、グラブバケットは土砂や水等をかぶり、か
つ、クレーン等の揚重機器で吊り上げられて地上から離
れた悪い作業条件下で用いられるため、電気トラブルや
設備が多くなることはグラブバケットの操作性、保守性
が悪くなり好ましくない。
【0009】本考案はこのような従来の油圧制御回路の
有する欠点に鑑みてなされたものであり、遊休循環時の
油温の上昇を大幅に低減することができる電動油圧式グ
ラブバケットの油圧制御回路を得ることを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案の電動油圧式グラブバケットの油圧制御回
路は、 (1)電動機により駆動される油圧ポンプと、該油圧ポ
ンプの吐出管路に連結されグラブバケット開閉用シリン
ダへ該油圧ポンプの吐出油を供給するメイン切換バルブ
と、該油圧ポンプの吐出管路から分岐されたパイロット
管路に連結されたパイロット切換バルブと、該油圧ポン
プの吐出管路に接続され該油圧シリンダ作動圧を設定す
るリリーフ弁とを備えると共に該メイン切換バルブはタ
ンデムセンタ形であってチェック弁を内蔵してなり、該
パイロット切換バルブにより該メイン切換バルブを切り
換えてグラブバケット開閉用シリンダを往復動させグラ
ブバケットを開閉させる電動油圧式グラブバケットの油
圧制御回路において、該パイロット切換バルブをオープ
ンセンタ形とし、該パイロット管路に該メイン切換バル
ブ内蔵のチェック弁のクラッキング圧よりも小さい圧力
で油が流通可能なチェック弁及び又は絞り弁を取付け、
該リリーフ弁をパイロット操作リリーフ弁とし、該パイ
ロット切換バルブと該チェック弁及び又は絞り弁の間の
パイロット管路の途中と該リリーフ弁のベントポートと
の間にベント回路を接続した構成にした。また、
【0011】(2)電動機により駆動される油圧ポンプ
と、該油圧ポンプの吐出管路に連結されグラブバケット
開閉用シリンダに該油圧ポンプの吐出油を供給するメイ
ン切換バルブと、該油圧ポンプの吐出管路から分岐され
たパイロット管路に連結されたパイロット切換バルブ
と、該油圧ポンプの吐出管路に接続され該油圧シリンダ
作動圧を設定するリリーフ弁とを備え、該パイロット切
換バルブにより該メイン切換バルブを切り換えてグラブ
バケット開閉用シリンダを往復動させグラブバケットを
開閉させる電動油圧式グラブバケットの油圧制御回路に
おいて、該メイン切換バルブをクローズドセンタ形と
し、該パイロット切換バルブをオープンセンタ形とし、
該パイロット管路にチェック弁及び又は絞り弁を取付
け、該リリーフ弁をパイロット操作リリーフ弁とし、該
パイロット切換バルブと該チェック弁及び又は絞り弁の
間のパイロット管路の途中と該リリーフ弁のベントポー
トとの間にベント回路を接続した構成にした。
【0012】
【作用】前記(1)の構成では、遊休循環時はパイロッ
ト切換バルブ、メイン切換バルブともに中立状態にあ
り、油圧ポンプから吐き出された油は吐出管路を通りメ
イン切換バルブのPポートへ至ると共にパイロット管路
に流入する。しかして、パイロット管路にはメイン切換
バルブに内蔵されたチェック弁のクラッキング圧よりも
小さい圧力で油が流通可能なチェック弁及び又は絞り弁
が取付けられているためメイン切換バルブのPポートへ
至った油はそこに内蔵されたチェック弁を通ることはな
く、パイロット管路のチェック弁及び又は絞り弁を通過
してパイロット切換バルブに至る。このパイロット切換
バルブは中立位置の形式がオープンセンタ形の切換バル
ブである故、油はパイロット切換バルブのPポートから
Tポートへと流れてタンクに戻され大気開放とされる。
このためパイロット管路のチェック弁及び又は絞り弁以
降の圧力はほぼ大気圧(ゲージ圧はほぼ零)となる。
【0013】一方、このようにパイロット管路のチェッ
ク弁及び又は絞り弁以降の圧力がほぼ大気圧であること
によりパイロット管路のチェック弁及び又は絞り弁以降
とパイロット操作リリーフ弁(バランスピストン形リリ
ーフ弁とも呼ばれる)のベントポートとの間に接続した
