JP2590947C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この発明は、圧電素子の変位変換装置に関し、主として、ワイヤドット形式の
印字ヘッドにおいて、電圧の印加による圧電素子の伸縮量を拡大し、これを印字
ワイヤに伝達して進退させるようにした圧電素子の変位変換機構に関するもので
ある。 (従来の技術) 圧電素子の変位変換装置には、例えば、特開昭57−187980号公報に開
示されたものがある。すなわち、これにおいては、直角に交わる2つの取付面を 有する取付部11の一方の取付面に圧電体3の一端が固着される。圧電体3の他
端には板ばね材よりなる第1の結合部41がその一端において固定され、この第
1の結合部41の他端に可動部21が取付けられる。また、取付部11の他方の
取付面に一端が固定された板ばね材よりなる第2の結合部51の他端が前記可動
部21と固定されている。そして、電圧の印加による圧電体3の伸びによって、
第1,第2の両結合部41,51がその板ばね部分の略全体において撓み変形さ
れることで、可動部21が傾動される。 (発明が解決しようとする問題点) ところで、圧電素子の伸びによって一対の板ばねを弾性変形させ、傾動部材を
傾動させるように構成したものにおいては、板ばねの反力を受けて圧電素子に曲
げモーメントが発生する。そして、この曲げモーメントによって圧電素子の一側
に圧縮荷重が他側に引張荷重が作用する。このため、圧電素子を引張荷重にもろ
い圧電セラミックより構成すると、前記引張荷重を受けて圧電素子が破損される
場合がある。 そこでこの発明では、板ばねの反力が原因となる圧電素子の曲げモーメントを
軽減して耐久性の向上を図り、しかも電圧素子の伸縮力の損失を防止して両板ば
ねを介して傾動体を効率よく傾動させることを、その解決すべき技術的課題とす
るものである。 (問題点を解決するための手段) 上記の問題点を解決するために、本発明の圧電素子の変位変換装置では、電圧
の印加により伸縮する圧電素子と、その圧電素子を伸縮方向の一端において固着
する支持部を有し、その支持部から前記伸縮方向に延在するフレームと、前記圧
電素子の伸縮方向の他端に固着された可動子と、前記可動子と前記フレームとに
変位可能に連結され、前記圧電素子の伸縮に基づいて変位する一対の板ばねと、
前記圧電素子に対してその伸縮方向に抗する弾性を有し、前記圧電素子の伸縮方
向に延在すると共に、両端が前記圧電素子の伸縮方向両端の部材に固着され、か
つ、前記板ばねが圧電素子に作用する力を打ち消すことができる位置に固着され
た連結部材とを備える圧電素子の変位変換装置において、前記連結部材は、板材
より構成され圧電素子の伸縮方向に廷在すると共に、両端が前記圧電素子の伸縮 方向両端の部材の側部端面に固着され、かつ、 その両端における前記伸縮方向と
直交する方向の断面積よりも前記両端間の中間部分の前記伸縮方向と直交する方
向の断面積を小さくしたことにより前記両端間の中間部分においては、両端より
も比較的小さい力で弾性伸縮されることを特徴とする構成を有している。 (作 用) 上記構成によれば、電圧の印加によって圧電素子が伸縮されると、これに基い
て、前記圧電素子の伸縮方向他端に固着された可動子が、連結部材の弾性に抗し
、かつこの可動子に固着された一方の板ばねをフレームに固着された他方の板ば
ねに対して湾曲させながら平行に変位することで、傾動部材が傾動される。この
ようにして、電圧の印加による圧電素子の伸縮時において、その伸縮方向他端に
固着された可動子の変位力が、その一方の板ばねに対してのみ片寄ることがなく
、連結部材にも作用し、可動子が平行に変位されるため、板ばねの反力が原因と
なる圧電素子の曲げモーメントの発生が防止される。 前記連結部材は、前記圧電素子の伸縮方向と直交する方向の断面積において、
その両端の断面積よりも両端間の部分の断面積が小さいため、その両端は弾性伸
縮されにくく、かつ強度が大となり、両端間の中間部分においては弾性伸縮され
