JP2590444B2 - 二・三元系酸化物からなる固体潤滑剤 - Google Patents
二・三元系酸化物からなる固体潤滑剤Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】各種技術分野において、大気中あ
るいは酸化性雰囲気で室温から1000℃程度の幅広い
温度範囲においてすぐれた潤滑性を保持する固体潤滑剤
の開発が望まれている。本発明は、このような広い温度
範囲において利用するのに適した酸化物系固体潤滑剤に
関するものである。
るいは酸化性雰囲気で室温から1000℃程度の幅広い
温度範囲においてすぐれた潤滑性を保持する固体潤滑剤
の開発が望まれている。本発明は、このような広い温度
範囲において利用するのに適した酸化物系固体潤滑剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、超音速ジェット燃燒室の流路制
御装置、セラミックガスタービンの燃燒室のシール、M
OCVD装置内の駆動部など、各種高温機器の駆動部で
は、室温から高温までの温度変化を受けることが多い。
しかし、高温においては油潤滑が不可能で、1000℃
程度まで潤滑性を保持できる固体潤滑剤も得難いとなれ
ば、駆動部を冷却するとか、駆動部を高温部から離すな
どの複雑な設計を強いられる。もし、かかる広い温度範
囲で安定な潤滑剤が開発されれば、すでに高温に耐えら
れる構造材料は開発されているから、複雑な、あるいは
無理な設計を行うことなく、駆動部を単純化できること
になる。
御装置、セラミックガスタービンの燃燒室のシール、M
OCVD装置内の駆動部など、各種高温機器の駆動部で
は、室温から高温までの温度変化を受けることが多い。
しかし、高温においては油潤滑が不可能で、1000℃
程度まで潤滑性を保持できる固体潤滑剤も得難いとなれ
ば、駆動部を冷却するとか、駆動部を高温部から離すな
どの複雑な設計を強いられる。もし、かかる広い温度範
囲で安定な潤滑剤が開発されれば、すでに高温に耐えら
れる構造材料は開発されているから、複雑な、あるいは
無理な設計を行うことなく、駆動部を単純化できること
になる。
【0003】従来から一般的に利用されている黒鉛、M
oS2 などの汎用非酸化物系固体潤滑剤の大気中での使
用温度限界は、高々500℃である。一方、酸化物系固
体潤滑剤は高温酸化に対して安定であるが、一般的に室
温での摩擦係数が高く、使用温度限界も600〜800
℃までか、あるいは溶融して高温でのみ潤滑性を示すか
のいずれかである。すなわち、室温から1000℃程度
の高温までの広い温度範囲で安定的な潤滑性を示し、且
つ種々の面で満足できるような固体潤滑剤は未だ開発さ
れていない。
oS2 などの汎用非酸化物系固体潤滑剤の大気中での使
用温度限界は、高々500℃である。一方、酸化物系固
体潤滑剤は高温酸化に対して安定であるが、一般的に室
温での摩擦係数が高く、使用温度限界も600〜800
℃までか、あるいは溶融して高温でのみ潤滑性を示すか
のいずれかである。すなわち、室温から1000℃程度
の高温までの広い温度範囲で安定的な潤滑性を示し、且
つ種々の面で満足できるような固体潤滑剤は未だ開発さ
れていない。
【0004】このような問題に対処し、本発明者らは、
先に、特開平4−15294号として、ジルコン酸ナト
リウム(Na2 ZrO3 )粉末と酸化クロム(Cr2 O
3 )粉末とを混合、燒結した複合セラミックス燒結体か
らなる固体潤滑剤を提案している。この固体潤滑剤は、
Na2 ZrO3 中のZrの一部がCrに置き換わったへ
き開性のよい物質となり、室温から1000℃までの温
度範囲ですぐれた潤滑性を示す点では有効であるが、大
気中に放置しておくと吸湿して潮解性を示し、また73
0℃で軟化し始め、作成条件の僅かな相違が潤滑特性に
影響する等の問題点を有していることが分かった。
先に、特開平4−15294号として、ジルコン酸ナト
リウム(Na2 ZrO3 )粉末と酸化クロム(Cr2 O
3 )粉末とを混合、燒結した複合セラミックス燒結体か
らなる固体潤滑剤を提案している。この固体潤滑剤は、
Na2 ZrO3 中のZrの一部がCrに置き換わったへ
き開性のよい物質となり、室温から1000℃までの温
度範囲ですぐれた潤滑性を示す点では有効であるが、大
気中に放置しておくと吸湿して潮解性を示し、また73
0℃で軟化し始め、作成条件の僅かな相違が潤滑特性に
影響する等の問題点を有していることが分かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、上述したような潮解性等の問題点がなく、しかも、
大気中あるいは酸化性雰囲気において、室温から100
0℃程度の高温までの広い温度範囲で安定的にすぐれた
潤滑性を示す固体潤滑剤を得ることにある。
は、上述したような潮解性等の問題点がなく、しかも、
大気中あるいは酸化性雰囲気において、室温から100
0℃程度の高温までの広い温度範囲で安定的にすぐれた
潤滑性を示す固体潤滑剤を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段・作用】本来、固体潤滑剤
を大気中あるいは酸化性雰囲気で室温から1000℃程
