JP2590668B2 - シリコーンゴム組成物及びラバーコンタクト - Google Patents
シリコーンゴム組成物及びラバーコンタクトInfo
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- JP2590668B2 JP2590668B2 JP12105992A JP12105992A JP2590668B2 JP 2590668 B2 JP2590668 B2 JP 2590668B2 JP 12105992 A JP12105992 A JP 12105992A JP 12105992 A JP12105992 A JP 12105992A JP 2590668 B2 JP2590668 B2 JP 2590668B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラバーコンタクトに好
適な高耐久、高品質な硬化物を与えるシリコーンゴム組
成物及びラバーコンタクトに関する。
適な高耐久、高品質な硬化物を与えるシリコーンゴム組
成物及びラバーコンタクトに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
シリコーンゴムの動的疲労特性を改善すべく、シリコー
ンゴム組成物の検討がなされており、例えば特殊なオル
ガノポリシロキサンの添加により、フィラー/ポリマー
の相互作用を改善したり、或いはフィラー分散性を向上
させるための添加剤を加えることなどが行われている。
シリコーンゴムの動的疲労特性を改善すべく、シリコー
ンゴム組成物の検討がなされており、例えば特殊なオル
ガノポリシロキサンの添加により、フィラー/ポリマー
の相互作用を改善したり、或いはフィラー分散性を向上
させるための添加剤を加えることなどが行われている。
【0003】しかしながら、上記方法ではその硬化物の
動的疲労寿命はある程度改善されるものの、圧縮永久歪
性、ヒステリシスロス等の項目においてはなおその改善
に限界があり、特により高耐久、高品質を要求されるラ
バーコンタクト材としては不十分なものであり、これは
シリコーンゴムに補強性を与えるためにシリコーンゴム
組成物に配合される無機質充填剤の使用が主な原因であ
ると考えられた。
動的疲労寿命はある程度改善されるものの、圧縮永久歪
性、ヒステリシスロス等の項目においてはなおその改善
に限界があり、特により高耐久、高品質を要求されるラ
バーコンタクト材としては不十分なものであり、これは
シリコーンゴムに補強性を与えるためにシリコーンゴム
組成物に配合される無機質充填剤の使用が主な原因であ
ると考えられた。
【0004】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
無機質充填剤を全く用いず、動的疲労特性の向上、低圧
縮永久歪、低ヒステリシスロスを達成し得るラバーコン
タクトに好適な硬化物を与えるシリコーンゴム組成物及
び該シリコーンゴム組成物の硬化物からなる高耐久なラ
バーコンタクトを提供することを目的とする。
無機質充填剤を全く用いず、動的疲労特性の向上、低圧
縮永久歪、低ヒステリシスロスを達成し得るラバーコン
タクトに好適な硬化物を与えるシリコーンゴム組成物及
び該シリコーンゴム組成物の硬化物からなる高耐久なラ
バーコンタクトを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成し、無機質充填剤無含有のシリコーンゴム組
成物を得るため鋭意検討を行った結果、下記平均組成式
(1)で示されるオルガノポリシロキサン、 R aSiO(4-a)/2 …(1) (但し、式中Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であ
るが、一分子中に少なくとも二つの脂肪族不飽和炭化水
素基を含有する。aは1.95〜2.05の正数であ
る。)を有機過酸化物で硬化する過酸化物加硫型のシリ
コーンゴム組成物に対し、無機質充填剤の代りに、R1
3SiO1/2、R2 2SiO2/2及びSiO4/2単位(但
し、式中R1及びR2は互いに同一又は異種の置換又は非
置換の一価炭化水素基である)からなり、かつ一分子中
に少なくとも二つの脂肪族不飽和炭化水素基を含有する
オルガノポリシロキサンレジンであって、R1 3SiO
1/2及びR2 2SiO2/2単位の合計とSiO4/2単位との
比が0.4〜1.5であり、R1 3SiO1/2単位とR2
2SiO2/2単位との比が1以上である溶剤可溶型ポリ
マーを配合することにより、一般に用いられている近似
