JP2593282Y2 - プラズマcvd装置 - Google Patents

プラズマcvd装置

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JP2593282Y2
JP2593282Y2 JP1992077404U JP7740492U JP2593282Y2 JP 2593282 Y2 JP2593282 Y2 JP 2593282Y2 JP 1992077404 U JP1992077404 U JP 1992077404U JP 7740492 U JP7740492 U JP 7740492U JP 2593282 Y2 JP2593282 Y2 JP 2593282Y2
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frequency electrode
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、グロー放電プラズマを
利用して基板上に薄膜を形成するプラズマCVD装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、基板上に薄膜を形成する装置とし
てプラズマCVD装置が知られている。このプラズマC
VD装置は、プラズマ放電エネルギーを用いることによ
って熱的に励起されにくい分子を活性化して化学反応を
推進させ、低温における薄膜形成を行うものである。
【0003】図2は従来のプラズマCVD装置のブロッ
ク図であり、この図にしたがって説明する。図2におい
て、1はチャンバ、2は基板電極、3は基板、4は高周
波電極、5は小孔、6はガス供給通路、7は絶縁体、1
0は高周波電力部、11は高周波電源、12は整合回
路、20はガス供給部、21は金属管、22は絶縁手
段、23は絶縁体、24は金属体、25はエアギャッ
プ、26はバルブ、27はガスボンベ、30は排気部、
41はプラズマである。
【0004】図2において、プラズマCVD装置は基板
3を収納するチャンバ1と、高周波電力部10と、ガス
供給部20と、排気部30とから構成されている。はじ
めに、チャンバ1の部分について説明する。チャンバ1
は真空容器を構成しており、このチャンバ1内には基板
電極2と高周波電極4が対向して配置されている。プラ
ズマ41は、この基板電極2と高周波電極4の間の空間
に形成され、基板電極2上に配置された基板3に薄膜を
形成する。
【0005】この基板電極2はチャンバ1を介して接地
されており、また基板3を支持するとともに基板3の薄
膜形成面を高周波電極4に対向させている。一方、高周
波電極4は絶縁体7を介してチャンバ1に設置され、基
板電極2と対向する面には小孔5を有し、またその反対
側には成膜原料ガスを供給する金属管21が取り付けら
れている。
【0006】次に、ガス供給部20について説明する。
ガス供給部20は、金属管21と絶縁手段22とバルブ
26とガスボンベ27を有している。このガス供給部2
0において、チャンバ1内への成膜原料ガスの供給は、
ガスボンベ27内の成膜原料ガスを金属管21とその先
に取り付けられたガス供給通路6を通すことによって行
われる。このガス供給通路6はさらに高周波電極4の複
数の小孔5に連絡しており、この小孔5を通過させるこ
とによって供給される成膜原料ガスをシャワー状として
いる。これによって、成膜原料ガスの供給を均一化して
薄膜の均一性を得ている。
【0007】ここで、高周波電力部10について説明す
ると、高周波電力部10は高周波電源11と整合回路1
2とからなり、チャンバ1にプラズマ41を形成するた
めのエネルギーは、高周波電源11から発せられる高周
波電力を整合回路12を介して前記高周波電極4に印加
することによって供給される。整合回路12は高周波電
源11の出力インピーダンスとチャンバ1内のプラズマ
41のインピーダンスを整合し、高周波電源11の高周
波電力をプラズマ41へ効率的に供給するものである。
【0008】そして、整合回路12は金属管21に接続
されており、高周波電源11から高周波電極4への高周
波電力の供給はこの金属管21を通して行われる。つま
り、金属管21は成膜原料ガスと高周波電力の二つの供
給を兼ねている。そこで、ガス供給部20は高周波電源
11とガスボンベ27との電気的絶縁を行わせるため
に、金属管21とガスボンベ27との間に絶縁手段22
を設けている。この絶縁手段22は絶縁体23と金属体
24とエアギャップ25とからなり、金属管21とガス
ボンベ27のそれぞれに接続された金属体24の間に絶
縁体23を挟むことによって、金属管21とガスボンベ
27との間にエアギャップ25を形成している。このエ
アギャップ25によって金属管21とガスボンベ27と
が電気的に絶縁される。また、ガスボンベ27側の金属
管21は接地されている。
【0009】したがって、ガスボンベ27の成膜原料ガ
スはバルブ26、絶縁手段22及び金属管21を介して
高周波電極4に供給され、基板電極2と対向する側に設
けられた複数の小孔5からチャンバ1内に吹き出され
る。また、チャンバ1には、チャンバ1内を真空状態に
するための真空排気部と、成膜原料ガスをチャンバ1か
ら排気するためのガス排気部からなる排気部30が接続
されている。
【0010】次に、前記の従来のプラズマCVD装置の
動作について説明する。はじめに、排気部30の真空排
気部によってチャンバ1内を排気して真空状態とすると
ともに、図示していないヒータによって基板3を加熱す
る。次に、真空排気部による排気を停止してガスボンベ
27から成膜原料ガスをチャンバ1内に導入する。この
チャンバ1内に導入した成膜原料ガスを排気部30のガ
ス排気系によって排気し、その排気速度を調節すること
によってチャンバ1内のガス圧を所定値に保持する。こ
の状態で、高周波電極4に高周波電力を供給すると、高
周波電極4と基板電極2との間にグロー放電が発生す
る。その結果、プラズマ領域において反応が促進され基
板3上に薄膜が形成される。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プラズマCVD装置では、以下のような問題点がある。
従来のプラズマCVD装置では、高周波電極4面内の高
周波電圧の非対称性によってプラズマ41のプラズマ密
度の対称性が乱れ、基板3上に形成される薄膜の厚さ及
び質が不均一になるという問題点がある。
【0012】以下、前記問題点について説明する。図3
は放電システムの概略図であり、図4は放電電極間の平
均的電位分布図である。図3において、2は基板電極、
4は高周波電極、11は高周波電源、12は整合回路、
41はプラズマコラム、42はイオンシースである。
【0013】図3の放電システムにおいて、基板電極2
と高周波電極4は平行平板型の電極を形成しており、基
板電極2は接地され、一方高周波電極4には高周波電源
11から高周波電力が供給される。減圧下の反応性ガス
に高周波電界を印加するとグロー放電プラズマが発生
し、このグロー放電プラズマはガス分子を分解する。励
起されたグロー放電プラズマにおいては、電極近傍にイ
オンシース42が形成される。このイオンシース42
は、基板電極2と高周波電極4の放電電極間に電位降下
を生じさせる。この電位降下は、電極面積の非対称性や
周囲の電位状態によって影響されて決定される。
【0014】図3に示すような一般の装置においては、
図4に示すような平均の直流的電位分布が得られる。こ
の直流的電位分布においては、放電領域の電位は常に接
地電位より高いプラズマ電位VP に保たれる。一方、高
周波電極4には、整合回路12のマッチング回路に挿入
された直列キャパシタンス等の影響によって、負の自己
バイアスVDCが現れる。
【0015】そして、この直流的電位分布における高周
波電極4のイオンシース42の領域の高電界は電子を加
速して高エネルギー状態とする。この高エネルギー電子
は分子と衝突して、分子のイオン化と解離反応を引き起
こす。これによって、各種のイオン種、中性原子、中性
分子の生成が行われる。解離によって生成された各種の
イオン種、中性原子、中性分子は拡散によって壁や基板
上に到達する。イオンや中性原子、中性分子等のラジカ
ルは、ドリフトや拡散の過程においてイオン・分子反応
やラジカル・分子反応を起こす。基板上に吸着したラジ
カル間の表面反応の結果、薄膜の成長が進行する。
【0016】ところが、従来のプラズマCVD装置にお
いては、図2に示すように成膜原料ガスを供給する金属
管21が高周波電極4の近傍に横断するような状態で配
置されている。このため、高周波電極4の裏面側の幾何
的な対称性がくずれることになる。この高周波電極4の
裏面側の幾何的な非対称性は、高周波電極4自体の電位
分布、ひいてはプラズマ密度に影響を及ぼし、薄膜の形
成に不均一が生じる。
【0017】これは、高周波電極4の代表寸法が投入さ
れる高周波の波長の1/10程度以上の場合、金属管2
1と高周波電極4との間の電磁気的結合が無視できなく
なるためである。つまり、高周波電極4と金属管21の
横断部が接近すると、その高周波電極4と金属管21の
間での電磁気的な結合度が強くなるからである。
【0018】したがって、従来のプラズマCVD装置に
おいては、ガス供給部の金属管によって高周波電極の電
極面内の高周波電圧が非対称性となり、さらにプラズマ
密度の対称性が乱れて、基板上に形成される薄膜の厚さ
や品質に不均一が生じることになる。そこで、本考案は
前記従来のプラズマCVD装置の問題点を解決して、高
周波電極と金属管等の間の電磁気的結合性をなくして、
高周波電極の電極面内の高周波電圧の対称性を保ち、こ
れによって高周波電極の電極面内のプラズマ密度の非対
称な部分をなくして、厚さや質の均一な薄膜を形成する
プラズマCVD装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本考案は、前記目的を達
成するために、プラズマCVD装置において、真空容器
内に基板と対向して設けられるとともに成膜原料ガスを
導入する電極と、電極へ高周波電力を投入するための高
周波電力部と、成膜原料ガス及び高周波電力を電極へ導
入する金属管と、電極を覆うとともに金属管を電極へ導
入するための孔を有する接地電位の金属カバーとからな
り、金属カバーは金属管から電極をシールドするもので
ある。
【0020】また、金属管をコイル状とするとともに、
金属管と絶縁手段との間にコンデンサを接続する構成と
することもできる。
【0021】
【作用】本考案によれば、前記の構成によって、高周波
電極を接地電位にある金属カバーで覆い、高周波電極と
金属管等との電磁気的結合をなくすことができる。これ
によって、高周波電極の裏面における幾何的な対称性を
乱す原因となる金属管等の影響を受けることがなくな
り、高周波電極面内の高周波電圧の対称性を保持するこ
とが可能となる。したがって、高周波電極面内のプラズ
マ密度の対称性が得られ、薄膜の厚さや品質の均一性を
向上させることができる。
【0022】また、金属管をコイル状とするとともに、
金属管と絶縁手段との間にコンデンサを接続することに
よって、高周波電極への高周波電力の効率的な供給を可
能とする。この際、金属管をコイル状にすることによっ
て増加する高周波電極と金属管等との間の電磁気的結合
を、金属カバーによって防止することができる。
【0023】
【実施例】以下、本考案の実施例について図を参照しな
がら詳細に説明する。図1は、本考案のプラズマCVD
装置の第1の実施例の構成図である。図1において、1
はチャンバ、2は基板電極、3は基板、4は高周波電
極、5は小孔、6はガス供給通路、7は絶縁体、8はシ
ールドケース、9は孔、10は高周波電力部、11は高
周波電源、12は整合回路、20はガス供給部、21は
金属管、22は絶縁手段、23は絶縁体、24は金属
体、25はエアギャップ、26はバルブ、27はガスボ
ンベ、30は排気部、41はプラズマである。
【0024】図1において、本考案のプラズマCVD装
置の第1の実施例は、基板3を収納するチャンバ1と、
高周波電力部10と、ガス供給部20と、排気部30と
から構成されており、この基本的な構成は前記従来のプ
ラズマCVD装置と同様である。本考案のプラズマCV
D装置の第1の実施例と前記従来のプラズマCVD装置
との相違は、チャンバ1とガス供給部20との間に設け
られたシールドケース8にある。
【0025】はじめに、チャンバ1の部分について説明
する。本考案のチャンバ1は、真空容器を構成してお
り、このチャンバ1内には基板電極2と高周波電極4が
対向して配置されている。プラズマ41は、この基板電
極2と高周波電極4の間の空間に形成され、基板電極2
上に配置された基板3に薄膜を形成する。この基板電極
2はチャンバ1を介して接地されており、基板3を支持
するとともに基板3の薄膜が形成される側の面を高周波
電極4に対向させている。一方、高周波電極4は絶縁体
7を介してチャンバ1に設置され、基板電極2と対向す
る面には小孔5を有し、またその反対側には成膜原料ガ
スを供給する金属管21が取り付けられている。
【0026】そして、このチャンバ1には、チャンバ1
とガス供給部20との間にシールドケース8が設けら
れ、このシールドケース8は金属カバーによって形成さ
れ、高周波電極4の裏面側を覆っている。なお、金属管
21は、このシールドケース8に開けられた孔9を通し
てチャンバ1の内外を通じ、高周波電極4の中央付近に
設置される。そして、このシールドケース8は接地され
ており、接地電位に保持されており、シールドケース8
の内外の電磁的結合を遮断している。
【0027】次に、ガス供給部20について説明する。
ガス供給部20は、金属管21と絶縁手段22とバルブ
26とガスボンベ27を有している。このガス供給部2
0において、チャンバ1内への成膜原料ガスの供給は、
ガスボンベ27内の成膜原料ガスを金属管21とその先
に取り付けられたガス供給通路6を通すことによって行
われる。なお、この金属管21は前記したようにシール
ドケース8に開けられた孔9を通してチャンバ1の高周
波電極4と接続されている。そして、このガス供給通路
6はさらに高周波電極4の複数の小孔5に連絡されてお
り、この小孔5を通過させることによって供給される成
膜原料ガスをシャワー状としている。これによって、成
膜原料ガスの供給を均一化して薄膜の均一性を得てい
る。
【0028】一方、高周波電力部10については、従来
のCVD装置と同様に高周波電源11と整合回路12か
らなり、高周波電源11から発せられた高周波電力は整
合回路12を介して前記高周波電極4に印加され、チャ
ンバ1にエネルギーを供給してプラズマ41を形成す
る。ここで、整合回路12は高周波電源11の出力イン
ピーダンスとチャンバ1内のプラズマ41のインピーダ
ンスを整合するものであり、このインピーダンス整合に
よって高周波電源11の高周波電力のプラズマ41への
効率的な供給を行わせることができる。
【0029】そして、整合回路12は金属管21に接続
されており、高周波電源11から高周波電極4への高周
波電力の供給はこの金属管21を通して行われる。つま
り、金属管21は成膜原料ガスと高周波電力の二つの供
給を兼ねることになる。そこで、ガス供給部20は高周
波電極4とガスボンベ27との電気的絶縁を行わせるた
めに、金属管21とガスボンベ27との間に絶縁手段2
2を設けている。この絶縁手段22は絶縁体23と金属
体24とエアギャップ25とからなり、金属管21とガ
スボンベ27のそれぞれに接続された金属体24の間に
絶縁体23を挟むことによって、金属管21とガスボン
ベ27との間にエアギャップ25を形成している。この
エアギャップ25によって金属管21とガスボンベ27
とが電気的に絶縁される。
【0030】また、ガスボンベ27側の金属管21は接
地されている。このため、ガスボンベ27側の金属管2
1の電位は接地電位となり、高周波電極4の電位と相違
することになる。また、この金属管21は、高周波電極
4の近傍の裏面側に配置される。本考案においては、こ
の金属管21と高周波電極4との間にシールドケース8
が設けられ、金属管21と高周波電極4との電磁気的結
合を遮断している。したがって、高周波電極4の裏面近
傍に、高周波電極4と電位の異なる金属管21が配置さ
れている構成であっても、高周波電極4は金属管21か
ら電磁気的な影響を排除することができる。
【0031】そして、この構成によって、ガスボンベ2
7の成膜原料ガスはバルブ26、絶縁手段22及び金属
管21を介して高周波電極4に供給され、基板電極2と
対向する側に設けられた複数の小孔5からチャンバ1内
に吹き出される。また、チャンバ1には、チャンバ1内
を真空状態にするための真空排気部と、成膜原料ガスを
チャンバ1から排気するためのガス排気部の2つの系か
らなる排気部30が接続されている。
【0032】次に、前記の本考案のプラズマCVD装置
の第1の実施例の動作について説明する。はじめに、排
気部30の真空排気部によってチャンバ1内を排気して
真空状態とするとともに、図示していないヒータによっ
て基板3を加熱する。次に、真空排気部による排気を停
止してガスボンベ27から成膜原料ガスをチャンバ1内
に導入する。このチャンバ1内に導入した成膜原料ガス
を排気部30のガス排気系によって排気し、その排気速
度を調節することによってチャンバ1内のガス圧を所定
値に保持する。この状態で、高周波電極4に高周波電力
を供給すると、高周波電極4と基板電極2との間にグロ
ー放電が発生する。その結果、プラズマ領域において反
応が促進され基板3上に薄膜が形成される。
【0033】このとき、高周波電極4の電位は、接地電
位にある金属カバーからなるシールドケース8によって
金属管21等の影響を受けず、対称性を保持することが
できる。つまり、シールドケース8は、高周波電極4と
金属管21等との電磁気的結合を防止し、これによって
高周波電極4の近傍に幾何学的な対称性をくずす要因が
存在したとしても、高周波電極面内の高周波電圧の対称
性を保持することができる。
【0034】したがって、高周波電極の電極面内のプラ
ズマ密度の非対称な分布をなくして、厚さや品質の均一
な薄膜を形成することができる。次に、本考案のプラズ
マCVD装置の第2の実施例について説明する。図5
は、本考案のプラズマCVD装置の第2の実施例の構成
図である。図5において、1はチャンバ、2は基板電
極、3は基板、4は高周波電極、5は小孔、6はガス供
給通路、7は絶縁体、8はシールドケース、9は孔、1
0は高周波電力部、11は高周波電源、12は整合回
路、20はガス供給部、21は金属管、22は絶縁手
段、23は絶縁体、24は金属体、25はエアギャッ
プ、26はバルブ、27はガスボンベ、28はコイル状
金属管、29はコンデンサ、30は排気部、41はプラ
ズマである。
【0035】本考案のプラズマCVD装置の第2の実施
例と本考案のプラズマCVD装置の第1の実施例との差
は、ガス供給部20の構成にある。そこで、ここではガ
ス供給部20の構成及びその構成とシールドケース8と
の関係について説明し、本考案のプラズマCVD装置の
第1の実施例と共通の部分についての説明は省略する。
【0036】本考案のプラズマCVD装置の第2の実施
例のガス供給部20は、金属管21と絶縁手段22とバ
ルブ26とガスボンベ27とコイル状金属管28とコン
デンサ29を有している。そして、このコイル状金属管
28は金属管21と絶縁手段22との間に接続され、ま
たコンデンサ29の一端はコイル状金属管28と絶縁手
段22との間に接続され、他端は接地されている。
【0037】このガス供給部20において、チャンバ1
内への成膜原料ガスの供給は、ガスボンベ27内の成膜
原料ガスをコイル状金属管28、絶縁手段22、金属管
21及びその先に取り付けられたガス供給通路6を通す
ことによって行われる。また、高周波電力部10の整合
回路12は、本考案のプラズマCVD装置の第1の実施
例と同様に金属管21に接続され、この金属管21を介
して高周波電力が高周波電極4に印加される。
【0038】つまり、本考案のプラズマCVD装置の第
2の実施例においても、金属管21は成膜原料ガスと高
周波電力の二つの供給を兼ねることになる。以下におい
て、本考案の第2の実施例のコイル状金属管28、コン
デンサ29の構成によって高周波電力を高周波電極側へ
効率よく投入することができ、さらにシールドケース8
の構成によって高周波電極面内の高周波電圧の対称性を
保持して、高周波電極の電極面内のプラズマ密度の非対
称な分布をなくし、厚さや品質の均一な薄膜を形成する
ことができる点を説明する。
【0039】はじめに、従来のプラズマCVD装置にお
いて、高周波電力を高周波電極側へ投入する際の問題点
について説明する。図6はプラズマCVD装置のインピ
ーダンスを説明する図であり、図7はプラズマCVD装
置のインピーダンスの等価図である。図6において、点
Pは図示しない整合回路からの高周波電力投入線路13
の金属管21への接続点である。ここで、この接続点P
から高周波電極4側を見た場合のインピーダンスをZA
とし、またガス供給部20側を見た場合のインピーダン
スをZB とすると、等価回路は図7のように示すことが
できる。
【0040】ここで、ガス供給部20側の金属管21の
インダクタンスをL1 とし、絶縁手段22のコンデンサ
容量をC1 とすると、インピーダンスZB は次式で表さ
れる。 |ZB |=|2πfL1 −1/2πfC1 | …(1) ここで、fは高周波の周波数である。
【0041】図示しない整合回路からの高周波電力投入
線路13を介して金属管21に投入される高周波電力
は、高周波電極4側とガス供給部20側の両側に供給さ
れるが、一般に成膜処理の効率上から高周波電力は高周
波電極4側へ効率よく投入しなければならない。この高
周波電力を高周波電極4側へ効率よく投入するために
は、ガス供給部20側を見た場合のインピーダンスZB
を、高周波電極4側を見た場合のインピーダンスZA
りも大きくする必要がある。この関係を式で表すと前記
インピーダンスZA とZB の関係において |ZA |≪|ZB | …(2) の条件式を満たさなければならないことになる。
【0042】しかしながら、前記式(1)においてイン
ピーダンスZB が0となる周波数fB を考えると、 fB =1/2π(L1 ・C1 1/2 …(3) となる。この周波数fB の周波数付近の高周波電力を投
入する場合には、ガス供給部20側を見た場合のインピ
ーダンスZB は極端に小さくなり、前記(2)の条件式
を満たさなくなる。
【0043】この状態は、投入される高周波電力の大部
分はガス供給部20側に流れ、高周波電極4側へほとん
ど流れなくなる状態を示している。例えば、接続点Pか
らの金属管21の長さが30cm程度の場合にはそのイ
ンダクタンスL1 は0.3μH程度となり、また、この
ときの絶縁手段22のコンデンサ容量C1 を15pF程
度とすると、前記式(3)から周波数fB =75MHz
となる。この数値は通常の構成において代表的なもので
ある。
【0044】そこで、投入する高周波電力の周波数が7
5MHz程度の場合には、ガス供給部20側を見た場合
のインピーダンスZB は極端に小さくなり、高周波電極
4側へほとんど流れなくなる。したがって、VHF領域
の高周波を高周波数電極に印加する場合には、インピー
ダンスによる高周波電力の投入効率において問題とな
り、高周波電極側に高周波電力が供給されないという事
態が生じる恐れがある。
【0045】そこで、本考案の第2の実施例において
は、図5に示すようにコイル状にして積極的にインダク
タンスを高めたコイル状金属管28を金属管21と絶縁
手段22との間に接続し、またコイル状金属管28の絶
縁手段22側と接地電位間にコンデンサ容量がC1 より
大きなコンデンサ29を接続する。図8は本考案のプラ
ズマCVD装置の第2の実施例のインピーダンスを説明
する図であり、図9は本考案のプラズマCVD装置の第
2の実施例のインピーダンスの等価図である。
【0046】図8において、点Pは図示しない整合回路
からの高周波電力投入線路13の金属管21への接続点
である。ここで、この接続点Pから高周波電極4側を見
た場合のインピーダンスをZA とし、またガス供給部2
0側を見た場合のインピーダンスをZC とすると、等価
回路は図9のように示すことができる。ここで、ガス供
給部20側のコイル状金属管28のインダクタンスをL
2 とし、絶縁手段22のコンデンサ容量をC1 、また付
加したコンデンサ29の容量をC2 とすると、インピー
ダンスZC は次式で表される。
【0047】 |ZC |=|2πfL2 −1/2πf(C1 +C2 )| …(4) ここで、インピーダンスZc が極端に小さくなる周波数
c は前記式(4)を0として次式で表される。 fc =1/2π(L2 (C1 +C2 ))1/2 …(5) そこで、前記式(5)において、L2 >L1 、C2 >C
1 とすることで、fc<fB とすることができる。
【0048】つまり、金属管をコイル状とすることによ
ってインダクタンスL2 を大きくとり、また容量の大き
なコンデンサを付加することによって、高周波電力の供
給周波数とガス供給部20側を見た場合のインピーダン
スZC が小さくなる周波数と異ならせることができる。
したがって、VHF領域の高周波を高周波数電極に印加
する場合においても、ガス供給部20側を見た場合のイ
ンピーダンスZC を前式(2)の|ZA |≪|ZB
(=|ZC |)の条件を満足させることができる。
【0049】例えば、C2 を1000pF程度とし、コ
イル状金属管28のインダクタンスL2 を1μHとする
と、前記周波数fc は5MHzとなり、投入する高周波
がVHF領域の場合であっても問題が生じない。このイ
ンダクタンスが1μHのコイル状金属管は、例えばコイ
ルの半径を3cm、コイルの長さを10cm、コイルの
巻数を6とすることによって達成することができる。
【0050】ここで、従来のプラズマCVD装置にこの
コイル状金属管を組み込むとすると、高周波電極面内の
高周波電圧の対称性の乱れる程度が大きくなるという問
題点が生じる。つまり、この本考案の第2の実施例にお
いては、金属管をコイル状として積極的にインダクタン
スを高めているため、高周波電極4との電磁気的結合の
度合いが大きくなるからである。
【0051】しかしながら、本考案の第2の実施例にお
いては、図5に示すように接地電位にある金属カバーか
らなるシールドケース8を金属管等と高周波電極との間
に設けることによって、VHF領域の高周波の印加が可
能となるとともに、高周波電極面内の高周波電圧の対称
性を乱さず、高周波電極面内のプラズマ密度の対称性を
補償することができる。
【0052】なお、本考案は上記実施例に限定されるも
のではなく、本考案の趣旨に基づき種々の変形が可能で
あり、それらを本考案の範囲から排除するものではな
い。
【0053】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば高
周波電極面内でプラズマ密度の対称性が得られ、基板上
に形成される薄膜の厚さ及び品質の基板面内の均一性が
良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のプラズマCVD装置の第1の実施例の
構成図である。
【図2】従来のプラズマCVD装置のブロック図であ
る。
【図3】放電システムの概略図である。
【図4】放電電極間の平均的電位分布図である。
【図5】本考案のプラズマCVD装置の第2の実施例の
構成図である。
【図6】プラズマCVD装置のインピーダンスを説明す
る図である。
【図7】プラズマCVD装置のインピーダンスの等価図
である。
【図8】本考案のプラズマCVD装置の第2の実施例の
インピーダンスを説明する図である。
【図9】本考案のプラズマCVD装置の第2の実施例の
インピーダンスの等価図である。
【符号の説明】
1…チャンバ、2…基板電極、3…基板、4…高周波電
極、5…小孔、6…ガス供給通路、7…絶縁体、8…シ
ールドケース、9…孔、10…高周波電力部、11…高
周波電源、12…整合回路、20…ガス供給部、21…
金属管、22…絶縁手段、23…絶縁体、24…金属
体、25…エアギャップ、26…バルブ、27…ガスボ
ンベ、28…コイル状金属管、29…コンデンサ、30
…排気部、41…プラズマ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)真空容器内に基板と対向して設け
    られ、成膜原料ガスを導入する電極と、 (b)前記電極へ高周波電力を投入するための高周波電
    力印加手段と、 (c)前記成膜原料ガス及び前記高周波電力を前記電極
    へ導入する金属管と、 (d)前記金属管と成膜原料ガス供給源とを電気的に絶
    縁する絶縁手段と、 (e)前記電極を覆うとともに前記金属管を前記電極へ
    導入するための孔を有する接地電位の金属カバーとから
    なり、 (f)前記金属カバーは前記金属管及び前記絶縁手段か
    ら前記電極をシールドすることを特徴とするプラズマC
    VD装置。
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