度の高温までの広い温度範囲において安定的に使用可能
するためには、酸化物系のものが好ましいと考えられる
が、単一の金属酸化物にそれを期待することは比較的困
難である。そこで、本発明者らは、前記既提案のNa2
ZrO3 +Cr2 O3 系と同系の複合酸化物として、ジ
ルコン酸バリウム(BaZrO3 )の粉末及びジルコン
酸カルシウム(CaZrO3 )の粉末とを、それぞれ酸
化クロム(Cr2 O3 )粉末と混合して熱処理し、その
後、再度粉砕して複合酸化物粉体を作成し、これをアル
ミナ上にコーティングして、室温から950℃ないし1
000℃までの摩擦特性を調べた結果、後述の実施例に
おいて詳述するように、良好な結果を得ることができ
た。
を大気中あるいは酸化性雰囲気で室温から1000℃程
度の高温までの広い温度範囲において安定的に使用可能
するためには、酸化物系のものが好ましいと考えられる
が、単一の金属酸化物にそれを期待することは比較的困
難である。そこで、本発明者らは、前記既提案のNa2
ZrO3 +Cr2 O3 系と同系の複合酸化物として、ジ
ルコン酸バリウム(BaZrO3 )の粉末及びジルコン
酸カルシウム(CaZrO3 )の粉末とを、それぞれ酸
化クロム(Cr2 O3 )粉末と混合して熱処理し、その
後、再度粉砕して複合酸化物粉体を作成し、これをアル
ミナ上にコーティングして、室温から950℃ないし1
000℃までの摩擦特性を調べた結果、後述の実施例に
おいて詳述するように、良好な結果を得ることができ
た。
【0007】さらに、その摩擦特性が改善される原因を
解明するため、上記BaZrO3 +Cr2 O3 系の熱処
理の粉末のX線回析データを調べたところ、反応生成物
として、クロム酸バリウム(BaCrO4 、BaCr2
O4 、BaCrO3 )とジルコニア(ZrO2 )が生成
していることが判明した。そこで、その結果に基づき、
クロム酸バリウムが固体潤滑剤として有効な物質である
と考え、上記BaZrO3 +Cr2 O3 系についての潤
滑性を再確認すると共に、クロム酸バリウムが生成する
と考えられる他のBaO+Cr2 O3 系や市販のBaC
rO4 を用いた試験から、クロム酸バリウムの固体潤滑
性についての確認、検討を繰り返したところ、それが室
温から1000℃程度の高温までの広い温度範囲で安定
的にすぐれた潤滑性を示すことを知得することができ
た。
解明するため、上記BaZrO3 +Cr2 O3 系の熱処
理の粉末のX線回析データを調べたところ、反応生成物
として、クロム酸バリウム(BaCrO4 、BaCr2
O4 、BaCrO3 )とジルコニア(ZrO2 )が生成
していることが判明した。そこで、その結果に基づき、
クロム酸バリウムが固体潤滑剤として有効な物質である
と考え、上記BaZrO3 +Cr2 O3 系についての潤
滑性を再確認すると共に、クロム酸バリウムが生成する
と考えられる他のBaO+Cr2 O3 系や市販のBaC
rO4 を用いた試験から、クロム酸バリウムの固体潤滑
性についての確認、検討を繰り返したところ、それが室
温から1000℃程度の高温までの広い温度範囲で安定
的にすぐれた潤滑性を示すことを知得することができ
た。
【0008】本発明は、かかる研究の結果に基づくもの
であり、上記課題を解決するための本発明の第1の酸化
物系固体潤滑剤は、基本的には、BaCrO4 、BaC
r2O4 及びBaCrO3 のうちの一種又は複数種が混
合されたクロム酸バリウムにより形成したことを特徴と
するものである。
であり、上記課題を解決するための本発明の第1の酸化
物系固体潤滑剤は、基本的には、BaCrO4 、BaC
r2O4 及びBaCrO3 のうちの一種又は複数種が混
合されたクロム酸バリウムにより形成したことを特徴と
するものである。
【0009】上記クロム酸バリウムからなる固体潤滑剤
は、BaZrO3 粉末と0〜80wt%のCr2 O3 粉
末とを混合して熱処理又は焼結した複合セラミックスの
粉末又は燒結体により構成することができる。さらに、
上記固体潤滑剤は、BaZrO3 粉末と0〜80wt%
のCr2 O3 粉末とを混合した熱処理しない粉末を母材
上に燒結した複合セラミックス燒結体として構成するこ
ともできる。また、BaO粉末と10〜80wt%のC
r2 O3 粉末とを混合して熱処理又は燒結した複合セラ
ミックスにより構成することもできる。一方、本発明の
第2の固体潤滑剤は、CaZrO3 粉末と10〜50w
t%のCr2 O3 粉末とを混合して熱処理又は燒結した
複合セラミックスの粉末又は燒結体により構成したこと
を特徴とするものである。
は、BaZrO3 粉末と0〜80wt%のCr2 O3 粉
末とを混合して熱処理又は焼結した複合セラミックスの
粉末又は燒結体により構成することができる。さらに、
上記固体潤滑剤は、BaZrO3 粉末と0〜80wt%
のCr2 O3 粉末とを混合した熱処理しない粉末を母材
上に燒結した複合セラミックス燒結体として構成するこ
ともできる。また、BaO粉末と10〜80wt%のC
r2 O3 粉末とを混合して熱処理又は燒結した複合セラ
ミックスにより構成することもできる。一方、本発明の
第2の固体潤滑剤は、CaZrO3 粉末と10〜50w
