JP2591220Y2 - フランジ付パイプ - Google Patents

フランジ付パイプ

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JP2591220Y2
JP2591220Y2 JP1993016706U JP1670693U JP2591220Y2 JP 2591220 Y2 JP2591220 Y2 JP 2591220Y2 JP 1993016706 U JP1993016706 U JP 1993016706U JP 1670693 U JP1670693 U JP 1670693U JP 2591220 Y2 JP2591220 Y2 JP 2591220Y2
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好勝 福田
哲夫 藤原
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株式会社サンライズテクノ
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、フランジ付パイプに関
し、詳細には、冷媒回路や油圧回路等の配管に使用され
るホースの相手側機器への接続用口金具のニップルとし
て用いられるフランジ付パイプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷媒回路や油圧回路等の配管
に使用されるゴムホースやフレキシブルホース等を、エ
アコンデショナや油圧機器等の相手側機器に接続する方
法としては、それらホース端に薄肉パイプ状の金属製ニ
ップルをかしめて一体に固着し、そのニップルを介して
相手部材に接続する方法が一般的に採用されている。ま
た、そのホース用ニップルを相手部材に取り付けるため
に、従来より種々の方法が採用されているが、例えば、
ニップルとして軽量で加工性に優れるAlまたはAl合
金製のパイプを用いる場合には、〔図5〕の (a)図およ
び (b)図に例示するように、ニップルとしてのパイプに
フランジを固着し、そのフランジを介して相手部材に取
り付けるフランジ付パイプが広く採用されている。
【0003】〔図5〕の (a)図に示すフランジ付パイプ
では、不活性ガス雰囲気下におけるティグないしミグ溶
接、またはロウ付によって、パイプ(51)の取付端部にフ
ランジ(52)を接合して両者を一体化させている。そし
て、当該フランジ付パイプは、フランジ(52)前面から突
出させたパイプ(51)の先端部(51a) を、相手部材(50)の
接続用の開口端(50a) に嵌入させ、該開口端(50a) の座
ぐり部(50b) に嵌着されているOリング(53)をフランジ
(52)前面で押圧するようして、ボルト(54)によってフラ
ンジ(52)を締結することで相手部材(50)に取着される。
一方、パイプ(51)の後端部(51b) には、ホース(55)がソ
ケット(56)でかしめられて固着される。また、同 (b)図
に示すフランジ付パイプでは、フランジ(52') の前面に
相手部材(50)の開口端(50a) 内に嵌入する突部(52a) が
形成されており、パイプ(51)の先端はフランジ(52') の
途中まで挿入されて接合されている。
【0004】しかし、これら従来のフランジ付パイプで
は、相手部材とフランジの間はOリングにより気密性が
保たれているが、フランジとパイプの間は溶接またはロ
ウ付による接合部(W) にて気密を保持させているので、
その気密性に対する信頼性を充分に確保し難いという問
題点を内在していた。また特に、そのハイプにホースが
取り付けられた後、それらの軸まわりに大きなトルクが
付加されると、パイプとフランジとが互いにずれて気密
性が大きく損なわれる場合がある。更に接合時の熱によ
ってパイプの硬度が変化し、そのパイプの後端部に曲げ
加工を施した時に、該パイプにくびれや折れなどの損傷
が生じることがある。また、接合後の熱処理や、フラッ
クス除去のための洗浄処理が必要となり、更にはアロジ
ン処理等の耐蝕処理や接合部の気密検査など、多くの工