ベント回路は大気開放となり圧力はほぼ零となり圧力は
立たない。所謂、ベント回路は開いた状態にされる。従
って、該リリーフ弁は主弁に内蔵されたピストン(スプ
ールとも呼ばれる)のバランスが崩れてピストンがパイ
ロット弁側に移動されて弁座(シート)から離れポンプ
ポートとタンクポートが連通する。即ち、リリーフ弁は
アンロード状態となり通常のリリーフ弁の作用をしなく
なる。これにより、油圧ポンプの吐出油は非常に小さい
圧力で吐出管路からこのリリーフ弁のポンプポートから
内部を流通してタンクポートへと流れ、油タンクへ帰
る。
【0014】なお、前記油圧ポンプの吐出油が吐出管路
からパイロット管路へ流入してパイロット切換バルブに
至りそのポンプポートからタンクポートへ流れて油タン
クへと流れるのは、パイロット切換バルブが中立状態に
入れられた直後、即ち、遊休循環が開始された直後、の
短時間であり、ベント回路が開かれてパイロット操作リ
リーフ弁がアンロード状態とされ油圧ポンプの吐出油が
吐出管路からパイロット操作リリーフ弁に流入しそのポ
ンプポートから内部を流通してタンクポートへと流れ始
めた後は、その流れはストップされる。
【0015】このように遊休循環時には小さい圧力で油
をタンクに戻すことが可能になる故、大幅な油温上昇の
低減、これによる油圧機器の保護、油圧ポンプ駆動用電
動機の消費電力の低減が図られる。また、油タンクの容
量を小さくすることができ、即ち、油量を多くする必要
がなくなり、グラブバケットの小型化、軽量化を図るこ
とができると共に、油温上昇が抑えられることによりグ
ラブバケットの24時間等、長時間の連続運転が可能と
なる。しかも、遊休循環時や油圧シリンダ作動時に、リ
リーフ弁をアンロード状態又はオンロード状態に切り換
える動作をベント回路を介して油圧により行うように
し、従来例のように電磁切換弁で行わないため操作信頼
性が高いものとすることができる。
【0016】上記のような遊休循環時を経て、グラブバ
ケットの開閉動作を行うときには、パイロット切換バル
ブを中立状態から切り換えてメイン切換バルブを中立状
態から切り換えることにより油圧ポンプの吐出油をメイ
ン切換バルブを通してグラブバケットの油圧シリンダに
送給する。このようなグラブバケットの開閉動作時には
パイロット管路には該メイン切換バルブのスプールを動
かしたり、該スプールを押し込んだまましておくための
油圧力が発生する。これにより、ベント回路にも該油圧
力と同じ油圧力が発生し、リリーフ弁の前記ピストンが
前記遊休循環時の状態からバランス状態を取り戻してピ
ストンが弁座に着座してリリーフ弁はオンロードとな
り、即ち、通常のリリーフ弁の作用をするようになり、
グラブバケットの油圧シリンダはリリーフ弁で設定され
た所定の高圧力で作動される。
【0017】前記(2)の構成では、メイン切換バルブ
が中立位置の形式がクローズドセンタ形(オールポート
ブロック形ともいう)であるので、遊休循環時のメイン
切換バルブが中立状態にあるときは油圧ポンプの吐出油
はメイン切換バルブのポンプポートでブロックされ油は
パイロット管路を流れることになり、以下、遊休循環時
およびグラブバケット開閉動作時には、油圧回路は前記
(1)と同様な作用を行う。
【0018】なお、前記(1)および(2)の構成にお
いて、パイロット管路に取付けたチェック弁及び又は絞
り弁によってパイロット切換バルブが中立状態にあると
きの遊休循環時に該チェック弁及び又は絞り弁以降のパ
イロット管路およびベント回路の圧力をほぼ大気圧(タ
ンク圧)の低い圧力に確実に保つようにしたり、又は、
パイロット切換バルブを中立状態から切り換えて油圧シ
リンダを作動させるときに該チェック弁及び又は絞り弁
以降のパイロット管路およびベント回路の圧力を確実に
保持するようにすることができる。
【0019】
【実施例】次に、図面に示した実施例により本考案を詳
細に説明する。図1は本考案の第1の実施例に係る電動
油圧式グラブバケットの油圧制御回路を示す図である。
