JP2594597B2 - シリンダヘッドの低圧鋳造方法 - Google Patents
シリンダヘッドの低圧鋳造方法Info
- Publication number
- JP2594597B2 JP2594597B2 JP63028293A JP2829388A JP2594597B2 JP 2594597 B2 JP2594597 B2 JP 2594597B2 JP 63028293 A JP63028293 A JP 63028293A JP 2829388 A JP2829388 A JP 2829388A JP 2594597 B2 JP2594597 B2 JP 2594597B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molten metal
- cavity
- gate
- cylinder head
- pressure casting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はシリンダヘッドの低圧鋳造方法に関し、一層
詳細には、複数の湯口入子を金型内のキャビテイに対し
てその製品の形状に応じて、例えば、対称的になるよう
に設け、前記湯口入子を互いに連通させるストークを用
いて溶湯をキャビテイ下部から上部に向かって略水平に
層状充填させることにより、湯回り不良を防止すると共
に溶湯の凝固をバランスよく進行させ、これにより鋳造
欠陥を防止出来るようにしたシリンダヘッドの低圧鋳造
方法に関する。
詳細には、複数の湯口入子を金型内のキャビテイに対し
てその製品の形状に応じて、例えば、対称的になるよう
に設け、前記湯口入子を互いに連通させるストークを用
いて溶湯をキャビテイ下部から上部に向かって略水平に
層状充填させることにより、湯回り不良を防止すると共
に溶湯の凝固をバランスよく進行させ、これにより鋳造
欠陥を防止出来るようにしたシリンダヘッドの低圧鋳造
方法に関する。
[発明の背景] 一般に、例えば、自動車部品等を大量生産する場合、
低圧鋳造方法が広範に利用されている。この低圧鋳造方
法は溶湯を密封容器で加熱保持し、比較的低圧の不活性
ガスまたは空気で前記溶湯の表面を加圧し、ストークを
介して湯口から金型内に画成されるキャビテイに充填し
て製品を鋳造する方法である。
低圧鋳造方法が広範に利用されている。この低圧鋳造方
法は溶湯を密封容器で加熱保持し、比較的低圧の不活性
ガスまたは空気で前記溶湯の表面を加圧し、ストークを
介して湯口から金型内に画成されるキャビテイに充填し
て製品を鋳造する方法である。
このような鋳造方法において、キャビテイは製品の形
状に対応して様々な形状を有する。従って、溶湯を好適
な条件でキャビテイに充填するためには、当該キャビテ
イの形状に応じて湯口の設置場所およびその形状、大き
さについて考慮する必要がある。
状に対応して様々な形状を有する。従って、溶湯を好適
な条件でキャビテイに充填するためには、当該キャビテ
イの形状に応じて湯口の設置場所およびその形状、大き
さについて考慮する必要がある。
実際、比較的大きな製品を鋳造する場合、キャビテイ
も当然大きくなり、湯口が設けられる部位付近と、逆に
湯口から最も離れた部位とでは溶湯の湯回り性に大きな
差が生じる。この結果、溶湯が均一に充填されないた
め、キャビテイ各部における溶湯の凝固が不揃いに進行
し、引巣等の鋳造欠陥が発生する虞がある。
も当然大きくなり、湯口が設けられる部位付近と、逆に
湯口から最も離れた部位とでは溶湯の湯回り性に大きな
差が生じる。この結果、溶湯が均一に充填されないた
め、キャビテイ各部における溶湯の凝固が不揃いに進行
し、引巣等の鋳造欠陥が発生する虞がある。
例えば、第1図に示した金型において、自動車のエン
ジンを構成するシリンダヘッドを鋳造する際、金型2内
に画成されたキャビテイ4に連通する湯口6を当該キャ
ビテイ4の片側に偏在させて設けた場合、溶湯充填後の
キャビテイ4のA、B、C、Dで示す各部位における溶
湯の温度は第2図に示すような推移を辿る。ここで、第
1図におけるキャビテイ4内の各部位A乃至Dの温度変
化は夫々第2図における曲線A1乃至D1により示される。
なお、この場合、アルミニウム合金の溶湯温度は680℃
で、金型2の素材は銅である。
ジンを構成するシリンダヘッドを鋳造する際、金型2内
に画成されたキャビテイ4に連通する湯口6を当該キャ
ビテイ4の片側に偏在させて設けた場合、溶湯充填後の
キャビテイ4のA、B、C、Dで示す各部位における溶
湯の温度は第2図に示すような推移を辿る。ここで、第
1図におけるキャビテイ4内の各部位A乃至Dの温度変
