JP2590476B2 - フェライト接合方法 - Google Patents
フェライト接合方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気ヘッドを構成するMn−Znフェライト単
結晶とMn−Znフェライト多結晶のフェライト接合方法に
関するものである。
結晶とMn−Znフェライト多結晶のフェライト接合方法に
関するものである。
本発明は、Mn−Znフェライト単結晶とMn−Znフェライ
ト多結晶とを熱間加圧による固相拡散により接合する方
法において、キュリー温度が所定の条件を満足するMn−
Znフェライト単結晶及びMn−Znフェライト多結晶を選定
することにより、接合の際に発生するヒビ割れ等の損傷
を抑制し、歩留まりを向上させることができるフェライ
ト接合方法を提供しようとするものである。
ト多結晶とを熱間加圧による固相拡散により接合する方
法において、キュリー温度が所定の条件を満足するMn−
Znフェライト単結晶及びMn−Znフェライト多結晶を選定
することにより、接合の際に発生するヒビ割れ等の損傷
を抑制し、歩留まりを向上させることができるフェライ
ト接合方法を提供しようとするものである。
従来、磁気テープとの摺動部分に単結晶フェライトを
用い、後部磁気回路に多結晶フェライトを用いた複合型
の磁気ヘッドにおいて、上記単結晶フェライトと多結晶
フェライトを接合する方法として、ガラスによる溶着
法,接着剤による接着法等がとられてきた。しかし、上
記ガラスによる溶着法や接着剤による接着法では、接着
に使用するガラスや接着剤がバックギャップとして作用
し、磁気回路の抵抗を増大させ磁気ヘッドの感度を低下
させることとなっていた。
用い、後部磁気回路に多結晶フェライトを用いた複合型
の磁気ヘッドにおいて、上記単結晶フェライトと多結晶
フェライトを接合する方法として、ガラスによる溶着
法,接着剤による接着法等がとられてきた。しかし、上
記ガラスによる溶着法や接着剤による接着法では、接着
に使用するガラスや接着剤がバックギャップとして作用
し、磁気回路の抵抗を増大させ磁気ヘッドの感度を低下
させることとなっていた。
そこで、ガラスや接着剤等を使用することなく固相反
応,すなわち接合部における化学反応により直接フェラ
イト同士を接合し、良好な磁気ヘッドを得ようとする方
法が提案された。上記固相反応による接合方法は、例え
ば単結晶フェライトと多結晶フェライトの接合面を重ね
合わせた後、不活性ガス雰囲気中、所定の圧力及び温度
条件に数時間保っておき、固相反応を行わせ単結晶フェ
ライトと多結晶フェライトとを接合するものである。
応,すなわち接合部における化学反応により直接フェラ
イト同士を接合し、良好な磁気ヘッドを得ようとする方
法が提案された。上記固相反応による接合方法は、例え
ば単結晶フェライトと多結晶フェライトの接合面を重ね
合わせた後、不活性ガス雰囲気中、所定の圧力及び温度
条件に数時間保っておき、固相反応を行わせ単結晶フェ
ライトと多結晶フェライトとを接合するものである。
上記固相反応による接合方法では、接合の際の反応条
件を所定の範囲にすることの他、接合する単結晶フェラ
イトと多結晶フェライトの組成が等しいことも必要とさ
れ、組成が異なる単結晶フェライトと多結晶フェライト
とを固相反応により接合した場合には、熱膨張のミスマ
ッチングによる歪から単結晶フェライトもしくは多結晶
フェライトにヒビが発生する問題が生じてしまう。
件を所定の範囲にすることの他、接合する単結晶フェラ
イトと多結晶フェライトの組成が等しいことも必要とさ
れ、組成が異なる単結晶フェライトと多結晶フェライト
とを固相反応により接合した場合には、熱膨張のミスマ