程が必要となり、これによって製品コストが高くなると
いう問題点もあった。
【0005】そこで、これらの問題点を解消するための
検討が加えられ、例えば、特公平2−34700号公報
に開示されているように、溶接またはロウ付を行うこと
なく気密性を保つことができ、しかもパイプとフランジ
間の軸まわりのずれを防止できるフランジ付パイプが提
案されて実用に供されている。
【0006】この提案(特公平 2-34700号)に係るフラ
ンジ付パイプは、その要部断面図である〔図3〕の (a)
図に示すように、相手部材(20)に挿入される先端部(21
a) の根本部に環状のバルジ部(22)を有するパイプ(21)
と、その先端部(21a) が挿通されている挿通孔(24)およ
びボルト(27)を貫通させるボルト孔(26)を有し、該パイ
プ(21)を相手部材(20)に取り付けるためのフランジ(23)
とを備えてなる。また、そのバルジ部(22)は、パイプ(2
1)の先端部(21a) を軸方向に押圧して根本部の管壁を外
側に座屈・膨出させてフランジ(23)に押しつけることで
形成されている。また、フランジ(23)の挿通孔(24)の前
端部には、バルジ部(22)の形状に対応し、かつ、その平
面図である(b) 図に示すように、内底面に放射状の係合
溝(25a)を穿設した座ぐり部(25)が形成されている。一
方、パイプ(21)のバルジ部(22)の裏面には、軸方向の押
圧によって、フランジ(23)の係合溝(25a) に歯合する係
合歯(23a) が形成されており、その係合歯(23a) とフラ
ンジ(23)の係合溝(25a) との係合によって、当該パイプ
(21)とフランジ(23)とが一体化されている。
【0007】そして、このフランジ付パイプは、 (a)図
に示すように、そのパイプ(21)の先端部(21a) とバルジ
部(22)の一部を、相手部材(20)の開口端(20a) および座
ぐり部(20b) 内に嵌入させ、該座ぐり部(20b) に嵌着さ
れているリング(28)をバルジ部(22)前面で押圧するよう
にして、ボルト(27)によってフランジ(23)を締結するこ
とで相手部材(20)に取着される。また、ここでは図示を
省略したが、そのパイプ(21)の後端には、回路用のホー
スがソケットでかしめられて連結される。
【0008】このフランジ付パイプでは、Oリングを介
する相手部材との間の気密保持を、パイプのホースに連
結される部分と一体に形成されたバルジ部との間で行う
ことができ、また、パイプのバルジ部の係合歯とフラン
ジの係合溝との歯合によって、パイプに軸まわりのトル
クが加わった場合でもフランジとの間に軸まわりのずれ
が生じないように一体性を確保できる。従って、フラン
ジは単に相手部材への固着手段としての役割を果たすだ
けとなり、これによりパイプとフランジを溶接またはロ
ウ付することなく、相手部材とパイプ間の気密性を保つ
ことができる。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記従来のフ
ランジ付パイプ(特公平 2-34700号)は、パイプとフラ
ンジとを溶接またはロウ付で一体化した従前のものに比
べて、気密性に対する信頼性を高めることができると共
に、その製造工程数を格段に減少できるものの、これを
実施しようとした場合には、以下のような問題点が派生
する。
【0010】すなわち、この従来のフランジ付パイプ
は、その製造工程の概要説明図である〔図4〕に示すよ
うに、まずパイプ(21)の先端部(21a) をフランジ(23)の
挿通孔(24)に挿通し( (a)図)、次いでこのパイプ(21)
のフランジ(23)より後端側の外周をクランプ型(C) で拘
束する一方、その先端部(21a) を成形型(D) にて所定長
さ拘束し( (b)図)、続いてこの成形型(D) とクランプ
型(C) とを相対的に軸方向に押圧し、その先端部(21a)
の根本部の管壁を外側に座屈・膨出させてバルジ部(22)
を形成し( (c)図)、フランジ(23)と一体化させること
で製造される。そして、上記押圧に際して、フランジ(2
