JP2594408B2 - 湿式ガスメーター - Google Patents

湿式ガスメーター

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JP2594408B2
JP2594408B2 JP20086793A JP20086793A JP2594408B2 JP 2594408 B2 JP2594408 B2 JP 2594408B2 JP 20086793 A JP20086793 A JP 20086793A JP 20086793 A JP20086793 A JP 20086793A JP 2594408 B2 JP2594408 B2 JP 2594408B2
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駿 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液に浸漬した計量ド
ラムのガスの出入りによる回転を利用して各種ガスの流
量計測を行う湿式ガスメーターに関する。
【0002】
【従来の技術】この種ガスメータは、密閉計量槽内に、
内部を周方向に並ぶ複数の計量室に分割した円筒形の計
量ドラムが、その水平ドラム軸よりやや高位まで水等の
封液に浸漬した状態で回転自在に保持されており、封液
により各計量室が液面上において他の計量室に対してシ
ールされているため、計量槽内に導入される検体ガスが
該ドラムの回転を伴って各計量室に順次流入して排出さ
れることを利用し、このドラムの回転数からガスの積算
流量値を計測するように構成されている。
【0003】このような湿式ガスメーターの計量槽内の
基準液位を設定する手段としては、槽ケーシングの外側
に槽内空間と連通するガラス管を取り付け、このガラス
管の標線に液位を合わせるゲージグラス方式、上記ガラ
ス管の代わりにガラス窓のある小箱を設け、その標線に
液位を合わせるゲージボックス方式、上記標線の代わり
にガラス窓付き小箱内にピンを立て、このピンの円錐状
の先端に液面を合わせるメニスカス方式、槽内に配置し
たオーバーフローパイプより余剰の封液を排出すること
により、該パイプの開口上端位置で液位を定めるオーバ
ーフロー方式等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記のゲー
ジグラス方式、ゲージボックス方式、メニスカス方式は
いずれも、液面計測部を槽ケーシングの外側に設けるた
め、オーバーフロー方式等と比較すると、計測部がドラ
ム中心から遠くなり、計測時におけるメーター設置姿勢
の傾きの影響を受け易く、液位変化により測定精度が低
くなる。さらに液面計測部が槽ケーシングの外側に設け
られていると、取扱中に該計測部が破損し易く、外観的
にも不体裁になるという欠点がある。加えてゲージグラ
ス方式では、毛細管現象や表面張力によってガラス管内
の液面と実際の槽内の液面とに差異を生じ、計量誤差の
要因となる上、上部の通気管部に液滴が付着して詰まり
状態になる場合もあり、信頼性に劣るという問題があっ
た。またゲージボックス方式では、計測部の液面が広い
ために毛細管現象や表面張力の影響は少ないが、液面を
標線に合わせるのに熟練を要し、個人差を生じ易いとい
う難点があった。更にメニスカス方式では、下方から液
面に映るピンの反射像を見て該反射像と実物との先端が
一致するように液面を調整できるので、操作的に簡単で
比較的高い設定精度が得られるが、構造的に高コストに
付くという難点があった。
【0005】一方、オーバーフロー方式は、ケーシング
に設けた注液口より封液を注入し、オーバーフローパイ
プに流入した封液が当該パイプに連通した排液口より流
出するのを確認して注液を停止し、この排液口からの流
出が完全に止まった段階で当該排液口にプラグを螺着し
て閉栓することにより、基準液位が自然に定まるため、
他の方式のように肉眼で液面を見ながら基準位置に合わ
せる手間が不要である上、外部に設ける液面計測部のよ
うに破損する恐れがなく外観にも優れるという利点があ
る。
【0006】しかしながら、従来のオーバーフロー方式
では、排液口からの液流出を確認して注液を停止して
も、該排液口からの流出が完全に止まるまでに2〜3分
もかかることが多く、迅速な計測に支障をきたすという
問題等があり、また基準液位の設定後にガスメーターを
持ち運びした際に液位の再設定が必要になるという難点