ッチングによる歪から単結晶フェライトもしくは多結晶
フェライトにヒビが発生する問題が生じてしまう。
ところで、接合する一方の単結晶フェライトは、良質
の単結晶フェライトを得るためにブリッジマン法によっ
て製造されている。上記ブリッジマン法によって製造さ
れた単結晶フェライトは非常に良質であるが、組成偏析
が伴うため厳密な組成コントロールが困難であり、単結
晶フェライトのインゴット全体を多結晶フェライトの組
成と同一とすることは不可能である。
の単結晶フェライトを得るためにブリッジマン法によっ
て製造されている。上記ブリッジマン法によって製造さ
れた単結晶フェライトは非常に良質であるが、組成偏析
が伴うため厳密な組成コントロールが困難であり、単結
晶フェライトのインゴット全体を多結晶フェライトの組
成と同一とすることは不可能である。
そのため、単結晶フェライトのインゴットのある部分
を切り出した材料を用いて多結晶フェライトと固相反応
させ接合し磁気ヘッドとした場合には良好に接合でき所
定の特性を有した磁気ヘッドを作製することができて
も、同一インゴットの他の部分から切り出した材料を用
いた場合には接合した単結晶フェライトと多結晶フェラ
イトの何れかにヒビが発生し接合不良を起こしてしまう
という問題が生ずることになり、歩留まりの向上を図る
ことが難しい。
を切り出した材料を用いて多結晶フェライトと固相反応
させ接合し磁気ヘッドとした場合には良好に接合でき所
定の特性を有した磁気ヘッドを作製することができて
も、同一インゴットの他の部分から切り出した材料を用
いた場合には接合した単結晶フェライトと多結晶フェラ
イトの何れかにヒビが発生し接合不良を起こしてしまう
という問題が生ずることになり、歩留まりの向上を図る
ことが難しい。
上述のように、通常は単結晶フェライトと多結晶フェ
ライトとの組成が同一であれば良好に接合されることと
なっていた。ところが、実際には、単結晶フェライトと
多結晶フェライトとの組成が非常に近いものを固相反応
により接合してもヒビが発生する場合や、逆に単結晶フ
ェライトと多結晶フェライトとの組成が全く異なるもの
を接合してもヒビの発生が全く起こらない場合等もあ
り、単結晶フェライトと多結晶フェライトとの接合の際
の条件の探索や任意の組成を設計し歩留まり良く磁気ヘ
ッドを製造することは困難であった。また、フェライト
単結晶やフェライト多結晶の組成を設計するためには、
多くの経験に基づき最適点をみつけださねばならず、そ
のために多大な努力が払われてきた。
ライトとの組成が同一であれば良好に接合されることと
なっていた。ところが、実際には、単結晶フェライトと
多結晶フェライトとの組成が非常に近いものを固相反応
により接合してもヒビが発生する場合や、逆に単結晶フ
ェライトと多結晶フェライトとの組成が全く異なるもの
を接合してもヒビの発生が全く起こらない場合等もあ
り、単結晶フェライトと多結晶フェライトとの接合の際
の条件の探索や任意の組成を設計し歩留まり良く磁気ヘ
ッドを製造することは困難であった。また、フェライト
単結晶やフェライト多結晶の組成を設計するためには、
多くの経験に基づき最適点をみつけださねばならず、そ
のために多大な努力が払われてきた。
そこで、本発明は上述の従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、単結晶フェライトと多結晶フェライト
との接合の際に発生するヒビ割れ等の損傷を抑制し、歩
留まりを向上させることができるフェライト接合方法を
提供することを目的とする。
たものであって、単結晶フェライトと多結晶フェライト
との接合の際に発生するヒビ割れ等の損傷を抑制し、歩
留まりを向上させることができるフェライト接合方法を
