JP2590240B2 - 薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成方法

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JP2590240B2 JP63287716A JP28771688A JP2590240B2 JP 2590240 B2 JP2590240 B2 JP 2590240B2 JP 63287716 A JP63287716 A JP 63287716A JP 28771688 A JP28771688 A JP 28771688A JP 2590240 B2 JP2590240 B2 JP 2590240B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は薄膜形成法に係り、特にLSIの多層配線層間
膜および電極配線膜に好適なマイクロ波プラズマCVDに
関する。
〔従来の技術〕
有機シラン蒸気を、基板冷却によりウエハ表面の凹部
に凝縮させ、マイクロ波放電によりSi酸化膜を形成し、
平坦化成膜を行なう方法についてはエクステンデイドウ
アブストラクツ オブ ザナインテイーンズ、コンフ
エレンス オン ソリツド ステイト アンド マテリ
アルズ 東京 1987 第451頁から第454頁(Extend Abs
tracts of the 19th Conference on solid State and M
aterials,Tokyo,1987,PP.451−454において論じられて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、平坦化成膜のみで膜質については配
慮されておらず、堆積膜にはメチル基や水酸基が混在し
ている。多層配線の層間膜として使用する場合、これら
が固定電荷となり絶縁耐圧および素子の動作電圧等に悪
影響を及ぼす問題があつた。また、基板冷却による気体
の凝縮を利用しているため、堆積膜の下部の膜質が悪い
ことや、パターン寸法依存性が問題であつた。
本発明の目的は、基板上の配線部やコンタクトホール
のような基板上の段差部上に薄膜を形成するときの、膜
の付きまわりや膜質を良くすることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的の付きまわりを良くするためには、反応圧力
を高くして電子サイクロトロン共鳴位置(ECR点)で発
生した励起分子、および、イオンの平均自由行程を小さ
くし、励起分子およびイオン相互間の衝突頻度を大きく
することにより達成される。特に、基板を冷却し吸着を
利用する方法においても付きまわりが向上する。
反応ガスが有する有機基の膜中への残存量を低減し膜
質を向上させることは、電子サイクロトロン共鳴(EC
R)を利用してプラズマを発生させ、プラズマ生成位置
であるECR点を基板に近づけることにより達成される。
〔作用〕
反応圧力を高くしてイオンの平均自由行程をECR点か
ら基板までの距離より小さくすることにより、ECR点で
発生したイオンは基板に到達するまでに1回以上他の粒
子と衝突することになる。この結果としてイオンの方向
性が悪くなり、段差部の側面ではほぼ同量のイオンが到
達することになる。このため側面と平面の堆積速度が等
しくなり付きまわりが向上する。また、この際に基板を
冷却し基板に対するガスの吸着を利用すれば、膜形成反
応が基板の表面反応となるため付きまわりが良くなる。
第2の利用としてプラズマ生成位置であるECR点を基
板に近づけることにより、イオンの活性度の高い状態で
ガスおよび吸着物を反応せることができるので膜質の向
上を図ることができる。
第3の作用として吸着した材料ガス分子をマイクロ波
プラズマで分解反応させて膜を形成する場合、吸着反応
とプラズマガス流の照射を交互に行なうと、膜質の良い
膜が除々に堆積されるので、全体的に均一で膜質の良い
膜が形成することができる。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を説明する。第1図は実施例の
装置を示す断面図である。1は所定の圧力に減圧される
反応室で、内部に冷却機構2を設けた基板3が設置され
ている。反応室の下部にはこれと連通してプラズマ生成
室4が設けられている。このプラズマ生成室の最下部
は、石英製のマイクロ波導入窓となつている。反応室お
よびプラズマ生成室の周囲にはそれぞれ磁気コイル6お
よび7が設置されている。8からプラズマ生成室内に導
入したプラズマ生成用のガスは、磁気コイル6および7
の磁場とマイクロ波9の周波数により電子サイクロトロ
ン共鳴となりプラズマを生成する。また、同時に10より
