JP2591218Y2 - 印刷用インキの供給装置 - Google Patents

印刷用インキの供給装置

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JP2591218Y2
JP2591218Y2 JP1992088839U JP8883992U JP2591218Y2 JP 2591218 Y2 JP2591218 Y2 JP 2591218Y2 JP 1992088839 U JP1992088839 U JP 1992088839U JP 8883992 U JP8883992 U JP 8883992U JP 2591218 Y2 JP2591218 Y2 JP 2591218Y2
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貞征 芦原
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八光記録紙工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、印刷用インキの供給装
置に係り、特に、印刷用インキの供給量を均一とするこ
とのできる印刷用インキの供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、書物、新聞、カタログ等の大半
は、オフセット、凸版、凹版等の各種の印刷装置により
大量印刷されている。
【0003】そして、このような印刷装置においては、
インキ壷内の印刷用インキを、複数のインキロールを介
して所望の版に供給し、用紙などの記録媒体に印刷する
ようにされている。
【0004】このような印刷装置に用いられる従来の印
刷用インキの供給装置について、図4により説明する。
【0005】図4は従来の印刷用インキの供給装置の要
部を示す斜視図である。
【0006】図4に示すように、従来の印刷用インキの
供給装置1は、相互に平行に配置されたロール体2とブ
レード部材3とにより、相互間に所望の印刷用インキ4
を貯留するインキ壷5が形成されるようになっている。
そして、ロール体2は、例えば直径70mm以上、長さ
500〜2000mm程度とされ、図示しない適宜なフ
レームに回転自在に支持されており、ブレード部材3は
略平板状とされている。さらに、ロール体2の外周面6
とブレード部材3のロール体2と対向する先端部7と
は、適宜な間隔αを隔てて相互に平行に配置されてい
る。また、ブレード部材3のロール体2と対向する先端
部7の近傍には、ブレード部材3とロール体2の外周面
6との間隔αを調整する間隔調整部材としての複数の調
整ねじ8がロール体2の軸方向に適宜な間隔をもって、
図示しない適宜なフレームに固着された所望の支持部材
9を介して配置されている。
【0007】そして、このように構成された従来の印刷
用インキの供給装置1においては、所望の印刷用インキ
4をインキ壷5に投入するとともに、ロール体2を図に
おいて矢印にて示す反時計方向に回転させ、ロール体2
の外周面6にロール体2とブレード部材3の先端部7と
の間隙αにより形成される図において破線にて示すイン
キ膜10を形成する。その後、ロール体2の外周面6に
形成されるインキ膜10と接離自在とされた図において
2点鎖線にて示す適宜なインキロール11をインキ膜1
0に接触させて、インキロール11上にインキ膜10を
転写させる。その後、インキロール11を図示しない複
数のインキロール群側に移動させてインキ膜10を受け
渡し、当該インキロール群を介して所望の版に印刷用イ
ンキを供給するようになっている。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の印刷用インキの供給装置1においては、ロール
体2の外周面6に形成されるインキ膜10の厚さがロー
ル体2とブレード部材3の先端部7との間隔αにより決
定されるようになっており、ロール体2の外周面6とブ
レード部材3の先端部7との間隔αを複数の調整ねじ8
により調節可能とされているものの、印刷用インキ4の
粘度が比較的高いことによる印刷用インキ4のインキ膜
10形成時の圧力で、図5に示すように、調整ねじ8に
支持されている部分の間隔α01に比べて調整ねじ8に支
持されていない部分の間隔α02が大きくなり、ロール体