なお、本実施例および図1において、前記従来例を示す
図6と同一又は相当する部分には同一符号を用いその説
明は省略する。
【0020】図1において、油圧ポンプ3の吐出管路3
にはパイロット操作リリーフ弁(公知のリリーフ弁であ
りバランスピストン形リリーフ弁とも言われる)15が
その入口(ポンプポートP)が接続されて取付けられ、
その出口(タンクポートT)は油タンク1に戻り管路で
接続されている。また、パイロット管路6にはチェック
弁16が介装されて取付けられており、パイロット管路
6の末端には中立位置の形式がオープンセンタ形の電磁
パイロット切換バルブ17がそのポンプポートPを接続
されて連結されている。そして、該チェック弁16と該
パイロット切換バルブ17との間のパイロット管路6の
途中と該リリーフ弁15のベント接続口15aの間には
ベント回路18が連結されて設けられている。チェック
弁16はメイン切換バルブ8のチェック弁8aよりもク
ラッキング圧が小さいものとされている。本実施例では
クラッキング圧は例えばチェック弁16が5〜7Kg/cm2
であり、チェック弁8aが8〜10Kg/cm2とされる。な
お、パイロット管路6およびベント回路18の管径は吐
出管路4よりもかなり小さいものとされている。
【0021】このような構成の電動油圧式グラブバケッ
トの油圧制御回路において、運転開始初期やグラブバケ
ットで荷を掴んだ後にグラブバケットを全閉状態で荷降
ろし地点まで移動させる間、又は、荷降ろし地点でグラ
ブバケットを開いて荷を降ろして全開にしたまま荷積み
地点まで移動する間は、パイロット切換バルブ17は中
立状態にされ、従って、メイン切換バルブ8も中立状態
とされている。
【0022】しかして、グラブバケットが例えば全閉又
は全開にされてパイロット切換バルブ17が切り換えら
れて中立状態に入れられた直後の短時間(後記するベン
ト回路18が開くまでの短い時間)においては、パイロ
ット管路6に介装したチェック弁16はメイン切換バル
ブ8に内蔵されているチェック弁8aよりもクラッキン
グ圧が小さいため、油圧ポンプ3から吐出された油はメ
イン切換バルブ8のポンプポートPからタンクポートT
に通じる流路には流れず、吐出管路4からパイロット管
路6に流入しパイロット切換バルブ17のポンプポート
PからタンクポートTへと流れて油タンク1に返され
る。因みに、パイロット管路6の管径が小さいためこの
パイロット管路6からパイロット切換バルブ17を経て
油タンク1へと流れる油量は少ない。
【0023】そして、このとき、パイロット管路6はパ
イロット切換バルブ17のタンクポートTがタンクに開
放されていることによりそのチェック弁16以降の管路
圧がほぼ大気圧とされ、従って、ベント回路18もほぼ
大気圧となりベント回路18には油圧力は発生しない。
所謂、ベント回路18は開いた状態となる。なお、この
ときパイロット管路6に介装されたチェック弁16の作
用によりチェック弁16以降のパイロット管路6やベン
ト回路18の圧力がほぼ大気圧に確実に保持される。
【0024】従って、ベント回路がほぼ大気圧とされる
ことにより図5に示したパイロット操作リリーフ弁15
は主弁30に内蔵されたピストン31(スプールとも呼
ばれる)のパイロット弁40側の面31bに作用する圧
力が下がってポンプポートP側のピストン面31aに作
用する圧力が大きくなるためピストン31の両面に作用
していた力のバランスが崩れてピストン31はパイロッ
ト弁40側に移動されその先端31cが弁座33(シー
ト)から離れてポンプポートPとタンクポートTが連通
する。即ち、リリーフ弁15はアンロード状態となり通
常のリリーフ弁の作用をしなくなる。これにより、油圧
ポンプ3から吐出された油のほとんど全量が非常に小さ
い圧力で吐出管路4からリリーフ弁15のポンプポート
Pに入りそこからタンクポートTへと流れて油タンク1
へ戻されるようになり遊休循環が開始される。
【0025】なお、パイロット切換バルブ17が中立状