化は夫々第2図における曲線A1乃至D1により示される。
なお、この場合、アルミニウム合金の溶湯温度は680℃
で、金型2の素材は銅である。
第2図から諒解されるように、湯口6側の部位Bの温
度変化を示す温度変化曲線B1と湯口6から離間した部位
Dの温度変化曲線D1を比較してみると、その冷却進行状
態に相当な開きが発生する。すなわち、湯口6から離間
した部位Dに比べて湯口6の近傍部位Bではかなり遅れ
て凝固点以下に降下する。この時、部位Bと部位Dの中
間に位置する部位Cの温度は部位Bとさほど異ならない
のに対して部位Dの温度は相当低下してしまっている。
結局、溶湯の凝固進行過程のバランスがとれず、鋳造の
品質が一定とならないという不都合が生じる。また、そ
れだけ溶湯の凝固に多くの時間がかかり、鋳造サイクル
が長くなってしまう結果となる。
度変化を示す温度変化曲線B1と湯口6から離間した部位
Dの温度変化曲線D1を比較してみると、その冷却進行状
態に相当な開きが発生する。すなわち、湯口6から離間
した部位Dに比べて湯口6の近傍部位Bではかなり遅れ
て凝固点以下に降下する。この時、部位Bと部位Dの中
間に位置する部位Cの温度は部位Bとさほど異ならない
のに対して部位Dの温度は相当低下してしまっている。
結局、溶湯の凝固進行過程のバランスがとれず、鋳造の
品質が一定とならないという不都合が生じる。また、そ
れだけ溶湯の凝固に多くの時間がかかり、鋳造サイクル
が長くなってしまう結果となる。
[発明の目的] 本発明は前記の不都合を克服するためになされたもの
であって、製品の形状に基づいて少なくとも3以上の湯
口入子をキャビテイに対して最適な位置に、例えば、対
称的な位置に設置し、溶湯を各湯口入子を連通させるス
トークから前記キャビテイ内にその下部から上部に向か
って略水平に層状充填することにより、湯回り不良等に
起因する鋳造欠陥を防止すると共に、凝固遅れが生じな
いようにバランスよく溶湯の凝固を進行させ、その結
果、品質の優れた鋳造品を製造することを可能とするシ
リンダヘッドの低圧鋳造方法を提供することを目的とす
る。
であって、製品の形状に基づいて少なくとも3以上の湯
口入子をキャビテイに対して最適な位置に、例えば、対
称的な位置に設置し、溶湯を各湯口入子を連通させるス
トークから前記キャビテイ内にその下部から上部に向か
って略水平に層状充填することにより、湯回り不良等に
起因する鋳造欠陥を防止すると共に、凝固遅れが生じな
いようにバランスよく溶湯の凝固を進行させ、その結
果、品質の優れた鋳造品を製造することを可能とするシ
リンダヘッドの低圧鋳造方法を提供することを目的とす
る。
[目的を達成するための手段] 前記の目的を達成するために、本発明は、密閉容器に
貯留される溶湯の表面を圧力気体で加圧し当該溶湯をス
トークを介して金型に設けた湯口から当該金型内のキャ
ビテイに充填してシリンダヘッドの鋳造品を得る低圧鋳
造方法において、 1列が少なくとも一対からなる湯口をシリンダ孔の配
列方向に沿って所定間隔離間して少なくとも2列以上並
設し、前記複数の湯口にそれぞれ装着された湯口入子に
連通するストークから溶湯を該複数の湯口に分流させて
キャビテイ内部に略水平に層状充填した後、それぞれの
湯口入子に連通する金型内の通路から送給される冷却用
媒体によって前記複数の湯口入子を略同時に冷却しなが
らキャビテイ内部の溶湯を層状に指向性凝固させること
を特徴とする。
貯留される溶湯の表面を圧力気体で加圧し当該溶湯をス
トークを介して金型に設けた湯口から当該金型内のキャ
ビテイに充填してシリンダヘッドの鋳造品を得る低圧鋳
造方法において、 1列が少なくとも一対からなる湯口をシリンダ孔の配
列方向に沿って所定間隔離間して少なくとも2列以上並
設し、前記複数の湯口にそれぞれ装着された湯口入子に
連通するストークから溶湯を該複数の湯口に分流させて
キャビテイ内部に略水平に層状充填した後、それぞれの
湯口入子に連通する金型内の通路から送給される冷却用
媒体によって前記複数の湯口入子を略同時に冷却しなが
らキャビテイ内部の溶湯を層状に指向性凝固させること
を特徴とする。
[実施態様] 次に、本発明に係るシリンダヘッドの低圧鋳造方法に
ついて、それを実施するための低圧鋳造装置との関連に
おいて好適な実施態様を挙げ、添付の図面を参照しなが
ら以下詳細に説明する。
ついて、それを実施するための低圧鋳造装置との関連に
おいて好適な実施態様を挙げ、添付の図面を参照しなが
ら以下詳細に説明する。
第3図において、参照符号10は低圧鋳造装置を示す。
この低圧鋳造装置10は下型12と、この下型12の上方に配
置される上型14と、前記下型12および上型14に摺動自在