提供することを目的とする。
本発明者は、Mn−Znフェライト単結晶とMn−Znフェラ
イト多結晶とを良好に接合させるためには、Mn−Znフェ
ライト単結晶の有するキュリー温度及びMn−Znフェライ
ト多結晶の有するキュリー温度が相対的に所定の範囲内
に存在すればよいことを見出した。
イト多結晶とを良好に接合させるためには、Mn−Znフェ
ライト単結晶の有するキュリー温度及びMn−Znフェライ
ト多結晶の有するキュリー温度が相対的に所定の範囲内
に存在すればよいことを見出した。
本発明は、上述の知見に基づいて提案されたものであ
って、Mn−Znフェライト単結晶とMn−Znフェライト多結
晶とを熱間加圧による固相拡散により接合するに際し、
前記Mn−Znフェライト単結晶のキュリー温度TCSと前記M
n−Znフェライト多結晶のキュリー温度TCPが、TCP−20
℃≦TCS<TCPなる条件を満足するようにMn−Znフェライ
ト単結晶及びMn−Znフェライト多結晶を選定することを
特徴とするものである。
って、Mn−Znフェライト単結晶とMn−Znフェライト多結
晶とを熱間加圧による固相拡散により接合するに際し、
前記Mn−Znフェライト単結晶のキュリー温度TCSと前記M
n−Znフェライト多結晶のキュリー温度TCPが、TCP−20
℃≦TCS<TCPなる条件を満足するようにMn−Znフェライ
ト単結晶及びMn−Znフェライト多結晶を選定することを
特徴とするものである。
上述のように、Mn−Znフェライト単結晶のキュリー温
度TCS、Mn−Znフェライト多結晶のキュリー温度をTCPと
したとき、TCP−20℃≦TCS<TCPなる条件を満足するMn
−Znフェライト単結晶及びMn−Znフェライト多結晶を選
定し熱間加圧による固相拡散により接合することによっ
てヒビの発生等が起こらない非常に良好な接合が行え
る。
度TCS、Mn−Znフェライト多結晶のキュリー温度をTCPと
したとき、TCP−20℃≦TCS<TCPなる条件を満足するMn
−Znフェライト単結晶及びMn−Znフェライト多結晶を選
定し熱間加圧による固相拡散により接合することによっ
てヒビの発生等が起こらない非常に良好な接合が行え
る。
尚、この場合、Mn−Znフェライト単結晶とMn−Znフェ
ライト多結晶との断面積比は1:1〜1:4若しくはそれ以上
であることが好ましい。これは、通常フェライトを用い
て作製される接合フェライトヘッドにおいて、Mn−Znフ
ェライト単結晶とMn−Znフェライト多結晶との断面積比
が1:1〜1:4程度に設定されて作製されることに基づくも
のである。尚、Mn−Znフェライト多結晶の断面積の占め
る比率が大きくなる場合に関しては特に制限はないが、
Mn−Znフェライト単結晶の断面積の占める比率が大きく
なることは実用的ではない。
ライト多結晶との断面積比は1:1〜1:4若しくはそれ以上
であることが好ましい。これは、通常フェライトを用い
て作製される接合フェライトヘッドにおいて、Mn−Znフ
ェライト単結晶とMn−Znフェライト多結晶との断面積比
が1:1〜1:4程度に設定されて作製されることに基づくも
のである。尚、Mn−Znフェライト多結晶の断面積の占め
る比率が大きくなる場合に関しては特に制限はないが、
Mn−Znフェライト単結晶の断面積の占める比率が大きく
なることは実用的ではない。
ここで、Mn−Znフェライトの熱膨張と熱膨張係数の温
度依存性について第2図に示す。第2図中○印で示す熱
膨張においては、温度Tがキュリー温度TCに近づくにつ
れて自発体積磁歪の減少によってMn−Znフェライトが異
常熱膨張を起こし、温度Tがキュリー温度TCを越えるこ
とによって異常熱膨張は治まることがわかる。また、温
