JP2592593B2 - 車両用ガラスラン - Google Patents

車両用ガラスラン

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JP2592593B2 JP61099855A JP9985586A JP2592593B2 JP 2592593 B2 JP2592593 B2 JP 2592593B2 JP 61099855 A JP61099855 A JP 61099855A JP 9985586 A JP9985586 A JP 9985586A JP 2592593 B2 JP2592593 B2 JP 2592593B2
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剛 内藤
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、基材がエステル系可塑剤を含有する軟質PC
V(ポリ塩化ビニル)配合物からなり、基材の各被摺接
面に滑性塗膜が形成されている、いわゆる無植毛タイプ
の車両用ガラスランに関する。
本明細書で、配合の数量表示は、特にことわらない限
り重量基準である。
<従来の技術> ガラスランにおける滑性塗膜は、良好な滑り性及び耐
摩耗性を被摺接面に付与するために形成され、その塗料
としては、耐摩耗性に優れている二液反応型のウレタン
系塗料がほとんどであつた。
<発明が解決しようとする問題点> ところがウレタン系塗料は二液反応性であるため、
二液混合システムが必要,ポツトライフが短かい、
加熱硬化工程が通常必要,等の塗料取扱い上及び生産性
の見地から問題がある。そこで、本発明者らは、これら
の問題点が発生しない一液性溶剤揮発型塗料で滑性塗膜
が形成できないか検討し、ストレートPVCに滑剤が配合
された塗膜成分と同一組成物を有機溶剤で溶かして調製
した塗料を、各被摺接面に塗布・乾燥させて滑性塗膜を
形成することを試みた。
そして、本発明は、ガラス端面と摺接する部位の上記
塗料で形成した滑性塗膜にさらに高度の滑り性及び耐摩
耗性を付与することを目的とするものである。
<問題点を解決するための手段> 本発明者らは、上記問題点を解決するために、鋭意開
発に努力をした結果、基材中に含有される可塑剤がPVC
系の滑性塗膜中に移行(ブリード)して、塗膜が軟らか
くなる−塗膜本来の硬さを維持できない−ことを知見し
て、下記構成の車両用ガラスランに想到した。
基材が可塑剤を含有する軟質PVC配合物からなり、基
材の各被摺接面に滑性塗膜が形成されてなるチヤンネル
型の車両用ガラスランにおいて、滑性塗膜が、ストレー
トPVCに滑剤が配合された塗膜成分からなり、滑性塗膜
のうち、ガラス端面が摺接する溝底部の塗膜が、基材と
の間に塩素含有ゴム系ポリマーをベースとするプライマ
ー層を介して形成されていることを特徴とする。
<実施例> 以下、本発明のガラスランを図例に基づいて説明をす
る。
第1〜2図は、それぞれシングルチヤンネル型及びダ
ブルチヤンネル型のガラスランにおける本発明の適用例
を示す断面図である。
基材1は、エステル系可塑剤を含有する軟質PVC配合
物からなる。エステル系可塑剤としては、ジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート(DOP),ジブチルフタレート(D
BP),ジイソデシルフタレート等のフタル酸系,トリメ
リツト酸,トリオクチル等の芳香族カルボン酸,アジピ
ン酸オクチル等の脂肪族二塩基酸系,トリクレジル等の
リン酸系のものを挙げることができる。この可塑剤の配
合量はPVCで可塑剤がDOPの場合5〜100phr,EPDMで可塑
剤がDOPの場合5〜150phrである。なお、これらの配合