易い構造とすることができる。したがって、連結部材は、その全長において弾性
伸縮されるものと異なり、その両端はほとんど弾性伸縮されることなく、その両
端間の中間部分において、比較的小さい力で弾性伸縮される。このため、圧電素
子の伸縮に基づく可動子の変位にともなって、前記連結部材の両端間の中間部分
が軽快に弾性伸縮される。 (実施例) 以下、この発明の一実施例を図面にしたがって説明する。この実施例では印字
ヘッドに採用したものを例示するものであって、第1図と第2図において、電圧
の印加により伸縮する圧電素子2を支持するためのフレーム1は、その圧電素子
2の伸縮方向とほぼ平行する縦長四角形で所定板厚の金属板より構成されている
。このフレーム1の基部(下端部)には圧電素子2の一端(下端)を温度補償材
3を介して支持する支持部4が横方向に突設されている。 圧電素子2は、積層状をなす圧電セラミックより構成されており、電圧の印加 によって積層方向(上下方向)に伸縮される。この圧電素子2の一端面には、温
度補償材3が接着材等によって固着されている。そして圧電素子2は、その温度
補償材3において、前記支持部4の支持面4a上に支持されている。 圧電素子2の他端面(上端面)には四角形状の可動子5が接着材等によって固
着されている。この可動子5は、その一側がフレーム1の一側上部と所定の隙間
をもって対向している。フレーム1と可動子5との対向面には、一対をなす第1
,第2の両板ばね8,9を固着するためのばね取付面6,7が、圧電素子2の伸
縮方向に平行してそれぞれ平坦面に形成されている。 フレーム1のばね取付面6には、第1板ばね8がその一側板面が面当りした状
態においてろう付け等によって固着されている。 可動子5のばね取付面7には、第2板ばね9が、その一側板面が面当りした状
態においてろう付け等によって固着されている。さらに、第2板ばね9は、前記
第1板ばね8とその対向面を互いに接触した状態において移動可能に重合されて
いる。 前記第1,第2の両板ばね8,9は、その名取付面6,7より圧電素子2の伸
縮方向に所定長さだけ延出されている。そして、第1,第2の両板ばね8,9の
先端部には傾動部材10が固着されている。傾動部材10は、その基部の剛性の
高いホルダ11と、先端側の軽量なアーム12とを主体として構成されている。 前記ホルダ11は、その下面に凹設された溝13に第1,第2の両板ばね8,
9の先端部がそれぞれ挿入された状態において、両板ばね8,9の対向面反対側
とろう付けによって固着されている。ホルダ11の前側面に凹設された溝14に
はアーム12の基部が挿入されてろう付けによって固着されている。アーム12
の先端には印字ワイヤ15の基端がろう付けによって固着されている。 電圧の印加による前記圧電素子2の伸縮方向に可動子5を平行に移動させるた
めに、可動子5とフレーム1基部の支持部4との間には、圧電素子2の伸縮量に
対応してその伸縮方向に弾性伸縮可能な連結部材16が配設されている。この連
結部材16は、前記フレーム1と反対側において、圧電素子2の積層方向に沿っ
て縦長で、その下端部16aがフレーム1の支持部4端面に固着され、上端部1
6bが可動子5の第2の板ばね9と反対側の端面に固着されている。 前記連結部材16は、フレーム1の板面と平行する平面において板幅を有しそ
れと直角な方向に薄肉の板材より構成されている。さらに、連結部材16は、そ
の伸縮方向に直交する断面積において、前記可動子5とフレーム1基部の支持部
4とに固着される両端部の断面積は大きく、両端間の中間部分16cの断面積は
、両端部16a,16bの断面積よりも積極的に小さく形成されている。すなわ
ち、この実施例では、連結部材16の中間部分16cには、その一側長手方向に
切欠部17が形成されており、これによって中間部分16cの板幅はその両端部
16a,16bの板幅よりも小さくなっている。そして、連結部材16は、その
両端部16a,16bが弾性伸縮されにくくかつ強度が増大され、その中間部分