に嵌合するよう配置される摺動型16、18とを含む。さら
に、これら下型12、上型14および摺動型16、18によりキ
ャビテイ20が画成される。前記キャビテイ20は4気筒エ
ンジンを構成するシリンダヘッドを鋳造するのに対応し
た形状を呈している。
この低圧鋳造装置10は下型12と、この下型12の上方に配
置される上型14と、前記下型12および上型14に摺動自在
に嵌合するよう配置される摺動型16、18とを含む。さら
に、これら下型12、上型14および摺動型16、18によりキ
ャビテイ20が画成される。前記キャビテイ20は4気筒エ
ンジンを構成するシリンダヘッドを鋳造するのに対応し
た形状を呈している。
先ず、前記下型12にはその所定部位に複数の段付孔部
22a乃至22dが形成される。ここで、第4図は下型12にお
けるキャビテイ20側の形状を概略的に示したものであっ
て、この場合、前記段付孔部22aと22b、および22c、22d
が夫々対を構成し、夫々の対がシリンダの並ぶ方向に所
定距離離間するように位置し、キャビテイ20に対して対
称的に開口するものである。そして、前記段付孔部22a
乃至22dの夫々には同軸的に湯口通路24a乃至24dが夫々
形成された湯口入子26a乃至26dが装着される。本実施態
様では、キャビテイ20の形状に対応させて上述のような
湯口入子26a乃至26dの配置を行っているが、当該実施態
様に限らず、製品によってキャビテイの形状は異なるた
め、キャビテイ内に溶湯が均一に注湯されるように、換
言すれば、湯口入子が一方向に偏ることがないように所
定角度偏位させて当該湯口入子を配設すればよいことは
勿論である。
22a乃至22dが形成される。ここで、第4図は下型12にお
けるキャビテイ20側の形状を概略的に示したものであっ
て、この場合、前記段付孔部22aと22b、および22c、22d
が夫々対を構成し、夫々の対がシリンダの並ぶ方向に所
定距離離間するように位置し、キャビテイ20に対して対
称的に開口するものである。そして、前記段付孔部22a
乃至22dの夫々には同軸的に湯口通路24a乃至24dが夫々
形成された湯口入子26a乃至26dが装着される。本実施態
様では、キャビテイ20の形状に対応させて上述のような
湯口入子26a乃至26dの配置を行っているが、当該実施態
様に限らず、製品によってキャビテイの形状は異なるた
め、キャビテイ内に溶湯が均一に注湯されるように、換
言すれば、湯口入子が一方向に偏ることがないように所
定角度偏位させて当該湯口入子を配設すればよいことは
勿論である。
次いで、第3図において、前記湯口入子26a並びに26b
にはこの両者を共に連通させる二股形状の中間ストーク
28aを介してストーク30aが接続される。同様にして、前
記湯口入子26cおよび26dにはこれらを連通させる二股形
状の中間ストーク28bを介してストーク30bが接続され、
これらストーク30a、30bは図示しない保持炉内に配設さ
れる坩堝にその先端が嵌入される。なお、下型12の内部
には冷却用媒体を導入するための通路32が画成されてお
り、この通路32は前記段付孔部22a乃至22dと連通状態に
ある。
にはこの両者を共に連通させる二股形状の中間ストーク
28aを介してストーク30aが接続される。同様にして、前
記湯口入子26cおよび26dにはこれらを連通させる二股形
状の中間ストーク28bを介してストーク30bが接続され、
これらストーク30a、30bは図示しない保持炉内に配設さ
れる坩堝にその先端が嵌入される。なお、下型12の内部
には冷却用媒体を導入するための通路32が画成されてお
り、この通路32は前記段付孔部22a乃至22dと連通状態に
ある。
一方、上型14は可動ダイベース34に固定され、この可
動ダイベース34に連結される図示しないアクチュエータ
の駆動作用下に鉛直方向に変位自在である。前記可動ダ
イベース34と上型14の間には冷却ブロック36が介装さ
れ、この冷却ブロック36には冷却用媒体が導入される通
路38が複数形成されている。さらに、可動ダイベース3
4、上型14を挿通して押出ピン40が配設される。この押
出ピン40はその基端部が取付部材42に装着されると共に
先端部はキャビテイ20に臨む。
動ダイベース34に連結される図示しないアクチュエータ
の駆動作用下に鉛直方向に変位自在である。前記可動ダ
イベース34と上型14の間には冷却ブロック36が介装さ
れ、この冷却ブロック36には冷却用媒体が導入される通
路38が複数形成されている。さらに、可動ダイベース3
4、上型14を挿通して押出ピン40が配設される。この押
出ピン40はその基端部が取付部材42に装着されると共に
先端部はキャビテイ20に臨む。