度Tがキュリー温度TCを越えた温度範囲では、第2図中
△印で示される熱膨張係数は概ね9.5×10-6deg-1程度で
あり、この値はMn−Znフェライトの組成によってはあま
り変化しない。
度依存性について第2図に示す。第2図中○印で示す熱
膨張においては、温度Tがキュリー温度TCに近づくにつ
れて自発体積磁歪の減少によってMn−Znフェライトが異
常熱膨張を起こし、温度Tがキュリー温度TCを越えるこ
とによって異常熱膨張は治まることがわかる。また、温
度Tがキュリー温度TCを越えた温度範囲では、第2図中
△印で示される熱膨張係数は概ね9.5×10-6deg-1程度で
あり、この値はMn−Znフェライトの組成によってはあま
り変化しない。
例えば、第3図に示すように、組成の異なるMn−Znフ
ェライト単結晶(S)とMn−Znフェライト多結晶(P)
とを接合し一体化したものについて高温より次第に冷却
していく場合について検討し、その結果を第4図に示
す。上記Mn−Znフェライト単結晶(S)のキュリー温度
をTCS,Mn−Znフェライト多結晶(P)のキュリー温度を
TCPとすると、T>TCSあるいはT>TCPの関係を満足す
る場合(第4図中aで示される領域)には、両者の熱膨
張係数は上述したように略等しいためヒビ割れ等の発生
は起こらない。
ェライト単結晶(S)とMn−Znフェライト多結晶(P)
とを接合し一体化したものについて高温より次第に冷却
していく場合について検討し、その結果を第4図に示
す。上記Mn−Znフェライト単結晶(S)のキュリー温度
をTCS,Mn−Znフェライト多結晶(P)のキュリー温度を
TCPとすると、T>TCSあるいはT>TCPの関係を満足す
る場合(第4図中aで示される領域)には、両者の熱膨
張係数は上述したように略等しいためヒビ割れ等の発生
は起こらない。
しかし、TCS<T<TCPの関係となる場合(第4図中b
で示される領域)には、Mn−Znフェライト多結晶(P)
の磁性が発生するために、Mn−Znフェライト多結晶
(P)の収縮率は、Mn−Znフェライト単結晶(S)の収
縮率を上回ることになり、両者間に生ずる歪はT=TCS
で最大になる。このときMn−Znフェライト多結晶(P)
には、引張応力が発生し、またMn−Znフェライト単結晶
(S)には、収縮応力が発生する。このように発生した
各応力がMn−Znフェライト単結晶(S)またはMn−Znフ
ェライト多結晶(P)の有する強度を上回るとヒビが発
生することになる。
で示される領域)には、Mn−Znフェライト多結晶(P)
の磁性が発生するために、Mn−Znフェライト多結晶
(P)の収縮率は、Mn−Znフェライト単結晶(S)の収
縮率を上回ることになり、両者間に生ずる歪はT=TCS
で最大になる。このときMn−Znフェライト多結晶(P)
には、引張応力が発生し、またMn−Znフェライト単結晶
(S)には、収縮応力が発生する。このように発生した
各応力がMn−Znフェライト単結晶(S)またはMn−Znフ
ェライト多結晶(P)の有する強度を上回るとヒビが発
生することになる。
一般にMn−Znフェライトは、圧縮応力に対しては強度
が大きく、引張応力に対しては強度が小さいことが知ら
れている。また、Mn−Znフェライトは、多結晶体のもの
の方が単結晶体のものに比べ機械的強度が大きいことが
知られており、例えば、Mn−Znフェライトの多結晶体の
抗析強度は、Mn−Znフェライトの単結晶体の抗析強度に
比べ25%程度大きい。
が大きく、引張応力に対しては強度が小さいことが知ら
れている。また、Mn−Znフェライトは、多結晶体のもの
の方が単結晶体のものに比べ機械的強度が大きいことが
知られており、例えば、Mn−Znフェライトの多結晶体の
