JP2592423Y2 - ワックス・ペレット型サーモスタット用エレメント - Google Patents
ワックス・ペレット型サーモスタット用エレメントInfo
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- JP2592423Y2 JP2592423Y2 JP1993021182U JP2118293U JP2592423Y2 JP 2592423 Y2 JP2592423 Y2 JP 2592423Y2 JP 1993021182 U JP1993021182 U JP 1993021182U JP 2118293 U JP2118293 U JP 2118293U JP 2592423 Y2 JP2592423 Y2 JP 2592423Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、水温等によりバルブを
開閉するサーモスタットの感温部・サーモエレメントに
関する。更に詳述すると、本考案は、水温等の変化で膨
張・収縮するワックスによって作動するエレメントに関
する。
開閉するサーモスタットの感温部・サーモエレメントに
関する。更に詳述すると、本考案は、水温等の変化で膨
張・収縮するワックスによって作動するエレメントに関
する。
【0002】
【従来の技術】密封したワックスの膨張・収縮を利用し
てバルブを開閉するワックス・ペレット型サーモスタッ
トは、例えば、自動車用エンジンの過熱を防止するため
の水冷式冷却装置において冷却水温度が高くなり過ぎな
いように水温によって強制循環流路の開閉を行うバルブ
等として用いられている。このワックス・ペレット型サ
ーモスタット30は、従来、図3〜図6に示すように、
枠体31に固定されたリング状のバルブシート32と、
バルブシート32に圧接・離間自在に設けられたバルブ
33と、バルブ33をバルブシート32側に付勢するス
プリング34と、バルブ33に固定されたサーモエレン
ト40とから構成されている。更に、サーモエレント4
0はバルブ33に固定された筒状のペレット35と、こ
のペレット35の中に収容されたワックス36と、ワッ
クス36の内側に設けられたゴム等からなる弾性スリー
ブ37と、弾性スリーブ37の内側に弾性スリーブ37
と摺動自在に設けられると共に枠体31に固定されたス
ピンドル38とから構成されてなる。このサーモスタッ
ト30は、水温が低い間は、図4に示すように、スプリ
ング34の付勢力によりバルブ33は閉じられている。
このとき、ワックス36は固体状となっている。しか
し、水温が上昇すると、図5に示すように、ワックス3
6が溶融して液体状となって膨張する。そのワックス3
6の膨張力が弾性スリーブ37を介してスピンドル38
に伝わり、スピンドル38をペレット35の外方に(図
面では上向きである)押し出そうとする。ところが、ス
ピンドル38は固定されているため、弾性スリーブ37
とワックス36を収容したペレット35がスプリング3
4の付勢力に抗してバルブ33と一体的にバルブシート
32から離間させる方向に移動し、バルブ33を開く。
このようにサーモスタットは、ペレット35内に密封し
たワックス36の膨張・収縮を利用してスピンドル38
を作動させるため、受圧部材39と弾性スリーブ37と
ペレット35とで完全な密閉構造を形成しなければなら
ない。そこで、従来のサーモスタットは、ペレット35
の開口部に受圧部材39を収容して弾性スリーブ37の
端部を押さえ、更にペレット35の開口縁部35aを内
側にかしめて受圧部材39を弾性スリーブ37に強く押
しつけて固定するようにしている。これによって、受圧
部材39が弾性スリーブ37側に押さえつけられた状態
のまま固定されるため、ペレット35の斜面部分35b
に弾性スリーブ37が押しつけられてシールを構成し、
ワックス36を密封する。
てバルブを開閉するワックス・ペレット型サーモスタッ
トは、例えば、自動車用エンジンの過熱を防止するため
の水冷式冷却装置において冷却水温度が高くなり過ぎな
いように水温によって強制循環流路の開閉を行うバルブ
等として用いられている。このワックス・ペレット型サ
ーモスタット30は、従来、図3〜図6に示すように、
枠体31に固定されたリング状のバルブシート32と、
バルブシート32に圧接・離間自在に設けられたバルブ
33と、バルブ33をバルブシート32側に付勢するス
プリング34と、バルブ33に固定されたサーモエレン
ト40とから構成されている。更に、サーモエレント4
