JP2593569B2 - 石灰泥の熱処理のための方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、石灰泥を処理して石灰泥を再生するための
方法及び装置に関する。この石灰泥は苛性化工程によっ
て分離され、主としてCaCO₃であり、ロータリーキルン
中でCaOになる。

先行技術方法によれば石灰泥は乾燥固体含量60〜70％
においてロータリーキルンの頂部末端に導入され、そこ
から乾燥、加熱及び反応の各帯域を通ってゆっくりと滑
り落ちる。熱が煙道ガスから主として対流により石灰泥
に伝達される乾燥帯域は熱伝達を改良するために使用さ
れる鎖をも包含する。この鎖はキルンが回転する際に石
灰泥と接触する。良好な結果を得るためにはキルン中の
石灰泥の熱処理をゆっくりと行わなければならず、この
ことは長いキルンを必要とし、したがって大きな場所を
必要とする。

石灰泥を石灰再焼成キルン（lime reburning kiln,石
灰再焼成炉）中に導入するに先立って、空気乾燥器（pn
eumatic driers,気流乾燥器）中において石灰泥の乾燥
及び予熱を行うことにより石灰再焼成炉を短くすること
が可能であった。

フィルターから得られる湿潤した石灰泥は取扱いが困
難であるので、それが気流乾燥器に供給される以前に乾
燥石灰泥が該湿潤した石灰泥に混入された。石灰泥の前
処理のために必要な装置は複雑であり、かつ複雑な調節
及び調整方式を必要とした。

本発明の目的は石灰泥を乾燥し、かつ予熱するための
簡単な方法及び装置を提供することである。

本発明は、もしも石灰泥が石灰泥フィルター中におい
て乾燥含量75％以上に濃縮化（thickened,濃密化）され
たならば該石灰泥は直接に気流乾燥器に導入されること
ができ、しかも集塊を分裂させるためのハンマミル又は
ミキサスクリューを必要としないということの認知に基
づく。したがって石灰泥は乾燥器が開放したままでいる
ほどに乾燥しているのである。

本発明方法は、石灰泥を石灰泥フィルター中において
乾燥固体含量75％以上に濃密化し、フィルターからの石
灰泥を気流乾燥器中において石灰再焼成炉からの煙道ガ
スにより乾燥及び予熱し、乾燥された石灰泥を煙道ガス
から分離し、次いで該石灰泥を石灰泥再焼成炉に導入す
ることに主として特徴づけられる。

本発明の装置は、石灰再焼成炉からの煙道ガスをサイ
クロンに導くための乾燥導管、石灰泥フィルターからの
石灰泥を乾燥導管の垂直部分に供給するための供給スク
リュー（feed screw）及びサイクロン中において分離さ
れた乾燥石灰泥を石灰再焼成炉に移送するための手段を
包含することにより特徴づけられる。

本発明の方法及び装置は慣用の石灰再焼成炉に優る少
なくとも下記の利点を与える： ・石灰再焼成炉は約30％短く構成され、それにより少な
くとも１本の支柱が省略され；炉における投下資本がよ
り小さく；場所を取らず、これは多くの場合に重要であ
り； ・煙道ガスの末端温度が低下し、これにより石灰再焼成
炉の油の消費量が減少し；乾燥導管中及びサイクロン中
における熱伝達が、慣用の鎖帯域中におけるよりもより
一層効率的であり； ・鎖帯域及び引上げ（lifting）帯域をより短く構成す
ることができる。

本発明の装置は、気流乾燥器を備えた先行技術の石灰
再焼成炉と比較して、より安価であり、簡単であり、か
つエネルギーの消費量が著しく少ない。

本発明を図面を参照して下記に詳細に記載する。該図
面は本発明方法を実施するために使用される装置の概略
的主要図面である。

図面は、本発明方法にしたがって操作される乾燥器の
原理を概略的に説明する。図面において説明される装置
の主要部分は供給スクリュー１、乾燥導管２及び分離サ
イクロン３である。石灰泥は石灰フィルター４において
濃密化される。フィルターの下にベルトコンベア（バン
ドコンベア）５があり、該バンドコンベアはフィルター
から来る石灰泥を供給スクリュー１に落す。乾燥導管２
の下端は石灰再焼成炉６の上端と接続し、該上端から煙
道ガスが該石灰再焼成炉より流出する。石灰再焼成炉
は、それ自体は公知である方法による駆動機構により回
転される。乾燥導管の上端はサイクロン３の上端に接線
的に接続されている。