もあった。その上、オーバーフローパイプは、黄銅等の
金属で構成されているため、長期使用によって液面切口
部に腐食や酸化が発生し、封液との濡れ性が変化してい
き、液位の経年変化が生じるものであった。このため、
近来では、一般にオーバーフロー方式は採用されておら
ず、メニスカス方式を採用しているのが大半である。
【0007】なお、上記の再設定を不要にするために最
初の液位設定後に特殊な蓋をオーバーフローパイプの先
端開口部に被着させて封止する構造(実開昭63−21
819号公報)も提案されているが、この場合には構造
が複雑になって高コストに付くと共に蓋の被着操作に手
間を要することになる。
【0008】この発明は、上述の状況に鑑み、オーバー
フロー方式にて基準液位を設定する湿式ガスメーターと
して、液位設定を極めて短時間で行え、もって直ちに計
測を開始できるものを提供することを第一の目的とし、
また基準液位の設定後に持ち運びしても液位の再設定を
必要としないものを提供することを第二の目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る湿式ガスメーターは、上記第一の目的を達成するため
に、計量ドラム(2)を液浸漬状態で収容する密閉計量
槽(1)内に、基準液位(L)を設定する縦管状のオー
バーフローパイプ(3)と、計量ドラム浸漬部(1a)
に対して仕切り壁(4a)により区切られたオーバーフ
ロー室(4)とが設けられ、該オーバーフロー室(4)
が底部においてオーバーフローパイプ(3)より下部排
液口(5)に至る排液通路(6)に連通すると共に、基
準液位(L)より上位で計量ドラム浸漬部(1a)の空
間に開放してなる構成を採用したものである。
【0010】また、この発明の請求項2に係る湿式ガス
メーターは、上記第二の目的を達成するために、上記請
求項1の湿式ガスメーターにおいて、オーバーフロー室
(4)に基準液位(L)より僅かに低位で開口する上部
排液口(7)が設けられてなる構成を採用したものであ
る。
【0011】更に、この発明の請求項3に係る湿式ガス
メーターは、上記請求項1又は2の湿式ガスメーターと
して、オーバーフローパイプ(3)が、開口上端(3
a)の高さが可変自在に取り付けられてなる構成を採用
したものである。
【0012】また、この発明の請求項4ないし6に係る
湿式ガスメーターは、上記湿式ガスメーターとして、オ
ーバーフローパイプ(3)、ドラム軸(22)を計量槽
(1)に枢支するための軸受具(30)(40)、計量
ドラム(2)の内部に対しガスの導出または導入を行う
ためのガス導通管(21)が、硬質合成樹脂によって構
成されてなるものを採用している。
【0013】
【作用】基準液位(L)を設定する場合、従来のオーバ
ーフロー方式と同様に密閉計量槽(1)内に上部の注液
口(9)より水や蒸気圧の低いオイルからなる封液(1
0)を注入するが、オーバーフローパイプ(3)へ流入
した封液(10)が下部排液口(5)から流出すれば、
注入を停止すると共に、流出完了を待たずに直ちに下部
排液口(5)にプラグ(13a)を螺着して閉栓すれば
よい。これにより、更にオーバーフローパイプ(3)に
流入する余剰の封液(10)は該オーバーフローパイプ
(3)とオーバーフロー室(4)の下部に溜まり、計量
ドラム浸漬部(1a)の液面がオーバーフローパイプ
(3)の開口上端(3a)と同じレベルになり、自然に
基準液位(L)が定まる。
【0014】しかして、オーバーフロー室(4)に基準
液位(L)より僅かに低位で開口する上部排液口(7)
を設けた構成とすれば、上述した方法とは別な方法によ
る基準液位(L)の設定も可能となる。すなわち、この
方法では、下部排液口(5)を閉止し、上部排液口
(7)を開放した状態で封液(10)を密閉計量槽
(1)内に注入し、オーバーフローパイプ(3)へ流入
した封液(10)が当該オーバーフローパイプ(3)及
びオーバーフロー室(4)に溜まって上部排液口(7)
より流出し始めた時点で注入を停止し、上部排液口
(7)からの流出がある程度進んだ後に該排液口(7)
にプラグ(13b)を螺着して閉栓する。これにより、
計量ドラム浸漬部(1a)側は前記方法と同様にオーバ
ーフローパイプ(3)の開口上端(3a)と同レベルの
基準液位(L)に設定される。
【0015】この場合、オーバーフローパイプ(3)及
びオーバーフロー室(4)には封液(10)が溜まった