0はバルブ33に固定された筒状のペレット35と、こ
のペレット35の中に収容されたワックス36と、ワッ
クス36の内側に設けられたゴム等からなる弾性スリー
ブ37と、弾性スリーブ37の内側に弾性スリーブ37
と摺動自在に設けられると共に枠体31に固定されたス
ピンドル38とから構成されてなる。このサーモスタッ
ト30は、水温が低い間は、図4に示すように、スプリ
ング34の付勢力によりバルブ33は閉じられている。
このとき、ワックス36は固体状となっている。しか
し、水温が上昇すると、図5に示すように、ワックス3
6が溶融して液体状となって膨張する。そのワックス3
6の膨張力が弾性スリーブ37を介してスピンドル38
に伝わり、スピンドル38をペレット35の外方に(図
面では上向きである)押し出そうとする。ところが、ス
ピンドル38は固定されているため、弾性スリーブ37
とワックス36を収容したペレット35がスプリング3
4の付勢力に抗してバルブ33と一体的にバルブシート
32から離間させる方向に移動し、バルブ33を開く。
このようにサーモスタットは、ペレット35内に密封し
たワックス36の膨張・収縮を利用してスピンドル38
を作動させるため、受圧部材39と弾性スリーブ37と
ペレット35とで完全な密閉構造を形成しなければなら
ない。そこで、従来のサーモスタットは、ペレット35
の開口部に受圧部材39を収容して弾性スリーブ37の
端部を押さえ、更にペレット35の開口縁部35aを内
側にかしめて受圧部材39を弾性スリーブ37に強く押
しつけて固定するようにしている。これによって、受圧
部材39が弾性スリーブ37側に押さえつけられた状態
のまま固定されるため、ペレット35の斜面部分35b
に弾性スリーブ37が押しつけられてシールを構成し、
ワックス36を密封する。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のサーモエレメント構造ではペレット35の開口縁部
35aを受圧部材39側にかしめる際に、受圧部材39
の付近の弾性スリーブ37にスピンドル38に向かう力
Fを作用させ、弾性スリーブ37を破線で示すようにせ
り出させるような変形を起こさせる。このため、受圧部
材39付近のP部にて弾性スリーブ37がスピンドル3
8を局部的に強く締め付けることになる。しかも、作動
時のワックス36の膨張により弾性スリーブ37が更に
スピンドル38へ向けて加圧されるため、弾性スリーブ
37のスピンドル38への接触圧力が一層増加され、作
動不良やP部における弾性スリーブ37の異常摩耗等を
惹き起こす。また、かしめの力を小さくすれば、シール
不良などを起こし、ワックスの洩れや作動不良を招く虞
がある。
来のサーモエレメント構造ではペレット35の開口縁部
35aを受圧部材39側にかしめる際に、受圧部材39
の付近の弾性スリーブ37にスピンドル38に向かう力
Fを作用させ、弾性スリーブ37を破線で示すようにせ
り出させるような変形を起こさせる。このため、受圧部
材39付近のP部にて弾性スリーブ37がスピンドル3
8を局部的に強く締め付けることになる。しかも、作動
時のワックス36の膨張により弾性スリーブ37が更に
スピンドル38へ向けて加圧されるため、弾性スリーブ
37のスピンドル38への接触圧力が一層増加され、作
動不良やP部における弾性スリーブ37の異常摩耗等を
惹き起こす。また、かしめの力を小さくすれば、シール
不良などを起こし、ワックスの洩れや作動不良を招く虞
がある。
【0004】本考案は、ペレットの開口縁部のかしめに
よる弾性スリーブとスピンドルとの局部的圧接をなくす
ことにより、作動不良や弾性スリーブの異常摩耗などを
防止し、耐久性を向上したサーモスタット用エレメント
を提供することを目的とする。
よる弾性スリーブとスピンドルとの局部的圧接をなくす
ことにより、作動不良や弾性スリーブの異常摩耗などを
防止し、耐久性を向上したサーモスタット用エレメント
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本考案は、ペレットと、該ペレットの中に収容され
温度によって膨張・収縮するワックスと、該ワックスの
内側に設けられた弾性スリーブと、ペレットの開口部に
設けられ弾性スリーブからペレット開口方向への力を受
ける受圧部材と、弾性スリーブの内側に設けられワック
スの膨張により弾性スリーブを介してペレットの外方に
押し出される方向の力が作用するスピンドルとを備え、
ペレットの開口縁部が前記受圧部材側にかしめられてワ