特性を有するシリコーンゴムに比べて、伸長、屈曲疲労
寿命が10〜100倍に延長され、絶対値的にもデマッ
チャ式疲労テストにおいて3000万サイクルを越える
寿命のシリコーンゴムが得られること、またこのシリコ
ーンゴムは、低圧縮永久歪、低ヒステリシスロス、高透
明等の特性を有することを知見し、本発明をなすに至っ
たものである。
目的を達成し、無機質充填剤無含有のシリコーンゴム組
成物を得るため鋭意検討を行った結果、下記平均組成式
(1)で示されるオルガノポリシロキサン、 R aSiO(4-a)/2 …(1) (但し、式中Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であ
るが、一分子中に少なくとも二つの脂肪族不飽和炭化水
素基を含有する。aは1.95〜2.05の正数であ
る。)を有機過酸化物で硬化する過酸化物加硫型のシリ
コーンゴム組成物に対し、無機質充填剤の代りに、R1
3SiO1/2、R2 2SiO2/2及びSiO4/2単位(但
し、式中R1及びR2は互いに同一又は異種の置換又は非
置換の一価炭化水素基である)からなり、かつ一分子中
に少なくとも二つの脂肪族不飽和炭化水素基を含有する
オルガノポリシロキサンレジンであって、R1 3SiO
1/2及びR2 2SiO2/2単位の合計とSiO4/2単位との
比が0.4〜1.5であり、R1 3SiO1/2単位とR2
2SiO2/2単位との比が1以上である溶剤可溶型ポリ
マーを配合することにより、一般に用いられている近似
特性を有するシリコーンゴムに比べて、伸長、屈曲疲労
寿命が10〜100倍に延長され、絶対値的にもデマッ
チャ式疲労テストにおいて3000万サイクルを越える
寿命のシリコーンゴムが得られること、またこのシリコ
ーンゴムは、低圧縮永久歪、低ヒステリシスロス、高透
明等の特性を有することを知見し、本発明をなすに至っ
たものである。
【0006】従って、本発明は、(イ)上記平均組成式
(1)で示されるオルガノポリシロキサン、(ロ)上記
溶剤可溶型ポリマー、(ハ)有機過酸化物を配合してな
る無機質充填剤無含有のシリコーンゴム組成物及び該シ
リコーンゴム組成物の硬化物からなるラバーコンタクト
を提供する。
(1)で示されるオルガノポリシロキサン、(ロ)上記
溶剤可溶型ポリマー、(ハ)有機過酸化物を配合してな
る無機質充填剤無含有のシリコーンゴム組成物及び該シ
リコーンゴム組成物の硬化物からなるラバーコンタクト
を提供する。
【0007】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明のシリコーンゴム組成物の(イ)成分としてのオルガ
ノポリシロキサンは、従来から室温硬化型あるいは加熱
硬化型のシリコーンゴムの主原料とされている公知のも
のであり、このものは平均組成式R aSiO(4-a)/2で示
されるものである。
明のシリコーンゴム組成物の(イ)成分としてのオルガ
ノポリシロキサンは、従来から室温硬化型あるいは加熱
硬化型のシリコーンゴムの主原料とされている公知のも
のであり、このものは平均組成式R aSiO(4-a)/2で示
されるものである。
【0008】ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基
などのアルケニル基、フェニル基、トリル基などのアリ
ール基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、ベ
ンジル基、β−フェニルエチル基などのアラルキル基又
はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は
全部をハロゲン原子(フッ素原子を除く)、シアノ基な
どで置換したクロロメチル基、シアノエチル基などから
選択される、通常炭素数1〜10、好ましくは炭素数1
〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは
1.95〜2.05の正数である。
ル基、ブチル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基
などのアルケニル基、フェニル基、トリル基などのアリ
ール基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、ベ
ンジル基、β−フェニルエチル基などのアラルキル基又
はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は
全部をハロゲン原子(フッ素原子を除く)、シアノ基な