次いで、前記下型12、上型14に摺動自在に摺動型16、
18が嵌合する。この摺動型16、18は夫々連結部材44、46
を介して図示しないシリンダ等のアクチュエータに連結
され、水平方向に変位自在である。また、前記摺動型1
6、18には冷却用媒体が導入される通路48、50が夫々形
成される。なお、図中、参照符号52a乃至52fは砂中子を
示し、また、参照符号54、56はガス抜きのための孔を示
す。
18が嵌合する。この摺動型16、18は夫々連結部材44、46
を介して図示しないシリンダ等のアクチュエータに連結
され、水平方向に変位自在である。また、前記摺動型1
6、18には冷却用媒体が導入される通路48、50が夫々形
成される。なお、図中、参照符号52a乃至52fは砂中子を
示し、また、参照符号54、56はガス抜きのための孔を示
す。
本実施態様に係る低圧鋳造装置は基本的には以上のよ
うに構成されるものであり、次にこの低圧鋳造装置を用
いて実施するシリンダヘッドの低圧鋳造方法について説
明する。
うに構成されるものであり、次にこの低圧鋳造装置を用
いて実施するシリンダヘッドの低圧鋳造方法について説
明する。
そこで、鋳造条件はJIS AC2B相当のアルミニウム合
金からなる溶湯の温度を680℃、加圧力を0.28kg/cm2、
サイクルタイムを2.5分とし、シリンダヘッドを鋳造す
る。
金からなる溶湯の温度を680℃、加圧力を0.28kg/cm2、
サイクルタイムを2.5分とし、シリンダヘッドを鋳造す
る。
先ず、低圧鋳造装置10内に画成されるキャビテイ20の
所定部位に砂中子52a乃至52fを配置する。その後、可動
ダイベース34およびこれと一体的な上型14を図示しない
アクチュエータの作用下に下方向に変位させると共に摺
動型16、18を連結部材44、46を介して連結される図示し
ないアクチュエータの作用下に近接変位させ、型締めを
行う。
所定部位に砂中子52a乃至52fを配置する。その後、可動
ダイベース34およびこれと一体的な上型14を図示しない
アクチュエータの作用下に下方向に変位させると共に摺
動型16、18を連結部材44、46を介して連結される図示し
ないアクチュエータの作用下に近接変位させ、型締めを
行う。
次いで、ストーク30a、30bの下方に配設される図示し
ない保持炉内に圧縮空気を送給し、この保持炉内の坩堝
に貯留されるアルミニウム合金の溶湯を表面加圧してス
トーク30a、30bを介しキャビテイ20内に溶湯を注湯す
る。
ない保持炉内に圧縮空気を送給し、この保持炉内の坩堝
に貯留されるアルミニウム合金の溶湯を表面加圧してス
トーク30a、30bを介しキャビテイ20内に溶湯を注湯す
る。
この場合、溶湯はストーク30a、30bから中間ストーク
28a、28bへと上昇し、さらにこの中間ストーク28a、28b
の夫々から分流して湯口入子26a乃至26dの夫々に形成さ
れる湯口通路24a乃至24dからキャビテイ20内に充填され
る。当該湯口入子26a乃至26dは、前述の記載から諒解さ
れるように、キャビテイ20の形状に対応させて当該湯口
入子26a乃至26dが一方に偏在することなく当該キャビテ
イ20に臨ませている。このため、キャビテイ20内におい
ては、溶湯はその表面が水平方向に揃った状態で徐々に
上昇していくことになる。この時、キャビテイ20内のエ
アはガス抜き孔54、56から外部に排出される。従って、
湯回り不良が発生することなく、注湯が好適に行われ
る。
28a、28bへと上昇し、さらにこの中間ストーク28a、28b
の夫々から分流して湯口入子26a乃至26dの夫々に形成さ
れる湯口通路24a乃至24dからキャビテイ20内に充填され
る。当該湯口入子26a乃至26dは、前述の記載から諒解さ
れるように、キャビテイ20の形状に対応させて当該湯口
入子26a乃至26dが一方に偏在することなく当該キャビテ
イ20に臨ませている。このため、キャビテイ20内におい
ては、溶湯はその表面が水平方向に揃った状態で徐々に
上昇していくことになる。この時、キャビテイ20内のエ
アはガス抜き孔54、56から外部に排出される。従って、
湯回り不良が発生することなく、注湯が好適に行われ
る。
以上のようにして、キャビテイ20内に溶湯を均等に充
填した後、所定圧、すなわい、0.28kg/cm2の加圧力で溶
湯を加圧保持し、キャビテイ20内の溶湯を凝固させる。
そして、この時、下型12に設けた通路32に冷却用媒体を
供給してこの通路32と連通している段付孔部22a乃至22d
に冷却用媒体を導入し、湯口入子26a乃至26dに対して同
時に冷却を施す。さらに、必要に応じて上型14、摺動型