ックス及び弾性スリーブがペレット内に密封されたワッ
クス・ペレット型サーモスタット用エレメントにおい
て、弾性スリーブを介してスピンドル側にかかる力に耐
える剛性を持つ補強リングが受圧部材の近傍の前記弾性
スリーブとスピンドルとの間にスピンドルの外周面を囲
んで設置されている。
め、本考案は、ペレットと、該ペレットの中に収容され
温度によって膨張・収縮するワックスと、該ワックスの
内側に設けられた弾性スリーブと、ペレットの開口部に
設けられ弾性スリーブからペレット開口方向への力を受
ける受圧部材と、弾性スリーブの内側に設けられワック
スの膨張により弾性スリーブを介してペレットの外方に
押し出される方向の力が作用するスピンドルとを備え、
ペレットの開口縁部が前記受圧部材側にかしめられてワ
ックス及び弾性スリーブがペレット内に密封されたワッ
クス・ペレット型サーモスタット用エレメントにおい
て、弾性スリーブを介してスピンドル側にかかる力に耐
える剛性を持つ補強リングが受圧部材の近傍の前記弾性
スリーブとスピンドルとの間にスピンドルの外周面を囲
んで設置されている。
【0006】ここで、補強リングは樹脂から成り、且つ
その肉厚がスピンドル軸方向に受圧部材から離れるに従
って薄肉に形成されている。また、補強リングはその一
部が受圧部材とスピンドルとの間隙に差し込まれる筒状
のガイド部を有している。
その肉厚がスピンドル軸方向に受圧部材から離れるに従
って薄肉に形成されている。また、補強リングはその一
部が受圧部材とスピンドルとの間隙に差し込まれる筒状
のガイド部を有している。
【0007】
【作用】したがって、ペレットの開口縁部のかしめにあ
るいはワックスの膨張に伴って受圧部材の近傍の弾性ス
リーブからスピンドル側にかかる力は補強リングによっ
て受け止められるため、スピンドルへ作用することがな
い。
るいはワックスの膨張に伴って受圧部材の近傍の弾性ス
リーブからスピンドル側にかかる力は補強リングによっ
て受け止められるため、スピンドルへ作用することがな
い。
【0008】また、補強リングが樹脂からなるので、補
強リングを金属から形成した場合に比較してスピンドル
と補強リングとの摩擦係数が小さくなる。
強リングを金属から形成した場合に比較してスピンドル
と補強リングとの摩擦係数が小さくなる。
【0009】また、補強リングの肉厚がスピンドル軸方
向に受圧部材から離れるに従って薄肉となるので、ワッ
クス膨張時に弾性スリーブに作用する力で補強リングの
薄肉部が僅かに変形してスピンドルとの間の隙間をなく
しあるいはより微小なものとし、弾性スリーブが補強リ
ングとスピンドルとの間に侵入することを阻止する。
向に受圧部材から離れるに従って薄肉となるので、ワッ
クス膨張時に弾性スリーブに作用する力で補強リングの
薄肉部が僅かに変形してスピンドルとの間の隙間をなく
しあるいはより微小なものとし、弾性スリーブが補強リ
ングとスピンドルとの間に侵入することを阻止する。
【0010】また、補強リングの一部に受圧部材とスピ
ンドルとの間隙に差し込まれる筒状に延設のガイド部が
設けられている場合には、スピンドルを正しく保持し
て、作動を良好に保つとともに弾性スリーブの損傷を防
止する。
ンドルとの間隙に差し込まれる筒状に延設のガイド部が
設けられている場合には、スピンドルを正しく保持し
て、作動を良好に保つとともに弾性スリーブの損傷を防
止する。
【0011】
【実施例】以下、本考案の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。尚、本実施例では、自動車用エ
ンジンの水冷式冷却装置に使用されるワックス・ペレッ
ト型サーモスタットに適用した例を挙げて説明する。こ
こで、サーモエレメントの構造を除いてサーモスタット
全体の構成は従来と変わりがないのでその説明を省略す
る。
づいて詳細に説明する。尚、本実施例では、自動車用エ
ンジンの水冷式冷却装置に使用されるワックス・ペレッ
ト型サーモスタットに適用した例を挙げて説明する。こ
こで、サーモエレメントの構造を除いてサーモスタット
全体の構成は従来と変わりがないのでその説明を省略す
る。
【0012】図1に本考案のサーモエレメントの一実施
例を示す。このサーモエレメントは、バルブ(図示省
略)に固定されるペレット1と、このペレット1の内側
に収容されたゴム等の弾性材からなる弾性スリーブ2
と、弾性スリーブ2とペレット1の間に収容されたワッ
クス3と、弾性スリーブ2の内側に収容されると共にサ
ーモスタットの枠体(図示省略)に固定されるスピンド