3)の挿通孔(24)の前端部に設けられた座ぐり部(25)が一
種の成形型とされ、この座ぐり部(25)内において、根本
部の管壁が外側に座屈・膨出させられて環状のバルジ部
(22)が形成されるのであるが、そのバルジ部(22)のフラ
ンジ(23)前面より前方に突出させた部位の外周縁部のR
を小さく形成することが困難である。
【0011】これは、バルジ部(22)の押圧成形に際し、
フランジ(23)の座ぐり部(25)が成形型となるため、座屈
・膨出させられた管壁の材料、特に成形型(D) 側となる
材料が、座ぐり部(25)内を充満する方向に優先的に流
れ、更にはその座ぐり部(25)の内周壁により半径方向の
流れを制約されることに起因すると考えられる。そのた
め、例えば同図に示すように、成形型(D) 側に、その内
底外周内角rを0.5mm以下とした成形凹部(D1)を設けて
バルジ部(22)前部の形状を規定しようとしても、形成さ
れるバルジ部(22)前面の外周縁部が、該成形凹部(D1)の
内角rに完全に沿う前に該バルジ部(22)の形成が終了し
てしまい、その前面の外周縁部におけるRの半径を 0.5
mm以下にすることができない。特に、座ぐり部(25)の底
面がテーパ状であるとその傾向が顕著となる。
【0012】そして形成されたバルジ部の前面の外周縁
部におけるRが大きくなると、その前面の環状平面が相
対的に小さくなり、このバルジ部を相手部材に挿入した
とき、両者間に介装されたOリングを安定して押圧・保
持することができず、Oリングが変形したり、外周側に
移動したりして、両者間の気密性を確保し難くなる。
【0013】そのため、この従来のフランジ付パイプで
は、そのパイプのバルジ部の前面を、Oリングを安定し
て押圧・保持できる環状平面を有するものとして気密性
を確保するには、そのバルジ部の外径を、外周縁部のR
の大きさの分だけ、Oリングの外径よりも大きくする必
要が生じる。しかし、バルジ部の外径を大きくすること
は、フランジおよび相手部材の座ぐり部の内径を大きく
設けることを意味し、そのために製造コスト増を招くだ
けでなく、バルジ部の座屈・張出し量の増加に伴い、張
出したパイプの外縁部の肉厚が減少すると共に、座屈部
位に割れが発生する危険性が高まり、内圧への対抗力お
よび気密性に対する信頼性が低下する。
【0014】本考案は、上記従来技術の問題点を解消す
べくなされたものであって、フランジを貫通させたパイ
プにバルジ部を形成して両者を一体化することで、パイ
プとフランジとの溶接またはロウ付が不要で経済性に優
れるものとしてなお、パイプとフランジとが軸まわりに
ずれることがなく、しかも、パイプと一体に形成されて
相手部材の開口端に嵌入されるバルジ部を、Oリングと
略同外径の比較的小さな外径のものとしても、Oリング
を安定して押圧・保持して相手部材との間の気密性を確
保できるフランジ付パイプの提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案は以下の構成とされている。すなわち、本
考案に係るフランジ付パイプは、相手部材(10)に装入さ
れる先端部(1a)の根本部に環状のバルジ部(2) を有する
パイプ(1) と、このパイプ(1) の先端部(1a)が挿通され
ているストレートの挿通孔(4) を有し、前記パイプ(1)
のバルジ部(2) の裏面を形成する機能および前記パイプ
(1) を相手部材(10)に取り付ける機能を有するフランジ
(3) とを備えてなるフランジ付パイプにおいて、前記フ
ランジ(3) の挿通孔(4) の前部開口端のコーナ部に斜め
半径方向を指向する係合溝(4a)が周方向に複数形成さ
、かつ前記パイプ(1) のバルジ部(2) の裏面に前記フ
ランジ(3) の係合溝(4a)側に形成されている平面部に密
接する平面部が形成されると共に、前記パイプ(1) のバ
ルジ部(2) の裏面の付根部に前記フランジ(3) の係合溝
(4a)と噛合する係合歯(2a)が形成されてなることを特徴
とする。
【0016】なお、本考案における「バルジ部(2) 」と
は、パイプ(1) の先端部(1a)の根本部を軸方向に押圧す