どで置換したクロロメチル基、シアノエチル基などから
選択される、通常炭素数1〜10、好ましくは炭素数1
〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは
1.95〜2.05の正数である。
【0009】このオルガノポリシロキサンは、基本的に
直鎖状のジオルガノポリシロキサンとされるが、これは
一部に分枝状の構造を含むものであってもよい。なお、
このオルガノポリシロキサンは低重合度の液状物であっ
てもよいが、この組成物から得られる硬化弾性体を実用
性の硬度を有するものとするということからは平均重合
度が500以上のオルガノポリシロキサンとすることが
好ましい。
直鎖状のジオルガノポリシロキサンとされるが、これは
一部に分枝状の構造を含むものであってもよい。なお、
このオルガノポリシロキサンは低重合度の液状物であっ
てもよいが、この組成物から得られる硬化弾性体を実用
性の硬度を有するものとするということからは平均重合
度が500以上のオルガノポリシロキサンとすることが
好ましい。
【0010】また、上記の有機基(R)については50
モル%以上がメチル基で、メチル基以外の有機基を用い
る場合にはフェニル基を50モル%以下とすることが好
ましいが、この(イ)成分のオルガノポリシロキサンは
分子中に少なくとも二つの脂肪族不飽和炭化水素基を含
有するものであることが必要である。この場合、脂肪族
不飽和炭化水素基としてはビニル基が好ましく、また不
飽和炭化水素基は分子鎖両末端にあるものが好ましい
が、片末端に不飽和炭化水素基を有するもの、分子鎖の
中間に不飽和炭化水素基を有するものであってもよい。
なお、この脂肪族不飽和炭化水素基はR中0.01〜2
0モル%、特に0.02〜10モル%とすることが好ま
しい。
モル%以上がメチル基で、メチル基以外の有機基を用い
る場合にはフェニル基を50モル%以下とすることが好
ましいが、この(イ)成分のオルガノポリシロキサンは
分子中に少なくとも二つの脂肪族不飽和炭化水素基を含
有するものであることが必要である。この場合、脂肪族
不飽和炭化水素基としてはビニル基が好ましく、また不
飽和炭化水素基は分子鎖両末端にあるものが好ましい
が、片末端に不飽和炭化水素基を有するもの、分子鎖の
中間に不飽和炭化水素基を有するものであってもよい。
なお、この脂肪族不飽和炭化水素基はR中0.01〜2
0モル%、特に0.02〜10モル%とすることが好ま
しい。
【0011】上記オルガノポリシロキサンの分子鎖末端
は、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基等のアルコキシ基、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等のトリアルキルシリル基、これら
の低級アルキル基とビニル基、アリル基、ブテニル基等
の低級アルケニル基とを含むジアルキルモノアルケニル
シリル基、アルキルジアルケニルシリル基、更にトリア
ルケニルシリル基で封鎖されたものとすればよいが、上
述したように分子鎖末端には脂肪族不飽和炭化水素基を
有していることが好ましい。
は、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基等のアルコキシ基、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等のトリアルキルシリル基、これら
の低級アルキル基とビニル基、アリル基、ブテニル基等
の低級アルケニル基とを含むジアルキルモノアルケニル
シリル基、アルキルジアルケニルシリル基、更にトリア
ルケニルシリル基で封鎖されたものとすればよいが、上
述したように分子鎖末端には脂肪族不飽和炭化水素基を
有していることが好ましい。
【0012】また、本発明の組成物を構成する(ロ)成
分は、R1 3SiO1/2、R2 2SiO2/2及びSiO4/2
単位(但し、式中R1及びR2は互いに同一又は異種の置
換又は非置換の一価炭化水素基である)からなり、かつ
一分子中に少なくとも二つの脂肪族不飽和炭化水素基を
含有するオルガノポリシロキサンレジンであって、R1
3SiO1/2及びR2 2SiO2/2単位の合計とSiO4/2
単位との比が0.4〜1.5であり、R1 3SiO1/2単
位とR2 2SiO2/2単位との比が1以上であるシリコー
ンオイル、トルエン、キシレン等の溶剤に可溶なポリマ
ーである。
分は、R1 3SiO1/2、R2 2SiO2/2及びSiO4/2
単位(但し、式中R1及びR2は互いに同一又は異種の置
