JP2592289B2 - アルカリセルラーゼ遺伝子を含有するdna断片並びに該dna断片を組み込んだベクター及びその含有微生物 - Google Patents

アルカリセルラーゼ遺伝子を含有するdna断片並びに該dna断片を組み込んだベクター及びその含有微生物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、中性培地に生育可能なバチルス属細菌に由
来する、アルカリセルラーゼ遺伝子を含有するDNA断
片、並びに当該DNA断片を組み込んだベクター、更に
は、当該ベクターによつて形質転換された形質転換体微
生物に関する。
〔従来の技術、及びその課題〕
繊維素分解酵素セルラーゼの開発は、従来、バイオマ
ス資源特にセルロース資源の有効利用を一大目標とし
て、進められてきた。セルラーゼ生産菌として分離され
て来た菌株は多種類にわたり、アスペルギルス属、ペニ
シリウム属、トリコデルマ属、フザリウム属、フミコー
ラ属、アクレモニウム属等の糸状菌を中心に、シユウド
モナス属、セルロモナス属、ルミノコツカス属、バチル
ス属等の細菌、更に、ストレプトマイセス属、サーモア
クチノマイセス属等の放線菌でも報告されている。しか
しながら、現時点では、バイオマス用セルラーゼの工業
的規模での利用は、多くはない。
一方、セルラーゼの新規産業的用途として、衣料用洗
浄剤の一成分としての効果が検討され注目を集めている
(特公昭59-49279号公報,特公昭60-23158号公報,特公
昭60-36240号公報)。しかし、自然界に於いて、微生物
の産生するセルラーゼは、そのほとんどが、中性乃至酸
性領域に於いて最大且つ安定な酵素活性を示す,所謂中
性若しくは酸性セルラーゼに分類されるものであつて、
衣料用洗浄剤組成物としての必要条件である、アルカリ
領域で最大活性を示す所謂アルカリセルラーゼないしア
ルカリに対し耐性を有するアルカリ耐性セルラーゼの存
在は、極めて少ないのが実情である。ここで言うアルカ
リセルラーゼとは、至適pHがアルカリ領域にあるものを
言い、アルカリ耐性セルラーゼとは、至適pHは中性から
酸性領域にあるが、アルカリ領域に於いても至適pHに於
ける活性に比較して充分に活性を有しているものを言
う。また、中性とはpH6〜8の範囲を言い、アルカリ性
とはこれより高いpH範囲を言う。
従来、衣料用洗浄剤組成物として使用し得るアルカリ
セルラーゼ及びアルカリ耐性セルラーゼの生産方法とし
ては、好アルカリ性バスルス属細菌の培養によりセルラ
ーゼAを採取する方法(特公昭50-28515号公報)、セル
ロモナス属に属する好アルカリ性細菌を培養してアルカ
リセルラーゼ301-Aを生産する方法(特開昭58-224686号
公報)、好アルカリ性バチルスNo.1139を培養してカル
ボキシメチルセルラーゼを生産する方法(Fukumori,F.,
Kudo,T.and Hrikoshi,K.,J.Gen.Microbiol.,131巻,3339
頁(1985))及びストレプトマイセス属の一種を用いて
アルカリセルラーゼを生産する方法(特開昭61-19483号
公報)が、散見されるに過ぎず、いずれも工業的発酵生
産に適うものでは無かつた。
ところが、最近、本発明者等は、好アルカリ性細菌の
一種であるバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM-63
5(FERM P-8872)が、衣料用洗浄剤組成物として適した
アルカリセルラーゼKを収率良く生産すること、及び更
に培養条件を選択することにより、より生産性が高ま
り、アルカリセルラーゼの工業的発酵生産が可能となる
ことを見出した。
更に、本発明者らは好アルカリ性菌を用いる、所謂ア
ルカリ性発酵法に於けるアルカリ性培地の調製法や、pH
をアルカリ性に保ち続ける培養方法等の操作上の難点を
克服する、中性培地で生育し、然も作用の優れたアルカ
リセルラーゼを産生することの出来る歯株を見出してい
