JP2591220B2 - 逆スターリングサイクル冷凍機の膨脹器 - Google Patents

逆スターリングサイクル冷凍機の膨脹器

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JP2591220B2 JP2030737A JP3073790A JP2591220B2 JP 2591220 B2 JP2591220 B2 JP 2591220B2 JP 2030737 A JP2030737 A JP 2030737A JP 3073790 A JP3073790 A JP 3073790A JP 2591220 B2 JP2591220 B2 JP 2591220B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般に極低温の発生に用いられる逆スターリ
ングサイクル冷凍機における作動媒体の膨脹器の構造に
関する。
〔従来の技術〕
極低温の発生に用いられる逆スターリングサイクル冷
凍機には圧縮機と膨脹器が構造的に分かれている分離型
冷凍機と圧縮機と膨脹器が構造的に一体となった一体型
冷凍機とがある。
第5図は従来の分離型冷凍機の構造の一例を示し、圧
縮機20と膨脹器21とが冷却器15を介して連通管10により
連通して接続されている。4は圧縮機20の圧縮シリン
ダ、3は圧縮シリンダ内を往復動自在な圧縮ピストン、
2は膨脹器21の膨脹シリンダ、1は膨脹シリンダ内を往
復動自在なディスプレーサである。膨脹シリンダ2の一
端部は被冷却体5を冷却する低温部6によって気密に密
閉され膨脹空間14が形成されている。ディスプレーサ1
の内部には、例えば、ステンレス鋼製の金網で作られた
蓄冷器7が設けられており、また、ディスプレーサ1の
一端は膨脹シリンダ2内の空間に、他端は膨脹シリンダ
保持体8内の空間にそれぞれ開口している。このディス
プレーサ1は膨脹シリンダ保持体8内の空間の底部にば
ね9によって連接されている。膨脹シリンダ2と圧縮シ
リンダ4とは冷却部15を備える連通管10と膨脹シリンダ
保持体8内の空間を介して連通され、これらの中に作動
媒体、例えば、ヘリウムあるいはアルゴンが封入されて
いる。冷却器15は第5図のように連通管10の表面に冷却
フィンを取り付けてもよいし、熱損失の量によっては単
に連通管10の表面の冷却効果のみでよい場合もある。圧
縮ピストン3は図示しない回転機によりコネクティング
ロッド11を介して往復動操作される。これによって生じ
た作動媒体の流れが、蓄冷器7を通過するときその流体
抵抗によって生じた力によって、ディスプレーサ1は駆
動され往復動する。蓄冷器7を含むディスプレーサ1の
質量,蓄冷器7の流体抵抗およびばね9によって振動系
が構成されており、圧縮ピストン3の駆動周期を適当に
選定することにより、ディスプレーサ1と圧縮ピストン
3とは相互に異なった位相で往復動する。圧縮ピストン
3とディスプレーサ1とが相互に異なった位相で同期的
に動くとき作動媒体は交互に圧縮と膨脹を繰り返し、こ
れによって膨脹シリンダの低温部6に低温を発生する。
これら一連の冷却作用については論文「フリーディスプ
レーサ冷凍」(低温工学の発展、14巻、1968年、361〜3
69頁)中に見出すことができる。
ディスプレーサ1の往復運動を安定して行わせるため
には、ディスプレーサ1と膨脹シリンダ2との間の摩擦
抵抗を極力小さくすることが必要で、ディスプレーサ1
の両端部近傍には、第4図(a)に示すように、例え
ば、弗素系樹脂のような摩擦係数の小さい材料で作られ
たシール兼ガイドが装備される。12は低温側に装備され
たシール兼ガイドであり、13は高温側に装備されたシー
ル兼ガイドである。これらシール兼ガイド12,13はディ
スプレーサ1の外壁と膨脹シリンダ2の内壁間をシール
して、この空隙を通じて低温部6近傍の低温の作動媒体
が温度の高い膨脹シリンダ保持体8側へ漏れ出たり、あ
るいはその逆の経路で温度の高い部分の作動媒体が低温