t%のCr2 O3 粉末とを混合して熱処理又は燒結した
複合セラミックスの粉末又は燒結体により構成したこと
を特徴とするものである。
【0010】本発明をさらに具体的に説明すると、上述
したように、本発明者がジルコン酸バリウム(BaZr
O3 )の粉末を酸化クロム(Cr2 O3 )粉末と混合し
て熱処理し、その後、その熱処理粉末を再度粉砕して複
合酸化物粉体を作成し、これをアルミナ母材上にコーテ
ィングして、室温から950℃ないし1000℃までの
摩擦特性を調べた結果、以下の実施例において示すよう
に、良好な結果を得ることができた。しかも、その複合
酸化物粉体においては、X線回析データによる解析によ
り、反応生成物としてクロム酸バリウム(BaCrO
4 、BaCr2 O4 、BaCrO3 )とジルコニア(Z
rO2 )が生成していて、このクロム酸バリウムが固体
潤滑剤として室温から1000℃程度の高温までの広い
温度範囲で安定的にすぐれた潤滑性を示すことを確認す
ることができた。
したように、本発明者がジルコン酸バリウム(BaZr
O3 )の粉末を酸化クロム(Cr2 O3 )粉末と混合し
て熱処理し、その後、その熱処理粉末を再度粉砕して複
合酸化物粉体を作成し、これをアルミナ母材上にコーテ
ィングして、室温から950℃ないし1000℃までの
摩擦特性を調べた結果、以下の実施例において示すよう
に、良好な結果を得ることができた。しかも、その複合
酸化物粉体においては、X線回析データによる解析によ
り、反応生成物としてクロム酸バリウム(BaCrO
4 、BaCr2 O4 、BaCrO3 )とジルコニア(Z
rO2 )が生成していて、このクロム酸バリウムが固体
潤滑剤として室温から1000℃程度の高温までの広い
温度範囲で安定的にすぐれた潤滑性を示すことを確認す
ることができた。
【0011】上記BaZrO3 粉末とCr2 O3 粉末と
を混合、熱処理した複合セラミックスの粉末では、Cr
2 O3 の含有量が0wt%の場合においてもすぐれた潤
滑性を示し、そのため、Cr2 O3 が0〜80wt%の
範囲内において有効に利用することができる。即ち、上
記BaZrO3 自体の燒結体が固体潤滑剤として室温か
ら1000℃程度の高温までの広い温度範囲で安定的に
すぐれた潤滑性を示すことも確認されているが、上記C
r2 O3 が10〜50wt%において複合セラミックス
の熱処理粉末が比較的望ましい潤滑性を示し、さらに、
Cr2 O3 の割合が20〜30wt%付近で室温から1
000℃までの摩擦係数が最小となり、低い摩擦係数を
安定的に得ることができる。
を混合、熱処理した複合セラミックスの粉末では、Cr
2 O3 の含有量が0wt%の場合においてもすぐれた潤
滑性を示し、そのため、Cr2 O3 が0〜80wt%の
範囲内において有効に利用することができる。即ち、上
記BaZrO3 自体の燒結体が固体潤滑剤として室温か
ら1000℃程度の高温までの広い温度範囲で安定的に
すぐれた潤滑性を示すことも確認されているが、上記C
r2 O3 が10〜50wt%において複合セラミックス
の熱処理粉末が比較的望ましい潤滑性を示し、さらに、
Cr2 O3 の割合が20〜30wt%付近で室温から1
000℃までの摩擦係数が最小となり、低い摩擦係数を
安定的に得ることができる。
【0012】上記複合酸化物粉体は、BaZrO3 の粉
末をCr2 O3 の粉末と混合して熱処理し、その後、そ
の粉体を再度粉砕して作成したものであるが、BaZr
O3及びCr2 O3 の粉末を混合したままの熱処理しな
い粉末を用いてそれを母材上に燒結することもできる。
この熱処理しない粉末を用いる場合にも、熱処理粉末を
用いる場合と同様に、Cr2 O3 の含有量が0wt%で
もすぐれた潤滑性を示し、またCr2 O3 が0〜80w
t%の範囲内において有効に利用することができるが、
0〜50wt%において比較的望ましい潤滑性を示し、
さらに、Cr2 O3 の割合が20〜30wt%付近で室
温から1000℃までの温度範囲における摩擦係数の変
動が最小となり、低い摩擦係数を安定的に得ることがで
きる。
末をCr2 O3 の粉末と混合して熱処理し、その後、そ
の粉体を再度粉砕して作成したものであるが、BaZr
O3及びCr2 O3 の粉末を混合したままの熱処理しな
い粉末を用いてそれを母材上に燒結することもできる。
この熱処理しない粉末を用いる場合にも、熱処理粉末を
用いる場合と同様に、Cr2 O3 の含有量が0wt%で
もすぐれた潤滑性を示し、またCr2 O3 が0〜80w
t%の範囲内において有効に利用することができるが、
0〜50wt%において比較的望ましい潤滑性を示し、
さらに、Cr2 O3 の割合が20〜30wt%付近で室
温から1000℃までの温度範囲における摩擦係数の変
動が最小となり、低い摩擦係数を安定的に得ることがで
きる。
【0013】また、本発明においては、大気中での燒成
によりクロム酸バリウムが生成するBaOとCr2 O3
の混合粉末を用いることもでき、この場合には、33w
t%Cr2 O3 で最も小さい摩擦係数の変動幅を示す
が、300℃以下では温度が低下するほど摩擦係数が高
くなる傾向を示し、Cr2 O3 が10〜70wt%にお
いて比較的望ましい潤滑性を示すことになる。さらに、