る。然しながら、中性発酵法によるアルカリセルラーゼ
の生産に於いても、工業的実生産の為には、更にその力
価の向上が望まれている。
〔課題を解決するための手段〕
力価向上の為には、培養条件の検討、変異育種による
生産性の向上等の手法をとることが、通常良く行われて
いる。本発明者らは、近年目覚ましい発展を遂げている
遺伝子組換えによる育種方法によりアルカリセルラーゼ
の産生能の高い歯株を得べく研究をおこなつた。
しかして、本手法による育種にあたつては、まず該当
するアルカリセルラーゼ遺伝子を単離する所謂クローニ
ングが必須である。本発明者は、本手法による育種をめ
ざし、まず染色体からアルカリセルラーゼ遺伝子を含む
DNA断片を得べく、遺伝子組換えの手法を用いてアルカ
リセルラーゼを生産する組換えエシエリヒア(Escheric
hia)属菌株を調製し、該菌株からアルカリセルラーゼ
遺伝子を含むDNA断片を単離した。そして、このDNA断片
をこれまでにバチルス属細菌から単離された他のセルラ
ーゼ遺伝子、例えば、好アルカリ性バチルス エスピー
N−4株の2種類のアルカリセルラーゼ遺伝子(Sash
ihara,S.,Kudo,T.and Horikoshi,K.,J.Bacteriol.,158
巻,503頁(1984))、枯草菌(バチルススブチリス)の
セルラーゼ遺伝子(Koide,Y.,Nakamura,A.,Uozumi,T.an
d Beppu T.,Agric.Biol.Chem.,50巻,233頁,(1986))
又、好アルカリ性バチルス エスピー No.1139株のア
ルカリセルラーゼ遺伝子(Fukuori,F.,Kudo,T.,Narahas
hi,Y.and Horikoshi K.,J.Gen.Microbiol.,132巻,2329
頁(1986))、更には、本発明者等が、別途単離した好
アルカリ性バチルス エスピー KSM-635株のアルカリ
セルラーゼ遺伝子(特願昭61-259923号明細書)他と比
較した結果、独自の制限酵素地図を有する新規なDNA断
片であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明はアルカリセルラーゼをコードする約10
Kbの塩基対からなり、第1図に示す制限酵素地図を有す
るDNA断片、及びこのDNA断片を含有したベクター並びに
当該ベクターを有する組換え微生物を提供するものであ
る。
本発明に於いて、アルカリセルラーゼ遺伝子の供与体
となる微生物としては、例えば中性バチルス属細菌の一
種、バチルス エスピー KSM-522が挙げられる。この
菌株は、本発明者等が栃木県日光市の土壌より、菌体外
に著量のアルカリセルラーゼK-522を生産する菌株とし
て分離したものであり、この菌株は微工研条寄第1512号
(FERM BP-1512)として寄託されている。当該菌株の分
類学的新規性については、本発明者等による特許出願
(特願昭62-194140)に詳述されている。又、当該菌株
によつて生産されるアルカリセルラーゼK-522の新規性
についても、同特許出願に詳しく記載されている。アル
カリセルラーゼK-522は、幅広い至適pH(pH7〜10)を有
し、カルボキシルメチルセルロース(CMC)に作用する
所謂CMCアーゼで代表されるCX酵素活性が主体である。
更に、K-522は、その構成成分として、中性セルラーゼ
E−Iの他に、アルカリセルラーゼE-II、アルカリセル
ラーゼE-IIIと称するアルカリ側に至適pHを有する二つ
の酵素を含んでおり、これらはK-522の精製により分離
取得され、その物理化学的性質及び酵素学的性質も明ら
かとなつている(特願昭62-194142号、特願昭62-194143
号)。
供与菌体であるバチルス エスピー KSM-522からの
染色体DNAの調製法は、特に限定されず、公知の方法で
実施される。例えば、マーマーの方法(Marmur J,.Mol.