抗析強度は、Mn−Znフェライトの単結晶体の抗析強度に
比べ25%程度大きい。
したがって、これらの関係を考慮した場合に、固相反
応により接合した接合フェライトは冷却による収縮歪の
影響をMn−Znフェライトの多結晶側で緩衝するようにす
ればヒビの発生する確立を充分低下させることが可能と
なる。
応により接合した接合フェライトは冷却による収縮歪の
影響をMn−Znフェライトの多結晶側で緩衝するようにす
ればヒビの発生する確立を充分低下させることが可能と
なる。
以上のことを鑑みたとき、Mn−Znフェライト単結晶の
キュリー温度TCSとMn−Znフェライト多結晶のキュリー
温度TCPとの関係をTCP−20℃≦TCS<TCPとすることによ
り、接合の際に発生するヒビ割れ等の損傷を抑制するこ
とができる。上述の範囲から外れた場合には、接合後の
収縮による歪の影響が大きくなり、フェライトにヒビが
発生することになる。
キュリー温度TCSとMn−Znフェライト多結晶のキュリー
温度TCPとの関係をTCP−20℃≦TCS<TCPとすることによ
り、接合の際に発生するヒビ割れ等の損傷を抑制するこ
とができる。上述の範囲から外れた場合には、接合後の
収縮による歪の影響が大きくなり、フェライトにヒビが
発生することになる。
Mn−Znフェライトは引張強度に優れていること、また
Mn−Znフェライトの多結晶はMn−Znフェライトの単結晶
に比べ引張強度が大きいことからMn−Znフェライト単結
晶とMn−Znフェライト多結晶を固相反応によって接合し
た際に生じる収縮による引張歪をMn−Znフェライト多結
晶側で緩衝するようにキュリー温度を選択することによ
って、ヒビ割れが抑制される良好な接合が行える。
Mn−Znフェライトの多結晶はMn−Znフェライトの単結晶
に比べ引張強度が大きいことからMn−Znフェライト単結
晶とMn−Znフェライト多結晶を固相反応によって接合し
た際に生じる収縮による引張歪をMn−Znフェライト多結
晶側で緩衝するようにキュリー温度を選択することによ
って、ヒビ割れが抑制される良好な接合が行える。
以下、本発明を適用した実施例について図面を参考に
して説明する。
して説明する。
本発明は、酸化鉄,酸化亜鉛,酸化マンガンを主成分
とするMn−Znフェライトを熱間加圧による固相拡散によ
り接合するものである。
とするMn−Znフェライトを熱間加圧による固相拡散によ
り接合するものである。
先ず、Mn−Znフェライト多結晶を作製した。Mn−Znフ
ェライト多結晶は、酸化鉄,酸化亜鉛,酸化マンガンを
それぞれ秤量したものをステンレス製のボールミル内で
混合、粉砕したものを用いて成形し、1%酸素中1300
℃,2時間の焼成を行うことによって作製した。
ェライト多結晶は、酸化鉄,酸化亜鉛,酸化マンガンを
それぞれ秤量したものをステンレス製のボールミル内で
混合、粉砕したものを用いて成形し、1%酸素中1300
℃,2時間の焼成を行うことによって作製した。
次に、Mn−Znフェライト単結晶を作製した。Mn−Znフ
ェライト単結晶は、上述のようにして作製したMn−Znフ
ェライト多結晶をブリッジマン法を用い、白金ルツボ中
で1650℃の温度で溶融させた後、底部より固化させるこ
とにより単結晶化させて作製した。
ェライト単結晶は、上述のようにして作製したMn−Znフ
ェライト多結晶をブリッジマン法を用い、白金ルツボ中
で1650℃の温度で溶融させた後、底部より固化させるこ
とにより単結晶化させて作製した。
上述のようにして作製したMn−Znフェライト単結晶は
その大きさを縦10mm,横25mm,厚さ1.0mmに、またMn−Zn
フェライト多結晶はその大きさを縦10mm,横25mm,厚さ3.
