JP2593591B2 - 陶磁器の成形用型、陶磁器の成形方法及び装置 - Google Patents

陶磁器の成形用型、陶磁器の成形方法及び装置

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JP2593591B2
JP2593591B2 JP3063587A JP6358791A JP2593591B2 JP 2593591 B2 JP2593591 B2 JP 2593591B2 JP 3063587 A JP3063587 A JP 3063587A JP 6358791 A JP6358791 A JP 6358791A JP 2593591 B2 JP2593591 B2 JP 2593591B2
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靖夫 平川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複雑な形状を有する陶
磁器、特に衛生陶磁器等を安価に量産可能な陶磁器の成
形用型、陶磁器の成形方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記した衛生陶磁器を製造する装
置の一形態として、本出願人が先に特願昭59-122215 号
( 特公平1-22124号) に開示したものがある。
【0003】かかる陶磁器製造装置は、図21に示すよう
に、実質的に、主として中型50、底型51、左右横胴型52
a,52b からなる石膏型に泥漿を流し込んで陶磁器を形成
する装置であって、底型51を着脱自在に懸垂支持するビ
ーム53と、底型51と対向して中型50および左右横胴型52
a,52b を支持した枠組54をビーム53を介して吊り下げて
昇降させるための昇降装置55と、枠組54を回転自在に支
持する装置56と、枠組54を回転させるための装置57と、
枠組54を受け止める固定受台58とよりなり、枠組54をビ
ーム53から吊りさげる昇降装置55は枠組54が固定受け台
58で受けとめられている時、枠組54に対してビーム53の
移動を可能にするように構成されており、左右横胴型52
a,52b は各々の横胴取付枠59,60 に固定されており、複
数の右横胴取付枠59と連結された共通の内側スライド棒
61と複数の左横胴取付枠60と連結された共通の外側スラ
イド棒62が枠組54内に設けられ、各々のスライド棒61,6
2はエアシリンダー63,64 により、ある一定の距離の
間、横胴型52a,52b を多数同時に、型組み、型開きする
ように作動される構成としている。
【0004】また、かかる構成によって、大便器等の衛
生陶磁器を量産することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した陶磁
器製造装置は、以下の解決すべき課題を有していた。
【0006】即ち、図21に示すように、陶磁器製造装置
は、左右横胴型52a,52b を使用するために、同左右横胴
型52a,52b を左右に移動するための空間と、同左右横胴
型52a,52b を左右側方に移動するための横胴移動機構5
9,60,61,62,63,64 を、左右横胴型52a,52b の両側に設
置しなくてはならない。
【0007】そのため、一つの陶磁器を製造するに際し
て、水平方向に広い成形空間が必要となり、多数の陶磁
器を同時成形する場合、装置も長くなり面積効率が悪
く、製造装置も複雑で大掛かりなものであった。
【0008】また、近年、洋風便器の大型化・高機能化
・デザインの多様化が要望され、成形用型も大型化し、
形状も複雑なものとなっている。洋風便器の側面形状を
成形する側型も、複雑な形状で寸法も大きくなり左右横
胴型と成形体との接触面積が大きくなる。そのため上記
した陶磁器の製造装置のように、側型を左右に分割する
左右横胴型方式を用いる場合、成形時左右横胴型の型合
わせ面より泥漿が漏れないように、強力なプレスが必要
となり、そのための装置も大型化、複雑化なものとな
る。また、脱型時左右に横胴型が移動して脱型するとき
に、左右均等に脱型されず、いずれかの型に成形体がひ
っぱられる状態で脱型されるので、成形体に変形が発生
し、歩留りが悪かった。
【0009】本発明の目的は、水平方向に広い成形空間
を必要とせず、製造装置が簡単になり、成形品の大型化
・高機能化・デザインの多様化に容易に対応でき、しか
も脱型時の成形体変形防止が図れる陶磁器の成形用型、
陶磁器の成形方法及び装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、成形すべき陶
磁器の上面を形成する上型と、同陶磁器の下面を形成す