Biol.,3巻,208頁,(1961))や斉藤及び三浦の方法(S
aito,H,and Miura,K.I.,Biochim.Biophys.Acta,72巻,61
9頁,(1963))等が挙げられるが、その他の類似な方
法を用いることもできる。
次いで、調製された染色体DNAは、ベクターと連結さ
れる為に切断される。供与染色体DNAの切断は、通常制
限エンドヌクレアーゼを用いる方法によつて実施される
が、特にこの方法に限定されるものではなく、例えば物
理的に剪断力を加えて切断する方法でも良い。制限酵素
を用いて供与染色体DNAを切断する場合、完全切断を起
こす反応条件を用いるのであれば、アルカリセルラーゼ
生産性遺伝子に切断部位が無い制限酵素のいずれをも使
用可能である。また、部分的にしか切断を起こさない反
応条件を用いるのであれば、すべての制限酵素が使用可
能である。このように、制限酵素は用いる条件に応じて
種々のものが選択可能である。
一方、遺伝子組換えに用いる宿主・ベクター系として
は、宿主菌株がアルカリセルラーゼ遺伝子を発現させる
ことができ、また、ベクターが宿主菌中で複製可能であ
り、組み込んだ当該遺伝子を安定に保持出来るものであ
れば、如何なるものも使用することができる。例えば、
エシエリヒアコリ(Escherichia coli)K-12系統株を
宿主とするEK系やバチルス スブチリス(Bacillus su
btilis)Marburg系統株を宿主とするBM系等が挙げられ
るが、好適には、遺伝学的に最も良く研究されており、
ベクターの種類が豊富であるEK系を用いると良い結果が
得られる。宿主菌株の具体例としては、EK系では、HB10
1株、C600株、JM109株等、BM系では、BD170株、MI112株
等が挙げられる。ベクターとしては、染色体DNAを切断
した制限酵素によつて唯一箇所で切断されるプラスミド
ベクターが染色体DNA断片との結合の際に便利である。
具体的には、染色体DNAをBamHIで切断する場合、EK系で
はpBR322やpUC12、pUC18等のベクター、又BM系ではpUB1
10、pBD8等のベクターが挙げられる。尚、染色体DNAの
切断に用いた制限酵素による切断点を持たない他のベク
ターについても、結合の際にホモポリマー結合法(Nels
on,T.and Brutlag,D.,Methods in Enzymology,68,41,Ac
ademic Press(1980))等を用いることによつて、実施
することができる。
切断された供与染色体DNA断片を、ベクターに挿入し
結合させるには、供与染色体DNAとベクターとを同一の
制限酵素で切断し、然る後にDNAリガーゼを使用し両者
を結合するのが一般的に使用される方法である。しか
し、この様な方法に限定されることなく従来知られてい
る如何なる方法でも実施可能である。DNAリガーゼの例
示としては、大腸菌のDNAリガーゼ及びT4フアージのDNA
リガーゼを挙げることが出来る。
この様にして調製された組換えベクターによる宿主菌
株の形質転換の方法は特に限定されないが、例えば、EK
系宿主菌株の場合、塩化カルシウム法(Mandel,M.and H
iga,A.,J.Mol.Biol.,53,159,(1970))や塩化ルビジウ
ム法(Bolivar,F.and Backman,K.,Methods in Enzymolo
gy,68,253,Academic Press(1979))等、またBM系宿主
菌株の場合には、コンピテントセル法(Contente,S.and
Dabnau,D.,Mol.Gen.Genet.177,459(1979))やプロト
プラスト法(Chang,S.and Cohen,S.N.,Mol.Gen.Genet.1
68,111(1978))等を用いることができる。
形質転換株から目的とするアルカリセルラーゼ生産性
遺伝子もしくは、アルカリセルラーゼ生産性遺伝子を含
む供与染色体DNA断片が導入された微生物を選択、分離
する方法は特に限定されないが、ベクターが有する抗生
物質耐性等のマーカー発現を利用し第一次的に選択し、
次いで宿主のアルカリセルラーゼ活性を指標とする第二
次的選択をする方法が好適である。具体的には、例えば
ベクタープラスミドとしてEK系のpBR322を用い、このBa
mHI切断部位に染色体DNAのBamHI切断断片を導入した場
合には、本切断部位を含むテトラサイクリン遺伝子が失
活することから、遺伝子中にBamHI切断部位を持たない
アンピシリン耐性を指標として一次選択を行えば良い。
次いで第二次選択としては、CMCを含む適当な寒天培地
にレプリカ法によつて移植し、培養を行い、コロニーが
出現した後に例えばコンゴー・レツド法(Teather,R.M.
