JP2593883B2 - アルミナ−ジルコニア複合粉体とその焼結体の製造方法 - Google Patents

アルミナ−ジルコニア複合粉体とその焼結体の製造方法

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岩尾磁器工業株式会社
応作 松田
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) この発明は、アルミナ−ジルコニア複合粉体とその焼
結体の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、
この発明は、耐磨耗性等の特性に優れ、低温焼結が可能
なアルミナ−ジルコニア複合粉体の製造方法とその焼結
体の製造方法に関するものある。
(背景技術) アルミナ−ジルコニア複合体は破壊靱性の大きいセラ
ミックとして、1977年のニルス・クラウゼン等の研究発
表以来注目されており、これまでにも多くの研究がなさ
れてきている。
これまで、このアルミナ−ジルコニアについては、ア
ルミナ粉末とジルコニア粉末とをミルで撹拌混合し、ジ
ルコニア微細粒子をアルミナ粉末粒子間に均一に分散す
る方法により製造されてきた。
一方、アルミナ−ジルコニアの焼結体については、ア
ルミナ粒子の周囲にジルコニア粒子があるとアルミナの
結晶成長を抑えながら焼結させることができ、しかも、
ジルコニア粒子を微細な正方晶とし、アルミナ結晶間に
分散すれば、亀裂がこのジルコニア結晶の周囲を通ると
き、亀裂先端近辺のジルコニア結晶が単斜晶に転位し、
破壊エネルギーが吸収されることが知られてもいる。
そこで、ジルコニア微細粒子をアルミナ粒子間に均一
に混合し、さらにアルミナ粒子の周囲にジルコニア粒子
を分散するため、従来の粉体の混合以外の方法によって
アルミナ−ジルコニア複合粉を製造することが研究され
てきている。たとえば、気相法による製造法(特開昭58
-167472)、水熱合成法による製造法(特開昭59-18226
9)などが提案されている。また、湿式沈殿法によって
微細粒子の均一混合を実現することも研究されてきてい
る。
しかしながら、気相法による製造法や水熱合成による
製造法の場合には、高温での分解が必要なため、高温に
耐え、分解ガスに対した耐食性のある特性を兼ね備えて
いなければならない。それゆえ、使用する装置が複雑、
高価となり、工業的に利用するには改善の余地が多く残
されている。
沈殿法については、硫酸アルミニウムとオキシ塩化ジ
ルコニウムの溶液にアンモニア水を添加する方法が知ら
れているが、生成する沈殿が不均質で、しかも嵩高にな
り、沈殿生成の操作が難しいという欠点があった。
また、この沈殿法は、従来からよく知られている無機
質物質の沈殿法と同様に装置に特別なものが必要でな
く、操作も比較的簡単であるという利点はあるものの、
均質沈殿を効率的に生成させることが難しいのが実情で
あった。
この発明の発明者らは、このような事情を鑑みて、従
来の方法の欠点を克服するために、沈殿法の持つ特徴を
生かした新しいアルミナ−ジルコニアの均一混合粉体の
製造法と、それを用いての焼結複合体の製造法について
鋭意検討を行ってきた。その結果、これまでに、アルミ
ニウム塩、ジルコニウム塩の水溶液に尿素を加えること
が有利であることを見出し、しかも、この尿素を添加し
た水溶液のpHをコントロールすることにより均一混合粉
体として特異的な二重層粒子を生成することが可能であ
ることを見出した。この二重層粒子は、アルミニウム粒
子の周囲にジルコニウム沈殿が晶析した構造を有し、こ
の二重層粒子を用いることにより優れた特性のアルミナ
−ジルコニア複合焼結体が得られた。
この発明はこのような知見に基づいてなされたもので
ある。
(発明の目的) この発明は、以上の通りの事情によりなされたもので
あり、従来の複合粉体の製造法の欠点を改善し、厳密に
制御された操作条件のもとで沈殿を生成させる二重層の
アルミナ−ジルコニア複合粉体の製造方法と、さらにそ
の焼結体の製造方法を提供するこを目的としている。
(発明の開示) この発明のアルミナ−ジルコニア複合粉体の製造方法
は、アルミニウム塩、ジルコニウム塩および尿素の水溶
液のpHを3〜5の範囲で上昇させ、先に生成した水酸化
アルミニウム沈殿の粒子の周囲に水酸化ジルコニウム沈
殿を晶析することを特徴としている。
この発明の製造方法においては、アルミニウム塩とジ
ルコニウム塩とからなる水溶液に尿素を加えて混合溶液
となし、溶液のpH値を全体として均一に3〜5の範囲で
上昇させていく。この場合、全体のpH均一化のために
は、溶液の撹拌、加熱を適宜に行う。
pHを3〜5の範囲で上昇させることにより、まず最初
にアルミニウムイオンを水酸化アルミニウムとして沈殿
させ、次いで、その沈殿粒子の周囲にジルコニウムイオ
ンを水酸化ジルコニウムとして晶析した二重層粒子を生
成させる。
以上のようにして均質な二重層のアルミナ−ジルコニ
ア複合粉体が製造させる。
通常の溶解度積を用いる算定によると、第1図に示し
たように、アルミニウムイオンあるいはジルコニウムイ
オンを含む溶液中ではpHが3以上になるとジルコニウム