ることにより管壁を外側に座屈・膨出させ、更にその座
屈・膨出させた管壁をフランジ(3) の前面に押し付けて
つぶすことにより形成された、パイプ(1) と一体の環状
の突起である。
【0017】
【作用】本考案のフランジ付パイプは、特公平2−34
700号公報に開示されてなるフランジ付パイプと同様
に、相手部材(10)に装入される先端部(1a)と、Oリング
を抑えるバルジ部(2) と、ホースに連結される部分とが
一体に連続しているので、その流路の気密性が確保され
ている。すなわち流体と直接接触する部分はパイプ(1)
だけで、フランジ(3) は、気密保持には関与せず、単に
パイプ(1) の相手部材(10)に対する固着手段として用い
られるだけとなり、これによりパイプ(1)とフランジ(3)
との溶接またはロウ付を不要とすることができる。更
に、パイプ(1) のバルジ部(2) の係合歯(2a)とフランジ
(3) の係合溝(4a)とが噛合しているので、パイプ(1) と
フランジ(3) の一体性が確保でき、特にパイプ(1) に軸
まわりのトルクが作用した場合でも、該パイプ(1) とフ
ランジ(3) とが互いにずれることがない。
【0018】さらに、パイプ(1) のバルジ部(2) は、
パイプ(1) の先端部(1a)の根本部を軸方向に押圧し
屈・膨出させると共に、フランジ(3) の前面に押しつ
けてつぶすことにより形成されるのであるが、パイプ
(1) が挿通されているフランジ(3) の挿通孔(4) はスト
レートであり、またこのフランジ(3) の前面に平面部が
形成されているので、その前面に押しつけられたパイプ
(1) の肉厚部粉を軸方向に塑性流動させることなく、フ
ランジ(3) 前面に沿って半径方向に塑性流動させること
ができるので、バルジ部(2) 前面に、その外周縁部にお
けるRが小さい環状平面を形成させることが可能に
る。このように、バルジ部(2) 前面の環状平面の外周縁
部におけるRを小さくすることができるので、このバル
ジ部(2) の外径がOリングの外径と略同外径の比較的小
径であっても、先端部(1a)に嵌着されて相手部材(10)の
開口部に装入されたときに、バルジ部(2) の前面の環状
平面によってOリングを安定して押圧・保持して相手部
材(10)との間の気密性を確保することができる。
【0019】
【実施例】以下、本考案の実施例について図面を参照し
て説明する。〔図1〕は、本考案に係るフランジ付パイ
プの1実施例を示す図面であって、(a)図は要部断面
図、 (b)図はフランジの構成を説明するための平面図、
(c)図は (b)図のA−A断面図である。
【0020】〔図1〕の (a)図において、(10)は相手部
材であって、この相手部材(10)は、エアコンデショナや
油圧機器等であって、その前部には冷媒や油等を導入す
るための流体導入孔(11)が穿設されている。また、その
流体導入孔(11)の開口端には、座ぐり部(12)が形成され
ると共に、その座ぐり部(12)にOリング(13)が嵌着され
ている。
【0021】(1) はパイプであって、このパイプ(1)
は、Al合金製のもので、L字状に湾曲させられ、か
つ、その後端部(1b)にはホース(7) がソケット(8) と共
にかしめられて固着されている。また、このパイプ(1)
の相手部材(10)に挿入される先端部(1a)は、フランジ
(3) に設けられた挿通孔(4) に挿通されて、該フランジ
(3)の前方に突出させられると共に、その根本部には環
状のバルジ部(2) が形成されている。
【0022】ここで、フランジ(3) は、 (b)図に示すよ
うに、平面外郭形状を大小2つの円盤を連ねた眼鏡状に
形成されたAl合金製のもので、その大きな方の円盤部
の中央に、上記パイプ(1) の先端部(1a)が挿通されてい
る挿通孔(4) を有し、他方の小さな円盤部の中央に、締
結ボルト(6) を通すボルト孔(5) を有してなる。また、
このフランジ(3) の挿通孔(4) は、ストレート孔に形成
されると共に、その前部開口端のコーナ部には、 (b)図
に示すように、そのコーナ部を斜め半径方向(例えば中