and Wood,P.J.,Appl.Environ.Microbiol.,43,777(198
2))によつてコロニー周辺のCMCを分解した菌株を目的
の形質転換体として選択することができる。
斯くして得られた形質転換体の組換えプラスミドは、
通常のプラスミド或いはフアージDNA調製法(Maniatis,
T.et al,Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Labor
atory(1982))を用いて調製することができ、得られ
た組換えプラスミドの各種制限酵素による切断パターン
を電気泳動法等によつて解析することより、得られた組
換えプラスミドがベクタープラスミドとアルカリセルラ
ーゼ遺伝子を含むDNA断片が結合したものであることを
確認することができる。
本発明に於けるアルカリセルラーゼ遺伝子は、第1図
に示した様にその両端がBamHI切断部位である約10KbのD
NA断片中に含まれている。尚、本DNA断片中には、BamHI
切断部位が両端以外に更に一箇所存在している。即ち、
クローン化されたDNA断片は、約2.5Kbと約7.5Kbの二つ
のBamHI切断断片により構成されている。
これまでにバチルス属細菌から単離されたセルラーゼ
遺伝子としては、例えば、掘越等の好アルカリ性バチル
ス エスピー N−4株の2種類のアルカリセルラーゼ
遺伝子、好アルカリ性バチルス エスピー No.1139株
のアルカリセルラーゼ遺伝子、別府等の枯草菌(バチル
ス スブチリス)のセルラーゼ遺伝子、更には、本発明
者等が、別途単離した好アルカリ性バチルス エスピー
KSM-635株のアルカリセルラーゼ遺伝子(特願昭61-25
9923)等を挙げることができる。本発明のアルカリセル
ラーゼ遺伝子を含むDNA断片の制限酵素地図は、上記及
びその他のセルラーゼ遺伝子を含むDNA断片と比較する
と、明らかに独自の制限酵素地図を有する新規なもので
あることが判明した。
本発明のアルカリセルラーゼ遺伝子を含む組換えベク
ターの好適な例としては、組換えプラスミドpBK-522
(第2図)が挙げられる。本プラスミドは、ベクタープ
ラスミドpBR322のBamHI切断部位に第1図で示したアル
カリセルラーゼ遺伝子をコードする約10KbのDNA断片が
挿入された約14.4Kbの組換えプラスミドである。当該組
換えプラスミドにより形質転換された組換え微生物の例
示としては、エシエリヒア コリ C600(pBK-522)株
が挙げられる。本菌株は、エシエリヒア コリ C600に
組換えプラスミドpBK-522を導入したものであり、エシ
エリヒア属細菌の培養に通常用いられる培地、例えばLB
培地等で培養することによりアルカリセルラーゼを生産
することができる。生産された当該酵素の至適反応pHは
10であり(第3図)、アルカリセルラーゼであること
は、明らかである。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例を示す。
実施例1. アルカリセルラーゼを生産する中性バチルス属細菌の
一種、バチルス エスピー KSM-522(FERM-9370)を、
染色体DNAを調製するために、次に示す培地1,500ml中
で、30℃、30時間、好気的に生育させた。
(培地1)マルトース 1 % ポリペプトンS 3 % 酵母エキス 0.1 % KH2PO4 0.1 % Na2HPO4・12H2O 0.25% MgSO4・7H2O 0.02% pH 6.8 集菌後、斉藤及び三浦の方法に従つて、リゾチーム溶
液(0.15M NaCl,0.1M EDTA,pH8.0,リゾチーム5mg/ml)5
mlにて、37℃、60分間反応させてプロトプラスト化し、
次いでSDS溶液(0.1M Tris・HCl pH9.0,0.1%SDS,0.1M
NaCl)を加えて、60℃で溶菌させた。これをフエノール
で処理し遠心分離して得られるDNA溶液から、2容のエ
タノールで糸状沈殿としてDNAが回収された。更にRNA分
解酵素、蛋白分解酵素で処理して、精製DNAを約10mg得
た。
実施例2. 実施例1で得られた染色体DNA10μgとベクタープラ
スミドpBR322(ベーリンガー マンハイム社製)1μg
を別々に制限酵素反応液(10mM Tris・HCl pH7.5,5mM M
gCl2,100mM NaCl,1mM 2−メルトカプトエタノール)に
溶解し、これに制限酵素BamHI(ベーリンガー マンハ
イム社製)20単位を加えて37℃で2時間反応を行つた。
尚、プラスミドpBR322は、更にアルカリフオスフアター
ゼ処理により、5′−リン酸残基を切除した。反応後、
フエノール処理によつて制限酵素を除去した後、エタノ
ール沈澱を行い得られたDNAの沈澱及び切断したベクタ
ープラスミドpBR322をリガーゼ反応液(20mM Tris・HCl
pH7.5,10mM MgCl2,100mMジチオスレイトール,1mM AT
P)50μlに溶解した。これにT4DNAリガーゼ(ベーリン
ガー マンハイム社製)2単位を加え、16℃で16時間反
応を行い、染色体DNAとベクタープラスミドの結合反応
を行つた。結合反応が完全に行われたことは、アガロー
スゲル電気泳動によつて確認した。
実施例3. 実施例2で作製した組換えプラスミドによる大腸菌の
形質転換は、塩化カルシウム法に従つて行つた。宿主菌