本発明においては、クロム酸バリウムの市販品をそのま
ま用いたり、バリウムとクロムの各酸化物で、熱処理に
よりBaCrO4 、BaCr2 O4 又はBaCrO3 の
一種又は複数種を生成するような粉末材料を選択して利
用することもできる。
によりクロム酸バリウムが生成するBaOとCr2 O3
の混合粉末を用いることもでき、この場合には、33w
t%Cr2 O3 で最も小さい摩擦係数の変動幅を示す
が、300℃以下では温度が低下するほど摩擦係数が高
くなる傾向を示し、Cr2 O3 が10〜70wt%にお
いて比較的望ましい潤滑性を示すことになる。さらに、
本発明においては、クロム酸バリウムの市販品をそのま
ま用いたり、バリウムとクロムの各酸化物で、熱処理に
よりBaCrO4 、BaCr2 O4 又はBaCrO3 の
一種又は複数種を生成するような粉末材料を選択して利
用することもできる。
【0014】一方、本発明に基づいて得られるCaZr
O3 粉末とCr2 O3 粉末とを混合熱処理した複合セラ
ミックスの粉末又は燒結体は、Cr2 O3 が10〜50
wt%の範囲内において有効に利用することができる
が、15〜40wt%において比較的望ましい潤滑性を
示し、さらに、Cr2 O3 の割合が20〜35wt%付
近で室温から1000℃までの摩擦係数が最小となり、
低い摩擦係数を安定的に得ることができる。しかも、上
記いずれの複合酸化物の場合も潮解性が認められないの
は勿論である。
O3 粉末とCr2 O3 粉末とを混合熱処理した複合セラ
ミックスの粉末又は燒結体は、Cr2 O3 が10〜50
wt%の範囲内において有効に利用することができる
が、15〜40wt%において比較的望ましい潤滑性を
示し、さらに、Cr2 O3 の割合が20〜35wt%付
近で室温から1000℃までの摩擦係数が最小となり、
低い摩擦係数を安定的に得ることができる。しかも、上
記いずれの複合酸化物の場合も潮解性が認められないの
は勿論である。
【0015】而して、このような本発明の酸化物系固体
潤滑剤によれば、以下の実施例からも明らかなように、
大気中あるいは酸化性雰囲気において、室温から100
0℃程度の高温までの幅広い温度範囲で、摩擦係数を比
較的低く且つ安定な値に保つことができ、しかも、既提
案のNa2 ZrO3 +Cr2 O3 系固体潤滑剤のよう
に、大気中において潮解性を示したり、1000℃以下
の温度で軟化したり、作成条件の相違が潤滑特性に影響
する等の問題点がなく、安定的な潤滑特性を有する固体
潤滑剤として活用することができる。
潤滑剤によれば、以下の実施例からも明らかなように、
大気中あるいは酸化性雰囲気において、室温から100
0℃程度の高温までの幅広い温度範囲で、摩擦係数を比
較的低く且つ安定な値に保つことができ、しかも、既提
案のNa2 ZrO3 +Cr2 O3 系固体潤滑剤のよう
に、大気中において潮解性を示したり、1000℃以下
の温度で軟化したり、作成条件の相違が潤滑特性に影響
する等の問題点がなく、安定的な潤滑特性を有する固体
潤滑剤として活用することができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。表1に示すよ
うに、BaZrO3 及びCaZrO3 とCr2 O3 との
粉末を、化学量論比あるいはモル比が2:1のような重
量比率等になるように秤量し、それをめのう乳鉢で十分
に混合した。この混合粉末を、磁器製るつぼに入れて電
気炉にて1100℃で1時間熱処理した後、5時間以上
かけて徐冷し、再度、めのう乳鉢で粉砕した。この粉末
を、アルミナ試験片上にエチルアルコールで一様に塗布
し、再び電気炉中に入れて1100℃で1時間コーティ
ングのために熱処理をした。
うに、BaZrO3 及びCaZrO3 とCr2 O3 との
粉末を、化学量論比あるいはモル比が2:1のような重
量比率等になるように秤量し、それをめのう乳鉢で十分
に混合した。この混合粉末を、磁器製るつぼに入れて電
気炉にて1100℃で1時間熱処理した後、5時間以上
かけて徐冷し、再度、めのう乳鉢で粉砕した。この粉末
を、アルミナ試験片上にエチルアルコールで一様に塗布
し、再び電気炉中に入れて1100℃で1時間コーティ
ングのために熱処理をした。
【0017】
【表1】
【0018】コーティング処理した試験片については、
図1に示すような室温から1000℃まで温度制御可能
な装置により高周波誘導加熱しながら、往復動摩擦試験
機を用いて摩擦係数を測定した。図1に示す装置におい
て、1は試験片、2はその試験片1を加熱するための高
周波誘導コイル、3は試験片1を保持して矢印方向に摺
動するステンレス(SUS310S)製のホルダー、4
は摩擦相手である直径10mmのアルミナボール、5は
熱電対を示している。実験においては、アルミナボール
4を相手に荷重9.8N、滑り速度0.12m/min
で摩擦し、室温から950℃ないし1000℃まで10
0℃間隔で温度を変化させて摩擦係数を測定した。ま
た、実験後には摩擦相手であるアルミナボールの摩擦痕
を光学顕微鏡で観測した。
図1に示すような室温から1000℃まで温度制御可能
な装置により高周波誘導加熱しながら、往復動摩擦試験