る下型と、その内部に取り外し可能に取付けた分割型と
ともに陶磁器の側面を形成する側型とからなる陶磁器の
成形用型に係るものである。
【0011】また、本発明は、上記成形用型を用いた陶
磁器の成形方法であって、イ) 上型と下型と分割型を内
蔵した側型を型組して、鋳込み成形空間を形成し、ロ)
同鋳込み成形空間内に泥漿を流し込み、各型内面に着肉
させてグリーン陶磁器を形成し、ハ) 上型、下型、側型
を夫々相対的に一方向に移動して、分割型をグリーン陶
磁器とともに脱型し、ニ)最後にグリーン陶磁器より分
割型を脱型する、以上の工程からなる陶磁器の成形方法
に係るものである。
【0012】さらに、本発明は、上記成形用型を用いて
陶磁器を成形する成形装置であって、イ)下型を保持す
る下型保持体と、ロ)同下型保持体の上方に昇降自在に
配設された側型を保持する側型保持体と、ハ)同側型保
持体を昇降させ、側型を下型に対して当接・分離可能な
側型昇降機構と、ニ)同側型保持体の上方に昇降自在に
配設された上型を保持する上型保持体と、ホ)同上型保
持体を昇降させ、上型を側型に対して当接・分離可能な
上型昇降機構と、ヘ)上型と側型と下型とを一体的に型
締めする型締め手段と、ト)成形用型内に形成された鋳
込み空間内に、泥漿を供給する泥漿供給手段とを具備す
る陶磁器の成形装置に係るものである。
【0013】また、上記した陶磁器の成形装置におい
て、側型昇降機構と上型昇降機構とを単一の昇降機構か
ら形成したこともできる。
【0014】また、上記した陶磁器の成形装置におい
て、側型保持体を転回する側型転回機構を備えた構成と
することもできる。
【0015】
【実施例】以下、添付図に示す実施例に基づいて、本発
明に係る陶磁器の成形用型、陶磁器の成形方法及び装置
を具体的に説明する。
【0016】なお、以下の実施例では、陶磁器がタンク
一体タイプの大便器である場合を示すが、これに何ら限
定されるものではなく、その他の陶磁器製品の製造に
も、本発明に係る陶磁器の成形用型、陶磁器の成形方法
及び装置を適用できることはいうまでもない。
【0017】(陶磁器の成形用型について)図1〜図4
に、本発明に係る陶磁器の成形用型Aの1具体例を示
す。
【0018】かかる成形用型Aは好ましくは石膏製であ
り、図3と図4から最も明らかなように、後述するグリ
ーン大便器B (図5参照) の陶磁器本体B-1の底面形状
と等しい成形面を有する下型10と、陶磁器本体B-1の上
部形状と等しい成形面を有する上型11と、陶磁器本体B
-1のくびれた側面形状と等しい成形面を有する分割型1
2,13 を内蔵する側型14とからなる。
【0019】そして、図3と図4に示すように、下型10
上に分割型12,13 を内蔵する側型14を載置し、同側型14
上に上型11を載置し、後述する型締装置等を用いて型締
して成形用型Aを構成することができるとともに、成形
用型Aの内部に、陶磁器本体B-1成形用空間Cを形成で
きる。
【0020】また、同陶磁器本体成形用空間C内に泥漿
を流し込み成形用型Aの内面に着肉させた後、後述する
陶磁器の成形方法によって詳しく説明するように、上型
11と側型14とを上下方向に移動させて下型10から脱型す
るとともに、脱型後の陶磁器本体B-1から分割型12,13
を離脱することによって図5に示すようなグリーン大便
器Bを成形することができる。
【0021】このように、本発明に係る陶磁器の成形用
型Aを用いることによって上型、側型の上下方向の移動
だけで成形・脱型できるので、水平方向に広い成形スペ
ースを必要とすることなく、図5に示すような複雑な形
状を有するグリーン大便器Bを成形することができる。
従って、後述する陶磁器の成形装置に応用することによ
って、陶磁器製品の確実な量産化を図ることができる。
【0022】また、本発明に係る陶磁器の成形用型Aに
おいて、側型14に分割型12,13 を組み込んで図5に示す
ようなグリーン大便器Bの陶磁器本体B-1の側部のくび
れた形状を形成して成形し、陶磁器本体B-1と分割型1
2,13 を側型14から上下方向に脱型し、その後分割型12,
13 を取り外せばよいので、陶磁器本体B-1の側部と側
型14の接触面積を小さくでき、また陶磁器本体B-1の自
重で脱型されてるので、陶磁器本体B-1に無理な力が作
用せず脱型時の変形が防止でき、製品の歩留まりを高く
することができる。
【0023】また、側型14の形状は一定で分割型12,13
の形状を変えることにより、デザインの変更に容易に対
応できる。
【0024】なお、図2〜図4において、15は上記した
成形作業の完了後に、グリーン大便器Bに接合する付属
品である。
【0025】本実施例の成形用型は、分割型を用いた例
を示しているが、これに限らず分割型のないものでもよ