ル4と、受圧部材5及び補強リング6とから構成されて
いる。ペレット1の開口部には、リング状のワッシヤや
キャップ等から成る受圧部材5が設けられている。この
受圧部材5は、ペレット1の開口部を塞ぐと共に弾性ス
リーブ2の縁部2aをペレット1の斜面部1bに押しつ
けてペレット1の斜面部1bとの間でワックス3を密封
するシールとしてワックス3の膨張時に弾性スリーブ2
からペレット開口側(図面の上方向)への力を受け止め
て、弾性スリーブ2の膨張力がペレット1の開口部から
逃げてスピンドル9に伝達される力が低下するのを防止
する。この受圧部材5は、ペレット1の開口縁部1aを
内側へかしめることによって固定され、弾性スリーブ2
を押さえつける。尚、この例のスピンドル4と受圧部材
5とは金属で形成されている。
例を示す。このサーモエレメントは、バルブ(図示省
略)に固定されるペレット1と、このペレット1の内側
に収容されたゴム等の弾性材からなる弾性スリーブ2
と、弾性スリーブ2とペレット1の間に収容されたワッ
クス3と、弾性スリーブ2の内側に収容されると共にサ
ーモスタットの枠体(図示省略)に固定されるスピンド
ル4と、受圧部材5及び補強リング6とから構成されて
いる。ペレット1の開口部には、リング状のワッシヤや
キャップ等から成る受圧部材5が設けられている。この
受圧部材5は、ペレット1の開口部を塞ぐと共に弾性ス
リーブ2の縁部2aをペレット1の斜面部1bに押しつ
けてペレット1の斜面部1bとの間でワックス3を密封
するシールとしてワックス3の膨張時に弾性スリーブ2
からペレット開口側(図面の上方向)への力を受け止め
て、弾性スリーブ2の膨張力がペレット1の開口部から
逃げてスピンドル9に伝達される力が低下するのを防止
する。この受圧部材5は、ペレット1の開口縁部1aを
内側へかしめることによって固定され、弾性スリーブ2
を押さえつける。尚、この例のスピンドル4と受圧部材
5とは金属で形成されている。
【0013】受圧部材5の近傍の弾性スリーブ2とスピ
ンドル4との間にはスピンドル4を囲んで補強リング6
が配置されている。この補強リング6は、弾性スリーブ
2を介してスピンドル4側にかかる力F例えばペレット
1の開口縁部1aをかしめる力およびワックス3の膨張
時に弾性スリーブ2に作用する力に耐える剛性を有する
ものである。この補強リング6は、スピンドル4に僅か
な隙間をあけて摺動自在に嵌合されかつ弾性スリーブ2
の内側に当てがわれて弾性スリーブ2をバックアップ
し、ペレット1のかしめ及びワックス3の膨張によって
受圧部材5の近傍の弾性スリーブ2がスピンドル4側へ
局部的にせり出して圧接状態となることを防止する。ま
た、補強リング6により、受圧部材5とスピンドル4の
外周面との間の間隙に弾性スリーブ2が侵入することも
防止できる。補強リング6は受圧部材5と隣接している
のが好ましいが、弾性スリーブ2の受圧部材5とスピン
ドル4の外周面との間の間隙への侵入がなければこの限
りではない。
ンドル4との間にはスピンドル4を囲んで補強リング6
が配置されている。この補強リング6は、弾性スリーブ
2を介してスピンドル4側にかかる力F例えばペレット
1の開口縁部1aをかしめる力およびワックス3の膨張
時に弾性スリーブ2に作用する力に耐える剛性を有する
ものである。この補強リング6は、スピンドル4に僅か
な隙間をあけて摺動自在に嵌合されかつ弾性スリーブ2
の内側に当てがわれて弾性スリーブ2をバックアップ
し、ペレット1のかしめ及びワックス3の膨張によって
受圧部材5の近傍の弾性スリーブ2がスピンドル4側へ
局部的にせり出して圧接状態となることを防止する。ま
た、補強リング6により、受圧部材5とスピンドル4の
外周面との間の間隙に弾性スリーブ2が侵入することも
防止できる。補強リング6は受圧部材5と隣接している
のが好ましいが、弾性スリーブ2の受圧部材5とスピン
ドル4の外周面との間の間隙への侵入がなければこの限
りではない。
【0014】また、スピンドル4の移動を良好にするた
め、スピンドル4を構成する金属に対する摩擦係数の小
さい樹脂で補強リング6を形成している。
め、スピンドル4を構成する金属に対する摩擦係数の小
さい樹脂で補強リング6を形成している。
【0015】前述のように、補強リング6の素材として
の樹脂は、弾性スリーブ2からの圧力に耐え得る強度を
持つことが必要であると共に、摩擦係数の小さいことが
望ましい。例えば、ポリ4ふっ化エチレン(商品名:テ
フロン)、ナイロンがこのような要求を満たしている。