換又は非置換の一価炭化水素基である)からなり、かつ
一分子中に少なくとも二つの脂肪族不飽和炭化水素基を
含有するオルガノポリシロキサンレジンであって、R1
3SiO1/2及びR2 2SiO2/2単位の合計とSiO4/2
単位との比が0.4〜1.5であり、R1 3SiO1/2単
位とR2 2SiO2/2単位との比が1以上であるシリコー
ンオイル、トルエン、キシレン等の溶剤に可溶なポリマ
ーである。
【0013】この場合、溶剤不溶性であると、シロキサ
ンポリマーにも不溶で均一化ができなくなり、従来のシ
リカと同様、圧縮永久歪、ヒステリシスロスなどの改善
を図ることができない。
ンポリマーにも不溶で均一化ができなくなり、従来のシ
リカと同様、圧縮永久歪、ヒステリシスロスなどの改善
を図ることができない。
【0014】更に詳しく述べると、R1、R2はメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル
基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル
基、トリル基などのアリール基、シクロヘキシル基など
のシクロアルキル基、ベンジル基、β−フェニルエチル
基などのアラルキル基又はこれらの基の炭素原子に結合
した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原
子を除く)、シアノ基などで置換したクロロメチル基、
シアノエチル基などから選択される、通常炭素数1〜1
0、好ましくは炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭
化水素基であるが、この(ロ)成分は分子中に少なくと
も二つの脂肪族不飽和炭化水素基、例えばビニル基、ア
リル基等を含有することが必要である。この脂肪族不飽
和炭化水素基が無いと目的とする高耐久、低圧縮永久
歪、低ヒステリシスロス特性を発揮できなくなる。な
お、この脂肪族不飽和炭化水素基の含有量はR1とR2と
の合計に対して1〜100モル%、特に2〜50モル%
とすることが好ましく、また該脂肪族不飽和炭化水素基
はR1とR2のいずれか一方に存在してもよく、双方に存
在してもよい。
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル
基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル
基、トリル基などのアリール基、シクロヘキシル基など
のシクロアルキル基、ベンジル基、β−フェニルエチル
基などのアラルキル基又はこれらの基の炭素原子に結合
した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原
子を除く)、シアノ基などで置換したクロロメチル基、
シアノエチル基などから選択される、通常炭素数1〜1
0、好ましくは炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭
化水素基であるが、この(ロ)成分は分子中に少なくと
も二つの脂肪族不飽和炭化水素基、例えばビニル基、ア
リル基等を含有することが必要である。この脂肪族不飽
和炭化水素基が無いと目的とする高耐久、低圧縮永久
歪、低ヒステリシスロス特性を発揮できなくなる。な
お、この脂肪族不飽和炭化水素基の含有量はR1とR2と
の合計に対して1〜100モル%、特に2〜50モル%
とすることが好ましく、また該脂肪族不飽和炭化水素基
はR1とR2のいずれか一方に存在してもよく、双方に存
在してもよい。
【0015】上記(ロ)成分は、上述したようにR1 3
SiO1/2及びR2 2SiO2/2単位の合計とSiO4/2単
位との比が0.4〜1.5であり、かつ、R1 3SiO
1/2単位とR2 2SiO2/2単位との比が1以上であるこ
とが必要であり、R1 3SiO1/2及びR2 2SiO2/2単
位の合計とSiO4/2単位との比が0.4未満である
と、得られるレジンは溶剤に溶けにくくなり、凝集力が
増大するために疲労耐久性が劣り、また逆に1.5を超
えると得られる成型物の補強性が劣り、実際の使用に耐
えられないものとなる。更に、R1 3SiO1/2単位とR
2 2SiO2/2単位との比が1より小さいと、得られるレ
ジンの凝集力が増大し、好ましくない。
SiO1/2及びR2 2SiO2/2単位の合計とSiO4/2単
位との比が0.4〜1.5であり、かつ、R1 3SiO
1/2単位とR2 2SiO2/2単位との比が1以上であるこ