い。
【0026】(陶磁器の成形方法)次に、図6〜図14を参
照して、上記した成形用型Aを用いた本発明に係る陶磁
器の成形方法を説明する。
【0027】まず、図6に示すように、下型10と上型11
と側型14と分割型12,13 とを組み合わせて、後述する型
締手段等を用いて型締を行い、内部に陶磁器本体成形空
間Cを形成する成形用型Aを組み立てる。
【0028】図7に示すように、泥漿供給手段(例え
ば、図15に示す泥漿供給手段S) を作動して陶磁器本体
成形空間C内に泥漿を流し込み、成形用型Aの内面に泥
漿を着肉させてグリーン陶磁器本体B-1を成形し、成形
完了後、泥漿供給手段の作動を停止する。
【0029】図8に示すように、型締手段を緩めて離脱
し、成形用型Aから上型11を上方向に脱型する。
【0030】図9に示すように、分割型12,13 を内蔵す
る側型14を上方向に移動して、グリーン陶磁器本体B-1
から下型10を脱型する。
【0031】図10に示すように、グリーン陶磁器本体B
-1の上部露出面の、別途公知の方法で成形したタンク部
B-2の下面との接合部に接着用泥漿を塗布した後、タン
ク部B-2を接合して一体化してユニット体であるグリー
ン大便器Bを成形する。
【0032】図11に示すように、受栃16の両端部の4ケ
所に回動可能に設けられた複数のストッパー部材16',1
6',16',16' を立てた状態にし、前記ストッパー部材1
6',16',16',16' が側型14の上面に当接するようにして
グリーン大便器Bの上面に受栃16を載せ、側型14と受栃
16とを手動プレス17で緊結状態にして連結し、その後、
側型14を180 °転回する。
【0033】なお、この時点で、側型14の真下に台車18
を移動しておく。
【0034】また、前記ストッパー部材16',16',16',1
6'は、受栃16をグリーン大便器Bの上面に載せて、手動
プレス17で緊結するとき、グリーン大便器Bに無理な力
が作用して、グリーン大便器Bが変形するのを防止する
ためのものである。
【0035】図12に示すように、グリーン大便器Bを、
側型14,分割型12,13 及び受栃16を取付けた状態で台車1
8上に載置する。
【0036】手動プレス17を取り外した後、図13に示す
ように、側型14を上方向に移動してグリーン大便器Bか
ら脱型する。この際、分割型12,13 はグリーン大便器B
の周面に付着したままとなる。
【0037】最後に、図14に示すように、グリーン大便
器Bの周面から分割型12,13 を取り外し、グリーン大便
器Bを養生室に移動し、養生硬化する。一方、取り外し
た分割型12,13 は、再度、側型14の内部に取付ける。
【0038】このように、本発明に係る陶磁器の成形方
法を用いることによって、水平方向に広い成形スペース
を必要とすることなく、図5に示すような複雑な形状を
有するグリーン大便器Bを成形することができる。従っ
て、後述する陶磁器の成形装置に応用することによっ
て、陶磁器製品の確実な量産化を図ることができる。
【0039】また、本発明に係る陶磁器の陶磁器の成形
方法を用いることによって、グリーン大便器Bを迅速か
つ容易に成形することができ、製品の歩留まりを向上す
ることができる。
【0040】本実施例は、陶磁器本体とタンク部を接着
して成形するタンク一体タイプの大便器の成形方法では
あるが、本発明に係る陶磁器の成形方法はこれに限ら
ず、接着の必要がない成形品、脱型のために転回の必要
がない成形品を成形する場合にも適用できる。
【0041】(陶磁器の製造装置)次に、図15及び図16を
参照して、上記した成形方法に好適に使用できる陶磁器
の成形装置Dを説明する。
【0042】まず、図15に陶磁器の成形装置Dの全体構
成を示す。図示するように、床面20上には、水平方向に
間隔を開けて複数の垂直支柱21が前後2列に立設されて
おり、各垂直支柱21は、その下端を床面20に固定連結す
るとともに、上端を天井面22に沿って延設した天井支持
ビームHに固定連結している。
【0043】垂直支柱21,21 間をなす床面20上には、複
数 (本実施例では4個) の固定受台23が載置されてお
り、各固定受台23上には下型10が固定支持されている。
【0044】また、固定受台23の上方には、下から順に
側型保持体(ビーム)24 と上型保持体 (ビーム)25 が昇
降自在に配設されており、側型保持体24には、下型10と
同数の側型14が保持されている。なお、各側型14は、そ
れぞれ、その内面に、分割型12,13 を取付けている。一
方、上型保持体25は、吊支具26によって、下型10と同数
の上型11を吊支するとともに、その両側に型締具27を取
付けている。
【0045】型締具27は、固定受台23に配設してもよ