また、補強リング6は上述の樹脂に特に限定されず、そ
の他の樹脂で形成しても良い。
の樹脂は、弾性スリーブ2からの圧力に耐え得る強度を
持つことが必要であると共に、摩擦係数の小さいことが
望ましい。例えば、ポリ4ふっ化エチレン(商品名:テ
フロン)、ナイロンがこのような要求を満たしている。
また、補強リング6は上述の樹脂に特に限定されず、そ
の他の樹脂で形成しても良い。
【0016】また、補強リング6とスピンドル4の外周
面との間の間隙に弾性スリーブ2の一部が侵入すると、
スピンドル4の動きを更に不確実なものとしたり、弾性
スリーブ2を破損する虞がある。そこで、補強リング6
の肉厚がスピンドル軸方向に受圧部材5から離れるに従
い漸次小さくなるような砲弾形に形成されている。この
ように形成すると、ワックス7の膨張時に弾性スリーブ
2により補強リング6の肉厚の薄い先端部分6aがスピ
ンドル4に圧接され、あるいはスピンドル4との間の間
隙を小さくし、弾性スリーブ2の一部が侵入するのを阻
止できる。尚、薄肉部6aは、弾性スリーブ2とスピン
ドル4とを直接強く接触させるわけではないので、弾性
スリーブ2に変形を生じさせることはない。
面との間の間隙に弾性スリーブ2の一部が侵入すると、
スピンドル4の動きを更に不確実なものとしたり、弾性
スリーブ2を破損する虞がある。そこで、補強リング6
の肉厚がスピンドル軸方向に受圧部材5から離れるに従
い漸次小さくなるような砲弾形に形成されている。この
ように形成すると、ワックス7の膨張時に弾性スリーブ
2により補強リング6の肉厚の薄い先端部分6aがスピ
ンドル4に圧接され、あるいはスピンドル4との間の間
隙を小さくし、弾性スリーブ2の一部が侵入するのを阻
止できる。尚、薄肉部6aは、弾性スリーブ2とスピン
ドル4とを直接強く接触させるわけではないので、弾性
スリーブ2に変形を生じさせることはない。
【0017】以上のように構成された本実施例のサーモ
エレメントによれば、かしめやワックス膨張時の力Fか
らスピンドルは保護される。
エレメントによれば、かしめやワックス膨張時の力Fか
らスピンドルは保護される。
【0018】まず、サーモエレメントをかしめによって
組み立てる際、ペレット1の開口縁部1aをかしめる力
が受圧部材5を介して弾性スリーブ2をスピンドル4へ
押しつける力として加えられるが、受圧部材5の近傍の
弾性スリーブ2は補強リング6によってスピンドル4の
径方向にバックアップされているため、弾性スリーブ2
のスピンドル4側へのせり出しを阻止して過剰な締め付
けを防ぐ。更に、ワックス3の膨張によって弾性スリー
ブ2をスピンドル4へ押しつける力が作用しても、同様
にして受圧部材の近傍の弾性スリーブ2がスピンドル4
に強く接触するのが防がれるので、異常摩耗が生じるこ
とはない。
組み立てる際、ペレット1の開口縁部1aをかしめる力
が受圧部材5を介して弾性スリーブ2をスピンドル4へ
押しつける力として加えられるが、受圧部材5の近傍の
弾性スリーブ2は補強リング6によってスピンドル4の
径方向にバックアップされているため、弾性スリーブ2
のスピンドル4側へのせり出しを阻止して過剰な締め付
けを防ぐ。更に、ワックス3の膨張によって弾性スリー
ブ2をスピンドル4へ押しつける力が作用しても、同様
にして受圧部材の近傍の弾性スリーブ2がスピンドル4
に強く接触するのが防がれるので、異常摩耗が生じるこ
とはない。
【0019】また、ワックス3の膨張によりペレット1
がバルブと一体的にバルブシートから離間するときに、
スピンドル4の外周面と補強リング6の内周面とが摺動
する。ところが、補強リング6は樹脂製であるから、ス
ピンドル4のような金属に対する摩擦係数が小さく、補
強リング6の摩耗が極力おさえられる。
がバルブと一体的にバルブシートから離間するときに、
スピンドル4の外周面と補強リング6の内周面とが摺動
する。ところが、補強リング6は樹脂製であるから、ス
ピンドル4のような金属に対する摩擦係数が小さく、補
強リング6の摩耗が極力おさえられる。
【0020】また、ワックス3の膨張時に弾性スリーブ
2により補強リング6の薄肉部6aがスピンドル4に圧
接され、補強リング6とスピンドル4との間の間隙に対
する弾性スリーブ2の肉の一部が侵入するのを阻止でき
る。
2により補強リング6の薄肉部6aがスピンドル4に圧
接され、補強リング6とスピンドル4との間の間隙に対
する弾性スリーブ2の肉の一部が侵入するのを阻止でき
る。