状態となるが、その液面位置は基準液位(L)より僅か
に低いだけであり、且つオーバーフローパイプ(3)及
びオーバーフロー室(4)の液面の面積は計量ドラム浸
漬部(1a)の面積に対して非常に小さいことから、液
位設定後にガスメーターを持ち運びした際、揺れや傾き
によって計量ドラム浸漬部(1a)から封液(10)が
オーバーフローパイプ(3)へ流入することがあって
も、その流入し得る液量は極めて僅かであって全液量に
対して殆ど無視できる程度であるため、実質的に基準液
位(L)の変動をきたさない。
【0016】なお、オーバーフローパイプ(3)を取付
部(8)に下部を螺合して取り付け、その螺合度合によ
り開口上端(3a)の高さを可変とすれば、検体ガスの
圧力や種類、計量ドラム(2)の構造、注入液の種類、
その他の計測条件に応じて基準液位(L)を調整でき、
ガスの計量容積(器差)を調整できる。
【0017】また、オーバーフローパイプ(3)、軸受
具(30)(40)、ガス導通管(21)を硬質合成樹
脂によって構成した場合には、これらの部材が、例えば
従来の黄銅製のものと比べて、耐腐食性に優れたものと
なり、さらに成形加工も容易で、コストの低減を図るこ
とができるとともに、軽量化も図ることができる。
【0018】
【実施例】図1ないし図3はそれぞれこの発明の一実施
例に係る湿式ガスメーターを示す。このガスメーターの
密閉計量槽(1)は、ロストワックス法により鋳造され
たアルミニウム合金製またはステンレス合金製の槽本体
をなす下部ケース(11)と、その蓋体をなす硬質合成
樹脂成形物もしくは上記同様の合金製の上部ケース(1
2)とを、相互の対向する周端部(11a)(12a)
間にガスケット(14)を介在して接合し、ねじ止め
(15)したものであり、その内部に計量ドラム(2)
が封液(10)に浸漬した状態で収容されている。
【0019】計量ドラム(2)は、硬質合成樹脂製又は
金属製であり、端円筒形のドラム銅(2a)と、その内
部を周方向に並ぶ複数の計量室(2c)に分割する複数
枚の羽根板(2b)と、ドラム胴(2a)の一端側、換
言すればガス導出側に冠着されたドーナッツ状のドラム
カバー(2d)とで構成されている。
【0020】図1および図3に示すように、下部ケース
(11)内の後側、つまり計量ドラム(2)のガス導出
側の隅部に、仕切り壁(4a)により計量ドラム浸漬部
(1a)に対して区切られたオーバーフロー室(4)
と、該仕切り壁(4a)の下部より槽中央側へ突出する
L字形筒状の取付部(8)とが形成されている。
【0021】該取付部(8)には、硬質塩化ビニル等の
硬質合成樹脂からなる連結筒(16)が小外径の下端部
(16a)を螺挿して接続されると共に、該連結筒(1
6)に、硬質塩化ビニル等の硬質合成樹脂からなるオー
バーフローパイプ(3)が下部を外嵌螺合して直立状に
取り付けられている。
【0022】このオーバーフローパイプ(3)は、上部
内周に設けた内向きフランジ部(3b)の溝(3c)に
パイプ捻回用治具の先を係嵌して捻回することにより、
連結筒(16)に対する螺合深さを変更できるようにな
されている。従って、このオーバーフローパイプ(3)
の開口上端(3a)によって定まる基準液位(L)は、
図示状態をほぼ上限として数mm程度の範囲で調整可能
である。
【0023】なお、取付部(8)と連結筒(16)との
嵌合部、ならびに連結筒(16)とオーバーフローパイ
プ(3)との嵌合部は、それぞれOリング(17a)
(17b)を介して液密にシールされている。
【0024】オーバーフロー室(4)の下位には下部排
液口(5)が設けられており、この下部排液口(5)よ
り取付部(8)内に至る排液通路(6)が連結筒(1
6)内を通してオーバーフローパイプ(3)内に連通す
ると共に、該オーバーフロー室(4)の底部にも連通し
ている。また、仕切り壁(4a)は上端が上限位置にお
けるオーバーフローパイプ(3)の開口上端(3a)よ
り上位になるように設定され、オーバーフロー室(4)
は上方が開放して計量ドラム浸漬部(1a)の上部空間
に連通している。更にオーバーフロー室(4)の上部に
は外部に透通する上部排液口(7)が設けてあり、下限
位置におけるオーバーフローパイプ(3)の開口上端
(3a)が上部排液口(7)の開口縁最下部よりも僅か
に高くなるように設定されている。上部排液口(7)の
外側開放端部における下方側には、下方に突出するよう
に液だれ防止突起(7a)が一体形成されており、その