2の外周面6とブレード部材3の先端部7との間隔αが
軸方向に不均一になるという問題点があった。
【0009】すなわち、ロール体2の外周面6に形成さ
れるインキ膜10の厚さがロール体2の軸方向に対して
不均一となり、このインキ膜10をインキロール11に
転写させると、インキロール11に転写されたインキ膜
10aも軸方向にほぼ同一形状となり、インキ膜10a
の径方向の断面積(インキ量)が軸方向の部分により異
なることとなって、軸方向のインキ膜10aの厚さが厚
い部分と薄い部分とが生じ、結果として図示しない版に
均一な印刷用インキ4を供給することが困難であるとい
う問題点があった。
【0010】本考案はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、前述した従来のものにおける問題点を克服し、
簡単な構造で、インキの供給量を軸方向に均一とする
ともに、インキの供給量を可変自在とすることのできる
印刷インキの供給装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため請求項1に記載の本考案の印刷インキの供給装置
は、回転自在に支持されたロール体の外周面に軸方向の
インキ量を均一とするインキ溜を形成するとともに、前
記ロール体の外周面の軸方向に略平板状の弾性変形自在
ブレード部材を弾圧して当接させてインキ壷を形成
し、前記ロール体に対する前記ブレード部材の当接力を
調節自在として、前記インキ壷内のインキの動圧に応じ
て前記ブレード部材を弾性変形させることによりブレー
ド部材とロール体の外周面との間の当接力の大きさを調
整させて、ロール体の外周面に対するインキ供給量を可
変自在に形成してなることを特徴としている。
【0012】そして、請求項2に記載の本考案の印刷用
インキの供給装置は、請求項1において、前記ブレード
部材が変形防止体により支持されていることを特徴とし
ている。
【0013】
【0014】
【作用】前述した構成からなる本考案の印刷用インキの
供給装置によれば、ロール体とブレード部材の先端部と
弾圧して当接させてインキ壷を形成するとともに、ロ
ール体の外周面に軸方向のインキ量が均一なインキ溜を
凹設することにより、軸方向に均一な厚さの印刷用イン
キを容易に供給することができる。更に、前記ロール体
に対する前記ブレード部材の当接力を調節自在として、
前記インキ壷内のインキの動圧に応じて前記ブレード部
材を弾性変形させることによりブレード部材とロール体
の外周面との間の当接力の大きさを調整させて、ロール
体の外周面に対するインキ供給量を可変自在にすること
ができる。
【0015】
【実施例】以下、本考案の実施例を図1から図3により
説明する。
【0016】図1は本考案に係る印刷用インキの供給装
置の要部を示す斜視図である。
【0017】図1に示すように、本実施例の印刷用イン
キの供給装置12は、ロール体13とブレード部材14
とにより、相互間に所望の印刷用インキ15を貯留する
インキ壷16が形成されるようになっている。
【0018】前記ロール体13は、例えば直径70mm
以上、長さ500〜2000mm程度とされ図示しない
適宜なフレームに回転自在に支持されるとともに、図示
しないモータ等の適宜な駆動源により回転駆動されるよ
うになっっている。そして、ロール体13の外周面17
の両端部を除く所定部分には、軸方向のインキ量を均一
とするインキ溜としての適宜な多条螺旋溝18が凹設さ
れている。
【0019】前記ブレード部材14は、鋼またはステン
レス鋼等の弾性体により略平板状に形成され、その一端
が前記ロール体13の図において下方左側の外周面17
に当接されている。そして、ブレード部材14を図にお
いて下方から支持するようにして剛性体により形成され
た変形防止体としての略平板状のブレード支持部材19
が配置されている。このブレード支持部材19は、ブレ
ード部材14の少なくともロール体13と当接する先端
部20からロール体13方向に突出しないようにして、
調節自在とされた当接力をもって当接されている。すな
わち、ブレード部材14の先端部20は、ブレード支持
部材19によりロール体13の外周面17に向かって調
節自在な当接力をもって付勢されている。
【0020】つぎに、前述した構成からなる本実施例の
作用について図1から図3について説明する。