導入したガスにより材料11をバブリングさせ、石英管12
より反応室内へ導入する。プラズマによる分解、結合反
応により膜を基板上に堆積する。基板の冷却には13より
液体窒素を入れ、14より気体窒素を放出する方法とし
た。
〈実施例〉 その装置によつて薄膜を形成する一例としてアルミ多
層配線の層間膜としてシリコン酸化膜を形成する場合を
具体的に説明する。
まずターボ分子ポンプを2台直結した真空系で反応室
1およびプラズマ生成室4を3×10-6Torr程度まで排気
する。その後真空系バルブを調節して所定の圧力にす
る。次にプラズマ生成室にプラズマ生成用の酸素8を60
SCCM導入する。磁気コイル6および7に電流を流し磁場
を作るとともに、2.45GHzのマイクロ波270Wを導入し
て、ECR条件をみたす条件においてプラズマを発生させ
る。次に酸化膜形成の材料であるテトロエトキシシラン
を15SCCMの酸素でバブルし石英管12より導入する。前述
したプラズマによりテトラエトキシシランが分解し酸素
と反応してシリコン酸化膜が基板に堆積する。なお、EC
R点から基板までの膜離は磁気コイル6を調節すること
により基板から2cm、12cm、30cmの3種類について行な
つた。
第2図はパターン寸法2μm、膜厚0.8μmのアルミ
配線上に上記条件にてシリコン酸化膜を堆積した時の反
応圧力と付きまわりの関係を示している。ここで付きま
わりとは、平面に堆積した膜厚に対する側面に堆積した
膜厚の比で表わしており、数値が1に近づくほど付きま
わりは良い。
図中AはECR点と基板の膜離が30cmの時でBは12cm、
Cは2cmの場合である。いずれの場合でも、反応圧力が
高くなるにつれて付きまわりが向上している。圧力に対
するイオンの平均自由行程は10-3Torr、10-2Torr、10-1
Torrのときそれぞれ30cm、3cm、3mmである。
ECR点を30cmとしたAの場合圧力が10-3Torrより高く
なると付きまわりが急激に向上する。前述のように10-3
Torrの時の平均自由行程が30cmであるから、10-3Torrよ
り高い圧力ではイオンが30cm離れた基板に到達するまで
に1回以上他の粒子と衝突することになる。この結果イ
オンの方向性が無くなり付きまわりが向上できた。ま
た、図中B,CのECR点が15cm,2cmも同様に、平均自由行程
がECR点と基板間距離より小さくなるような圧力にする
と付きまわりが向上する。
第3図は圧力と堆積膜のHF:NF4F=1:20に対するウエ
ツトエツチングレートを示す。A,B,Cは第2図と同様
に、それぞれECR点と基板の距離が30cm、12cm、2cmのも
のである。圧力を高くするとエツチングレートが増加し
て膜の緻密性が悪くなるが、図中CのようにECR点を2cm
に近づけることによりエツチングレートを下げることが
でき緻密性を向上できる。
第4図はECR点と基板の距離に対する堆積膜の付きま
わりを示した図である。圧力を10-3Torr、10-2Torr、10
-1TorrのいずれにしてもECR点と基板の距離が大きくな
るほど付きまわりが良くなつている。平均自由行程に対
し、ECR点と基板の距離が大きいほど他粒子との衝突回
数が増加し、イオンの方向性が無くなることを示してい
る。
第5図はECR点と基板の距離に対する堆積膜のHF:NF4F
=1:20でのエツチングレートを示す。ECR点を基板に近
づけるほどエツチングレートが小さくなるため、膜の緻
密性が向上することを示している。
以上の第2図から第4図までの結果より、反応圧力を
高くしてイオンの平均自由行程をECR点と基板の距離よ
り大きくするとともに、ECR点を基板に近づけることに
より、付きまわりが良く膜質の良い薄膜が形成できる。
〈実施例2〉 マイクロ波プラズマCVDにより、アルミ薄膜形成を試
みた。材料は有機金属のトリイソブチルアルミニウムを
使用し、キヤリアガスはArとした。図6は200個連続1
μmコンタクトホールにおける断線率を示している。同
図から明らかなように圧力が低い10-3Torrの場合は付き
まわりが悪くコンタクトホール内にアルミが充分に形成
できないため、断線率が70%と高い。また、圧力が10-1
Torrでは付きまわりが良いのでコンタクトホール内にア
ルミが充分に形成でき断線率が20%と低くなる。このよ
うに付きまわりが良いと信頼性が向上することがわか
る。
〈実施例3〉 つぎにシリコンを含むガスが標準状態で液体の場合に
使用するキヤリアガスについて説明する。第7図は反応
圧力に対するSi/Oの比である。シリコン酸化膜はシリコ
ン原子1個と酸素原子1個で構成されているのでSi/O比
が0.5である。赤外吸収スペクトルにより定量したとこ
ろキヤリアガスとして酸素を流した場合は、Si/O比が0.