16cは圧電素子2の伸縮方向に伸縮され易い構造となっている。さらに、圧電
素子2の伸縮に基づく可動子5の移動力が第2板ばね9と連結部材16の中間部
分16cとにほぼ均等に作用するように、前記連結部材16の中間部分16cの
弾性力が設定され、これによって可動子5が圧電素子2の伸縮方向に平行移動さ
れるようになっている。 なお、圧電素子2の下端面に接着された温度補償材3は、周囲の温度変化によ
る圧電素子2の収縮を、伸びによって修正し、圧電素子2の上面高さを一定高さ
に保持している。 また、この実施例では、フレーム1と連結部材16とは線膨脹率が同一の材料
より構成され、温度変化に対処できるようになっている。 この実施例は上述したように構成される。したがって、圧電素子2の両電極間
に電圧が印加されると、圧電素子2は、その積層方向、すなわち、第2図におい
て矢印X方向に所定長さだけ伸び、これにともなって可動子5が移動される。す
ると、可動子5の移動力を受けて第2板ばね9が、第1板ばね8に沿って押上げ
られ、同第2板ばね9が可動子5と傾動部材10のホルダ11との間において湾
曲状に弾性変形される。第2板ばね9の湾曲状の弾性変形によって第2図におい
て矢印P方向に回転モーメントが生じ、これによって、第1板ばね8が若干、弾
性変形されるとともに、傾動部材10が傾動される。そして、傾動部材10先端
の印字ワイヤ15が、第2図に示すように、所定数の案内部材18に案内された
状態で、その先端が印字位置まで前進される。このようにして、第2の板ばね9 の湾曲状の弾性変形によって傾動部材10を傾動させることで、圧電素子2の伸
びが著しく拡大されて印字ワイヤ15に伝達される。 圧電素子2に対する電圧の印加が断たれると、圧電素子2は元の状態に短縮さ
れる。すると、可動子5、第1,第2の両板ばね8,9及び傾動部材10が元の
状態に復帰され、印字ワイヤ15が後退復帰される。 さて、フレーム1基部の支持部4と可動子5との間に、両端部16a,16b
が固着されて圧電素子2の伸縮に基づく可動子5の変位置に対応して弾性伸縮可
能な連結部材16は、前記圧電素子2の伸縮方向と直交する方向の断面積におい
て、その両端部16a,16bの断面積が大きく、中間部分16cの断面積が、
両端部16a,16bの断面積よりも積極的に小さくされている。そして、前記
連結部材16は、その両端部16a,16bが弾性伸縮されにくくかつ強度が大
となり、中間部分16cは弾性伸縮され易い構造となっている。 さらに、圧電素子2の伸縮に基づく可動子5の変位力は、第2板ばね9と連結
部材16の中間部分16cとにほぼ均等に作用するように中間部分16cの弾性
力が設定されている。 したがって、連結部材16は、その全長にわたって略同一巾に形成され、その
全長において弾性伸縮されるものと異なり、その両端部16a,16bはほとん
ど弾性伸縮されることなく、その中間部分16cにおいて、比較的小さい力、す
なわち、第2板ばね9が弾性変形する程度の力で弾性伸縮される。このため、連
結部材16は、その両端部16a,16bにおいて、可動子5とフレーム1とを
強固に連結保持した状態のもとで、その中間部分16cが、圧電素子2の伸縮に
基づく可動子5の変位にともなって軽快に弾性伸縮される。この結果、圧電素子
2の伸縮方向に対し、可動子5が傾くことなく平行に変位し、圧電素子2に曲げ
モーメントが作用することを可及的に防止することができる。さらに、連結部材
16の中間部分16cの弾性伸縮による反力が原因となる可動子5の変位量(圧
電素子2の伸縮量)の損失を軽減することができ、圧電素子2の伸縮量に対する
傾動部材10の変位拡大率の向上を図ることができる。 また、この実施例においては、前記第1,第2の両板ばね8,9の対向面を互
いに接触させることで、第1,第2の両板ばね8,9を所定距離をもって離反さ せたものと異なり、圧電素子2の伸び量に対する傾動部材10の変位拡大率を高