とが必要であり、R1 3SiO1/2及びR2 2SiO2/2単
位の合計とSiO4/2単位との比が0.4未満である
と、得られるレジンは溶剤に溶けにくくなり、凝集力が
増大するために疲労耐久性が劣り、また逆に1.5を超
えると得られる成型物の補強性が劣り、実際の使用に耐
えられないものとなる。更に、R1 3SiO1/2単位とR
2 2SiO2/2単位との比が1より小さいと、得られるレ
ジンの凝集力が増大し、好ましくない。
【0016】上記(イ)成分と(ロ)成分の配合割合は
適宜選定されるが、(イ)成分と(ロ)成分とを重量比
として40:60〜90:10、特に60:40〜8
5:15とすることが好ましい。(ロ)成分が多過ぎる
と加硫成型物の強度等の特性が低下して脆くなり、ラバ
ーコンタクトとしての耐久疲労性が悪くなる場合が生
じ、逆に少な過ぎるとラバーコンタクトに必要なキーの
荷重が得られなくなる場合が生じる。
適宜選定されるが、(イ)成分と(ロ)成分とを重量比
として40:60〜90:10、特に60:40〜8
5:15とすることが好ましい。(ロ)成分が多過ぎる
と加硫成型物の強度等の特性が低下して脆くなり、ラバ
ーコンタクトとしての耐久疲労性が悪くなる場合が生
じ、逆に少な過ぎるとラバーコンタクトに必要なキーの
荷重が得られなくなる場合が生じる。
【0017】次に、(ハ)成分としての有機過酸化物
は、通常のシリコーンゴム加硫成型に用いられるもので
よく、この有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパ
ーオキサイド、モノクロルベンゾイルパーオキサイド、
p−メチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパー
ベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサ
ン、2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2,5−
ジメチルヘキシン、及びジミリスチルパーオキシカーボ
ネート、ジシクロドデシルパーオキシジカーボネート等
のジカーボネート類、t−ブチルモノオキシカーボネー
ト類、下記式で表される化合物が例示され、これらは単
独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
は、通常のシリコーンゴム加硫成型に用いられるもので
よく、この有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパ
ーオキサイド、モノクロルベンゾイルパーオキサイド、
p−メチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパー
ベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサ
ン、2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2,5−
ジメチルヘキシン、及びジミリスチルパーオキシカーボ
ネート、ジシクロドデシルパーオキシジカーボネート等
のジカーボネート類、t−ブチルモノオキシカーボネー
ト類、下記式で表される化合物が例示され、これらは単
独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
【0018】
【化1】 (式中、R5は炭素数3〜10の一価炭化水素基であ
る。)
る。)
【0019】なお、これら有機過酸化物は、通常(イ)
成分のジオルガノポリシロキサン100重量部当たり
0.1〜5重量部の割合で配合される。
成分のジオルガノポリシロキサン100重量部当たり
0.1〜5重量部の割合で配合される。
【0020】本発明のシリコーンゴム組成物は上記した
(イ)〜(ハ)成分の所定量を均一に混合することによ
って得ることができるが、この混合においては一般のシ
リコーンゴム配合に使用される混合機を用いればよく、
例えば、ニーダー、ゲートミキサー、品川ミキサー、加
圧ニーダー、三本ロール、二本ロール等が挙げられる。
(イ)〜(ハ)成分の所定量を均一に混合することによ
って得ることができるが、この混合においては一般のシ
リコーンゴム配合に使用される混合機を用いればよく、
例えば、ニーダー、ゲートミキサー、品川ミキサー、加
圧ニーダー、三本ロール、二本ロール等が挙げられる。
【0021】この際に耐熱向上剤としての金属酸化物等
や、着色剤、難燃助剤、導電付与剤、帯電防止剤、加工
助剤等、一般のシリコーンゴムに使用される添加剤を用