い。
【0046】また、垂直支柱21には昇降機構28が取りつ
けられており、同昇降機構28は、以下に説明するよう
に、上記した側型保持体24と上型保持体25とを一体的ま
たは単独に昇降することができる。
【0047】即ち、図16に示すように、前後方向に配設
した垂直支柱21,21 の上端を固定連結する天井支持ビー
ムHにはチェンブロック39が取付けられている。
【0048】同チェンブロック39から導出した吊支チェ
ン31の一端は、上型保持体25の上面に連結されている。
かかる構成によって、チェンブロック39の駆動によって
上型保持体25を昇降することができる。なお、32は上型
保持体25の昇降を案内するため垂直支柱21に沿って転動
する昇降案内ローラである。
【0049】さらに、上型保持体25には前後左右4個の
側型吊支棒33が上下方向に貫挿しており、側型吊支棒33
の上端に設けたストッパーナット34は、上型保持体25の
上面と係合しており、一方、側型吊支棒33の下端は軸受
ブロック35と後述する後で詳細に説明する減速機ブロッ
ク43に連結されており、軸受ブロック35と減速機ブロッ
ク43との間には、回転軸36を介して側型保持体24が少な
くとも180 °回転自在に連結されている。
【0050】さらに、図15, 図16及び図17に示すよう
に、本発明に係る陶磁器の成形装置Dは、側型保持体24
を180 °転回する側型転回機構40を内蔵しており、前述
した陶磁器の成形方法における図11で示したグリーン大
便器Bの180 °の転回作業に用いるものである。
【0051】かかる側型転回機構は、本実施例では、側
枠吊支棒33の下端に取付けた減速機ブロック41の入力軸
42にスプロケットホイール43を取付け、同スプロケット
ホイール43を、減速機ブロック41の下面に取付けた回動
モータ44の出力軸に取付けたスプロケットホイール45と
無端チエン46によって連絡し、減速機ブロック43の両端
に設けた出力軸47,48 を回転軸36,36 とフランジ49a,49
b を介して、側型保持体24,24 に連結することによって
構成している。
【0052】かかる構成によって、側型保持体24を図16
に示す水平状態に保持した状態でチェンブロック39を駆
動して上型保持体25を下降させると、同上型保持体25に
側型吊支棒33を介して吊支されている側型保持体24も一
体的に下降し、側型保持体24で保持した側型14, 分割型
12,13 の下面を、固定受台23上の底型10の上面に当接す
ることができる。
【0053】さらに、チェンブロック39を駆動して上型
保持体25を下降させると、今度は上型保持体25のみが、
側型吊支棒33に沿って下降し、上型保持体25で保持した
上型11が側型14, の上面に当接することができる。
【0054】その後、型締具27によって上型保持体25
と、側型保持体24と固定受台23とを一体的に型締するこ
とによって、図19及び図20に示すように、成形用型Aを
組み立てることができるとともに、同成形用型A内に陶
磁器本体成形空間Cを形成することができる。
【0055】そして、上記した各成形用型Aの陶磁器本
体成形空間C内には、図15に示すように、泥漿供給手段
Sによって泥漿が供給されることになる。
【0056】本実施例では、泥漿供給手段Sは、以下の
構成を有する。即ち、複数の固定受台23の下方に成形装
置Dの略全長にわたって伸延する泥漿配管70を配設し、
同泥漿配管70から手動バルブ71を介して分岐した分岐配
管72を各固定受台23の図示しない開孔部を貫通して、下
型10に開口した図示しない泥漿供給孔に連絡している。
泥漿配管70の一端は、泥漿供給バルブ73を経由してポン
プPの出口側と連絡しており、同ポンプPの入口側は、
泥漿元バルブ74を介して、泥漿タンク75に連絡してい
る。
【0057】なお、図15において、Qは陶磁器の成形装
置Dの制御装置である。
【0058】かかる陶磁器の成形装置Dを用いた場合
は、図15に示すように、多数の成形用型Aを近接して設
置することができるので、水平方向に広い成形スペース
を必要とすることなく、図5に示すような複雑な形状を
有するグリーン大便器Bのような陶磁器製品であって
も、簡単な機構で量産化を図ることができる。
【0059】
【発明の効果】本発明では、陶磁器の成形用型を、成形
品の上部を形成する上型と、下部を形成する下型と、上
型と下型の間に配置され前記成形品の側部を形成する側
型からなり、該側型は分割型を取り外し可能に内蔵する
と共に、前記上型、下型、側型が相対的に一方向の移動
で成形・脱型可能な構成にしたので、実質的に上下方向
に脱型することによって成形品を取り出すことができる
ので、成形空間を最小とすることができ、成形用型を近