16、18の夫々に形成した通路38、48、50に対して冷却媒
体を導入し、且つ冷却媒体の流量を夫々の金型に応じて
可変に供給すれば、溶湯の指向性凝固を促進することが
容易となる。
填した後、所定圧、すなわい、0.28kg/cm2の加圧力で溶
湯を加圧保持し、キャビテイ20内の溶湯を凝固させる。
そして、この時、下型12に設けた通路32に冷却用媒体を
供給してこの通路32と連通している段付孔部22a乃至22d
に冷却用媒体を導入し、湯口入子26a乃至26dに対して同
時に冷却を施す。さらに、必要に応じて上型14、摺動型
16、18の夫々に形成した通路38、48、50に対して冷却媒
体を導入し、且つ冷却媒体の流量を夫々の金型に応じて
可変に供給すれば、溶湯の指向性凝固を促進することが
容易となる。
また、湯口入子26a乃至26dを分散して設けると共に、
これら湯口入子26a乃至26dの1つ1つがさほど大きな形
状を有しないため、夫々の湯口通路24a乃至24d内で凝固
する凝固物の大きさも小さくて済むことになる。従っ
て、通常、湯口での溶湯凝固が最も遅れるものである
が、本実施態様によれば、湯口入子26a乃至26dへの冷却
が効果的に働き、湯口における溶湯の凝固が遅延し、鋳
造サイクルが長くかかるという不都合を防止出来ること
になる。
これら湯口入子26a乃至26dの1つ1つがさほど大きな形
状を有しないため、夫々の湯口通路24a乃至24d内で凝固
する凝固物の大きさも小さくて済むことになる。従っ
て、通常、湯口での溶湯凝固が最も遅れるものである
が、本実施態様によれば、湯口入子26a乃至26dへの冷却
が効果的に働き、湯口における溶湯の凝固が遅延し、鋳
造サイクルが長くかかるという不都合を防止出来ること
になる。
以上のようにして鋳造した場合、キャビテイ20の各部
位E乃至Hにおける溶湯の温度を計測した結果が第5図
に示されている。ここで、第3図との対照において、キ
ャビテイ20内のE乃至H点における溶湯の温度変化は夫
々第5図における曲線E1乃至H1で示される。すなわち、
この第5図から明らかなように、キャビテイ20内の両端
に位置するF点とH点の温度変化が略一致するように溶
湯の凝固が進行していることが判る。これは湯回り不良
等が発生することなくキャビテイ20内に溶湯が均一に充
填されたため、バランスよく凝固が進行した結果であ
る。従って、湯回り不良、凝固進行の不均一に起因する
引巣等の鋳造欠陥が防止されると共に、鋳造品の品質が
安定する効果がある。
位E乃至Hにおける溶湯の温度を計測した結果が第5図
に示されている。ここで、第3図との対照において、キ
ャビテイ20内のE乃至H点における溶湯の温度変化は夫
々第5図における曲線E1乃至H1で示される。すなわち、
この第5図から明らかなように、キャビテイ20内の両端
に位置するF点とH点の温度変化が略一致するように溶
湯の凝固が進行していることが判る。これは湯回り不良
等が発生することなくキャビテイ20内に溶湯が均一に充
填されたため、バランスよく凝固が進行した結果であ
る。従って、湯回り不良、凝固進行の不均一に起因する
引巣等の鋳造欠陥が防止されると共に、鋳造品の品質が
安定する効果がある。
その後、サイクルタイムが経過した後、型開きを行
い、鋳造されたシリンダヘッドを得る。
い、鋳造されたシリンダヘッドを得る。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、金型内のキャビテイ
の形状に対応させて、複数の湯口入子を均等な注湯が可
能となる最適位置に配設し、これらの湯口入子を連通さ
せるストークを介して溶湯をキャビテイ内において略水
平に層状充填しているため、溶湯の凝固がバランスよく
進行する。従って、湯回り不良、凝固遅れ等による鋳造
欠陥を防ぐことが可能となると共に、湯口部分を冷却す
ることにより指向性凝固を促進させるための冷却制御の
効果が効率的に作用するという利点が得られる。また、
各々分散して設けた湯口入子を冷却しているため、各湯
口入子内の溶湯が速やかに凝固し、全体としての鋳造サ
イクルが短縮出来るという効果が得られる。
の形状に対応させて、複数の湯口入子を均等な注湯が可
能となる最適位置に配設し、これらの湯口入子を連通さ
せるストークを介して溶湯をキャビテイ内において略水
平に層状充填しているため、溶湯の凝固がバランスよく
進行する。従って、湯回り不良、凝固遅れ等による鋳造
欠陥を防ぐことが可能となると共に、湯口部分を冷却す
ることにより指向性凝固を促進させるための冷却制御の
効果が効率的に作用するという利点が得られる。また、
各々分散して設けた湯口入子を冷却しているため、各湯
口入子内の溶湯が速やかに凝固し、全体としての鋳造サ