としては、エシエリヒア コリC600株(F-,thi-1,thr-
1,leuB6,lacY1,tonA21,supE44,λ)を用いた。形質転
換処理を行つた菌懸濁液をアンピシリン(ナトリウム
塩、シグマ社製)100μg/mlを含むLB寒天培地〔1.0%ト
リプトン(デイフコ社製)、0.5%酵母エキス(デイフ
コ社製)、0.5%NaCl、1.5%バクト寒天(デイフコ社
製)〕に塗抹し、37℃で16時間培養した。次に、出現し
た約10,000個の形質転換体のコロニーをLB寒天培地(ア
ンピシリン入り)にレプリカして増殖させた後、0.5%C
MC、1mg/mlのリゾチームを含む寒天を重層し37℃にて5
時間反応させた。目的のアルカリセルラーゼ遺伝子を有
する株は、コンゴーレツド染色法により、本プレート上
で透明なハローをコロニー周辺に形成する。こうしてア
ルカリセルラーゼ生産性を有するクローン1株が得られ
た。得られた菌株をエシエリヒア コリC600(pBK-52
2)と命名し、又本菌株の含有する組換えプラスミドをp
BK-522と命名した。
実施例4. エシエリヒア コリC600(pBK522)をLB液体培地(ア
ンピシリン入り)に接種し、37℃で一夜前培養した後、
これを1のM9CA培地〔0.6%Na2HPO4,0.3%KH2PO4,0.0
5%NaCl,0.1%NH4Cl,0.2%カザミノ酸(デイフコ社
製),2mM MgSO4(別滅菌),0.2%グルコース(別滅
菌),100μg/mlアンピシリン(除菌)〕に移植し、37℃
で4〜5時間振盪培養した。これにクロラムフエニコー
ル170mgを添加し、更に37℃で15時間振盪培養した。こ
の培養液より遠心分離によつて菌体を集め、アルカリ溶
菌法(Birnboim,H.C.and Doly,J.,Nucleic Acids Res.,
7,1513(1979))とセシウム クロライド−エチジウム
ブロマイド密度勾配遠心法(Radloff,R.,Bauer,W.and
Vinograd,J.,Proc.Natl.Acad.Sci.,57,1514,(196
7))を組み合わせた方法(Maniatis,T.et al,Molecula
r Cloning,Cold Sproig Harbor Laboratory(1982))
に従つて、組換えプラスミドの存在を確認した。
さらに、詳細に解析を行う為に、本プラスミドに各種
制限酵素を作用させた後、アガロースゲル電気泳動法に
よつて切断パターンの解析を行つた。その結果に基づ
き、制限酵素地図(第1図)を作製したところ、本DNA
は、バチルス属細菌から単離された既知のセルラーゼ遺
伝子とは異なる独自の制限酵素地図を有する新規なもの
であることが判明した。
実施例5. エシエリヒア コリC600(pBK522)をLB液体培地(ア
ンピシリン入り)にて培養後、集菌した菌体をリン酸緩
衝液(pH7.0)に懸濁後、超音波破砕を行つた。再度、
遠心分離によつて不溶物を沈殿として取り除き、得られ
た上清液を無細胞抽出液とした。対照として、C600(pB
R-322)株についても同様に無細胞抽出液を調製しこれ
らのセルラーゼ活性を測定した。この結果、第1表に示
した様にC600(pBK522)株の無細胞抽出液にはセルラー
ゼ活性(グリシン緩衝液、pH9.0中)が認められた。
また、生産されたセルラーゼの作用pH及び最適作用pH
を求めたところ(第3図)、本酵素はpH10に最適作用pH
を有するアルカリセルラーゼであることが明らかとなつ
た。更に、無細胞抽出液のポリアクリルアミド電気泳動
を行い、活性染色を行つたところ(第4図)、バチルス
エスピー KSM-522株の生産するセルラーゼの内、E-I
Iに相当する泳動位置に活性が認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、バチルス エスピー KSM-522株由来のアル
カリセルラーゼをコードするDNA断片を示す図面であ
る。 第2図は、組換えプラスミドpBK522の制限酵素地図であ
る。 第3図は、組換えエシエリヒア コリC600(pBK522)株
の生産するセルラーゼの作用pH及び最適作用pHを示す図
面である。 第4図は、組換えエシエリヒア コリC600(pBK522)株
の無細胞抽出液をポリアクリルアミド電気泳動し更に活
性染色した結果を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/20 C12R 1:19) (56)参考文献 特開 平1−37286(JP,A) 特開 平1−37287(JP,A) 特開 平1−37288(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリセルラーゼをコードする、約10Kb
    の塩基対からなり、第1図に示す制限酵素地図を有する
    DNA断片。
  2. 【請求項2】アルカリセルラーゼをコードする、約10Kb
    の塩基対からなり、第1図に示す制限酵素地図を有する
    DNA断片を含有する組換えベクター。
  3. 【請求項3】アルカリセルラーゼをコードする、約10Kb
    の塩基対からなり、第1図に示す制限酵素地図を有する
    DNA断片を含有する組換えベクターを持つ組換え微生
    物。
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