接状態に配置することができ、本発明の成形方法や装置
を用いることによって、脱型時の成形体変形防止が図
れ、歩留まりの高い製品が得られる。
【0060】特に、側型に分割型を内蔵することによっ
て、脱型時の成形体変形防止が図れるとともに、デザイ
ンの変更に容易に対応できる。
【0061】本発明の成形方法及び装置では、前記成形
用型を用いて相対的に一方向に型組み、脱型するので、
歩留まりの高い製品が得られ、側型のプレスをしないの
でプレスの掛け外しのための時間が不要となり成形サイ
クルが短縮できる。
【0062】また、側型のプレスがなく、上下方向だけ
の移動機構であるため、装置が簡単となる。
【0063】また、側型昇降機構とを単一の昇降機構か
ら構成しているので、装置が簡単で、装置の製作コスト
も安価になる。
【0064】また、側型保持体を転回する側型転回機構
を備えているので、脱型時成形体が変形しないように最
適な方向で脱型できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る陶磁器の成形用型の平面図であ
る。
【図2】図1の I-I線による断面図である。
【図3】図1のII-II 線の断面図である。
【図4】図1のIII-III 線の断面図である。
【図5】グリーン大便器の斜視図である。
【図6】陶磁器の成形方法の工程説明図である。
【図7】陶磁器の成形方法の工程説明図である。
【図8】陶磁器の成形方法の工程説明図である。
【図9】陶磁器の成形方法の工程説明図である。
【図10】陶磁器の成形方法の工程説明図である。
【図11】陶磁器の成形方法の工程説明図である。
【図12】陶磁器の成形方法の工程説明図である。
【図13】陶磁器の成形方法の工程説明図である。
【図14】陶磁器の成形方法の工程説明図である。
【図15】陶磁器の成形装置の全体構成説明図である。
【図16】図15のIV-IV 線の矢視図である。
【図17】図15のX部の拡大正面図である。
【図18】図17のV-V 線の矢視図である。
【図19】陶磁器成形位置における陶磁器の成形装置の
側面図である。
【図20】図19のVI-VI 線の矢視図である。
【図21】従来の陶磁器の製造装置の構成説明図であ
る。
【符号の説明】
A 成形用型 B グリーン大便器 C 陶磁器本体成形空間 D 成形装置 10 下型 11 上型 12 分割型 13 分割型 14 側型

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陶磁器成形品の上部を形成する上型と、
    下部を形成する下型と、上型と下型の間に配置され前記
    成形品の側部を形成する側型からなり、該側型は分割型
    を取り外し可能に内蔵すると共に、前記上型、下型、側
    型が相対的に一方向の移動で成形・脱型可能な陶磁器の
    成形用型。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成形用型を用いた陶磁器
    の成形方法であって、 イ)上型と下型と分割型を内
    蔵した側型を型組して、鋳込み成形空間を形成し、 ロ)同鋳込み成形空間内に泥漿を流し込み、各型内面に
    着肉させてグリーン陶磁器を形成し、 ハ)上型、下型、側型を夫々相対的に一方向に移動し
    て、分割型をグリーン陶磁器とともに脱型し、 ニ)最後にグリーン陶磁器より分割型を脱型する以上の
    工程からなる陶磁器の成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の成形用型を用いて陶磁器
    を成形する成形装置であって、 イ)下型を保持する下型保持体と、 ロ)同下型保持体の上方に昇降自在に配設された側型を
    保持する側型保持体と、 ハ)同側型保持体を昇降させ、側型を下型に対して当接
    ・分離可能な側型昇降機構と、 ニ)同側型保持体の上方に昇降自在に配設された上型を
    保持する上型保持体と、 ホ)同上型保持体を昇降させ、上型を側型に対して当接
    ・分離可能な上型昇降機構と、 ヘ)上型と側型と下型とを一体的に型締めする型締め手
    段と、 ト)成形用型内に形成された鋳込み空間内に、泥漿を供
    給する泥漿供給手段と、 を具備する陶磁器の成形装置。
  4. 【請求項4】側型昇降機構と上型昇降機構とを単一の昇
    降機構から構成したことを特徴とする請求項3記載の陶
    磁器の成形装置。
  5. 【請求項5】側型保持体を転回する側型転回機構を備え
    た請求項3記載の陶磁器の成形装置。
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