機を用いて摩擦係数を測定した。図1に示す装置におい
て、1は試験片、2はその試験片1を加熱するための高
周波誘導コイル、3は試験片1を保持して矢印方向に摺
動するステンレス(SUS310S)製のホルダー、4
は摩擦相手である直径10mmのアルミナボール、5は
熱電対を示している。実験においては、アルミナボール
4を相手に荷重9.8N、滑り速度0.12m/min
で摩擦し、室温から950℃ないし1000℃まで10
0℃間隔で温度を変化させて摩擦係数を測定した。ま
た、実験後には摩擦相手であるアルミナボールの摩擦痕
を光学顕微鏡で観測した。
【0019】図2は、試験片温度と摩擦係数の関係の一
例として、BaZrO3 +28.8wt%Cr2 O3 の
試験片を用いた場合の実験結果を、図3は、CaZrO
3 +28.8wt%Cr2 O3 の試験片を用いた場合の
実験結果を示すものである。室温から約1000℃まで
温度を変化させた場合の摩擦係数は、BaZrO3 +2
8.8wt%Cr2 O3 の場合は、0.25〜0.35
程度の範囲内にあり、CaZrO3 +28.8wt%C
r2 O3 の場合は、0.3〜0.4程度の範囲内にあっ
た。両者とも、既提案のNa2 ZrO3 +28.8wt
%Cr2 O3 の場合より摩擦係数は全温度範囲で若干大
きいが、比較的安定しており、潮解性も見られなかっ
た。
例として、BaZrO3 +28.8wt%Cr2 O3 の
試験片を用いた場合の実験結果を、図3は、CaZrO
3 +28.8wt%Cr2 O3 の試験片を用いた場合の
実験結果を示すものである。室温から約1000℃まで
温度を変化させた場合の摩擦係数は、BaZrO3 +2
8.8wt%Cr2 O3 の場合は、0.25〜0.35
程度の範囲内にあり、CaZrO3 +28.8wt%C
r2 O3 の場合は、0.3〜0.4程度の範囲内にあっ
た。両者とも、既提案のNa2 ZrO3 +28.8wt
%Cr2 O3 の場合より摩擦係数は全温度範囲で若干大
きいが、比較的安定しており、潮解性も見られなかっ
た。
【0020】図4及び図5は、上記複合酸化物中のCr
2 O3 の割合と、室温から1000℃までの摩擦係数の
変動幅との関係を示したものである。摩擦係数は、図4
に示すBaZrO3 +Cr2 O3 系複合酸化物の場合に
は、Cr2 O3 が20〜30%の範囲で最も小さく、B
aZrO3 が100%でもすぐれた潤滑性が認められ
た。一方、図5に示すCaZrO3 +Cr2 O3 系で
は、CaZrO3 が100%の場合は潤滑性は認められ
ず、摩擦係数が最低値を示したのはCr2 O3 の混合比
がほぼ30wt%付近であり、Na2 ZrO3 +Cr2
O3 系やBaZrO3+Cr2 O3 系とほぼ同じ割合で
あった。
2 O3 の割合と、室温から1000℃までの摩擦係数の
変動幅との関係を示したものである。摩擦係数は、図4
に示すBaZrO3 +Cr2 O3 系複合酸化物の場合に
は、Cr2 O3 が20〜30%の範囲で最も小さく、B
aZrO3 が100%でもすぐれた潤滑性が認められ
た。一方、図5に示すCaZrO3 +Cr2 O3 系で
は、CaZrO3 が100%の場合は潤滑性は認められ
ず、摩擦係数が最低値を示したのはCr2 O3 の混合比
がほぼ30wt%付近であり、Na2 ZrO3 +Cr2
O3 系やBaZrO3+Cr2 O3 系とほぼ同じ割合で
あった。
【0021】また、試験片を摩擦しながら室温から10
00℃まで昇温させた後、再度室温まで降温させ、この
摩擦試験後のアルミナボールの摩擦痕を光学顕微鏡写真
により観察した。その結果は、BaZrO3 +Cr2 O
3 系及びCaZrO3 +Cr2 O3 系のいずれの場合も
明瞭な摩擦痕は認められず、それぞれ、固体潤滑剤とし
て作用する複合酸化物と思われる移着物が観測された。
それとは対照的に、Cr2 O3 が100%の比較例の場
合には、直径が400μm 程度の摩擦痕が観察された。
これらの結果から、BaZrO3 +Cr2 O3 系及びC
aZrO3 +Cr2 O3 系複合酸化物がすぐれた潤滑性
を示すと共に、摩耗の軽減にも大きな効果があることが
分かった。
00℃まで昇温させた後、再度室温まで降温させ、この
摩擦試験後のアルミナボールの摩擦痕を光学顕微鏡写真
により観察した。その結果は、BaZrO3 +Cr2 O
3 系及びCaZrO3 +Cr2 O3 系のいずれの場合も
明瞭な摩擦痕は認められず、それぞれ、固体潤滑剤とし
て作用する複合酸化物と思われる移着物が観測された。
それとは対照的に、Cr2 O3 が100%の比較例の場
合には、直径が400μm 程度の摩擦痕が観察された。
これらの結果から、BaZrO3 +Cr2 O3 系及びC
aZrO3 +Cr2 O3 系複合酸化物がすぐれた潤滑性
を示すと共に、摩耗の軽減にも大きな効果があることが
分かった。
【0022】ついで、BaZrO3 +21.6wt%C
r2 O3 の熱処理の粉末のX線回析データを調べた。そ
の結果、図6に示すように、反応生成物としてクロム酸
バリウム(BaCrO4 、BaCr2 O4 )とジルコニ
ア(ZrO2 )が生成していることが判明した。これら
の他にBaCrO3 のピークも一致しているものが多