供給スクリューは乾燥導管に接続されており、該供給
スクリューはフィルターから排出された石灰泥を該導管
の垂直部分に供給する。

石灰泥は乾燥導管中において煙道ガスと共にサイクロ
ン３に運ばれ、同時に煙道ガスの熱により乾燥され、か
つ加熱される。サイクロン中において分離された石灰泥
はサイクロンの下部末端から排出され、次いでサイクロ
ンの下方に配置されたコンベア７が該乾燥された石灰泥
を供給導管８に運搬する。該供給導管は炉の上部末端に
通ずる。煙道ガスは導管９を経由してサイクロンから除
去される。

炉には石灰泥に対するもう一つの供給点も存在する。
石灰フィルターの「プレコート（precoat）」が取り替
えられた場合、湿潤した石灰泥塊を気流乾燥器に供給す
ることは管詰まり（clogging）の危険があるので望まし
くない。それでコンベア５を引き戻して石灰泥がコンベ
ア５の下方の導管10中に落下するようにし、石灰泥は導
管10からスクリュー11により石灰再焼成炉に供給され
る。ここに、「プレコート」とは、濾過工程の初期に濾
過ドラム（filter drum）の表面に石灰泥で形成された
濾過性層を意味する。プレコートの厚さは、10〜20mmで
ある。石灰泥はプレコート上に厚く盛られる。プレコー
トの表面から乾燥した石灰泥をすり落とすためには、ス
クレーパー（scraper）を使用する。プレコートの表面
は濾過工程の間、詰まるので、時時、除去し、新しいプ
レコートを形成しなければならない。

石灰泥は乾燥固体含量約80％において乾燥導管に供給
されることが望ましく、該石灰泥は該乾燥導管において
更に乾燥固体含量約100％に乾燥される。

本発明は実施例として本明細書に開示される実施態様
によって限定されるものではなく、本発明の細目は特許
請求の範囲により定められる保護範囲内において変動す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法を実施するために使用される装置の
概略的主要図面である。

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】石灰泥を石灰フィルター中で濃密化し、該
   フィルターから来る石灰泥を石灰再焼成キルンから排出
   さる煙道ガスにより乾燥導管中で乾燥し予熱し、しかも
   その乾燥された石灰泥を該煙道ガスから分離して該石灰
   再焼成キルンへ送る、石灰泥の熱処理方法において、石
   灰フィルター中で該石灰泥を、その乾燥固体含量が75％
   以上になるまで濃密化し、石灰泥を粉砕する手段を使用
   しないで乾燥導管まで直接に送ることを特徴とする、上
   記熱処理方法。
2. 【請求項２】石灰フィルターから来る石灰泥の乾燥固体
   含量が80％程度である請求項１記載の方法。
3. 【請求項３】石灰泥を、乾燥固体含量が100％程度にな
   るまで乾燥する請求項１又は２記載の方法。
4. 【請求項４】石灰フィルターのプレコートを取り替える
   とき、石灰泥が乾燥導管を通過しないように、該石灰泥
   を石灰再焼成キルンへ直接に通過させる、請求項１記載
   の方法。
5. 【請求項５】常態では石灰フィルターから乾燥導管まで
   負荷を移動させるベルトコンベア（５）を、石灰再焼成
   キルンの中まで負荷を移動させるように作動させる、請
   求項４記載の方法。
6. 【請求項６】煙道ガスを石灰再焼成キルン（６）から分
   離サイクロン（３）へ導くための乾燥導管（２）と、石
   灰泥フィルター（４）から来る石灰泥を該乾燥導管の垂
   直部分に供給するための供給スクリュー（１）と、該分
   離サイクロン中で分離された乾燥石灰泥を該石灰再焼成
   キルンへ輸送するための手段（7,8）とからなる、請求
   項１〜５のいずれか１項に記載の方法を実施する装置に
   おいて、該石灰泥フィルターから来る石灰泥を前記キル
   ンへ直接に送り込むための、該石灰再焼成キルンの中の
   石灰泥のためのもう一つの供給点が存在し、しかも該石
   灰泥フィルター（４）の下方に配置されたベルトコンベ
   ア（５）が、該石灰泥を該供給スクリュー（１）へ輸送
   する位置から、該石灰再焼成キルン（６）へ該石灰泥を
   送るコンベアスクリュー（11）へ該石灰泥を導く位置ま
   で移動可能である、上記装置。