物には、可塑剤の他にPVCの場合、安定剤,滑剤,EPDMの
場合、カーボン(黒色又は白色),無機充填剤,加硫剤
がそれぞれ配合され、さらに、必要に応じて着色剤,酸
化防止剤,発泡剤,紫外線吸収剤等が適宜配合されてい
る。
下記に軟質PVC配合物の処方一例を挙げておく。
<配合処方> 単位:部 PVC(=2000)100 DOP 86 安定剤 3 滑剤 2 上記軟質PVC配合物を用いて押出しによりガラスラン
本体(基材)1を成形し、被摺接面のうちガラス端面が
摺接する溝底部1aに、塩素含有ゴム系ポリマーをベース
とするプライマー層2を形成する。即ち、塩素含有ゴム
系ポリマーを主塗膜要素とし、安定剤、さらには必要に
応じて官能性ポリマー又はモノマーを混合した塗膜成分
を有機溶剤に溶かして調製したプライマー塗料を、スプ
レー,デツピング,刷毛,ロール等の手段で塗布し、室
温放置して溶剤を揮散させてプライマー層2を得る。こ
のプライマー層2の乾燥膜厚は通常0.5〜5μmとす
る。
上記塩素含有ゴム系ポリマーとしては、塩化ゴム,ク
ロロプレンゴム(CR),クロロスルホン化ポリオレフイ
ン(CSM),塩素化ポリエチレン(CM)等を挙げること
ができる。
上記有機溶剤としては、アセトン,メチルエチルケト
ン(MEK),メチルイソブチルケトン(MIBK),シクロ
ヘキサノン,ベンゼン,トルエン,キシレン,酢酸メチ
ル,酢酸エチル,酢酸イソプロピル,トリクロロエチレ
ン,ジクロロエチレン,テトラクロロエタン,ジメチル
ホルムアミド等又はこれらを2種以上混合したものを用
い、ポリマー量に対して2〜50倍加えて、塗料を塗布し
やすい適宜粘度に調整をする。
下記に、プライマー塗料の具体的な一例を示す。
<プライマー塗料> 配合単位:部 塩化ブチルゴム 100 ポリイソシアネート (TDI系アダクト) 30 エポキシ系安定剤 12 MEK 400 なお、プライマー塗料の具体的な他の例としては、
特願昭60−157284号,特願昭60−157285号,特願昭
61−23418号の各明細書に記載されている各プライマー
組成物がある。
はCRに、アクリル酸(メタクリル酸)モノマー又はポ
リマー及び水酸基導入の飽和炭化水素系ポリマーを混合
したもの、 は塩化ゴムに、アクリル酸(メタクリル酸)モノマー
又はポリマー及び水酸基導入の飽和炭化水素ポリマーを
混合したもの、 はCSMに、水酸基導入の飽和炭化水素系ポリマーを混
合したもの、 それぞれ塗膜成分とするものである。
上記のように、溝底部1の被摺接面がプライマー処理
された基材(ウエザストリツプ本体)1の、各被摺接面
に、ストレートPVCに滑剤が配合されたPVC系塗膜成分か
らなる滑性塗膜3,5を形成する。即ち、滑性塗膜3,5のPV
C系塗膜成分と同一組成物を有機溶剤に溶かして調製し
た塗料を、前述のプライマー塗布の場合と同様の手段
で、各被摺接面に塗布し室温放置することにより溶剤が
揮散して滑性塗膜3,5が形成される。当然ながら、溝底
部1aの滑性塗膜3は基材1との間にプライマー層2が介
在している。なお、上記塗料中には、必要に応じて分散
剤,無機充填剤(カーボンブラツクを含む)を添加す
る。また、滑性塗膜3,5の厚みは通常10〜50μmとす
る。
(1)上記ストレートPVCは、平均重合度=400〜1500
(望ましくは600〜1100)のものを用いる。が400未満
では耐摩耗性が悪く、が1500を超えると滑り性が悪く
なるとともに、有機溶剤に対する溶解性が悪く、スプレ
ー等による塗布作業が困難となる。
(2)上記滑剤は、ナイロン樹脂粉末、フツ素樹脂粉
末、シリコーンオイル、ワツクス類、パラフイン類、黒
鉛、二硫化モリブテン等の中から1種又は2種以上組合
せて使用するが、特に前三者の組合せが望ましい。即ち
ナイロン樹脂粉末、フツ素樹脂粉末、シリコーンオイル