突起(7a)により、排液口(7)から排出される排液
が少量のときであっても、液切れを良好なものとし、こ
れにより排液が下部ケース(11)の外表面に伝わるの
を防止して、排液によるケースの汚れを防止できるよう
に構成している。
【0025】なお、下部排液口(5)及び上部排液口
(7)は、それぞれプラグ(13a)(13b)を螺挿
して閉栓できるようになっている。
【0026】上部ケース(12)の上壁部(12b)に
は、図1および図2に示すように、注液口(9)とガス
導入口(18)及びガス排出口(19)が設けられてお
り、注液口(9)はプラグ(9a)を螺挿して閉栓でき
るようになっている。また、ガス導入口(18)および
ガス導出口(19)には、単筒状の接続管(18a)
(19a)を介してガス導入用アダプター(18b)お
よびガス導出用アダプター(19b)が回転自在に連結
されている。なお、上壁部(12b)には、上記オーバ
ーフローパイプ(3)の上方に位置的に対応して、図示
しない治具挿入孔が形成されており、上部ケース(1
2)を下部ケース(11)に取り付けた状態であって
も、その治具挿入孔に上記パイプ捻回用治具を挿入し
て、オーバーフローパイプ(3)を捻回することによ
り、パイプ高さを調整できるようになされている。
【0027】一方、図2に示すように、下部ケース(1
1)の前壁、つまり計量ドラム(2)のガス導入側に位
置する壁には、ドラム軸挿通孔(31)が形成されてお
り、その孔(31)に前側軸受具(30)がねじ(3
2)によって取り付けられている。さらに、下部ケース
(11)の後壁内面部には、軸受取付用凹部(41)が
形成されており、その凹部(41)内に、後側軸受具
(40)が冠着されている。なお、軸受具(30)(4
0)は、硬質塩化ビニル等の硬質合成樹脂からなる軸受
ブッシュ(30a)(40a)、および封液をシールす
るためのゴム製オイルシール(図示省略)等が組み付け
られたもので構成されている。
【0028】そして、前記計量ドラム(2)にその軸線
に沿って固着されたドラム軸(22)の一端側が、後側
軸受具(30)に回転自在に支持されるとともに、他端
側が前側軸受具(40)に回転自在に支持されている。
【0029】一方、ドラム内のガスを導出するためのガ
ス導出管(21)は、硬質塩化ビニル等の硬質合成樹脂
によって構成されており、主管部(21a)と、その主
管部(21a)から分岐した枝管部(21b)とを備え
ている。一方、下部ケース(11)の後壁下部には前記
主管部(21a)の下端を取り付けるための管取付部
(50)が形成されており、この管取付部(50)に主
管部(21a)の下端がOリング(51)を介して冠着
されるとともに、主管部(21a)の上端が前記ガス導
出口(19)にOリング(52)を介して冠着されてい
る。
【0030】また、ガス導通管(21)の枝管部(21
b)は、ドラムカバー(2d)の中央孔(2e)に挿通
されて、ドラム一端側内部に配置され、その枝管部(2
1b)の先端がドラム一端側内部において液面より高位
で開放されている。
【0031】なお、計量槽(1)の前方には、下部ケー
ス(11)と一体的にカウンターケーシング(60)が
形成されており、その内部にカウンター機器(図示省
略)が収容され、ドラム(2)の回転状況が、ドラム軸
(22)を介して前記カウンター機器に伝達され、その
機器によってガスの積算流量値の測定や、測定値の表示
がなされるよう構成している。
【0032】上記構成の湿式ガスメーターにおいては、
基準液位(L)の設定手段として次の二通りの方法を採
用できる。まず、第一の方法では、下部排液口(5)を
開放、上部排液口(7)を閉止した状態で、注液口
(9)より水や蒸気圧の低いオイルからなる封液(1
0)を注入し、オーバーフローパイプ(3)に流入した
封液(10)が下部排液口(5)から流出した時点で、
注入を停止すると共に、下部排液口(5)にプラグ(1
3a)を螺着して閉栓する。これにより、閉栓後に尚も
オーバーフローパイプ(3)に流入する余剰の封液(1
0)は該オーバーフローパイプ(3)とオーバーフロー
室(4)の下部に溜まってゆき、その流入が止まったと
き、計量ドラム浸漬部(1a)の液面がオーバーフロー
パイプ(3)の開口上端(3a)と同じレベル(厳密に
は表面張力により液面の方が僅かに高い)になり、自然
に基準液位(L)が定まる。
【0033】従って、この第一の方法では、従来のオー