部6近傍に浸入して低温部6の温度を上昇させたりして
冷凍機の冷却能力が低下することを防ぐとともに、軽く
膨脹シリンダの内壁に触れてディスプレーサの動きをガ
イドする。しかし、この摩擦抵抗が大きいと、これによ
る発熱が冷凍機の冷却能力を低下させるので、シール兼
ガイド12および13は、前記のように摩擦係数の小さい材
料で作るとともに、膨脹シリンダ2の内壁との間にたか
だか数ミクロン乃至数十ミクロンの微小間隙のシール兼
ガイドとし、摩擦抵抗の低下と作動媒体の漏れの防止の
双方の作用を行わせるようにしている。14はこの微小間
隙である。ディスプレーサ1や膨脹シリンダ2の管壁
は、これらを通じて温度の高い膨脹シリンダ保持体8側
から低温部6に熱伝導により熱が侵入して冷却能力を低
下させるのを抑制するため、高い熱抵抗を有するように
薄肉に作られている。
第6図は、更に、従来の一体型冷凍機の構造の一例を
示し、圧縮機120と冷却器115と膨脹器121とが一体に構
成されており、圧縮機120と膨脹器121が冷却器115を介
して流路112により連通して結合されている。冷却器115
は第6図のように流路112に沿って冷却フィンを取り付
けてもよいし、熱損失の量によっては単に構成体表面の
冷却のみでよい場合もある。116は圧縮機120の圧縮シリ
ンダ、103は膨脹器121の膨脹シリンダで、圧縮シリンダ
116内ではピストン111が、膨脹シリンダ103内ではディ
スプレーサ105が相互に異なった位相で往復動するよう
操作される。ディスプレーサ105は、内部に蓄冷器104を
有し、低温側にガイド102と、常温側にシール106,107お
よびガイド108が設けられる。ディスプレーサ105はコネ
クティングロッド113を介して、クランク軸109に連結さ
れ、ピストン111はコネクティングロッド110を介してク
ランク軸に連結される。クランク軸109は図示しない電
動機により駆動され、ディスプレーサ105とピストン111
とは相互に異なった位相で往復動する。ガイド102,108
は摩擦抵抗の小さい、例えば、弗素系樹脂で作られ、膨
脹シリンダ103の内壁との間の間隙は、ガイドとシリン
ダ内壁間にかじりが生じない程度に大きく取る。シール
106,107は常温側にあり、この摩擦抵抗による発熱は低
温側のように直接冷却能力に影響しないので、シール効
果のよい接触形が用いられ、例えば、弾性のあるU字形
断面ゴムのシールリングに軽い緊迫力を与えるためのば
ねを組合わせたシールが用いられる。冷却作用について
は前述の分離形の場合と同様である。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述の逆スターリングサイクル冷凍機の膨脹器につい
ては次の問題点がある。
先ず、分離型冷凍機の膨脹器については、冷却能力の
低下を抑制するために膨脹シリンダ2およびディスプレ
ーサ1の管壁は薄肉に作られるが、薄肉の加工は一般に
加工時被加工体が変形し、高精度が得られない問題があ
る。ディスプレーサに装備されたシール兼ガイドと膨脹
シリンダの間隙は数ミクロン乃至数十ミクロンの微小間
隙であり、僅かの加工精度不良あるいは製造後の僅かの
変形によっても第4図(b)に示すように膨脹シリンダ
2の内壁とディスプレーサ1に装備されたシール12,13
が強く接触する。このように強く接触するとこれらの間
に生じた摩擦抵抗によってディスプレーサ1の往復動が
不安定になるとともに、この摩擦により生じる熱は冷凍
機の低温側で生じるため、直接冷凍出力に影響し、その
冷却能力を著しく低下させる。
次に、一体型冷凍機の膨脹器については、前述したよ
うに、ディスプレーサはコネクティングロッドを介して
駆動されるが、この場合ロッドの傾き角(第6図のΦ)
に応じて横力が発生する。この横力はガイド102,108で
受けるが、ガイド102は低温側にあり、ここで生じた摩
擦抵抗による発熱は直接冷却能力を低下させる。また、
この横力は膨脹シリンダおよびディスプレーサに曲げ応