イクルが短縮出来るという効果が得られる。
以上、本発明について好適な実施態様を挙げて説明し
たが、本発明はこの実施態様に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良
並びに設計の変更が可能なことは勿論である。
たが、本発明はこの実施態様に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良
並びに設計の変更が可能なことは勿論である。
第1図は鋳造金型の一般的な構成を示す概略断面図、 第2図は第1図における鋳造金型に充填した溶湯の各部
位毎の温度変化を示すグラフ、 第3図は本発明に係るシリンダヘッドの低圧鋳造方法に
用いられる低圧鋳造装置の構成を説明する断面図、 第4図は当該低圧鋳造装置を構成する下型をキャビテイ
側から見た一部省略平面図、 第5図は当該低圧鋳造装置において、キャビテイ内の各
部位における溶湯の温度変化を示したグラフである。 10……低圧鋳造装置、12……下型 14……上型、16、18……摺動型 20……キャビテイ、26a〜26d……湯口入子 28a、28b……中間ストーク 30a、30b……ストーク、32……通路 34……可動ダイベース、38、48、50……通路
位毎の温度変化を示すグラフ、 第3図は本発明に係るシリンダヘッドの低圧鋳造方法に
用いられる低圧鋳造装置の構成を説明する断面図、 第4図は当該低圧鋳造装置を構成する下型をキャビテイ
側から見た一部省略平面図、 第5図は当該低圧鋳造装置において、キャビテイ内の各
部位における溶湯の温度変化を示したグラフである。 10……低圧鋳造装置、12……下型 14……上型、16、18……摺動型 20……キャビテイ、26a〜26d……湯口入子 28a、28b……中間ストーク 30a、30b……ストーク、32……通路 34……可動ダイベース、38、48、50……通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 真樹 埼玉県狭山市新狭山1―10―1 ホンダ エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−70036(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】密閉容器に貯留される溶湯の表面を圧力気
体で加圧し当該溶湯をストークを介して金型に設けた湯
口から当該金型内のキャビテイに充填してシリンダヘッ
ドの鋳造品を得る低圧鋳造方法において、 1列が少なくとも一対からなる湯口をシリンダ孔の配列
方向に沿って所定間隔離間して少なくとも2列以上並設
し、前記複数の湯口にそれぞれ装着された湯口入子に連
通するストークから溶湯を該複数の湯口に分流させてキ
ャビテイ内部に略水平に層状充填した後、それぞれの湯
口入子に連通する金型内の通路から送給される冷却用媒
体によって前記複数の湯口入子を略同時に冷却しながら
キャビテイ内部の溶湯を層状に指向性凝固させることを
特徴とするシリンダヘッドの低圧鋳造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63028293A JP2594597B2 (ja) | 1988-02-08 | 1988-02-08 | シリンダヘッドの低圧鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63028293A JP2594597B2 (ja) | 1988-02-08 | 1988-02-08 | シリンダヘッドの低圧鋳造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01202354A JPH01202354A (ja) | 1989-08-15 |
| JP2594597B2 true JP2594597B2 (ja) | 1997-03-26 |
Family
ID=12244569