バーフロー方式のように排液口からの流出が完全に止ま
るまで待つ必要はなく、流出確認後に直ちにガス計測に
取りかかることができる。これに対し、従来のオーバー
フロー方式のガスメーターにおいて、排液口からの流出
を確認して直ぐに該排液口を閉栓すれば、余剰の封液が
オーバーフローパイプを満たし、液面は該オーバーフロ
ーパイプの上端高さを越えてしまうため、基準液位
(L)を設定できない。なお、この第一の方法で液位設
定した場合でも、ガス計測中にオーバーフローパイプ
(3)内に封液(10)が流入して液位低下をきたす恐
れはない。即ち、ガス計測中の密閉計量槽(1)内で
は、導入されるガスの圧力によりオーバーフローパイプ
(3)を配置した前室側の液位が常に低くなり、オーバ
ーフローパイプ(3)への流入を生じないことによる。
従って、このガスメーターでは、液位設定後にオーバー
フローパイプ(3)の開口上端を封止する必要がなく、
その封止用の蓋体を設けるための複雑な機構・構造なら
びに手間のかかる操作が不要である。
【0034】第二の方法では、第一の方法とは逆に下部
排液口(5)を閉止、上部排液口(7)を開放した状態
で、注液口(9)より封液(10)を注入する。そし
て、オーバーフローパイプ(3)へ流入した封液(1
0)が当該オーバーフローパイプ(3)及びオーバーフ
ロー室(4)に溜まって上部排液口(7)より流出し始
めた時点で注入を停止し、上部排液口(7)からの流出
がある程度進んだ後に該排液口(7)にプラグ(13
b)を螺着して閉栓する。これにより、計量ドラム浸漬
部(1a)側は前記第一の方法と同様にオーバーフロー
パイプ(3)の開口上端(3a)と同レベルの基準液位
(L)に設定される。
【0035】この第二の方法によれば、オーバーフロー
パイプ(3)及びオーバーフロー室(4)には封液(1
0)が溜まった状態となるが、その液面位置は基準液位
(L)より僅かに低いだけであり、且つオーバーフロー
パイプ(3)及びオーバーフロー室(4)の液面の面積
は計量ドラム浸漬部(1a)の面積に対して非常に小さ
いことから、液位設定後にガスメーターを持ち運びした
際、揺れや傾きによって計量ドラム浸漬部(1a)から
封液(10)がオーバーフローパイプ(3)へ流入する
ことがあっても、その流入し得る液量は極めて僅かであ
って全液量に対して殆ど無視できる程度であるため、実
質的に基準液位(L)の変動をきたさない。従って、場
所を変えて繰り返しガス計測を行う場合に、移動の度に
基準液位(L)を再設定する必要はなく、最初に設定し
たままの状態で次のガス計測に供することができるか
ら、非常に能率がよい。
【0036】こうして、計量槽(1)内に水や水蒸気圧
の低いオイル等の封液を所定の基準液位(L)まで注入
することにより、計量ドラム(2)の各計量室(2c)
は、液面上では他の計量室(2c)に対して液により計
量されるガスがシールされ、かつこのシール状態で等容
量となるように設定される。そして、この湿式ガスメー
ターにおいては、ガス導入用アダプター(18b)に接
続された図示しないガス供給管を介して、ガス導入口
(18)より計量槽(1)内に測定対象のガスを送り込
む。送り込まれたガスは計量ドラム(2)の回転を伴っ
て各計量室(2c)に順次導入され、各計量室(2c)
の液中への移動と共にガス導通管(21)、ガス導出口
(19)およびガス導出用アダプター(19b)を介し
て外部に排出される。一方、このときのドラム(2)の
回転状況が、ドラム軸(22)を介して、カウンター室
(60)内の上記カウンター機器に伝達され、そこでガ
スの積算流量値が測定されるとともに、その測定値が表
示されることとなる。
【0037】なお、この湿式ガスメーターにおいては、
ガス計測中において、封液(10)の液面のうち、ドラ
ム(2)の外側の液面、すなわちオーバーフローパイプ
(3)が設置される側の液面が受圧面となり、液位が低
下することとなる。このため、ガス計測中に、ガス圧に
よって封液(10)がオーバーフローパイプ(3)へ流
入してしまうようなことはないので、封液量が変化せ
ず、良好な測定精度を得ることができる。
【0038】ところで、この発明の湿式ガスメーター
は、上部排液口(7)のない構造として、前記第一の方
法のみで基準液位(L)の設定を行うようにしてもよ
い。
【0039】さらに、密閉計量槽(1)の各部構成、計
量ドラム(2)の構造、オーバーフローパイプ(3)の