心軸線に対して60度の傾斜角度)に切り欠いた形のV字
状断面形状の複数の係合溝(4a)が、周方向に所定ピッチ
間隔でもって形成されている。
【0023】翻って、パイプ(1) のバルジ部(2) は、後
述する押圧加工によって、前面が、その外周縁部におけ
るRの半径が 0.5mm以下である環状平面に形成されると
共に、裏面の内径側付根部に、前記フランジ(3) の係合
溝(4a)と歯合する係合歯(2a)が形成されており、その係
合歯(2a)とフランジ(3) の係合溝(4a)との係合によっ
て、該パイプ(1) とフランジ(3) とが強固に固着された
一体のフランジ付パイプとされている。
【0024】そして、当該フランジ付パイプは、そのフ
ランジ(3) のボルト孔(5) にセツトされた締結ボルト
(6) を介して相手部材(10)に取り付けられる。またこの
とき、フランジ(3) の前面から突出しているパイプ(1)
のバルジ部(2) およびバルジ部(2) は、 (a)図に示すよ
うに、相手部材(10)の流体導入孔(11)の開口端に嵌入さ
れ、その座ぐり部(12)に嵌着されているOリング(13)を
バルジ部(2) 前面で押圧・保持して閉じ込め、このOリ
ング(13)を介して相手部材(10)とパイプ(1) との間の気
密を保持するのである。
【0025】このように構成されると共に相手部材に取
り付けられる本実施のフランジ付パイプでは、パイプ
(1) の相手部材(10)に挿入される先端部(1a)と、Oリン
グ(13)に係合されるバルジ部(2) と、ホース(7) に連結
される後端部(1b)とが一体に連続しているので、その流
路の気密性が確保されている。すなわち、流体と直接接
触する部分はパイプ(1) だけで、フランジ(3) は、気密
保持には関与せず、単にパイプ(1) の相手部材(10)に対
する固着手段としての役割を果たすだけで良く、これに
よりパイプ(1) とフランジ(3) を溶接またはロウ付する
必要がなくなっている。また、パイプ(1) のバルジ部
(2) の係合歯(2a)と、フランジ(3) の係合溝(4a)とが互
いに歯み合っているので、外部からパイプ(1) などに加
わる軸まわりのモーメントに対しても充分に耐えること
ができる。
【0026】また、Oリング(13)に係合されるバルジ部
(2) の前面は、その外周縁部におけるRの半径を 0.5mm
以下と小くした環状平面に形成されているので、該バル
ジ部(2) の外径がOリング(13)と略同外径の比較的小さ
な径とされても、その前面の環状平面によってOリング
(13)を安定して押圧・保持して相手部材(10)との間の気
密性を確保することができる。
【0027】次に、本実施例のフランジ付パイプの製造
方法の1例を、その概要工程の説明図である〔図2〕を
参照して説明する。
【0028】まず、 (a)図に示すように、所定長さに切
断されると共に、両端部を面取り、または面取り後テー
パ加工されてなるAl合金製のパイプ(1) を製造する。
この時点ではパイプ(1) はバルジ部(2) のない単なるス
トレート管である。
【0029】またその一方で、型鍛造法や打抜法などに
より、平面外郭形状を2つの円盤を連ねた眼鏡状に形成
されたAl合金製のフランジ(3) を製造し、次いで、
(b)図に示すように、そのフランジ(3) に切削加工など
により挿通孔(4) およびボルト孔(5) を形成する。ここ
で、そのフランジ(3) の挿通孔(4) とボルト孔(5) はス
トレート貫通孔であり、これらは切削加工だけでなく、
型鍛造加工やプレスによる打抜加工によって形成するこ
とができる。
【0030】続いて、そのフランジ(3) の挿通孔(4) の
一方の開口端に向けて、 (c)図に示すように、先端テー
パ面に半径方向のV字状の突起を円周方向に複数設けた
パンチ(P) を押圧して、 (d)図に示すように、その挿通
孔(4) 開口端のコーナ部に、斜め半径方向に向かう複数
のV字状断面形状の係合溝(4a)を形成する。また、その
係合溝(4a)は、挿通孔(4) 開口端のコーナ部を、該挿通
孔(4) の中心軸線に対して60度の傾斜角度で斜め半径方