力を発生するので、これらの断面形状はこの応力に耐え
る面積が必要で、このため熱伝導による損失が増加し、
同様、冷却能力を低下させる。
本発明の課題は前述の問題点を解決して、膨脹シリン
ダの内壁とディスプレーサに装備されたシール兼ガイド
あるいはガイドの強い接触によって生じる動作の不安定
ならびに摩擦熱を防止した冷却能力の大きい膨脹器の構
造を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕 前述の課題を解決するために、本発明においては、被
冷却体を冷却する低温部により一端部が気密に密閉され
胴内に作動媒体の膨脹空間を形成する膨脹シリンダと、
このシリンダに対し前記膨脹空間を挟んで配置されシリ
ンダ内を軸方向に往復自在なディスプレーサと、このデ
ィスプレーサに設けられ作動媒体のシールおよびディス
プレーサの運動のガイドを行うシール兼ガイドとからな
り、前記膨脹シリンダの他端部は作動媒体の圧縮機に連
通して結合され、ディスプレーサはこの作動媒体の圧力
により往復動操作される逆スターリングサイクル冷凍機
の膨脹器において、前記膨脹シリンダおよびディスプレ
ーサは軸方向に薄肉部と厚肉部とを有し薄肉部からなる
膨脹シリンダの一端部は被冷却体を冷却する低温部によ
り気密に密閉されその胴内に作動媒体の膨脹空間を形成
し、シール兼ガイドはディスプレーサの厚肉部に設けら
れ対向する膨脹シリンダの厚肉部内壁で摺動するように
すると共に、ディスプレーサはそれぞれ別個に作られた
薄肉部と厚肉部とが気密に接合されたものであり、かつ
このディスプレーサの薄肉部は合成樹脂で成るものとす
る。あるいは、被冷却体を冷却する低温部により一端部
が気密に密閉され胴内に作動媒体の膨脹空間を形成する
膨脹シリンダと、このシリンダに対し前記膨脹空間を挟
んで配置されシリンダ内を軸方向に往復自在なディスプ
レーサと、このディスプレーサに設けられた作動媒体の
シールおよびディスプレーサの運動のガイドとからな
り、前記膨脹シリンダの他端部は作動媒体の圧縮機に関
連して結合され、ディスプレーサはこれに結合されたコ
ネクティングロッドを介して圧縮機の回転機により往復
動操作される逆スターリングサイクル冷凍機の膨脹器に
おいて、前記膨脹シリンダおよびディスプレーサは軸方
向に薄肉部と厚肉部とを有し薄肉部からなる膨脹シリン
ダの一端部は被冷却体を冷却する低温部により気密に密
閉されその胴内に作動媒体の膨脹空間を形成し、シール
およびガイドはディスプレーサの厚肉部に設けられ対向
する膨脹シリンダの厚肉部内壁で摺動するようにすると
共に、ディスプレーサはそれぞれ別個に作られた薄肉部
と厚肉部とが気密に接合されたものであり、かつこのデ
ィスプレーサの薄肉部は合成樹脂で成るものとする。更
にまた、前述の各逆スターリングサイクル冷凍器の膨脹
器において、軸方向に薄肉部と厚肉部とを有する膨脹シ
リンダはそれぞれ別個に作られた薄肉部と厚肉部とが気
密に接合されてなるようにする。
〔作用〕
本発明においては、先ず分離型について、膨脹シリン
ダおよびディスプレーサはそれぞれ軸方向に薄肉部と厚
肉部とを有するようにしシール兼ガイドはディスプレー
サの厚肉部に設け膨脹シリンダの厚肉部の内壁で摺動す
るようにした。これら厚肉部は加工時変形を受けにくく
高精度で製造できる。また製造後も変形を生じることも
ないので、この間隙を数ミクロン乃至数十ミクロンの微
小間隙としても、シール兼ガイドと膨脹シリンダの内壁
間で強い接触を生じることはなくなる。次に一体型にお
いては、同様、膨脹シリンダおよびディスプレーサはそ
れぞれ軸方向に薄肉部と厚肉部とを有するようにし、シ
ールおよびガイドはディスプレーサの厚肉部に設け膨脹
シリンダの厚肉部の内壁で摺動するようにした。コネク
ティングロッドの傾き角に応じて発生する横力は、この
厚肉部のガイドで受けるので、低温側の薄肉部に曲げ応
力がかからなくなる。これにより、これら薄肉部の断面
積が減少でき熱伝導による損失を低下できる。上記の分