く、上記反応生成物はこれらの混合物となっている可能
性がある。この結果から、クロム酸バリウムが固体潤滑
剤として有効な物質であると考え、以下に示すように、
BaZrO3 +Cr2 O3 系についての潤滑性を再確認
すると共に、大気中の熱処理によりクロム酸バリウムが
生成したBaOとCr2 O3 の混合熱処理粉末及び市販
のBaCrO4 粉末のコーティング被膜についての潤滑
特性を調べた。
r2 O3 の熱処理の粉末のX線回析データを調べた。そ
の結果、図6に示すように、反応生成物としてクロム酸
バリウム(BaCrO4 、BaCr2 O4 )とジルコニ
ア(ZrO2 )が生成していることが判明した。これら
の他にBaCrO3 のピークも一致しているものが多
く、上記反応生成物はこれらの混合物となっている可能
性がある。この結果から、クロム酸バリウムが固体潤滑
剤として有効な物質であると考え、以下に示すように、
BaZrO3 +Cr2 O3 系についての潤滑性を再確認
すると共に、大気中の熱処理によりクロム酸バリウムが
生成したBaOとCr2 O3 の混合熱処理粉末及び市販
のBaCrO4 粉末のコーティング被膜についての潤滑
特性を調べた。
【0023】表2は、使用したクロム酸バリウム系固体
潤滑剤及びそれらのCr2 O3 の混合比を示すものであ
る。
潤滑剤及びそれらのCr2 O3 の混合比を示すものであ
る。
【表2】
【0024】BaZrO3 +Cr2 O3 及びBaO+C
r2 O3 の混合比は、大気中で熱処理した場合、酸素と
反応してBaCrO4 が生成すると思われるモル比にな
るようにしたところの、2:1のもの(前者は21.6
wt%Cr2 O3 、後者は33wt%Cr2 O3 )と、
その前後のいくつかの混合比のものを作成した。これら
の粉末は、混合したままの粉末(未熱処理粉)と、11
00℃で熱処理した粉末(熱処理粉)の両方を作成し、
エチルアルコールで練ってアルミナ試験片上にコーティ
ングした。それらは、電気炉中で1100℃において1
時間熱処理し、摩擦試験に使用した。また、市販のBa
CrO4 粉末についても同様にコーティングした。摩擦
試験は、図1によって説明した前記実験例の場合と同様
である。また、摩擦係数の値は、昇温と降温で1サイク
ルとし、1個ないし2個の試験片で摩擦位置を変えて2
〜4サイクル実験し、その平均値とした。
r2 O3 の混合比は、大気中で熱処理した場合、酸素と
反応してBaCrO4 が生成すると思われるモル比にな
るようにしたところの、2:1のもの(前者は21.6
wt%Cr2 O3 、後者は33wt%Cr2 O3 )と、
その前後のいくつかの混合比のものを作成した。これら
の粉末は、混合したままの粉末(未熱処理粉)と、11
00℃で熱処理した粉末(熱処理粉)の両方を作成し、
エチルアルコールで練ってアルミナ試験片上にコーティ
ングした。それらは、電気炉中で1100℃において1
時間熱処理し、摩擦試験に使用した。また、市販のBa
CrO4 粉末についても同様にコーティングした。摩擦
試験は、図1によって説明した前記実験例の場合と同様
である。また、摩擦係数の値は、昇温と降温で1サイク
ルとし、1個ないし2個の試験片で摩擦位置を変えて2
〜4サイクル実験し、その平均値とした。
【0025】図7は、表2のBaZrO3 +Cr2 O3
系において上記未熱処理粉を使用し、コーティング後に
熱処理した場合についてのCr2 O3 の割合と室温から
1000℃までの摩擦係数の変動幅の関係を調べた結果
を示したものである。摩擦係数の変動幅の最低値は、B
aZrO3 のみの場合が一番小さいが、Cr2 O3 の割
合を15wt%以上に増加させてもほとんど変化が認め
られなかった。また、変動幅は、Cr2 O3 が20〜3
0wt%で最も少なくなり、前記図4の熱処理粉の結果
とよく一致している。
系において上記未熱処理粉を使用し、コーティング後に
熱処理した場合についてのCr2 O3 の割合と室温から
1000℃までの摩擦係数の変動幅の関係を調べた結果
を示したものである。摩擦係数の変動幅の最低値は、B
aZrO3 のみの場合が一番小さいが、Cr2 O3 の割
合を15wt%以上に増加させてもほとんど変化が認め
られなかった。また、変動幅は、Cr2 O3 が20〜3
0wt%で最も少なくなり、前記図4の熱処理粉の結果
とよく一致している。
【0026】このうち、最も摩擦係数の変動幅が小さか
った28.8wt%Cr2 O3 について、未熱処理粉と
熱処理粉を使用した場合の比較が図8及び図9である。
この比較では、熱処理粉の室温から200℃までの摩擦
係数が若干大きいものの、それ以外ではほとんど一致し
ており、むしろ、未熱処理粉をコーティング後に熱処理
した場合の性能上に問題がなければ、時間とエネルギー
の節約上、その方が好ましい。なお、未熱処理粉と熱処
理粉との性能比較については、その他のCr2 O3 の割
合における比較では有意差が認められなかった。
った28.8wt%Cr2 O3 について、未熱処理粉と
熱処理粉を使用した場合の比較が図8及び図9である。
この比較では、熱処理粉の室温から200℃までの摩擦
係数が若干大きいものの、それ以外ではほとんど一致し
ており、むしろ、未熱処理粉をコーティング後に熱処理