めることができ、印字に必要な印字ワイヤ15のストロークが充分に得られる。 さらに、この実施例では、フレーム1、連結部材16及び可動子5がそれぞれ
別体に形成された後、これら各部品がろう付け等によって一体状に固着される。
これによって、フレーム1の支持部4の支持面4aや、可動子5下面の仕上加工
が容易で、かつ高精度に仕上げることができる。このため、電圧の印加による圧
電素子2の伸縮を可動子5及び第2板ばね9に確実に伝達させることができる。 (実施例2) 次に、この発明の実施例2を第4図にしたがって説明する。この実施例2にお
いては、連結部材16と第1,第2の両板ばね8,9の形状を変更したものであ
る。すなわち、フレーム1基部の支持部4と、可動子5との間に両端部16a,
16bが固着された連結部材16の中間部分16cには、その長手方向に所定数
の貫通孔17が形成されている。そして、連結部材16は、その両端部16a,
16bが弾性伸縮されにくくかつ強度が増大され、その中間部分16cは圧電素
子2の伸縮方向に伸縮され易い構造となっている。さらに、圧電素子2の伸縮に
基づく可動子5の移動力が第2板ばね9と連結部材16の中間部分16cとにほ
ぼ均等に作用するように、その中間部分16cの弾性力が設定されている。 また、第1,第2の両板ばね18,19はその両端部が厚肉とされ、薄肉の中
央部において弾性変形されるようになっている。その他は、実施例1とほぼ同様
であるため、その説明は省略する。 (発明の効果) 以上述べたように、この発明によれば、電圧の印加による圧電素子の伸縮に基
づいて、可動子を連結部材の弾性に抗し、かつこの可動子に固着の板ばねを、フ
レームに固着の板ばねに対して湾曲させながら平行に変位させることで、傾動部
材を傾動させるものである。すなわち、圧電素子の伸縮に基づく可動子の変位力
を、この可動子に固着の板ばねに対してのみ片寄って作用させることなく、連結
部材にも作用させることで、可動子を平行に変位させることができる。この結果
、板ばねの反力が原因となる圧電素子の曲げモーメントの発生を防止することが
できるため、引張り荷重にもろい特性をもつ圧電セラミックによって圧電素子を 構成しても、その圧電素子の破損を防止することができるという効果がある。 特に、前記連結部材は、前記圧電素子の伸縮方向と直交する方向の断面積にお
いて、その両端の断面積よりも両端間の部分の断面積が小さいため、その両端は
弾性伸縮されにくく、かつ強度が大となり、両端間の中間部分においては弾性伸
縮され易い構造とすることができる。したがって、連結部材は、その全長におい
て弾性伸縮されるものと異なり、その両端はほとんど弾性伸縮されることなく、
その両端間の中間部分において、比較的小さい力で弾性伸縮される。このため、
圧電素子の伸縮に基づく可動子の変位にともなって、前記連結部材の両端間の中
間部分が軽快に弾性伸縮される。この結果、連結部材の反力が原因となる可動子
の変位量(圧電素子の伸縮量)の損失を軽減することができ、圧電素子の伸縮量
に対する傾動部材の変位拡大率の向上を図ることができるという効果がある。
印字ヘッドにおいて、電圧の印加による圧電素子の伸縮量を拡大し、これを印字
ワイヤに伝達して進退させるようにした圧電素子の変位変換機構に関するもので
ある。 (従来の技術) 圧電素子の変位変換装置には、例えば、特開昭57−187980号公報に開
示されたものがある。すなわち、これにおいては、直角に交わる2つの取付面を 有する取付部11の一方の取付面に圧電体3の一端が固着される。圧電体3の他
端には板ばね材よりなる第1の結合部41がその一端において固定され、この第
1の結合部41の他端に可動部21が取付けられる。また、取付部11の他方の
取付面に一端が固定された板ばね材よりなる第2の結合部51の他端が前記可動
部21と固定されている。そして、電圧の印加による圧電体3の伸びによって、
第1,第2の両結合部41,51がその板ばね部分の略全体において撓み変形さ