離型ならびに一体型において、ディスプレーサは別個に
作られた薄肉部と厚肉部とを気密に接合したので、ディ
スプレーサの加工は容易となり、精度の高い装置を実現
できる。また、ディスプレーサの薄肉部を合成樹脂で成
るものとしたので、この部分での熱抵抗を大きくするこ
とができる。また、これら分離型および一体型におい
て、膨脹シリンダを加工の容易なように薄肉部と厚肉部
とに分け別個に製作し、これを気密接合することで一体
化することで精度の高い加工が容易となった。これによ
ってシール兼ガイドあるいはガイドが膨脹シリンダの内
壁との間で強く接触することが避けられる。
〔実施例〕
第1図は本発明の一実施例による逆スターリングサイ
クル冷凍機の膨脹器の要部の断面部である。この図は分
離型における例で、膨脹シリンダ201は熱抵抗の大きい
薄肉部201Aと機械強度の大きい厚肉部201Bとからなって
いる。この薄肉部201Aからなる膨脹シリンダの一端部は
被冷却体を冷却する低温部202により気密に密閉され、
その胴内に作動媒体の膨脹空間223が形成されている。2
10はディスプレーサで熱抵抗の大きい薄肉部210Aと機械
強度の大きい厚肉部210Bとが、溶接などの方法で気密に
接合されている。薄肉部210Aは、この構造では、曲げ応
力がかからないので熱抵抗率の大きい合成樹脂を用いる
こともできる。この薄肉部210Aの内部に蓄冷器212が収
容される。シール兼ガイド214,215はディスプレーサ210
の厚肉部の両端部にそれぞれ設けられ、膨脹シリンダ20
1の厚肉部201Bの内壁との間で摺動する。このシール兼
ガイドは摩擦抵抗の小さい、例えば、四弗化エチレン樹
脂に充填剤を配合した弗素系樹脂からなり、膨脹シリン
ダの内壁との間隙は数ミクロン乃至数十ミクロンの微小
間隙となっている。ディスプレーサ210はばね220によっ
て膨脹シリンダ201の厚肉部からなる他端部に設けられ
た密閉蓋222に連結される。密閉蓋222に取り付けられた
連通管226により図示されない作動媒体の圧縮機に連通
して結合される。その他の構造および冷却作用について
は、第5図に示す従来の逆スターリングサイクル冷凍機
の膨脹器と同様であるが、第5図に比して、低温側にシ
ール兼ガイドがなく、低温側における摩擦抵抗による発
熱が除かれるので冷却能力は一層高められる。
第2図は本発明の異なる実施例による逆スターリング
サイクル冷凍機の膨脹器の要部の断面図で、この例では
一体型の場合を示している。膨脹シリンダ201は熱抵抗
の大きい薄肉部201Aと機械強度の大きい厚肉部201Bとか
らなっている。この薄肉部からなる膨脹シリンダの一端
部は被冷却体を冷却する低温部202により気密に密閉さ
れ、その胴内に作業媒体の膨脹空間223が形成されてい
る。210はディスプレーサで、熱抵抗の大きい圧縮機210
Aと機械強度の大きい厚肉部210Bとが、溶接などの方法
で気密に接合されている。薄肉部210Aは、この構造で
は、曲げ応力がかからないので、熱抵抗率の大きい合成
樹脂も用いることができる。この薄肉部210Aの内部に蓄
冷器212が収容される。シール251,252とガイド253,254
とがそれぞれ一対として厚肉部の両端部にそれぞれ設け
られ、膨脹シリンダ201の厚肉部201Bの内壁との間で摺
動する。このガイドは摩擦抵抗の小さい、例えば、四弗
化エチレン樹脂に充填剤を配合した弗素系樹脂からな
り、膨脹シリンダの内壁との間の間隙は、ガイドとシリ
ンダ内壁間にかじりが生じない程度に大きく取る。シー
ルはシール効果のよい接触形が用いられ、例えば、弾性
のあるU字形断面ゴムのシールリングに軽い緊迫力を与
えるためのばねを組合わせたシールが用いられる。ディ
スプレーサ210はこれに接合されたコネクティングロッ
ド255を介して図示されていない作業媒体の圧縮機の回
転機により駆動される。シール251と252との間より連通
孔256を介して圧縮機に連通して結合される。その他の
構造および冷却作用については、第6図に示す従来の逆