取付部(8)に対する装着構造等、細部構成については
実施例以外に種々設計変更可能である。
【0040】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、オーバーフロ
ー方式にて封液の基準液位を設定する湿式ガスメーター
として、液位設定を簡単な操作により極めて短時間で行
え、もって直ちにガス流量の計測を開始できると共に、
構造的に簡素で安価に製作でき、その上外付液面計に比
べメーター設置時の誤差が小さく、器差の再現性が良好
なものが提供される。
【0041】請求項2の発明によれば、上記ガスメータ
ーとして、液位設定後にガスメーターを持ち運びする際
に揺れや傾きを生じても実質的に基準液位の変動をきた
さず、もって場所を変えて繰り返しガス計測を行う場合
でも移動の度に基準液位を再設定する必要はなく、最初
に設定したままの状態で非常に能率よく次のガス計測に
供することが可能となるものが提供される。
【0042】請求項3の発明によれば、上記ガスメータ
ーとして、検体ガスの圧力や種類、使用する計量ドラム
の構造、注入液の種類、その他の計測条件に応じて、基
準液位を容易に調整でき、ガスの計量容積を簡単に調整
できる。
【0043】請求項4ないし6の発明によれば、上記ガ
スメーターとして、オーバーフローパイプ、ドラム軸枢
支用の軸受具、ガス導通管が、硬質塩化ビニル等の硬質
合成樹脂によって構成されてなるものを採用しているた
め、これらの部材が、従来の黄銅製等の金属製のものと
比べて、耐腐食性に優れたものとなり、腐食性ガスの計
量を行えるとともに、腐食性ガスが封液に溶け込んでい
ても使用するができ、さらに成形加工が容易で、コスト
を低減できるとともに、軽量化も図ることもできる。そ
の上、オーバーフローパイプは、表面における酸化や腐
食の発生を防止できるので、封液との濡れ性の経年変化
が少なくなり、長期に渡って安定した液位を維持でき、
測定精度の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る湿式ガスメーターの
一部破断縦断面図である。
【図2】同湿式ガスメーターの側断面図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 …密閉計量槽 1a …計量ドラム浸漬部 2 …計量ドラム 3 …オーバーフローパイプ 3a …開口上端 4 …オーバーフロー室 5 …下部排液口 6 …排液通路 7 …上部排液口 8 …取付部 10 …封液 21 …ガス導通管 22 …ドラム軸 30、40…軸受具 L …基準液位

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計量ドラムを液浸漬状態で収容する密閉
    計量槽内に、基準液位を設定する縦管状のオーバーフロ
    ーパイプと、計量ドラム浸漬部に対して仕切り壁により
    区切られたオーバーフロー室とが設けられ、該オーバー
    フロー室が底部においてオーバーフローパイプより下部
    排液口に至る排液通路に連通すると共に、基準液位より
    上位で計量ドラムの浸漬部の空間に開放してなる湿式ガ
    スメーター。
  2. 【請求項2】 オーバーフロー室に基準液位より僅かに
    低位で開口する上部排液口が設けられてなる請求項1記
    載の湿式ガスメーター。
  3. 【請求項3】 オーバーフローパイプが、その開口上端
    の高さが可変自在に取り付けられてなる請求項1又は2
    に記載の湿式ガスメーター。
  4. 【請求項4】 前記オーバーフローパイプが、硬質合成
    樹脂によって構成されてなる請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の湿式ガスメーター。
  5. 【請求項5】 前記計量ドラムのドラム軸を前記計量槽
    に枢支するための軸受具が、実質的に硬質合成樹脂によ
    って構成されてなる請求項1ないし4のいずれかに記載
    の湿式ガスメーター。
  6. 【請求項6】 前記計量ドラムの内部に対しガスの導出
    または導入を行うためのガス導通管が、硬質合成樹脂に
    よって構成されてなる請求項1ないし5のいずれかに記
    載の湿式ガスメーター。
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