5mmの寸法に加工し、Mn−Znフェライト単結晶及びMn−Z
nフェライト多結晶の接合面をクロム研磨によって鏡面
状態に仕上げた。上記鏡面状態に仕上げた接合面同士を
密着させて窒素雰囲気中1280℃,5Kg/cm2の条件で熱間加
圧によって固相拡散することによって接合した。
その大きさを縦10mm,横25mm,厚さ1.0mmに、またMn−Zn
フェライト多結晶はその大きさを縦10mm,横25mm,厚さ3.
5mmの寸法に加工し、Mn−Znフェライト単結晶及びMn−Z
nフェライト多結晶の接合面をクロム研磨によって鏡面
状態に仕上げた。上記鏡面状態に仕上げた接合面同士を
密着させて窒素雰囲気中1280℃,5Kg/cm2の条件で熱間加
圧によって固相拡散することによって接合した。
上述のようにして作製した各種組成からなる接合フェ
ライトのヒビ割れ発生率を測定したところ第1図に示す
ようになった。第1図中F点(黒く塗り潰した□印)
は、使用したMn−Znフェライト多結晶の組成を示してお
り、そのキュリー温度TCPは160℃である。また、第1図
中○印は使用したMn−Znフェライト単結晶の組成を示し
ており、第1図中に示す斜線Aはキュリー温度160℃に
おける等温線,斜線Bはキュリー温度140℃における等
温線を示している。そして、ヒビの発生率は第1図中○
印から上方へ引いた直線の長さに比例している。すなわ
ち、この直線が長い程ヒビの発生率が高いことを示して
いる。
ライトのヒビ割れ発生率を測定したところ第1図に示す
ようになった。第1図中F点(黒く塗り潰した□印)
は、使用したMn−Znフェライト多結晶の組成を示してお
り、そのキュリー温度TCPは160℃である。また、第1図
中○印は使用したMn−Znフェライト単結晶の組成を示し
ており、第1図中に示す斜線Aはキュリー温度160℃に
おける等温線,斜線Bはキュリー温度140℃における等
温線を示している。そして、ヒビの発生率は第1図中○
印から上方へ引いた直線の長さに比例している。すなわ
ち、この直線が長い程ヒビの発生率が高いことを示して
いる。
第1図より明らかなように、固相拡散による接合によ
ってヒビが発生したものは、Mn−Znフェライト多結晶の
キュリー温度TCP160℃よりも大きなキュリー温度TCSを
有するMn−Znフェライト単結晶及びTCP−20℃に相当す
るキュリー温度TCS140℃よりも低いキュリー温度を有す
るMn−Znフェライト単結晶であった。
ってヒビが発生したものは、Mn−Znフェライト多結晶の
キュリー温度TCP160℃よりも大きなキュリー温度TCSを
有するMn−Znフェライト単結晶及びTCP−20℃に相当す
るキュリー温度TCS140℃よりも低いキュリー温度を有す
るMn−Znフェライト単結晶であった。
以上の結果より、熱間加圧による固相拡散による接合
方法により作製した接合フェライトにおいて、良好な接
合状態を示したMn−Znフェライト単結晶のキュリー温度
TCSは、Mn−Znフェライト多結晶のキュリー温度TCPを越
えず、且つMn−Znフェライト多結晶のキュリー温度TCP
より20℃以上低くない範囲に限られていることが判明し
た。
方法により作製した接合フェライトにおいて、良好な接
合状態を示したMn−Znフェライト単結晶のキュリー温度
TCSは、Mn−Znフェライト多結晶のキュリー温度TCPを越
えず、且つMn−Znフェライト多結晶のキュリー温度TCP
より20℃以上低くない範囲に限られていることが判明し
た。
このように、接合する材料のキュリー温度を所定の範
囲とすることによって良好な接合状態が得られれば、従
来接合することが不可能とされていた異なる組成から成
る材料同士であっても両者のキュリー温度を所定の範囲
に設定することによって良好に接合することができるた
め、ニーズに応じた材料を選択することができ、様々な
用途に応じた製品を作製することができることになり、
適用範囲を拡大することができる。
囲とすることによって良好な接合状態が得られれば、従
来接合することが不可能とされていた異なる組成から成
る材料同士であっても両者のキュリー温度を所定の範囲
に設定することによって良好に接合することができるた
め、ニーズに応じた材料を選択することができ、様々な
用途に応じた製品を作製することができることになり、