スターリングサイクル冷凍機の膨脹器と同様であるが、
第6図に比して低温側のガイドがなく、低温側における
摩擦抵抗による発熱が除かれるので冷却能力は一層高め
られる。
第3図は本発明の更に異なる実施例を示し、この例で
は軸方向に薄肉部301Aと厚肉部301Bとを有する膨脹シリ
ンダ301は別個に作られた薄肉部と厚肉部とが接合部306
で気密に接合されて一体構造となっている。薄肉部と厚
肉部とをそれぞれの肉厚に応じて別個に製作すると加工
が容易となるとともに、高精度を必要とする厚肉部は軸
方向に短い加工長となり、加工が難しい薄肉部は第1図
および第2図の実施例では高精度の加工を必要としなく
なる。これらを気密結合することにより必要個所が高精
度の膨脹シリンダが得られる。この場合、薄肉部と厚肉
部との軸合わせの精度はその製造方法から多少出しにく
い点はあるが、これらの実施例ではシール兼ガイド307,
308は精度の高いディスプレーサの厚肉部に取り付けら
れ、精度の高い膨脹シリンダの厚肉部の内壁で摺動する
ようにしているので、軸合わせの精度は作用に全く影響
せず、シール兼ガイドと膨脹シリンダの内壁との間で強
い接触を生じ冷却能力が低下することがなくなる。第3
図は第1図の実施例に適用した場合を示したが、第2図
の実施例に対しても同様に適用することができる。
〔発明の効果〕 本発明によれば、先ず分離型について、膨脹シリンダ
およびディスプレーサはそれぞれ軸方向に薄肉部と厚肉
部とを有するようにし、シール兼ガイドは加工精度が高
いディスプレーサの厚肉部に設け、同様加工精度の高い
膨脹シリンダの厚肉部の内壁で摺動するようにしたの
で、シール兼ガイドが膨脹シリンダの内壁に強く接触す
ることがなくなり、冷却能力が低下することがなくなっ
た。更に、従来低温側に設けられていた一方のシール兼
ガイドがなくなり、低温側で発生する摩擦抵抗による発
熱が全くなくなり、冷却能力は一層向上した。
次に、一体型では、分離型と同様、膨脹シリンダおよ
びディスプレーサはそれぞれ軸方向に薄肉部と厚肉部と
を有するようにし、シールおよびガイドは加工精度が高
いディスプレーサの厚肉部に設け、同様加工精度の高い
膨脹シリンダの厚肉部の内壁で摺動するようにした。コ
ネクティングロッドの傾き角に応じて発生する横力は、
この厚肉部のガイドで受けるので、膨脹シリンダおよび
ディスプレーサには曲げ応力がかからずこの薄肉部の断
面積を減少できた。これによりその熱伝導により損失を
低下したので冷却能力は大きく向上した。更に、従来低
温側に設けられていた一方のガイドがなくなり、低温側
で発生する摩擦抵抗による発熱が全くなくなり、冷却能
力は一層向上した。上記の分離型ならびに一体型におい
て、ディスプレーサは別個に作られた薄肉部と厚肉部と
を気密に接合したので、ディスプレーサの加工は容易と
なり、精度の高い装置を実現できる。また、ディスプレ
ーサの薄肉部を合成樹脂で成るものとしたので、この部
分での熱抵抗を大きくすることができる。
更に、これらの膨脹シリンダを加工の容易なように薄
肉部と厚肉部とに分け、別個に製作し、これを気密接合
することで一体化することで必要個所の加工精度を上げ
た。これによりシール兼ガイドあるいはガイドが膨脹シ
リンダとの間で強く接触することが避けられ、冷却能力
の低下がより少なくなった。また、これにより高精度を
必要とする厚肉部は加工が容易になるとともに軸方向に
短い加工長となり、加工が難しい薄肉部は高精度の加工
を必要としなくなったので、一体化のための接合工数が
増加したにかかわらず、全体としての製造コストは大幅
に低下した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による逆スターリングサイク
ル冷凍機の膨脹器の要部の断面図、第2図および第3図
はそれぞれ本発明の異なる実施例による逆スターリング
サイクル冷凍機の膨脹器の要部断面図、第4図は従来の
分離型逆スターリングサイクル冷凍機の膨脹器の要部の