いることは任意とされるが、シリカ等の無機質充填剤は
配合されない。
や、着色剤、難燃助剤、導電付与剤、帯電防止剤、加工
助剤等、一般のシリコーンゴムに使用される添加剤を用
いることは任意とされるが、シリカ等の無機質充填剤は
配合されない。
【0022】この本発明のシリコーンゴム組成物は、種
々の成型法で加硫成型し硬化物とすることができるが、
これには従来用いられてきた方法を採用し得、例えばコ
ンプレッション成型、トランスファー成型、インジェク
ション成型などが適用可能であり、また組成物の粘度が
低い場合には、液状シリコーンで通常用いられている成
型法が可能であり、それにはリキッドインジェクション
成型が可能となる。更には樹脂等との二色成型も可能で
ある。
々の成型法で加硫成型し硬化物とすることができるが、
これには従来用いられてきた方法を採用し得、例えばコ
ンプレッション成型、トランスファー成型、インジェク
ション成型などが適用可能であり、また組成物の粘度が
低い場合には、液状シリコーンで通常用いられている成
型法が可能であり、それにはリキッドインジェクション
成型が可能となる。更には樹脂等との二色成型も可能で
ある。
【0023】本発明のシリコーンゴム組成物は、種々の
用途に使用することができるが、特にラバーコンタクト
材として有効であり、電子タイプライター、ワードプロ
セッサー、コンピュータ端末キーボード、リモコン、計
算機、その他のラバーコンタクトに用いられて高耐久性
を与えるものである。
用途に使用することができるが、特にラバーコンタクト
材として有効であり、電子タイプライター、ワードプロ
セッサー、コンピュータ端末キーボード、リモコン、計
算機、その他のラバーコンタクトに用いられて高耐久性
を与えるものである。
【0024】
【発明の効果】本発明のシリコーンゴム組成物によれ
ば、無機質充填剤を全く用いず、動的疲労特性の向上、
低圧縮永久歪特性、低ヒステリシスロスを有するラバー
コンタクトに好適に高耐久、高品質なシリコーンゴムを
与えることができる。
ば、無機質充填剤を全く用いず、動的疲労特性の向上、
低圧縮永久歪特性、低ヒステリシスロスを有するラバー
コンタクトに好適に高耐久、高品質なシリコーンゴムを
与えることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。なお、例中における部は重量部を示し、また
物性測定値は次の方法による測定結果を示したものであ
る。 (1)100%伸長疲労寿命 デマッチャ屈曲疲労試験機〔東洋精機(株)製〕を使用
して測定し、テストダンベルはJIS K−6301,
3項指定の3号ダンベルを用い、室温、5Hzで連続運
転し、破断までのサイクル数で表示した。 (2)ヒステリシスロス 図1に示した形状のラバーコンタクトを形成し、これに
ついて図2に示したようにキーに荷重を加えて押出しそ
の後脱圧して復帰したときのストロークと応力の関係か
らヒステリシスロスを下記式で求めた。
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。なお、例中における部は重量部を示し、また
物性測定値は次の方法による測定結果を示したものであ
る。 (1)100%伸長疲労寿命 デマッチャ屈曲疲労試験機〔東洋精機(株)製〕を使用
して測定し、テストダンベルはJIS K−6301,
3項指定の3号ダンベルを用い、室温、5Hzで連続運
転し、破断までのサイクル数で表示した。 (2)ヒステリシスロス 図1に示した形状のラバーコンタクトを形成し、これに
ついて図2に示したようにキーに荷重を加えて押出しそ
の後脱圧して復帰したときのストロークと応力の関係か
らヒステリシスロスを下記式で求めた。
【0026】 ヒステリシスロス(%)=(F1−F2)/F1×100
【0027】〔実施例1、比較例1〕 (CH3)2Si単位99.85モル%、(CH3)(C
H=CH2)SiO単位0.15モル%からなり、分子
鎖末端が(CH=CH2)(CH3)2SiO0.5単位で封
鎖された、重合度が約7000のメチルビニルポリシロ
キサン生ゴム70部に、下記オルガノポリシロキサンレ
ジンA30部を加え、ニーダーミキサーで混練りし、ベ
ースコンパウンドとする。このベースコンパウンド10
0部に2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2,5
−ジメチルヘキサン0.5部を添加し、シリコーンゴム
組成物を得た(実施例1)。
H=CH2)SiO単位0.15モル%からなり、分子
鎖末端が(CH=CH2)(CH3)2SiO0.5単位で封