態に入れられると非常に短い時間でベント回路18が開
かれてリリーフ弁15がアンロードされる。そして、一
旦、ベント回路18が開かれてリリーフ弁15がアンロ
ード状態にされた後は、油圧ポンプ3の吐出油のほぼ全
量がリリーフ弁15を通って油タンク1に返されて循環
されるようになると共に、ごく少量の油がリリーフ弁1
5のベントポート15aから流出してベント回路18を
流れ、パイロット管路6、パイロット切換バルブ17の
ポンプポートP、タンクポートTを経て油タンク1に戻
される。そして油圧ポンプ3の吐出管路4からパイロッ
ト管路6を経てパイロット切換バルブ17のポンプポー
トPからタンクポートTを経て油タンク1に通じる管路
には油は流れなくなる。
【0026】以上により、運転開始初期やグラブバケッ
トで荷を掴んだ後にグラブバケットを全閉状態で荷降ろ
し地点まで移動させる間、又は、荷降ろし地点でグラブ
バケットを開いて荷を降ろして全開にしたまま荷積み地
点まで移動する間など、所謂、パイロット切換バルブ1
7およびメイン切換バルブ8が中立状態にされている間
の、所謂、遊休循環時に、大幅な油温上昇の低減、これ
による油圧機器の保護、油圧ポンプ駆動用電動機の消費
電力の低減を図ることができる。
【0027】なお、図5においては、パイロット操作リ
リーフ弁15はピストン31の先端31cが弁座33に
着座しているときの、所謂、オンロード状態であるとき
を示している。図5において、32はピストン31に設
けられたチョーク(タンカン)、34はピストン31の
先端31cを弁座33に軽く押し付けているピストンス
プリング、41はパイロット弁40のポペット、42は
同ポペット40の弁座、43はパイロットスプリング、
44は設定圧力調整ハンドルである。
【0028】上記のような遊休循環時を経て、荷の掴み
動作をさせるとき、即ち、グラブバケットを閉じるとき
には、電磁パイロット切換バルブ17のSOL.b を励磁し
て位置17bを入れてパイロット圧油を管路13を通し
てメイン切換バルブ8に送ってメイン切換バルブ8を位
置8bとすることにより、油圧ポンプ3の圧油を管路
4、メイン切換バルブ8の位置8b及び管路11を通し
て供給し、油圧シリンダ9のヘッド側室9bに送ってそ
のピストンロッドを伸長させる。また、荷を卸すとき、
即ち、グラブバケットを開くときには、電磁パイロット
切換バルブ17のSOL.a を励磁して位置17cとしてパ
イロット圧油を管路12を通してメイン切換バルブ8に
送って位置8cとすることにより、油圧ポンプ3の圧油
を管路4、メイン切換バルブ8の位置8c及び管路10
を通して供給し、油圧シリンダ9のロッド側室9aに送
ってそのピストンロッドを縮める。
【0029】しかして、このようなグラブバケットの開
閉動作のときには、パイロット管路6にはメイン切換バ
ルブ8のスプールを動かしたり又は該スプールを押し込
んだままとしておくための油圧力が発生する。これによ
り、ベント回路18にも該油圧力と同じ油圧力が作用
し、所謂、ベント回路18は閉じた状態とされ、リリー
フ弁15のピストン31が前記遊休循環時の状態からバ
ランス状態を取り戻して図5に示す状態のようにピスト
ン31の先端31cが弁座33に着座してポンプポート
PとタンクポートTが遮断され、リリーフ弁15はオン
ロード状態となり、即ち、通常のリリーフ弁の作用をす
るようになり、グラブバケットの油圧シリンダ9はリリ
ーフ弁15で設定された所定の高圧力で作動される。こ
のような作動時にパイロット管路6に介装されたチェッ
ク弁16の作用によりチェック弁16以降のパイロット
管路6やベント回路18の圧油が逆流することなく管路
圧が確実に保持される。
【0030】このように本実施例の油圧制御回路ではグ
ラブバケットの遊休時にはリリーフ弁15をアンロード
させ、グラブバケットの開閉動作時にはリリーフ弁15
をオンロードさせるが、このアンロード、オンロードの
作動切り換えを電磁切換弁を用いて電気的に行うのでは