向にV字状断面でもって切り欠いた形に形成されると共
に、挿通孔(4) の周方向に所定ピッチ間隔でもって複数
形成される。
【0031】次いで、 (e)図に示すように、フランジ
(3) の挿通孔(4) にパイプ(1) の先端部(1a)を圧入して
貫通させ、両者を一体に組み上げる。ここでフランジ
(3) は係合溝(4a)を有する面を前方とし、またパイプ
(1) の先端部(1a)は、バルジ部(2)の形成に必要な余長
Lを根本部に持たせてフランジ(3) の前方に突出させ
る。
【0032】次いで、 (f)図に示すように、フランジ
(3) と一体に組み上げたパイプ(1) のフランジ(3) 後面
に近接する部位の外周をクランプ型(C) で拘束する一
方、その先端部(1a)を成形型(D) にて所定長さ拘束す
る。ここで、その成形型(D) は、パイプ(1) の先端部(1
a)を拘束する拘束凹部(D1)と、この拘束凹部(D1)の開口
端に形成された平円環状の成形凹部(D2)と、拘束凹部(D
2)の中心からパイプ(1) の内径と同径でもって柱状に突
出させられた心金(D3)とを備えてなる。また、本例で
は、成形型(D) の成形凹部(D2)は、その内底の外周内角
が半径 0.3mmのシャープなRを有するものとした。
【0033】続いて、この状態から成形型(D) とクラン
プ型(C) とを相対的に軸方向に押圧し、パイプ(1) の先
端部(1a)の根本部であって、外側から拘束を受けていな
い管壁を外側に座屈・膨出させながらフランジ(3) の前
面に押し付け、その管壁の材料を押しつぶして半径方向
に流し、 (g)図に示すように、成形型(D) の成形凹部(D
2)内に充満させて環状のバルジ部(2) を形成する。ま
た、このとき、フランジ(3) 前面に押し付けられた管壁
の材料の一部は、該フランジ(3) の挿通孔(4) のコーナ
部に形成されている係合溝(4a)内に流されるので、バル
ジ部(2) 裏面の内径側付根部には該係合溝(4a)に歯合す
る係合歯(2a)が形成される。また、係合溝(4a)は斜め半
径方向に形成されているので、軸方向の押圧にて管壁の
材料は該係合溝(4a)内に容易に流入し、これにより係合
歯(2a)の形成が確実なものとなる。
【0034】以上により、 (h)図に示すように、パイプ
(1) とフランジ(3) とが一体化されてなるフランジ付パ
イプとし、そのパイプ(1) の後端部(1b)にパイプを連結
すると共に、必要に応じてそのパイプ(1) の後部に曲げ
加工を施すのであるが、このフランジ付パイプでは、バ
ルジ部(2) の係合歯(2a)とフランジ(3) の係合溝(4a)と
の噛み合いによって一体化されているので、パイプ(1)
に軸まわりのトルクが加わった場合でも、該パイプ(1)
とフランジ(3) とが互いにずれることがない。
【0035】また、本実施例のフランジ付パイプでは、
パイプ(1) が挿通されているフランジ(3) の挿通孔(4)
はストレート孔に形成されているので、すなわち、従来
のフランジ付パイプのように挿通孔の前端部に座ぐり部
を設けてなく、そのフランジ(3) 前面は実質的に平面と
されているで、バルジ部(2) の押圧成形に際し、その前
面に押しつけられた管壁の材料を、軸方向への流れを規
制する一方、その前面に沿って半径方向に流して外周部
の材料の流動を高めることができる。また、これによ
り、管壁の座屈・膨出量を低く抑えても、管壁の材料を
成形型(D) の成形凹部(D1)内に容易に充満させて、形成
されたバルジ部(2) の前面を、その外周縁部におけるR
の半径が、成形型(D) の成形凹部(D1)の外周内角Rの半
径と略等しく、 0.5mm以下である環状平面とすることが
できる。
【0036】従って、本実施例のフランジ付パイプで
は、相手部材の開口端に嵌入されるバルジ部を、Oリン
グと略同外径の比較的小さな外径のものとしても、相手
部材の開口端に嵌合されたOリングを安定して押圧・保
持して気密性を確保できる。また、バルジ部を形成する
ための管壁の座屈・膨出量を低く抑えられるので、張出
したパイプの外縁部の肉厚減少を抑えると共に、座屈部