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63028293A Expired - Lifetime JP2594597B2 (ja) | 1988-02-08 | 1988-02-08 | シリンダヘッドの低圧鋳造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2594597B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5316070A (en) * | 1989-12-11 | 1994-05-31 | Comalco Aluminum Limited | Controlled casting of Al-Si hypereutectic alloys |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2373011A1 (fr) * | 1976-12-03 | 1978-06-30 | Novatome Ind | Embout de raccordement de la tuyauterie d'une pompe electromagnetique et ses applications |
-
1988
- 1988-02-08 JP JP63028293A patent/JP2594597B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01202354A (ja) | 1989-08-15 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3068185B2 (ja) | 金属の鋳造 | |
| RU2717755C1 (ru) | Литейная форма для литья сложных фасонных отливок и применение указанной литейной формы | |
| KR101805853B1 (ko) | 피더의 기능적인 연결을 구비한 주물, 특히 실린더 블록과 실린더 헤드를 제조하기 위한 주조 방법 및 주형 | |
| EP0738192B1 (en) | Method and equipment for feeding shrinkage voids in metal castings | |
| JPH0455773B2 (ja) | ||
| US11897028B2 (en) | Controlled nozzle cooling (CNC) casting | |
| US5381851A (en) | Low pressure chill casting method for casting metal cast components | |
| JP2004058098A (ja) | 鋳造用金型 | |
| CN109396345A (zh) | 一种用于熔模铸造模壳局部激冷的方法 | |
| JPH0563263B2 (ja) | ||
| JP2594597B2 (ja) | シリンダヘッドの低圧鋳造方法 | |
| CN110681846A (zh) | 铝合金异形结构件卧式造型立式差压浇注装置及浇注方法 | |
| CN115319022A (zh) | 一种生产液压柱塞泵泵盖铸件的铸造方法 | |
| JPH0138590B2 (ja) | ||
| US5213149A (en) | Mold and method for making variable thickness cast articles | |
| CN109396359A (zh) | 一种空心薄壁铝合金控制臂金属型重力铸造工艺 | |
| JP2009136902A (ja) | 車両用ホイールの加圧鋳造方法および装置並びに車両用ホイール素材 | |
| JPH07155897A (ja) | 鋳型構造及び鋳造方法 | |
| CN214920259U (zh) | 一种铝合金倾转铸造模具 | |
| US5092390A (en) | Method and mold for sand casting varying thickness articles | |
| JP2968671B2 (ja) | 鋳造方法および装置 | |
| JPS63278636A (ja) | 金型鋳造装置に於ける金型 | |
| CN211438051U (zh) | 铝合金异形结构件卧式造型立式差压浇注装置 | |
| CN1369337A (zh) | 冷室压铸铝合金无拔模斜度的压铸方法 | |
| JPH07164100A (ja) | シリンダヘッド鋳造用冷却装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071219 Year of fee payment: 11 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081219 Year of fee payment: 12 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081219 Year of fee payment: 12 |