【0021】図2は本実施例の印刷用インキの供給装置
を凸版印刷装置に用いた一実施例の要部を示す模式図で
あり、図3は印刷用インキの供給状態を説明する模式図
である。
【0022】図2に示すように、本実施例の印刷用イン
キの供給装置12を用いた凸版印刷装置21は、図示し
ない適宜なフレームにインキの供給方向上流側から順
に、図1に示す印刷用インキの供給装置12と、印刷用
インキの供給装置12のロール体13の外周面17と平
行で、かつ、回転自在なインキロール群22と、回転自
在なシリンダ状の所望の凸版23と、ゴム様弾性体によ
り形成された回転自在なインプレッションシリンダ24
とが配置されている。そして、前記凸版23とインプレ
ッションシリンダ24とは、記録媒体としての用紙25
を介して適宜な圧接力をもって当接されており、用紙2
5を図において矢印にて示すように走行可能としてい
る。
【0023】前記インキロール群22は、インキの供給
方向上流側から順に、ゴム様弾性体により形成された適
宜なインキロール26a,26b,26cと適宜な金属
からなる金属ロール27a,27bとがその外周面どう
しを所望の当接力をもって接触するようにして交互に配
置されている。そして、インキの供給方向の最上流側に
位置するインキロール26aは、前記ロール体13の外
周面17と、インキの供給方向下流側に位置する金属ロ
ール27aの表面との間を図において両矢印にて示すよ
うに接離自在に可動とされている。さらに、インキの供
給方向最下流側に位置するインキロール26cは、前記
凸版23と所望の当接力をもって当接されている。ま
た、ロール体13に隣位するインキロール26aを除く
他のインキロール26b,26cは軸方向に所望のスト
ロークをもって往復動可能とされている。
【0024】この状態において、インキ壷16に所望の
印刷用のインキ15を投入し凸版印刷装置21を稼働さ
せると、印刷用インキの供給装置12においては、ロー
ル体13が反時計方向に回転を開始する。
【0025】すると、ブレード部材14の先端部20が
ブレード支持部材19により調節自在な当接力を付与さ
れてロール体13の外周面17と当接されているため、
インキ壷16内の印刷用インキ15は、図1に示すロー
ル体13の外周面17に凹設されたインキ溜としての多
条螺旋溝18内に充填されることとなる。また、この場
合に、少なくともブレード部材14の先端部20は、ブ
レード支持部材19によって波打ち等の変形が確実に防
止された状態を保持することができる。
【0026】つぎに、所定のタイミングをもってロール
体13に隣位するインキロール26aをロール体13に
当接させることにより、このインキロール26aはイン
キの供給方向下流側に位置する金属ロール27aから離
間する。そして、図3に示すように、インキロール26
aの表面には、ロール体13の多条螺旋溝18内に充填
された図において斜線にて示す印刷用インキ15がその
形状を保持した状態で転写される。つまり、インキロー
ル26aの表面に転写された印刷用インキ15は、従来
と異なり径方向のインキ量が軸方向のどの部分でも同一
量とされた状態とすることができる。なお、ロール体1
3の外周面17に凹設するインキ溜の形状等は、インキ
ロール26aの表面に転写した印刷用インキ15のイン
キ量が軸方向のどの部分でも同一量となる形状、例えば
アヤメ状のメッシュ形状、ワイヤバー形状等の各種の形
状から設計コンセプトにより選択することができる。
【0027】図2に戻って、つぎに、所定のタイミング
をもってインキロール26aをロール体13から離間さ
せ、インキの供給方向下流側に位置する金属ロール27
aに当接させる。
【0028】すると、インキロール26aの表面に転写
された多条螺旋溝形状の印刷用インキ15(図3)は、
金属ロール27aの表面に転写されるとともに、両者の
回転により随時軸方向に均一な膜厚のインキ膜(図示せ
ず)となりながらインキロール26b,26cの軸方向
の往復動作によりインキ練りが行われ、凸版23の表面
に供給され、用紙25に所望の文字等の画像の印刷が施
される。
【0029】以上説明したように、本実施例の印刷用イ
ンキの供給装置12は、ロール体13とブレード部材1
4の先端部20とを当接させてインキ壷16を形成する
とともに、ロール体13の外周面17に軸方向のインキ