れることで、可動部21が傾動される。 (発明が解決しようとする問題点) ところで、圧電素子の伸びによって一対の板ばねを弾性変形させ、傾動部材を
傾動させるように構成したものにおいては、板ばねの反力を受けて圧電素子に曲
げモーメントが発生する。そして、この曲げモーメントによって圧電素子の一側
に圧縮荷重が他側に引張荷重が作用する。このため、圧電素子を引張荷重にもろ
い圧電セラミックより構成すると、前記引張荷重を受けて圧電素子が破損される
場合がある。 そこでこの発明では、板ばねの反力が原因となる圧電素子の曲げモーメントを
軽減して耐久性の向上を図り、しかも電圧素子の伸縮力の損失を防止して両板ば
ねを介して傾動体を効率よく傾動させることを、その解決すべき技術的課題とす
るものである。 (問題点を解決するための手段) 上記の問題点を解決するために、本発明の圧電素子の変位変換装置では、電圧
の印加により伸縮する圧電素子と、その圧電素子を伸縮方向の一端において固着
する支持部を有し、その支持部から前記伸縮方向に延在するフレームと、前記圧
電素子の伸縮方向の他端に固着された可動子と、前記可動子と前記フレームとに
変位可能に連結され、前記圧電素子の伸縮に基づいて変位する一対の板ばねと、
前記圧電素子に対してその伸縮方向に抗する弾性を有し、前記圧電素子の伸縮方
向に延在すると共に、両端が前記圧電素子の伸縮方向両端の部材に固着され、か
つ、前記板ばねが圧電素子に作用する力を打ち消すことができる位置に固着され
た連結部材とを備える圧電素子の変位変換装置において、前記連結部材は、板材
より構成され圧電素子の伸縮方向に廷在すると共に、両端が前記圧電素子の伸縮 方向両端の部材の側部端面に固着され、かつ、 その両端における前記伸縮方向と
直交する方向の断面積よりも前記両端間の中間部分の前記伸縮方向と直交する方
向の断面積を小さくしたことにより前記両端間の中間部分においては、両端より
も比較的小さい力で弾性伸縮されることを特徴とする構成を有している。 (作 用) 上記構成によれば、電圧の印加によって圧電素子が伸縮されると、これに基い
て、前記圧電素子の伸縮方向他端に固着された可動子が、連結部材の弾性に抗し
、かつこの可動子に固着された一方の板ばねをフレームに固着された他方の板ば
ねに対して湾曲させながら平行に変位することで、傾動部材が傾動される。この
ようにして、電圧の印加による圧電素子の伸縮時において、その伸縮方向他端に
固着された可動子の変位力が、その一方の板ばねに対してのみ片寄ることがなく
、連結部材にも作用し、可動子が平行に変位されるため、板ばねの反力が原因と
なる圧電素子の曲げモーメントの発生が防止される。 前記連結部材は、前記圧電素子の伸縮方向と直交する方向の断面積において、
その両端の断面積よりも両端間の部分の断面積が小さいため、その両端は弾性伸
縮されにくく、かつ強度が大となり、両端間の中間部分においては弾性伸縮され
易い構造とすることができる。したがって、連結部材は、その全長において弾性
伸縮されるものと異なり、その両端はほとんど弾性伸縮されることなく、その両
端間の中間部分において、比較的小さい力で弾性伸縮される。このため、圧電素
子の伸縮に基づく可動子の変位にともなって、前記連結部材の両端間の中間部分
が軽快に弾性伸縮される。 (実施例) 以下、この発明の一実施例を図面にしたがって説明する。この実施例では印字
ヘッドに採用したものを例示するものであって、第1図と第2図において、電圧
の印加により伸縮する圧電素子2を支持するためのフレーム1は、その圧電素子
2の伸縮方向とほぼ平行する縦長四角形で所定板厚の金属板より構成されている
。このフレーム1の基部(下端部)には圧電素子2の一端(下端)を温度補償材
3を介して支持する支持部4が横方向に突設されている。 圧電素子2は、積層状をなす圧電セラミックより構成されており、電圧の印加 によって積層方向(上下方向)に伸縮される。この圧電素子2の一端面には、温
度補償材3が接着材等によって固着されている。そして圧電素子2は、その温度