5であるが、キヤリアガスの酸素を流さない場合はSi/O
比が大きくなりシリコンリツチの膜となることがわか
る。また、第8図はC/O比を求めたものである。キヤリ
アガスとして酸素を流した場合はC/O比が小さく堆積膜
中にC原子が含まれる量が少ない。酸素を流さない場合
は多くのC原子が堆積膜中に含まれてしまう。以上のこ
とから、キヤリアガスとしての酸素は薄膜形成反応にも
大きく寄与していることがわかる。
〈実施例4〉 テトラエトキシシランを材料としたマイクロ波プラズ
マCVDにより薄膜を形成する際、基板を冷却した実施例
を示す。
基板冷却は第1図13より液体窒素を導入することによ
るが、基板裏側に設置してある熱電対により導入量が調
節され、温度調節を行なつている。基板は−150℃まで
冷却することが可能である。
第9図は基板温度と付きまわりの関係を示している。
基板の温度が−20℃以下になると付きまわりが向上す
る。この時の堆積条件は、反応圧力10-3Torr,ECR点と基
板の距離が2cmであるため、前述の平均自由行程が小さ
くなることによるイオンの方向性が無くなる効果ではな
く、テトラエトキシシランの吸着効果と考えられる。ま
た、第10図は基板温度に対する堆積速度を示している。
この図も−20℃以下で急激に大きくなるため吸着反応で
あることを示している。
〈実施例5〉 実施例4の基板冷却によつて堆積した膜は、膜のクラ
ツクやハガレが発生した。吸着を利用して上記問題点を
改善する方法として次の方法を実施した。
冷却機構により基板の温度を−20℃に冷却しておく。
次に第11図に示したシーケンスに従い材料ガスの導入お
よびマイクロ波パワーを印加する。プラズマ生成用の酸
素及び、膜形成材料のテトラエトキシシランとキヤリア
ガスの酸素の混合ガスは連続的に導入するが、μ波パワ
ーは間欠的に印加してプラズマを生成する。この方法は
テトラエトキシシランの吸着とシリコン酸化膜の形成を
交互に行なうものである。
第12図は間欠方法の有無による付きまわりを示す。付
きまわりは間欠方法の有無による差は見られない。第13
図は間欠方法の有無によるHF:NH4F=1:20でのエツチン
グレートを示している。間欠方法を適用したほうがエツ
チレートが小さく緻密な膜となる。
〈実施例6〉 シリコン酸化膜を形成する材料は前述のテトラエトキ
シシランのほか、(Si(CH32O,SiCl4等のシリコ
ンを含む液体がある。次にシリコンを含む材料の一例と
してSiCl4を用いた場合を示す。
第14図はSiCl4を材料として反応圧力と付きまわりを
示す。ECR点と基板の膜離は2cmである。付きまわりはテ
トラエトキシシランほどではないが、圧力を高くするこ
とにより向上する傾向が見られる。これも前述のイオン
の平均自由行程が小さくなつたことが原因であることを
示している。
〔発明の効果〕
本発明によれば、付きまわりが良く膜質の良い薄膜が
形成できるため、多層配線の層間膜や電極配線用金属膜
のコンタクトホールへの穴うめ等に適用できる。層間膜
は段差部での耐圧の向上および凹部の平坦化に効果があ
り、多層配線の信頼性を向上できる。金属膜の穴うめ
は、コンタクト導通の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の薄膜形成装置を示す図、第2
図は反応圧力と付きまわりの関係図、第3図は反応圧力
とエツチレートの関係図、第4図はガス導入とマイクロ
波放電のシーケンス表示図、第5図は反応圧力と付きま
わりの関係図、第6図は付きまわりの断面図、第7図は
反応圧力に対するSi/Oを示す図、第8図はC/O比を示す
図、第9図は基板温度と付きまわりの関係図、第10図は
基板温度と堆積速度の関係図、第11図は材料ガスの導入
およびマイクロ波パワーを示す図、第12図は間欠方法の
有無による付きまわりを示す図、第13図はエツチングレ
ートを示す図、第14図は反応圧力と付きまわりを示す図
である。 1……反応室、2……基板冷却機構、3……基板、4…
…プラズマ生成室、5……マイクロ波導入窓、6……コ
ントロールコイル、7……ECRコイル、8……プラズマ
生成用酸素、9……マイクロ波、10……テトラエトキシ
シランバブル用酸素、11……テトラエトキシシラン、12
……石英管、13……液体窒素、14……窒素。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大上 三千男 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−213673(JP,A) 特開 平2−58327(JP,A) 特開 昭62−205280(JP,A) 特開 昭63−145782(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ生成室内に反応ガスを導入後、マ
    イクロ波と所定の強さの磁界により電子サイクロトロン
    共鳴を発生させ、電子サイクロトロン共鳴で発生した高
    励起プラズマをプラズマ処理室に導入し、基板の被処理
    物に薄膜を形成する方法において、イオンの平均自由行
    程が、電子サイクロトロン共鳴を発生した所(ECR点)
    から基板までの距離以下であり、かつ前記基板を材料ガ
    スの沸点以下に冷却することを特徴とする薄膜形成方
    法。
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JP3194674B2 (ja) * 1994-10-25 2001-07-30 株式会社ニューラルシステムズ 結晶性薄膜形成装置、結晶性薄膜形成方法、プラズマ照射装置、およびプラズマ照射方法
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