イオンは水酸化ジルコニウムとして沈殿する。しかしな
がら、この発明の製造方法においては、pHを3以上にし
てもジルコニウムイオンは大部分は溶液中に残る。pHを
4以上にすると急激なジルコニウムイオンの減少がみら
れる。しかも、この場合、すでに沈殿した水酸化アルミ
ニウムの沈殿粒子の数以上の水酸化ジルコニウムの沈殿
粒子は生成せず、水酸化ジルコニウムのみの沈殿は生じ
ない。このためジルコニウムは、アルミニウムの沈殿粒
子の外表面に晶析したものとなる。
次に、このようにして製造した二重層のアルミナ−ジ
ルコニア複合粉体を、洗浄、乾燥し、400〜1100℃程度
の温度において仮焼した後、振動ミル等により軽く粉砕
する。
粉末を加圧成形して焼結し、アルミナ−ジルコニアの
複合焼結体とすることができる。加圧成形は、900〜120
0kg/cm2程度において行い、1500〜1700℃程度の温度で
焼結する。もちろん、これらの圧力および温度は格別に
限界的なものではない。使用目的、所要の物性等を考慮
しながら選択することができる。
以上の通りの焼結体にも導くことのできる、この発明
の製造方法によって得られるアルミナ−ジルコニア複合
焼結体の相対密度は90%以上となり、耐摩耗性において
も極めて優れたものとなる。
なお、本発明に用いるアルミニウム塩としては、格別
にその種類が限定されるものではなく、たとえば硫酸ア
ルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ア
ンモニアミョウバン等、アルミナの製造に普通に使用さ
れるものでよい。また、本発明に用いるジルコニウム塩
についてもアルミニウム塩と同様に格別に限定されるも
のではなく、たとえば、酢酸ジルコニウム、オキシ塩化
ジルコニウムなど、ジルコニアの製造に普通に使用され
るものでよい。
次に実施例を示し、さらに詳しくこの発明の製造方法
について説明する。もちろん、この発明は以下の実施例
によって限定されるものではない。
実施例 硫酸アルミニウム0.1mol/lとオキシ塩化ジルコニウム
0.019mol/lとに尿素2mol/lを混合し、この尿素水溶液を
撹拌し、加熱して、溶液のpHを制御した。
pHの変化と、溶液中のアルミニウムおよびジルコニウ
ムの残存量(mol%)との関係を示したものが第2図で
ある。この第2図に示したように、pHを3以上とする
と、アルミニウムイオンが水酸化アルミニウムとして急
速に沈殿する。次いでその水酸化アルミニウムの周りに
ジルコニウムが晶析し、pH〜4まで上昇させると、80〜
90%以上のジルコニウムが晶析する。
しかも、このジルコニウムの水酸化ジルコニウムとし
ての晶析においては、全体の粒子の数は増加せず、ま
た、生成した粒子の径は、2〜4μmであった。水酸化
ジルコニウムは、水酸化アルミニウムの沈殿粒子の周囲
に晶析し、コア部がアルミニウムで、外殻部がジルコニ
ウムの二重層粒子となっていた。
得られた沈殿物を、2.8%アンモニア水、蒸留水およ
びエタノールで洗浄し、105℃で乾燥した後に、振動ミ
ルで3分間粉砕した。
この粉末を一軸圧縮機で1000kg/cm2の圧力により成形
し、1650℃で焼成した。アルミナ−ジルコニア複合焼結
体の相対密度は90%であった。
(発明の効果) この発明の製造方法により、水酸化アルミニウムの周
囲に水酸化ジルコニウムを晶析させた均一な二重層のア
ルミナ−ジルコニア複合粉体が得られる。また、この複
合粉体を粉砕、焼結することによって得られるアルミナ
−ジルコニア焼結体はアルミナの結晶成長を抑えながら
焼結が可能であり、結晶粒径の小さな緻密な焼結体が得
られる。この発明の製造方法により耐摩耗性に優れたア
ルミナ−ジルコニウア複合焼結体が得られる。
しかも、この発明により、二重層粒子の沈殿生成は極
めて効率的に行うことができる。pHの制御により、沈殿
時間、さらには粒子径も制御可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、溶解度積を用いてイオン、水酸化物の割合と
pH値との関係を示した相関図である。 第2図は、この発明による水溶液中のイオンの残存量を
示した濃度−pH相関図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム塩、ジルコニウム塩および尿
    素の水溶液のpHを3〜5の範囲で上昇させ、先に生成し
    た水酸化アルミニウム沈殿の粒子の周囲に水酸化ジルコ
    ニウム沈殿を晶析することを特徴とする二重層アルミナ
    −ジルコニア複合粉体の製造方法。
  2. 【請求項2】アルミニウム塩、ジルコニウム塩および尿
    素の水溶液のpHを3〜5の範囲で上昇させ、先に生成し
    た水酸化アルミニウム沈殿の粒子の周囲に水酸化ジルコ
    ニウム沈殿を晶析し、生成する二重層のアルミナ−ジル
    コニア複合粉体を粉砕し、成形および焼結することを特
    徴とするアルミナ−ジルコニア焼結体の製造方法。
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