補償材3において、前記支持部4の支持面4a上に支持されている。 圧電素子2の他端面(上端面)には四角形状の可動子5が接着材等によって固
着されている。この可動子5は、その一側がフレーム1の一側上部と所定の隙間
をもって対向している。フレーム1と可動子5との対向面には、一対をなす第1
,第2の両板ばね8,9を固着するためのばね取付面6,7が、圧電素子2の伸
縮方向に平行してそれぞれ平坦面に形成されている。 フレーム1のばね取付面6には、第1板ばね8がその一側板面が面当りした状
態においてろう付け等によって固着されている。 可動子5のばね取付面7には、第2板ばね9が、その一側板面が面当りした状
態においてろう付け等によって固着されている。さらに、第2板ばね9は、前記
第1板ばね8とその対向面を互いに接触した状態において移動可能に重合されて
いる。 前記第1,第2の両板ばね8,9は、その名取付面6,7より圧電素子2の伸
縮方向に所定長さだけ延出されている。そして、第1,第2の両板ばね8,9の
先端部には傾動部材10が固着されている。傾動部材10は、その基部の剛性の
高いホルダ11と、先端側の軽量なアーム12とを主体として構成されている。 前記ホルダ11は、その下面に凹設された溝13に第1,第2の両板ばね8,
9の先端部がそれぞれ挿入された状態において、両板ばね8,9の対向面反対側
とろう付けによって固着されている。ホルダ11の前側面に凹設された溝14に
はアーム12の基部が挿入されてろう付けによって固着されている。アーム12
の先端には印字ワイヤ15の基端がろう付けによって固着されている。 電圧の印加による前記圧電素子2の伸縮方向に可動子5を平行に移動させるた
めに、可動子5とフレーム1基部の支持部4との間には、圧電素子2の伸縮量に
対応してその伸縮方向に弾性伸縮可能な連結部材16が配設されている。この連
結部材16は、前記フレーム1と反対側において、圧電素子2の積層方向に沿っ
て縦長で、その下端部16aがフレーム1の支持部4端面に固着され、上端部1
6bが可動子5の第2の板ばね9と反対側の端面に固着されている。 前記連結部材16は、フレーム1の板面と平行する平面において板幅を有しそ
れと直角な方向に薄肉の板材より構成されている。さらに、連結部材16は、そ
の伸縮方向に直交する断面積において、前記可動子5とフレーム1基部の支持部
4とに固着される両端部の断面積は大きく、両端間の中間部分16cの断面積は
、両端部16a,16bの断面積よりも積極的に小さく形成されている。すなわ
ち、この実施例では、連結部材16の中間部分16cには、その一側長手方向に
切欠部17が形成されており、これによって中間部分16cの板幅はその両端部
16a,16bの板幅よりも小さくなっている。そして、連結部材16は、その
両端部16a,16bが弾性伸縮されにくくかつ強度が増大され、その中間部分
16cは圧電素子2の伸縮方向に伸縮され易い構造となっている。さらに、圧電
素子2の伸縮に基づく可動子5の移動力が第2板ばね9と連結部材16の中間部
分16cとにほぼ均等に作用するように、前記連結部材16の中間部分16cの
弾性力が設定され、これによって可動子5が圧電素子2の伸縮方向に平行移動さ
れるようになっている。 なお、圧電素子2の下端面に接着された温度補償材3は、周囲の温度変化によ
る圧電素子2の収縮を、伸びによって修正し、圧電素子2の上面高さを一定高さ
に保持している。 また、この実施例では、フレーム1と連結部材16とは線膨脹率が同一の材料
より構成され、温度変化に対処できるようになっている。 この実施例は上述したように構成される。したがって、圧電素子2の両電極間
に電圧が印加されると、圧電素子2は、その積層方向、すなわち、第2図におい
て矢印X方向に所定長さだけ伸び、これにともなって可動子5が移動される。す
ると、可動子5の移動力を受けて第2板ばね9が、第1板ばね8に沿って押上げ
られ、同第2板ばね9が可動子5と傾動部材10のホルダ11との間において湾