鎖された、重合度が約7000のメチルビニルポリシロ
キサン生ゴム70部に、下記オルガノポリシロキサンレ
ジンA30部を加え、ニーダーミキサーで混練りし、ベ
ースコンパウンドとする。このベースコンパウンド10
0部に2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2,5
−ジメチルヘキサン0.5部を添加し、シリコーンゴム
組成物を得た(実施例1)。
【0028】オルガノポリシロキサンレジンA (CH3)3SiO1/2,(CH2=CH )(CH3)2Si
O1/2,(CH3)2SiO2/2及びSiO4/2単位からな
り、(CH3)3SiO1/2,(CH2=CH )(CH3)2
SiO1/2,(CH3)2SiO2/2単位の合計とSiO
4/2単位との比が1.0であり、(CH3)3SiO1/2,
(CH2=CH )(CH3)2SiO1/2単位の合計と(C
H3)2SiO2/2単位との比が4であり、(CH2=C
H )(CH3)2SiO1/2単位がレジン全体に対し0.
1モル%含有するオルガノポリシロキサンレジン。
O1/2,(CH3)2SiO2/2及びSiO4/2単位からな
り、(CH3)3SiO1/2,(CH2=CH )(CH3)2
SiO1/2,(CH3)2SiO2/2単位の合計とSiO
4/2単位との比が1.0であり、(CH3)3SiO1/2,
(CH2=CH )(CH3)2SiO1/2単位の合計と(C
H3)2SiO2/2単位との比が4であり、(CH2=C
H )(CH3)2SiO1/2単位がレジン全体に対し0.
1モル%含有するオルガノポリシロキサンレジン。
【0029】比較のため、上記と同じメチルビニルポリ
シロキサン生ゴム80部に、比表面積が200m2/g
であるヒュームドシリカ(アエロゲル−200,日本ア
エロジル(株)製)30部、シリカ分散剤としての分子
鎖両末端がシラノール基で封鎖された重合度20のジメ
チルポリシロキサン5部を加え、ニーダーで混練りし、
その後170℃で2時間熱処理してベースコンパウンド
を得た。これに上記実施例1と同様にして2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン
を加えて混合し、シリコーンゴム組成物を得た(比較例
1)。
シロキサン生ゴム80部に、比表面積が200m2/g
であるヒュームドシリカ(アエロゲル−200,日本ア
エロジル(株)製)30部、シリカ分散剤としての分子
鎖両末端がシラノール基で封鎖された重合度20のジメ
チルポリシロキサン5部を加え、ニーダーで混練りし、
その後170℃で2時間熱処理してベースコンパウンド
を得た。これに上記実施例1と同様にして2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン
を加えて混合し、シリコーンゴム組成物を得た(比較例
1)。
【0030】次に、上記シリコーンゴム組成物を170
℃,20kgf/cm2の条件で70分間プレスキュア
ーして、厚さ2mmのシートを作り、100%伸長疲労
寿命を測定した。また、同様の加硫条件で図1に示した
ラバーコンタクトを作製し、ヒステリシスロスを測定
し、更にJIS K−6301に従い、圧縮永久歪用成
型物を作製し、圧縮永久歪の測定を行なった。結果を表
1に示す。
℃,20kgf/cm2の条件で70分間プレスキュア
ーして、厚さ2mmのシートを作り、100%伸長疲労
寿命を測定した。また、同様の加硫条件で図1に示した
ラバーコンタクトを作製し、ヒステリシスロスを測定
し、更にJIS K−6301に従い、圧縮永久歪用成
型物を作製し、圧縮永久歪の測定を行なった。結果を表
1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】〔実施例2,3、比較例2〕実施例1にお
いて用いたオルガノポリシロキサンレジンのみの構成を
表2に示すように変化させて、ラバーコンタクト特性の
比較を行った。結果を表2に示す。なお、表2には実施
例1の結果も併せて示す。
いて用いたオルガノポリシロキサンレジンのみの構成を
表2に示すように変化させて、ラバーコンタクト特性の
比較を行った。結果を表2に示す。なお、表2には実施
例1の結果も併せて示す。
【0033】表2の結果から、実施例のものは比較例2
のもに比べて外観は透明になり、100%伸長疲労寿命
が向上し、圧縮永久歪及びヒステリシスロスが低く押え
られ、高耐久、高品質なラバーコンタクトが得られるこ
とがわかる。
のもに比べて外観は透明になり、100%伸長疲労寿命