なく油圧回路の作動により行うので電気的設備の増設、
電気的トラブル等を無くした信頼性の高いものとするこ
とができる。
【0031】図2は本考案の第2の実施例を示すもので
あり、前記図1と同一又は相当する部分には同一符号を
用い、その説明は省略する。前記図1の第1の実施例と
異なる部分は、メイン切換バルブを中立位置の形式がク
ローズドセンタ形の切換バルブ19とし、このメイン切
換バルブにはチェック弁は設けられていない点である。
なお、このクローズドセンタ形切換バルブはオールポー
トブロック形とも言われるもので、切換バルブ19が中
立位置19aにあるときにはポンプポートPはブロック
されるため、パイロット切換バルブ17が中立状態に切
り換えられた直後の短時間、即ち、遊休循環開始直後の
短時間には油圧ポンプ3の吐出油はパイロット管路6に
流入してパイロット切換バルブ17から油タンク1に戻
され、チェック弁16以降のパイロット管路6およびベ
ント回路18がほぼ大気圧にされてリリーフ弁15がア
ンロードされ遊休循環が開始される。以下、遊休循環時
およびグラブバケット開閉動作時に油圧回路に前記第1
実施例と同様な作動を行わせることができる。
【0032】なお、上記図1に示す第1の実施例および
図2に示す第2の実施例におけるパイロット管路6に取
付けたチェック弁16の代わりに図3又は図4に示すよ
うな弁を用いてもよい。図3はチェック弁16の代わり
に絞り弁20を用いた場合を示し、図4はチェック弁1
6の上流側に絞り弁20を直列に連結し、絞り弁20と
チェック弁16とを組み合わせて取付けた場合を示すも
のである。このようにしても同様な作用をさせるこがで
きる。なお、図1のようにメイン切換バルブ8としてチ
ェック弁8dを内蔵した切換バルブを用いる場合には図
3で示す絞り弁20や図4に示す絞り弁20とチェック
弁16を組み合わせた弁は該メイン切換バルブ8に内蔵
されたチェック弁8dのクラッキング圧よりも小さい圧
力で油が流通可能な弁とする。これら絞り弁20として
は固定絞り弁や流量調整可能な絞り弁を用いることがで
きる。
【0033】
【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
によれば、遊休循環時にリリーフ弁をアンロードさせて
油圧ポンプから吐出される油を小さい圧力でタンクに大
量に戻すことができるため、大幅な油温上昇の低減、こ
れによる油圧機器の保護、油圧ポンプ駆動用電動機の消
費電力の低減を図ることができる。また、油タンクの容
量を小さくすることができ、即ち、油量を多くする必要
がなくなり、グラブバケットの小型化、軽量化を図るこ
とができると共に油温上昇が抑えられることによりグラ
ブバケットを24時間等、長時間、連続して運転するこ
とが可能となる。
【0034】しかも、上記遊休循環時のリリーフ弁のア
ンロード動作や、グラブバケットの開閉動作時のリリー
フ弁のオンロード動作は、オープンセンタ形パイロット
切換バルブ、ベント回路、チェック弁、等を組み合わせ
て構成した油圧回路の油圧操作により行うので、電磁切
換弁を用いて該アンロード動作、オンロード動作を行う
ものに比べて、電気設備の設置の必要性を排除し、電気
的故障等のトラブル等を無くして、操作信頼性の高いも
のとすることができ、クレーン等の揚重機器で吊り上げ
られて地上から離れた個所で使用され、かつ、土砂や水
等をかぶる悪い作業条件下で用いられるグラブバケット
として実用的効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のグラブバケットの油圧制御回路の第1
実施例を示す図である。
【図2】本考案のグラブバケットの油圧制御回路の第2
実施例を示す図である。
【図3】本考案の別の実施例の、パイロット管路に絞り
弁を取付けた場合の回路の一部分を示す図である。
【図4】本考案のさらに別の実施例の、パイロット管路
に絞り弁とチェック弁を直列に組み合わせて取付けた場
合の回路の一部分を示す図である。