曲状に弾性変形される。第2板ばね9の湾曲状の弾性変形によって第2図におい
て矢印P方向に回転モーメントが生じ、これによって、第1板ばね8が若干、弾
性変形されるとともに、傾動部材10が傾動される。そして、傾動部材10先端
の印字ワイヤ15が、第2図に示すように、所定数の案内部材18に案内された
状態で、その先端が印字位置まで前進される。このようにして、第2の板ばね9 の湾曲状の弾性変形によって傾動部材10を傾動させることで、圧電素子2の伸
びが著しく拡大されて印字ワイヤ15に伝達される。 圧電素子2に対する電圧の印加が断たれると、圧電素子2は元の状態に短縮さ
れる。すると、可動子5、第1,第2の両板ばね8,9及び傾動部材10が元の
状態に復帰され、印字ワイヤ15が後退復帰される。 さて、フレーム1基部の支持部4と可動子5との間に、両端部16a,16b
が固着されて圧電素子2の伸縮に基づく可動子5の変位置に対応して弾性伸縮可
能な連結部材16は、前記圧電素子2の伸縮方向と直交する方向の断面積におい
て、その両端部16a,16bの断面積が大きく、中間部分16cの断面積が、
両端部16a,16bの断面積よりも積極的に小さくされている。そして、前記
連結部材16は、その両端部16a,16bが弾性伸縮されにくくかつ強度が大
となり、中間部分16cは弾性伸縮され易い構造となっている。 さらに、圧電素子2の伸縮に基づく可動子5の変位力は、第2板ばね9と連結
部材16の中間部分16cとにほぼ均等に作用するように中間部分16cの弾性
力が設定されている。 したがって、連結部材16は、その全長にわたって略同一巾に形成され、その
全長において弾性伸縮されるものと異なり、その両端部16a,16bはほとん
ど弾性伸縮されることなく、その中間部分16cにおいて、比較的小さい力、す
なわち、第2板ばね9が弾性変形する程度の力で弾性伸縮される。このため、連
結部材16は、その両端部16a,16bにおいて、可動子5とフレーム1とを
強固に連結保持した状態のもとで、その中間部分16cが、圧電素子2の伸縮に
基づく可動子5の変位にともなって軽快に弾性伸縮される。この結果、圧電素子
2の伸縮方向に対し、可動子5が傾くことなく平行に変位し、圧電素子2に曲げ
モーメントが作用することを可及的に防止することができる。さらに、連結部材
16の中間部分16cの弾性伸縮による反力が原因となる可動子5の変位量(圧
電素子2の伸縮量)の損失を軽減することができ、圧電素子2の伸縮量に対する
傾動部材10の変位拡大率の向上を図ることができる。 また、この実施例においては、前記第1,第2の両板ばね8,9の対向面を互
いに接触させることで、第1,第2の両板ばね8,9を所定距離をもって離反さ せたものと異なり、圧電素子2の伸び量に対する傾動部材10の変位拡大率を高
めることができ、印字に必要な印字ワイヤ15のストロークが充分に得られる。 さらに、この実施例では、フレーム1、連結部材16及び可動子5がそれぞれ
別体に形成された後、これら各部品がろう付け等によって一体状に固着される。
これによって、フレーム1の支持部4の支持面4aや、可動子5下面の仕上加工
が容易で、かつ高精度に仕上げることができる。このため、電圧の印加による圧
電素子2の伸縮を可動子5及び第2板ばね9に確実に伝達させることができる。 (実施例2) 次に、この発明の実施例2を第4図にしたがって説明する。この実施例2にお
いては、連結部材16と第1,第2の両板ばね8,9の形状を変更したものであ
る。すなわち、フレーム1基部の支持部4と、可動子5との間に両端部16a,
16bが固着された連結部材16の中間部分16cには、その長手方向に所定数
の貫通孔17が形成されている。そして、連結部材16は、その両端部16a,
16bが弾性伸縮されにくくかつ強度が増大され、その中間部分16cは圧電素
子2の伸縮方向に伸縮され易い構造となっている。さらに、圧電素子2の伸縮に
基づく可動子5の移動力が第2板ばね9と連結部材16の中間部分16cとにほ