適用範囲を拡大することができる。
〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、従来経験的手法に委
ねていたMn−Znフェライト単結晶とMn−Znフェライト多
結晶の接合適性を使用するMn−Znフェライト単結晶とMn
−Znフェライト多結晶のキュリー温度により規定するこ
とができ、ヒビ等の発生がなく良好な接合が容易に行う
ことができる。
ねていたMn−Znフェライト単結晶とMn−Znフェライト多
結晶の接合適性を使用するMn−Znフェライト単結晶とMn
−Znフェライト多結晶のキュリー温度により規定するこ
とができ、ヒビ等の発生がなく良好な接合が容易に行う
ことができる。
また、接合適性の判定がキュリー温度を知ることによ
って容易に行えるため、組成の設計も容易に行える。
って容易に行えるため、組成の設計も容易に行える。
さらに、これまで形成した単結晶インゴットの一部し
か接合に使用されていなかったのに対し、本発明ではキ
ュリー温度を所定の範囲とすることで多結晶と良好に接
合させることができ単結晶インゴットを有効に使用でき
る。
か接合に使用されていなかったのに対し、本発明ではキ
ュリー温度を所定の範囲とすることで多結晶と良好に接
合させることができ単結晶インゴットを有効に使用でき
る。
したがって、接合の際に発生するヒビ割れ等の損傷を
抑制し、歩留まりを向上させることができる。
抑制し、歩留まりを向上させることができる。
第1図は単結晶フェライトの組成によるヒビ発生率を示
す特性図である。 第2図はMn−Znフェライトの熱膨張と熱膨張係数の温度
依存性を示す特性図である。 第3図は、Mn−Znフェライト単結晶とMn−Znフェライト
多結晶の接合状態を示す概略斜視図である。 第4図は接合フェライトを冷却した場合の温度と熱膨張
との関係を示す特性図である。 P……Mn−Znフェライト多結晶 S……Mn−Znフェライト単結晶
す特性図である。 第2図はMn−Znフェライトの熱膨張と熱膨張係数の温度
依存性を示す特性図である。 第3図は、Mn−Znフェライト単結晶とMn−Znフェライト
多結晶の接合状態を示す概略斜視図である。 第4図は接合フェライトを冷却した場合の温度と熱膨張
との関係を示す特性図である。 P……Mn−Znフェライト多結晶 S……Mn−Znフェライト単結晶
Claims (1)
- 【請求項1】Mn−Znフェライト単結晶とMn−Znフェライ
ト多結晶とを熱間加圧による固相拡散により接合するに
際し、 前記Mn−Znフェライト単結晶のキュリー温度TCSと前記M
n−Znフェライト多結晶のキュリー温度TCPが、 TCP−20℃≦TCS<TCP なる条件を満足するようにMn−Znフェライト単結晶及び
Mn−Znフェライト多結晶を選定することを特徴とするフ
ェライト接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62110286A JP2590476B2 (ja) | 1987-05-06 | 1987-05-06 | フェライト接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62110286A JP2590476B2 (ja) | 1987-05-06 | 1987-05-06 | フェライト接合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63274672A JPS63274672A (ja) | 1988-11-11 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5950618B2 (ja) * | 1975-09-17 | 1984-12-10 | 株式会社東芝 | フエライト素体接合体の製造方法 |
-
1987
- 1987-05-06 JP JP62110286A patent/JP2590476B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPS63274672A (ja) | 1988-11-11 |
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