をそれぞれ5〜100phrとし、シリコーンオイルとフツ素
樹脂の配合比を前者/後者=0.3〜2.5とした配合が望ま
しい。なお、いずれの滑剤も5phr未満ではそれぞれの配
合効果を奏せず、100phrを超えても、それらの配合効果
の増大は余り期待できない上、塗料の溶液安定性が悪く
なる。なお、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリ
コーンオイル、メチル塩化シリコーンオイル、メチルハ
イドロシリコーンオイル、メチルフエニルシリコーンオ
イル、フロロシリコーン等を例示でき、粘度100〜100万
cstのものを用いる。
(3)有機溶剤としては、前述のプライマーと同様のも
のを用い、ストレートPVCに対し5〜15倍加えて塗料を
適宜粘度とする。
下記に、滑性塗膜用塗料の具体的な一例を示す。
<滑性塗膜用塗料> ストレートPVC 100 (=1000) ナイロン66粉末 20 (粒径 最大80μm) テフロン粉末 50 (粒径 最大50μm) ジメチルシリコーンオイル 50 (1万cst) <発明の作用・効果> 本発明の車両用ガラスランは、PVC系塗膜成分からな
る滑性塗膜のうちガラス端面が摺接する溝底部の塗膜
を、塩素含有ゴム系ポリマーをベースとするプライマー
層を介して形成してあるため下記のような作用効果を奏
する。
基材中のエステル系可塑剤は、プライマー層を介して
いない溝底部1a以外の他部における滑性塗膜5へはブリ
ードして塗膜が軟らかくなるが、 溝底部1aの滑性塗膜3へはプライマー層2の介在により
ブリードが阻止される、このため、溝底部1aの滑性塗膜
3は、本来の塗膜硬さを維持する。従つて、溝底部の滑
性塗膜3に高度の滑り性及び耐摩耗性を容易に付与でき
る。
ちなみに、実施例の欄に記載したPVC配合物で基材1
を押出し、溝底部の被摺接面に同じくプライマー塗料を
スプレー塗布し乾燥(室温×10分)させてプライマー層
(厚さ2μm)を形成した後、各被摺接面に前述の滑性
塗膜用塗料をスプレー塗布し、室温×10分放置して各滑
性塗膜(厚さ30μm)を形成した。そして、各滑性塗膜
について、平面型摩耗試験機を用いて、 条件:摩耗子…厚さ4mmのガラス、荷重…1kg,摩耗サ
イクル…60回/分,で塗膜面を摩耗して基材が露出する
までの摩擦回数で耐摩耗性を判定したところ、溝底部の
滑性塗膜層は2万5千回で基材露出があつたのに対し、
他部の滑性塗膜層は1万5千回で基材露出があつた。
【図面の簡単な説明】
図例は本発明を適用した車両用ガラスランの各例を示
し、第1図はシングルチヤンネル型における横断面図,
第2図はダブルチヤンネル型における横断面図である。 1……基材、1a……溝底部、2……プライマー層、3…
…溝底部の滑性塗膜、5……他部の滑性塗膜、G……ガ
ラス。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材がエステル系可塑剤を含有する軟質PV
    C配合物からなり、基材の各被摺接面に滑性塗膜が形成
    されてなるチャンネル型の車両用ガラスランにおいて、 前記滑性塗膜が、ストレートPVCに滑剤が配合された塗
    膜成分からなり、 前記滑性塗膜のうち、ガラス端面が摺接する溝底部の塗
    膜が、基材との間に塩素含有ゴム系ポリマーをベースと
    するプライマー層を介して形成されていること、 を特徴とする車両用ガラスラン。
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JPS60163977A (ja) * 1984-02-03 1985-08-26 Toyoda Gosei Co Ltd 自動車用グラスラン

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