【図5】本考案に適用されるパイロット操作リリーフ弁
の本体の概略構造を示す縦断面図である。
【図6】従来の油圧制御回路を示す図である。
【符号の説明】
1 油タンク 2 吸込管路 3 油圧ポンプ M 電動機 4 吐出管路 5 リリーフ弁 6 パイロット管路 7 パイロット切換バルブ(プレッシャポー
トブロック形) 8 メイン切換バルブ(タンデムセンタ形) 8d チェック弁(メイン切換バルブ内蔵) 9 油圧シリンダ(グラブバケット開閉用) 9a ロッド側室 9b ヘッド側室 15 パイロット操作リリーフ弁 15a ベント接続口(ベントポート) 16 チェック弁(パイロット管路) 17 パイロット切換バルブ(オープンセンタ
形) 18 ベント回路 19 メイン切換バルブ(クローズドセンタ
形) 20 絞り弁 30 主弁(パイロット操作リリーフ弁) 31 ピストン(パイロット操作リリーフ弁) 40 パイロット弁(パイロット操作リリーフ
弁) 41 ポペット(パイロット操作リリーフ弁)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機により駆動される油圧ポンプと、
    該油圧ポンプの吐出管路に連結されグラブバケット開閉
    用シリンダへ該油圧ポンプの吐出油を供給するメイン切
    換バルブと、該油圧ポンプの吐出管路から分岐されたパ
    イロット管路に連結されたパイロット切換バルブと、該
    油圧ポンプの吐出管路に接続され該油圧シリンダ作動圧
    を設定するリリーフ弁とを備えると共に該メイン切換バ
    ルブはタンデムセンタ形であってチェック弁を内蔵して
    なり、該パイロット切換バルブにより該メイン切換バル
    ブを切り換えてグラブバケット開閉用シリンダを往復動
    させグラブバケットを開閉させる電動油圧式グラブバケ
    ットの油圧制御回路において、該パイロット切換バルブ
    をオープンセンタ形とし、該パイロット管路に該メイン
    切換バルブ内蔵のチェック弁のクラッキング圧よりも小
    さい圧力で油が流通可能なチェック弁及び又は絞り弁を
    取付け、該リリーフ弁をパイロット操作リリーフ弁と
    し、該パイロット切換バルブと該チェック弁及び又は絞
    り弁の間のパイロット管路の途中と該リリーフ弁のベン
    トポートとの間にベント回路を接続したことを特徴とす
    る電動油圧式グラブバケットの油圧制御回路。
  2. 【請求項2】 電動機により駆動される油圧ポンプと、
    該油圧ポンプの吐出管路に連結されグラブバケット開閉
    用シリンダに該油圧ポンプの吐出油を供給するメイン切
    換バルブと、該油圧ポンプの吐出管路から分岐されたパ
    イロット管路に連結されたパイロット切換バルブと、該
    油圧ポンプの吐出管路に接続され該油圧シリンダ作動圧
    を設定するリリーフ弁とを備え、該パイロット切換バル
    ブにより該メイン切換バルブを切り換えてグラブバケッ
    ト開閉用シリンダを往復動させグラブバケットを開閉さ
    せる電動油圧式グラブバケットの油圧制御回路におい
    て、該メイン切換バルブをクローズドセンタ形とし、該
    パイロット切換バルブをオープンセンタ形とし、該パイ
    ロット管路にチェック弁及び又は絞り弁を取付け、該リ
    リーフ弁をパイロット操作リリーフ弁とし、該パイロッ
    ト切換バルブと該チェック弁及び又は絞り弁の間のパイ
    ロット管路の途中と該リリーフ弁のベントポートとの間
    にベント回路を接続したことを特徴とする電動油圧式グ
    ラブバケットの油圧制御回路。
JP1993070747U 1993-12-28 1993-12-28 電動油圧式グラブバケットの油圧制御回路 Expired - Lifetime JP2594650Y2 (ja)

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