した場合の性能上に問題がなければ、時間とエネルギー
の節約上、その方が好ましい。なお、未熱処理粉と熱処
理粉との性能比較については、その他のCr2 O3 の割
合における比較では有意差が認められなかった。
【0027】図10は、表2のBaO+Cr2 O3 系に
おける熱処理後の粉末のCr2 O3の割合と室温から1
000℃までの摩擦係数の変動幅の関係を示したもので
ある。実験した中では33wt%Cr2 O3 が最も小さ
い摩擦係数の変動幅であった。図11は、そのBaO+
33wt%Cr2 O3 の温度と摩擦係数の関係を示した
ものである。摩擦係数は、300℃以下で温度が低下す
るほど高くなる傾向を示した。また、このBaO+33
wt%Cr2 O3 の熱処理後のX線回析の結果を図12
に示している。これにより、BaO+Cr2 O3 系にお
いても、前記図6のBaZrO3 +21.6wt%Cr
2 O3 の場合と同様に、BaCrO4 の他にBaCr2
O4 、BaCrO3 のピークにも一致し、そのため、熱
処理粉がそれらの混合物になっていることが明白であ
る。
おける熱処理後の粉末のCr2 O3の割合と室温から1
000℃までの摩擦係数の変動幅の関係を示したもので
ある。実験した中では33wt%Cr2 O3 が最も小さ
い摩擦係数の変動幅であった。図11は、そのBaO+
33wt%Cr2 O3 の温度と摩擦係数の関係を示した
ものである。摩擦係数は、300℃以下で温度が低下す
るほど高くなる傾向を示した。また、このBaO+33
wt%Cr2 O3 の熱処理後のX線回析の結果を図12
に示している。これにより、BaO+Cr2 O3 系にお
いても、前記図6のBaZrO3 +21.6wt%Cr
2 O3 の場合と同様に、BaCrO4 の他にBaCr2
O4 、BaCrO3 のピークにも一致し、そのため、熱
処理粉がそれらの混合物になっていることが明白であ
る。
【0028】一方、図13は、市販の99%BaCrO
4 についての温度と摩擦係数の関係を示すものである。
昇温側の摩擦係数が室温と100℃で若干高いものの、
降温側では、BaZrO3 +28.8wt%Cr2 O3
やBaO+33wt%Cr2O3 よりも低摩擦を示して
おり、傾向はよく一致している。
4 についての温度と摩擦係数の関係を示すものである。
昇温側の摩擦係数が室温と100℃で若干高いものの、
降温側では、BaZrO3 +28.8wt%Cr2 O3
やBaO+33wt%Cr2O3 よりも低摩擦を示して
おり、傾向はよく一致している。
【0029】
【発明の効果】このような本発明の酸化物系固体潤滑剤
によれば、大気中あるいは酸化性雰囲気において、室温
から1000℃程度の高温までの幅広い温度範囲におい
て安定的にすぐれた潤滑性を示す固体潤滑剤を得ること
ができ、しかも、前述した既提案のNa2 ZrO3 +C
r2 O3 系固体潤滑剤のような各種問題点を解消した固
体潤滑剤を得ることができる。
によれば、大気中あるいは酸化性雰囲気において、室温
から1000℃程度の高温までの幅広い温度範囲におい
て安定的にすぐれた潤滑性を示す固体潤滑剤を得ること
ができ、しかも、前述した既提案のNa2 ZrO3 +C
r2 O3 系固体潤滑剤のような各種問題点を解消した固
体潤滑剤を得ることができる。
【図1】本発明の実施例における摩擦係数の計測に使用
した温度制御可能な高周波誘導加熱を行う往復動摩擦試
験機の要部斜視図である。
した温度制御可能な高周波誘導加熱を行う往復動摩擦試
験機の要部斜視図である。
【図2】BaZrO3 +28.8wt%Cr2 O3 の試
験片を用いた場合の試験片温度と摩擦係数の関係を示す
グラフである。
験片を用いた場合の試験片温度と摩擦係数の関係を示す
グラフである。
【図3】CaZrO3 +28.8wt%Cr2 O3 の試
験片を用いた場合の試験片温度と摩擦係数の関係を示す
グラフである。
験片を用いた場合の試験片温度と摩擦係数の関係を示す
グラフである。
【図4】BaZrO3 +Cr2 O3 系複合酸化物中にお
けるCr2 O3 の割合と、室温から1000℃までの摩
擦係数の変動幅との関係を示すグラフである。
けるCr2 O3 の割合と、室温から1000℃までの摩
擦係数の変動幅との関係を示すグラフである。
【図5】CaZrO3 +Cr2 O3 系複合酸化物中にお
けるCr2 O3 の割合と、室温から1000℃までの摩
擦係数の変動幅との関係を示すグラフである。
けるCr2 O3 の割合と、室温から1000℃までの摩
擦係数の変動幅との関係を示すグラフである。
【図6】BaZrO3 +21.6wt%Cr2 O3 の熱
処理後の粉末のX線回析データを示す図である。
処理後の粉末のX線回析データを示す図である。
【図7】BaZrO3 +Cr2 O3 系の未熱処理粉を使
用して、コーティング後に熱処理した場合におけるCr
2 O3 の割合と室温から1000℃までの摩擦係数の変
動幅の関係を示すグラフである。
用して、コーティング後に熱処理した場合におけるCr
2 O3 の割合と室温から1000℃までの摩擦係数の変
動幅の関係を示すグラフである。
【図8】図7のうち、最も摩擦係数の変動幅が小さかっ
た28.8wt%Cr2 O3 について、未熱処理粉を使