【0021】尚、上述の実施例は本考案の好適な実施の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本考案の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、図2に示すように補強リング6の一部を受
圧部材5とスピンドル4との隙間8内に差し込まれるよ
うに延長させて筒状のガイド部7を形成し、スピンドル
4を正しく保持して作動を良好にするとともに弾性スリ
ーブ2の損傷を防止することもある。
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本考案の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、図2に示すように補強リング6の一部を受
圧部材5とスピンドル4との隙間8内に差し込まれるよ
うに延長させて筒状のガイド部7を形成し、スピンドル
4を正しく保持して作動を良好にするとともに弾性スリ
ーブ2の損傷を防止することもある。
【0022】
【考案の効果】以上の説明より明らかなように、本考案
は、弾性スリーブを介してスピンドル側にかかる力に耐
える剛性を持つ補強リングが受圧部材の近傍の弾性スリ
ーブとスピンドルとの間にスピンドルを囲んで設置され
ているので、ペレットの開口縁部のかしめあるいはワッ
クスの膨張に伴って弾性スリーブからスピンドル側にか
かる力を補強リングで受けて受圧部材の近傍の弾性スリ
ーブのスピンドル側への変形を防ぎ、スピンドルと弾性
スリーブとの間の異常摩擦に起因する作動不良や弾性ス
リーブの異常摩耗、損傷などを防止でき、耐久性を向上
できる。
は、弾性スリーブを介してスピンドル側にかかる力に耐
える剛性を持つ補強リングが受圧部材の近傍の弾性スリ
ーブとスピンドルとの間にスピンドルを囲んで設置され
ているので、ペレットの開口縁部のかしめあるいはワッ
クスの膨張に伴って弾性スリーブからスピンドル側にか
かる力を補強リングで受けて受圧部材の近傍の弾性スリ
ーブのスピンドル側への変形を防ぎ、スピンドルと弾性
スリーブとの間の異常摩擦に起因する作動不良や弾性ス
リーブの異常摩耗、損傷などを防止でき、耐久性を向上
できる。
【0023】また、補強リングが樹脂からなるので、補
強リングを金属で形成した場合に比較して安価に製作で
きると共に摩擦係数を小さくしてスピンドルの動きをス
ムースにできる。
強リングを金属で形成した場合に比較して安価に製作で
きると共に摩擦係数を小さくしてスピンドルの動きをス
ムースにできる。
【0024】また、補強リングの肉厚がスピンドル軸方
向に受圧部材から離れるに従って薄肉としたことによ
り、ワックス膨張時に作用する力で補強リングの薄肉部
の先端がスピンドル側に圧縮されて、補強リングとスピ
ンドルとの隙間を狭めて弾性スリーブが侵入するのを阻
止することができるので、弾性スリーブを損傷すること
がない。
向に受圧部材から離れるに従って薄肉としたことによ
り、ワックス膨張時に作用する力で補強リングの薄肉部
の先端がスピンドル側に圧縮されて、補強リングとスピ
ンドルとの隙間を狭めて弾性スリーブが侵入するのを阻
止することができるので、弾性スリーブを損傷すること
がない。
【0025】また、補強リングの一部が受圧部材とスピ
ンドルとの間隙に差し込まれるガイド部を設ける場合に
は、スピンドルを正しく保持して作動不良を防ぐと共に
弾性スリーブの一部が損傷することを防止できる。
ンドルとの間隙に差し込まれるガイド部を設ける場合に
は、スピンドルを正しく保持して作動不良を防ぐと共に
弾性スリーブの一部が損傷することを防止できる。
【図1】本考案の一実施例の縦断面図である。
【図2】他の実施例の要部を示した縦断面図である。
【図3】サーモスタットの斜視図である。
【図4】バルブ閉鎖時のサーモスタットの作用状態図で
ある。
ある。
【図5】バルブ開放時のサーモスタットの作用状態図で
ある。
ある。
【図6】従来例の縦断面図である。
1 ペレット 1a 開口縁部 2 弾性スリーブ 3 ワックス 4 スピンドル 5 受圧部材 6 補強リング 6a 薄肉部 7 ガイド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−193688(JP,A) 特開 平3−120432(JP,A) 特開 平4−124473(JP,A) 実開 昭56−111373(JP,U) 特公 昭47−37861(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16K 31/68