断面図で(a)は加工精度が良好な場合を示す図、
(b)は加工精度が不良な場合を示す図、第5図は従来
の分離型逆スターリングサイクル冷凍機の断面図、第6
図は従来の一体型逆スターリングサイクル冷凍機の断面
図である。 201,301:膨脹シリンダ、201A,301A:薄肉部(膨脹シリン
ダの)、201B,301B:厚肉部(膨脹シリンダの)、202:被
冷却体を冷却する低温部、210:ディスプレーサ、210A:
薄肉部(ディスプレーサの)、210B:厚肉部(ディスプ
レーサの)、214,215,307,308:シール兼ガイド、223:作
業媒体の膨脹空間、226:連通管、251,252:シール、253,
254:ガイド、255:コネクティングロッド、256:連通孔。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被冷却体を冷却する低温部により一端部が
    気密に密閉され胴内に作動媒体の膨張空間を形成する膨
    張シリンダと、このシリンダに対し前記膨張空間を挟ん
    で配置されシリンダ内を軸方向に往復自在なディスプレ
    ーサと、このディスプレーサに設けられ作動媒体のシー
    ルおよびディスプレーサの運動のガイドを行うシール兼
    ガイドとを備え、前記膨張シリンダの他端部は作動媒体
    の圧縮機に連通して結合され、ディスプレーサはこの作
    動媒体の圧力により往復動操作される逆スターリングサ
    イクル冷凍機の膨張器において、 前記膨張シリンダおよびディスプレーサは軸方向に薄肉
    部と厚肉部とを有し薄肉部からなる膨張シリンダの一端
    部は被冷却体を冷却する低温部により気密に密閉されそ
    の胴内に作動媒体の膨張空間を形成し、シール兼ガイド
    はディスプレーサの厚肉部に設けられ対向する膨張シリ
    ンダの厚肉部内壁で摺動するようにすると共に、前記デ
    ィスプレーサはそれぞれ別個に作られた薄肉部と厚肉部
    とが気密に接合されたものであり、かつこのディスプレ
    ーサの薄肉部は合成樹脂で成ることを特徴とする逆スタ
    ーリングサイクル冷凍機の膨張器。
  2. 【請求項2】被冷却体を冷却する低温部により一端部が
    気密に密閉され胴内に作動媒体の膨張空間を形成する膨
    張シリンダと、このシリンダに対し前記膨張空間を挟ん
    で配置されシリンダ内を軸方向に往復自在なディスプレ
    ーサと、このディスプレーサに設けられた作動媒体のシ
    ールおよびディスプレーサの運動のガイドとを備え、前
    記膨張シリンダの他端部は作動媒体の圧縮機に連通して
    結合され、ディスプレーサはこれに結合されたコネクテ
    ィングロッドを介して圧縮機の回転機により往復動操作
    される逆スターリングサイクル冷凍機の膨張器におい
    て、 前記膨張シリンダおよびディスプレーサは軸方向に薄肉
    部と厚肉部とを有し薄肉部からなる膨張シリンダの一端
    部は被冷却体を冷却する低温部により気密に密閉されそ
    の胴内に作動媒体の膨張空間を形成し、シールおよびガ
    イドはディスプレーサの厚肉部に設けられ対向する膨張
    シリンダの厚肉部内壁で摺動するようにすると共に、前
    記ディスプレーサはそれぞれ別個に作られた薄肉部と厚
    肉部とが気密に接合されたものであり、かつこのディス
    プレーサの薄肉部は合成樹脂で成ることを特徴とする逆
    スターリングサイクル冷凍機の膨張器。
  3. 【請求項3】請求項1あるいは2記載の逆スターリング
    サイクル冷凍機の膨張器において、 軸方向に薄肉部と厚肉部とを有する膨張シリンダはそれ
    ぞれ別個に作られた薄肉部と厚肉部とが気密に接合され
    てなることを特徴とする逆スターリングサイクル冷凍機
    の膨張器。
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