用した場合の試験片温度と摩擦係数の関係を示すグラフ
である。
た28.8wt%Cr2 O3 について、未熱処理粉を使
用した場合の試験片温度と摩擦係数の関係を示すグラフ
である。
【図9】同じく熱処理粉を使用した場合の試験片温度と
摩擦係数の関係を示すグラフである。
摩擦係数の関係を示すグラフである。
【図10】BaO+Cr2 O3 系におけるCr2 O3 の
割合と室温から1000℃までの摩擦係数の変動幅の関
係を示すグラフである。
割合と室温から1000℃までの摩擦係数の変動幅の関
係を示すグラフである。
【図11】BaO+33wt%Cr2 O3 を用いた場合
の温度と摩擦係数の関係を示すグラフである。
の温度と摩擦係数の関係を示すグラフである。
【図12】BaO+33wt%Cr2 O3 の熱処理後の
X線回析データを示す図である。
X線回析データを示す図である。
【図13】市販の99%BaCrO4 についての温度と
摩擦係数の関係を示すグラフである。
摩擦係数の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:13 40:34 50:08
Claims (5)
- 【請求項1】BaCrO4 、BaCr2 O4 及びBaC
rO3 のうちの一種又は複数種が混合されたクロム酸バ
リウムにより形成したことを特徴とする二元系酸化物か
らなる固体潤滑剤。 - 【請求項2】BaZrO3 粉末と0〜80wt%のCr
2 O3 粉末とを混合して熱処理又は燒結した複合セラミ
ックスの粉末又は燒結体により構成したことを特徴とす
る三元系酸化物からなる固体潤滑剤。 - 【請求項3】BaZrO3 粉末と0〜80wt%のCr
2 O3 粉末とを混合して母材上に燒結した複合セラミッ
クス燒結体により構成したことを特徴とする三元系酸化
物からなる固体潤滑剤。 - 【請求項4】BaO粉末と10〜80wt%のCr2 O
3 粉末とを混合して熱処理又は燒結した複合セラミック
ス粉末又は燒結体により構成したことを特徴とする請求
項1に記載の二元系酸化物からなる固体潤滑剤。 - 【請求項5】CaZrO3 粉末と10〜50wt%のC
r2 O3 粉末とを混合して熱処理又は燒結した複合セラ
ミックス粉末又は燒結体により構成したことを特徴とす
る三元系酸化物からなる固体潤滑剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23945894A JP2590444B2 (ja) | 1993-09-07 | 1994-09-07 | 二・三元系酸化物からなる固体潤滑剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-246251 | 1993-09-07 | ||
JP24625193 | 1993-09-07 | ||
JP23945894A JP2590444B2 (ja) | 1993-09-07 | 1994-09-07 | 二・三元系酸化物からなる固体潤滑剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07126674A JPH07126674A (ja) | 1995-05-16 |
JP2590444B2 true JP2590444B2 (ja) | 1997-03-12 |
Family
ID=26534262
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23945894A Expired - Lifetime JP2590444B2 (ja) | 1993-09-07 | 1994-09-07 | 二・三元系酸化物からなる固体潤滑剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2590444B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006265081A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 自己潤滑性複合材料及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-09-07 JP JP23945894A patent/JP2590444B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006265081A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 自己潤滑性複合材料及びその製造方法 |
JP4714922B2 (ja) * | 2005-03-25 | 2011-07-06 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 自己潤滑性複合材料及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07126674A (ja) | 1995-05-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |