JP2593250Y2 - スイッチング電源 - Google Patents

スイッチング電源

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JP2593250Y2
JP2593250Y2 JP1442093U JP1442093U JP2593250Y2 JP 2593250 Y2 JP2593250 Y2 JP 2593250Y2 JP 1442093 U JP1442093 U JP 1442093U JP 1442093 U JP1442093 U JP 1442093U JP 2593250 Y2 JP2593250 Y2 JP 2593250Y2
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signal
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昌一 木ノ本
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ジーイー横河メディカルシステム株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はスイッチング電源に関
し、更に詳しくはMR装置(MRI)の勾配コイル駆動
用電源として用いて好適なスイッチング電源に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来のスイッチング電源の構成例
を示すブロック図である。このスイッチング電源は、負
荷1に流れる電流が司令電圧Vinに対応した値になる
ように、スイッチングパルスのパルス幅を変化させるよ
うになっている。つまり、PWM(パルス幅変調)方式
のスイッチング電源である。この種のスイッチング電源
はMR装置の勾配コイルを駆動するための電源として用
いて好適である。
【0003】図において、1は司令電圧Vinとフィー
ドバック信号Vfとの差を演算する比較器、2は該比較
器1の出力を受け、積分器等の系の応答特性等を決定す
る回路よりなる制御回路である。3は制御回路2の出力
を受け、その出力に応じたスイッチングパルスのパルス
幅を決定するパルス幅変調回路である。4は該パルス幅
変調回路3の出力パルスに応じて、電源電圧Vccをス
イッチングするインバータ、5は該インバータ4の出力
からスイッチングノイズ等を除去するフィルタである。
【0004】6はインバータ4により高周波電流が印加
される負荷である。負荷6としては、例えば勾配コイル
が用いられる。7は負荷6に流れる電流を検出する電流
検出器、8は該電流検出器7で検出した電流信号を電圧
信号に変換するI/V変換器である。このI/V変換器
8の出力がフィードバック信号として比較器1に入力さ
れている。このように構成された回路の動作を説明すれ
ば、以下のとおりである。
【0005】今、電源電圧Vccがあるスイッチング周
波数のあるデューティ比率で、スイッチングされ、負荷
6に高周波電流が流れているものとする。この時の、負
荷6に流れる電流の値は電流検出器7で検出される。検
出された電流値は、続くI/V変換器8に入って電圧信
号に変換される。このI/V変換器8の出力が、フィー
ドバック信号Vfとして比較器1に与えられる。
【0006】比較器1は、負荷6に流す電流値に対応し
た司令電圧Vinとフィードバック信号Vfとの差分を
演算する。この差分信号Veは、続く制御回路2に入っ
て系の応答特性が決定される。制御回路2の出力は、続
くパルス幅変調回路3に入る。パルス幅変調回路3は、
差分信号Veに応じたパルス幅のスイッチングパルスを
出力する。インバータ4は、このパルス幅変調回路3の
出力に応じて、電源電圧Vccをスイッチングする。こ
の結果、負荷6には電流が流れることになる。
【0007】図4はインバータ4の構成例を示す回路図
である。図に示すように、インバータ4は、4個のスイ
ッチングトランジスタQ1〜Q4で構成されており、電
源電圧Vccをスイッチングする。その出力Voはフィ
ルタ5を介して負荷6に接続される。そして、Q1とQ
4,Q2とQ3が同時にオンオフする。つまり、Q1と
Q4がオンの時にはQ2とQ3はオフ、Q1とQ4がオ
フの時にはQ2とQ3はオンになる。この結果、負荷6
には電流が流れることになる。
【0008】この時、負荷6に流れる電流は、電流検出
器7により検出され、I/V変換器8に送られる。I/
V変換器8は、出力電流に対応したフィードバック信号
Vfを比較器1に入力する。比較器1は、司令信号Vi
nとフィードバック信号Vfとの差分をとり差分信号V
eとして制御回路2に印加する。このような一連のフィ
ードバック制御において、負荷6に流れる電流は、司令
電圧Vinに対応したものとなる。
【0009】ここで、フィードバックループ内のオープ
ンループ伝達特性を考える。比較器1の出力をVeと
し、制御回路2の伝達関数をGとすると、制御回路2の
出力はGVeとなる。ここで、パルス幅変調回路3のゲ
インをk1 とすると、パルス幅Pwは次式で表される。
【0010】 Pw=k1 ・G・Ve (1) インバータ4の周期をT、電源電圧をVccとすると、
フィルタ5の出力Voは、 Vo=Pw・Vcc/T=k1 ・G・Ve・Vcc/T (2) となる。負荷6として勾配コイルを用いた場合、勾配コ
イル6のインピーダンスをZとし、電流検出器7とI/
V変換器8のゲインをk2 とすると、比較器1にフィー
ドバックされる電圧Vfは、 Vf=k1 ・k2 ・G・Ve・Vcc/T・Z (3) となる。これより、オープンループの伝達関数は k1 ・k2 ・G・Vcc/T・Z (4) となり、電源電圧Vccに比例することが分かる。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】ところが、電源電圧V
ccは商用電源を単に平滑整流したものが多く、商用周
波数で変動している。また、MRIにおいては、勾配出
力の波形は、瞬時値が大きいパルス状のものであること
が多いので、電源のもつ出力インピーダンスにより電源
電圧Vccが大きく変動する場合もある。
【0012】図5は出力電流と電源電圧の関係を示す図
である。(a)は出力電流Iを、(b)は電源電圧Vc
cをそれぞれ示している。出力電流Iが立ち上がる領域
Aでは、電源電圧Vccは、出力インピーダンスと負荷
インピーダンスによる分圧の影響を受け、低下してい
る。(b)において、B領域は整流によるリプルを示し
ている。
【0013】このような場合には、(4)式より明らか
なように系の伝達特性が変化することになり、応答特性
の劣化や、場合によっては発振を引き起こすおそれもあ
る。また、通常、電源電圧Vccは、要求される最大出
力電圧が出力できる、必要最小限の値にすることが多い
(出力のスイッチングノイズ等は電源電圧が小さい程小
さい)。ところが、要求される仕様が変更になって、電
源電圧Vccも変更となり、系の伝達特性が変化してし
まい、このため制御回路2に変更を加える必要があり、
種々の場合に対応しずらいという問題があった。
【0014】本考案はこのような課題に鑑みてなされた
ものであって、電源電圧の変化により系の伝達特性が影
響を受けないようにしたスイッチング電源を提供するこ
とを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
本考案は、司令電圧とフィードバック信号との差を求め
る比較器と、該比較器の出力を受けて系の応答特性を決
める制御回路と、該制御回路の出力をその第1の入力
に、電源電圧に対応した信号を第2の入力に受けて、第
1の入力を第2の入力で割算する割算器と、該割算器の
出力を受けて、所定のデューティ比率で電源電圧をスイ
ッチングして負荷を駆動すると共に、負荷に流れる電流
を検出して、前記フィードバック信号として与えるイン
バータ部とで構成されたことを特徴としている。
【0016】
【作用】割算器を設け、制御回路出力を電源電圧に対応
した信号で割るようにした。この結果、(4)式より明
らかなように系の伝達特性に電源電圧Vccを含む成分
がなくなり、電源電圧の変化により系の伝達特性が影響
を受けなくなる。これにより、安定な制御動作を行なう
ことができるようになる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本考案の実施例を詳細
に説明する。図1は本考案の原理ブロック図である。図
3と同一のものは、同一の符号を付して示す。図におい
て、1は司令電圧Vinとフィードバック信号Vfとの
差を求める比較器、2は該比較器1の出力を受けて系の
応答特性を決める制御回路、10は該制御回路2の出力
Veをその第1の入力に、電源電圧Vccに対応した信
号を第2の入力に受けて第1の入力を第2の入力で割算
する割算器、20は該割算器10の出力を受けて、所定
のデューティ比率で電源電圧をスイッチングして負荷6
を駆動すると共に、負荷6に流れる電流を検出して、前
記フィードバック信号として与えるインバータ部であ
る。
【0018】このように構成された装置において、系の
伝達特性には(4)式に示すように電源電圧Vccが含
まれる。このVccを含む制御回路2の出力を割算器1
0の第1の入力に、第2の入力に電源電圧Vccに対応
した信号を与える。割算器10は第1の入力を第2の入
力で割る演算を行なう。この結果、割算器10の出力
は、(4)式より k1 ・k2 ・G・Vcc/T・Z×1/Vcc =k1 ・k2 ・G/T・Z (5) となり、電源電圧Vccに関する成分を含まなくなる。
従って、電源電圧Vccの変動に影響されずに制御を行
なうことができるようになり、安定なフィードバック動
作が可能となる。
【0019】図2は本考案の一実施例を示す構成ブロッ
ク図である。図1,図3と同一のものは、同一の符号を
付して示す。図において、1は司令電圧Vinとフィー
ドバック信号Vfとの差を求める比較器、2は該比較器
1の出力を受けて系の応答特性を決める制御回路、10
は該制御回路2の出力Veをその第1の入力に、電源電
圧Vccに対応した信号を第2の入力に受けて第1の入
力を第2の入力で割算する割算器、20は該割算器10
の出力を受けて、所定のデューティ比率で電源電圧をス
イッチングして勾配コイル6を駆動すると共に、勾配コ
イル6に流れる電流を検出して、前記フィードバック信
号として与えるインバータ部である。
【0020】インバータ部20において、3は割算器1
0の出力を受けて、対応したパルス幅のスイッチング信
号を作成するパルス幅変調回路、4は該パルス幅変調回
路3の出力を受けて勾配コイル6を駆動するインバー
タ、5は該インバータ4の出力を受けてノイズ成分を除
去するフィルタ、7は勾配コイル6に流れる電流を検出
する電流検出器、8は該電流検出器7の出力を受けて電
圧信号に変換して、前記フィードバック信号とするI/
V変換器である。電流検出器7としては、例えば電流/
電圧変換用の抵抗の他、CT(電流トランス)等を用い
ることができる。このように構成された装置の動作を説
明すれば、以下のとおりである。
【0021】今、電源電圧Vccがあるスイッチング周
波数のあるデューティ比率で、スイッチングされ、勾配
コイル6に電流が流れているものとする。この時の、勾
配コイル6に流れる電流の値は電流検出器7で検出され
る。検出された電流値は、続くI/V変換器8に入って
電圧信号に変換される。このI/V変換器8の出力が、
フィードバック信号Vfとして比較器1に与えられる。
【0022】比較器1は、勾配コイル6に流す電流値に
対応した司令電圧Vinとフィードバック信号Vfとの
差分を演算する。この差分信号Veは、続く制御回路2
に入って系の応答特性を決定する。制御回路2の出力
は、割算器10の一方の入力(X入力)に入る。一方、
割算器10の他方の入力(Y入力)には電源電圧Vcc
に対応した信号が入っている。
【0023】前述したように、X入力には(4)式に示
すように電源電圧Vcc成分が含まれている。割算器1
0は、X/Yなる演算を行なう。従って、その出力端子
ZOから出力される信号には、電源電圧Vcc成分は含
まれなくなる。この電源電圧成分が除去された信号は、
パルス幅変調回路3に入る。該パルス幅変調回路3は、
入力差分信号Veに応じたパルス幅のスイッチングパル
スを出力する。インバータ4は、このパルス幅変調回路
3の出力に応じて、電源電圧Vccをスイッチングす
る。この結果、勾配コイル6には電流が流れることにな
る。
【0024】この時、勾配コイル6に流れる電流は、電
流検出器7により検出され、I/V変換器8に送られ
る。I/V変換器8は、出力電流に対応したフィードバ
ック信号Vfを比較器1に入力する。比較器1は、司令
信号Vinとフィードバック信号Vfとの差分をとり差
分信号Veとして制御回路2に印加する。このような一
連のフィードバック制御において、勾配コイル6に流れ
る電流は、司令電圧Vinに対応したものとなる。しか
も、本考案によればフィードバックループの制御信号に
電源電圧成分Vccが含まれていないので、電源電圧成
分Vccが変動しても、フィードバック制御を安定に行
なうことができる。このようにして、本考案によれば電
源電圧の変化により系の伝達特性が影響を受けないスイ
ッチング電源を実現することができる。そして、系の応
答特性の劣化や発振等がなく、制御動作も安定する。
【0025】
【考案の効果】以上、詳細に説明したように、本考案に
よれば電源電圧の変化により系の伝達特性が影響を受け
ないスイッチング電源を実現することができ、実用上の
効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の原理ブロック図である。
【図2】本考案の一実施例を示す構成ブロック図であ
る。
【図3】従来のスイッチング電源の構成例を示す構成ブ
ロック図である。
【図4】インバータの構成例を示す回路図である。
【図5】出力電流と電源電圧の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 比較器 2 制御回路 6 負荷 10 割算器 20 インバータ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61B 5/055 H02M 3/00 - 3/44 H02M 7/42 - 7/98

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 司令電圧とフィードバック信号との差を
    求める比較器(1)と、 該比較器(1)の出力を受けて系の応答特性を決める制
    御回路(2)と、 該制御回路(2)の出力をその第1の入力に、電源電圧
    に対応した信号を第2の入力に受けて、第1の入力を第
    2の入力で割算する割算器(10)と、 該割算器(10)の出力を受けて、所定のデューティ比
    率で電源電圧をスイッチングして負荷(6)を駆動する
    と共に、負荷(6)に流れる電流を検出して、前記フィ
    ードバック信号として与えるインバータ部(20)とで
    構成されたスイッチング電源。
  2. 【請求項2】 前記負荷(6)に流れる電流が、司令電
    圧に対応した値になるように、インバータ部(20)は
    そのスイッチングパルスのパルス幅を調整するようにし
    たことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源。
  3. 【請求項3】 前記インバータ部(20)は、 割算器(10)の出力を受けて、対応したパルス幅のス
    イッチング信号を作成するパルス幅変調回路(3)と、 該パルス幅変調回路(3)の出力を受けて負荷(6)を
    駆動するインバータ(4)と、 該インバータ(4)の出力を受けてノイズ成分を除去す
    るフィルタ(5)と、 負荷(6)に流れる電流を検出する電流検出器(7)
    と、 該電流検出器(7)の出力を受けて電圧信号に変換し
    て、前記フィードバック信号とするI/V変換器(8)
    とから構成されたことを特徴とする請求項1記載のスイ
    ッチング電源。
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