が向上し、圧縮永久歪及びヒステリシスロスが低く押え
られ、高耐久、高品質なラバーコンタクトが得られるこ
とがわかる。
【0034】
【表2】
【図1】実施例,比較例のシリコーンゴム組成物により
形成したラバーコンタクトを示す断面図である。
形成したラバーコンタクトを示す断面図である。
【図2】実施例,比較例において測定したヒステリシス
ロスを求めるための応力とストロークの関係を示すグラ
フである。
ロスを求めるための応力とストロークの関係を示すグラ
フである。
Claims (2)
- 【請求項1】 (イ)下記平均組成式(1)で示される
オルガノポリシロキサン、 R aSiO(4-a)/2 …(1) (但し、式中Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であ
るが、一分子中に少なくとも二つの脂肪族不飽和炭化水
素基を含有する。aは1.95〜2.05の正数であ
る。) (ロ)R1 3SiO1/2、R2 2SiO2/2及びSiO4/2
単位(但し、式中R1及びR2は互いに同一又は異種の置
換又は非置換の一価炭化水素基である)からなり、かつ
一分子中に少なくとも二つの脂肪族不飽和炭化水素基を
含有するオルガノポリシロキサンレジンであって、R1
3SiO1/2及びR2 2SiO2/2単位の合計とSiO4/2
単位との比が0.4〜1.5であり、R1 3SiO1/2単
位とR2 2SiO2/2単位との比が1以上である溶剤可溶
型ポリマー、 (ハ)有機過酸化物、を配合してなることを特徴とする
無機質充填剤無含有のシリコーンゴム組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載のシリコーンゴム組成物の
硬化物からなることを特徴とするラバーコンタクト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12105992A JP2590668B2 (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | シリコーンゴム組成物及びラバーコンタクト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12105992A JP2590668B2 (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | シリコーンゴム組成物及びラバーコンタクト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295267A JPH05295267A (ja) | 1993-11-09 |
JP2590668B2 true JP2590668B2 (ja) | 1997-03-12 |
Family
ID=14801825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12105992A Expired - Lifetime JP2590668B2 (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | シリコーンゴム組成物及びラバーコンタクト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2590668B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005126565A (ja) * | 2003-10-23 | 2005-05-19 | Shin Etsu Chem Co Ltd | キーパッド用ゴム組成物及びそれを用いたキーパッド |
EP1797133B1 (en) * | 2004-10-06 | 2009-06-17 | Daikin Industries, Ltd. | Laminated article having excellent stain-proofing property and interlayer adhesion and method of production of same |
-
1992
- 1992-04-16 JP JP12105992A patent/JP2590668B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05295267A (ja) | 1993-11-09 |
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