ぼ均等に作用するように、その中間部分16cの弾性力が設定されている。 また、第1,第2の両板ばね18,19はその両端部が厚肉とされ、薄肉の中
央部において弾性変形されるようになっている。その他は、実施例1とほぼ同様
であるため、その説明は省略する。 (発明の効果) 以上述べたように、この発明によれば、電圧の印加による圧電素子の伸縮に基
づいて、可動子を連結部材の弾性に抗し、かつこの可動子に固着の板ばねを、フ
レームに固着の板ばねに対して湾曲させながら平行に変位させることで、傾動部
材を傾動させるものである。すなわち、圧電素子の伸縮に基づく可動子の変位力
を、この可動子に固着の板ばねに対してのみ片寄って作用させることなく、連結
部材にも作用させることで、可動子を平行に変位させることができる。この結果
、板ばねの反力が原因となる圧電素子の曲げモーメントの発生を防止することが
できるため、引張り荷重にもろい特性をもつ圧電セラミックによって圧電素子を 構成しても、その圧電素子の破損を防止することができるという効果がある。 特に、前記連結部材は、前記圧電素子の伸縮方向と直交する方向の断面積にお
いて、その両端の断面積よりも両端間の部分の断面積が小さいため、その両端は
弾性伸縮されにくく、かつ強度が大となり、両端間の中間部分においては弾性伸
縮され易い構造とすることができる。したがって、連結部材は、その全長におい
て弾性伸縮されるものと異なり、その両端はほとんど弾性伸縮されることなく、
その両端間の中間部分において、比較的小さい力で弾性伸縮される。このため、
圧電素子の伸縮に基づく可動子の変位にともなって、前記連結部材の両端間の中
間部分が軽快に弾性伸縮される。この結果、連結部材の反力が原因となる可動子
の変位量(圧電素子の伸縮量)の損失を軽減することができ、圧電素子の伸縮量
に対する傾動部材の変位拡大率の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
図面の第1図〜第3図はこの発明の実施例を示すもので、第1図は印字ヘッド
の要部を示す斜視図、第2図は側面図、第3図は第2図III−III線断面図、第4
図はこの発明の実施例2を示す斜視図である。 1…フレーム 2…圧電素子 5…可動子 8…第1板ばね 9…第2板ばね 10…傾動部材 16…連結部材
の要部を示す斜視図、第2図は側面図、第3図は第2図III−III線断面図、第4
図はこの発明の実施例2を示す斜視図である。 1…フレーム 2…圧電素子 5…可動子 8…第1板ばね 9…第2板ばね 10…傾動部材 16…連結部材
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 (1)電圧の印加により伸縮する圧電素子と、 その圧電素子を伸縮方向の一端において固着する支持部を有し、その支持部か
ら前記伸縮方向に延在するフレームと、 前記圧電素子の伸縮方向の他端に固着された可動子と、 前記可動子と前記フレームとに変位可能に連結され、前記圧電素子の伸縮に基
づいて変位する一対の板ばねと、 前記圧電素子に対してその伸縮方向に抗する弾性を有し、前記圧電素子の伸縮
方向に延在すると共に、両端が前記圧電素子の伸縮方向両端の部材に固着され、
かつ、前記板ばねが圧電素子に作用する力を打ち消すことができる位置に固着さ
れた連結部材とを備える圧電素子の変位変換装置において、 前記連結部材は、板材より構成され圧電素子の伸縮方向に延在すると共に、両
端が前記圧電素子の伸縮方向両端の部材の側部端面に固着され、かつ、その両端
における前記伸縮方向と直交する方向の断面積よりも前記両端間の中間部分の前
記伸縮方向と直交する方向の断面積を小さくしたことにより前記両端間の中間部
分においては、両端よりも比較的小さい力で弾性伸縮されることを特徴とする圧
電素子の変位変換装置。
Family
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