量が均一なインキ溜18が凹設されているので、インキ
壷16に投入した印刷用インキ15をロール体13に凹
設したインキ溜18に確実に充填し、そのインキ溜18
に充填した印刷用インキ15をインキ溜18の形状を保
持させた状態でインキロール26aに転写させ、軸方向
に均一な厚さ(量)の印刷用インキ15を容易に供給す
ることができる。
【0030】また、ロール体13とブレード部材14の
先端部20との当接力を調節可能としているので、ロー
ル体13とブレード部材14の先端部20との当接力を
小さくすると、印刷用インキ15は多条螺旋溝18に充
填されるとともに、ロール体13の多条螺旋溝18の間
の外周面13aにも所望の厚さの印刷用インキ15のイ
ンキ膜(図示せず)が形成されることとなり、これら全
ての印刷用インキ15がインキロール26aに転写さ
れ、インキの供給量を増加させることができる。すなわ
ち、ロール体13とブレード部材14の先端部20との
当接力を調節することにより、印刷用インキ15の供給
量を増減し、印刷の濃度調整を容易に行うことができ
る。
【0031】また、図1に破線にて示すように、ブレー
ド支持部材19の先端部20近傍に適宜な部分濃淡調整
手段としての複数の調整ねじ28を、ロール体13の軸
方向に所望の間隔をもって配置させるとともに、ロール
体13とブレード部材14との当接力を若干弱くし、各
調整ねじ28を制御してロール体13とブレード部材1
4との当接力をロール体13の軸方向に対して部分的に
調整させることができる。このようにするとロール体1
3の軸方向に濃淡を有する印刷を施すことが可能とな
る。
【0032】なお、本考案は前述した実施例に限定され
るものではなく、必要に応じて種々の変更が可能であ
る。
【0033】
【考案の効果】以上説明したように本考案の印刷用イン
キの供給装置によれば、ロール体とブレード部材の先端
部とを当接させてインキ壷を形成するとともに、ロール
体の外周面に軸方向のインキ量が均一なインキ溜を凹設
することにより、軸方向に均一な厚さの印刷用インキを
容易に供給することができ、更に、ロール体に対するブ
レード部材の当接力を調節自在とすることにより、ロー
ル体の外周面に対するインキ供給量を可変自在にするこ
とができるという実用的な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る印刷用インキの供給装置の要部を
示す斜視図
【図2】本考案に係る印刷用インキの供給装置を凸版印
刷装置に用いた一実施例の要部を示す模式図
【図3】本考案に係る印刷用インキの供給装置による印
刷用インキの供給状態を説明する模式図
【図4】従来の印刷用インキの供給装置の要部を示す斜
視図
【図5】従来の印刷用インキの供給装置による印刷用イ
ンキの供給状態を説明する模式図
【符号の説明】
12 印刷用インキの供給装置 13 ロール体 14 ブレード部材 15 印刷用インキ 16 インキ壷 17 外周面 18 多条情螺旋溝(インキ溜) 19 ブレード支持部材(変形防止体) 20 先端部 21 凸版印刷装置 22 インキロール群 23 凸版 24 インプレッションシリンダ 25 用紙(記録媒体) 26a、26b、26c インキロール 27a,27b 金属ロール

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在に支持されたロール体の外周面
    に軸方向のインキ量を均一とするインキ溜を形成すると
    ともに、前記ロール体の外周面の軸方向に略平板状の
    性変形自在なブレード部材を弾圧して当接させてインキ
    壷を形成し、前記ロール体に対する前記ブレード部材の
    当接力を調節自在として、前記インキ壷内のインキの動
    圧に応じて前記ブレード部材を弾性変形させることによ
    りブレード部材とロール体の外周面との間の当接力の大
    きさを調整させて、ロール体の外周面に対するインキ供
    給量を可変自在に形成してなることを特徴とする印刷用
    インキの供給装置。
  2. 【請求項2】 前記ブレード部材に変形防止体を装着し
    たことを特徴とする請求項1に記載の印刷用インキの供
    給装置。
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