位に割れが発生する危険性を低め、これにより内圧への
対抗力および気密性に対する信頼性を高めることができ
る。更にまた、フランジの構成を従来技術のものよりも
簡易なものとして、その必要加工量を低め、これにより
製造コストを低減して経済性をより高めることができ
る。
【0037】なお、以上に述べた実施例は1例であっ
て、本考案はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。例えば、フランジの挿通孔開口端の係合溝は、その
形成が容易なものであればV字状以外の断面形状とされ
ても良く、また、フランジは、複数の締結ボルトないし
はボルト以外の締結手段によって相手部材に連結させる
形態のものとされても良い。また、バイプは必ずしもし
もL字状に湾曲させられなくても良いことは言うまでも
ない。
【0038】
【考案の効果】以上に述べたように、本考案に係るフラ
ンジ付パイプは、フランジを貫通させたパイプにバルジ
部を形成して両者を一体化することで、パイプとフラン
ジとの溶接またはロウ付が不要で経済性に優れるものと
してなお、パイプとフランジとが軸まわりにずれること
がなく、しかも、パイプと一体に形成されて相手部材の
開口端に嵌入されるバルジ部を、Oリングと略同外径の
比較的小さな外径のものとしても、Oリングを安定して
押圧・保持して相手部材との間の気密性を確保すること
ができる。また、バルジ部を形成するための管壁の座屈
・膨出量を低く抑えられるので、その張出し外縁部の肉
厚減少や、肉厚減少により該部位に割れが発生する危険
性を回避し、内圧への対抗力および気密性に対する信頼
性を高めることができ、更にまた、その構成を従来技術
のものよりも簡易なものとし、これにより製造コストを
低減して経済性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るフランジ付パイプの1実施例を示
す図面であって、 (a)図は要部断面図、 (b)図はフラン
ジの構成を説明するための平面図、 (c)図は (b)図のA
−A断面図である。
【図2】本実施例のフランジ付パイプの製造方法の1例
の概要工程の説明図である。
【図3】従来のフランジ付パイプを示す断面図である。
【図4】従来のフランジ付パイプの製造工程の概要説明
図である。
【図5】従来の別の2例のフランジ付パイプを示す断面
図である。
【符号の説明】
(1) --パイプ (1a)--先端部 (1b)--後端部 (2) --バルジ部 (2a)--係合歯 (3) --フランジ (4) --挿通孔 (4a)--係合溝 (5) --ボルト孔 (6) --締結ボルト (7) --ホース (8) --ソケット (10)--相手部材 (11)--流体導入孔 (12)--座ぐり部 (13)--Oリング。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相手部材(10)に装入される先端部(1a)の
    根本部に環状のバルジ部(2) を有するパイプ(1) と、こ
    のパイプ(1) の先端部(1a)が挿通されているストレート
    挿通孔(4) を有し、前記パイプ(1) のバルジ部(2) の
    裏面を形成する機能および前記パイプ(1) を相手部材(1
    0)に取り付ける機能を有するフランジ(3) とを備えてな
    るフランジ付パイプにおいて、前記フランジ(3) の挿通
    (4)の前部開口端のコーナ部に斜め半径方向を指向す
    る係合溝(4a)が周方向に複数形成され、かつ前記パイプ
    (1) のバルジ部(2) の裏面に前記フランジ(3) の係合溝
    (4a)側に形成されている平面部に密接する平面部が形成
    されると共に、前記パイプ(1) のバルジ部(2) の裏面
    根部に前記フランジ(3) の係合溝(4a)と噛合する係合
    歯(2a)が形成されてなることを特徴とするフランジ付パ
    イプ。
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