Claims (2)
- 【請求項1】 ペレットと、該ペレットの中に収容され
温度によって膨張・収縮するワックスと、該ワックスの
内側に設けられた弾性スリーブと、前記ペレットの開口
部に設けられ前記弾性スリーブからペレット開口方向へ
の力を受ける受圧部材と、前記弾性スリーブの内側に設
けられ前記ワックスの膨張により弾性スリーブを介して
前記ペレットの外方に押し出される方向の力が作用する
スピンドルとを備え、前記ペレットの開口縁部が前記受
圧部材側にかしめられて前記ワックス及び弾性スリーブ
がペレット内に密封されたワックス・ペレット型サーモ
スタット用エレメントにおいて、前記弾性スリーブを介
してスピンドル側にかかる力に耐える剛性を持つ補強リ
ングが前記受圧部材の近傍の前記弾性スリーブと前記ス
ピンドルとの間に前記スピンドルの外周面を囲んで設置
され、前記補強リングは樹脂からなると共に、前記補強
リングの肉厚はスピンドル軸方向に前記受圧部材から離
れるに従って薄肉に形成されていることを特徴とするワ
ックス・ペレット型サーモスタット用エレメント。 - 【請求項2】 前記補強リングの一部が前記受圧部材と
前記スピンドルとの間隙に差し込まれる筒状のガイド部
を有することを特徴とする請求項1記載のワックス・ペ
レット型サーモスタット用エレメント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993021182U JP2592423Y2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | ワックス・ペレット型サーモスタット用エレメント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993021182U JP2592423Y2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | ワックス・ペレット型サーモスタット用エレメント |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0673572U JPH0673572U (ja) | 1994-10-18 |
JP2592423Y2 true JP2592423Y2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=12047805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993021182U Expired - Lifetime JP2592423Y2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | ワックス・ペレット型サーモスタット用エレメント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2592423Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2577233A (en) * | 2017-06-30 | 2020-03-18 | Tdk Corp | E-cigarette smoking tool and refill cartridge used for same |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6685804B2 (ja) * | 2016-04-01 | 2020-04-22 | 株式会社山田製作所 | 感温式弁機構及びその使用方法 |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP1993021182U patent/JP2592423Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2577233A (en) * | 2017-06-30 | 2020-03-18 | Tdk Corp | E-cigarette smoking tool and refill cartridge used for same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0673572U (ja) | 1994-10-18 |
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