JP2590113B2 - ボンディングツール素材及びその製造方法 - Google Patents
ボンディングツール素材及びその製造方法Info
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- JP2590113B2 JP2590113B2 JP62176869A JP17686987A JP2590113B2 JP 2590113 B2 JP2590113 B2 JP 2590113B2 JP 62176869 A JP62176869 A JP 62176869A JP 17686987 A JP17686987 A JP 17686987A JP 2590113 B2 JP2590113 B2 JP 2590113B2
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- Japan
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- diamond
- volume
- sintered body
- bonding tool
- base material
- Prior art date
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Wire Bonding (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、特にICチップとリードとの接続に用いるボ
ンディングツールの素材に適した高硬度で高耐熱性を有
する焼結ダイヤモンドおよびその製造方法に関するもの
である。
ンディングツールの素材に適した高硬度で高耐熱性を有
する焼結ダイヤモンドおよびその製造方法に関するもの
である。
(従来の技術) 近年、半導体分野の技術進歩は著しく、軽薄短小の傾
向にのって、IC,LSIなどを用いた応用製品の生産は年々
増加している。これらの半導体素子の持つ電気的特性を
引き出すためには、金属めっきが施されたリードやボン
デイングワイヤーと呼ばれる金属細線と接続することが
必要である。接続金属には、通常化学的に安定であるこ
とや電気伝導性が高いことからAu或はAu−Sn合金が用い
られ、接続法としては、加熱したボンディングツールで
加圧し、熱圧着する方式が広く採用されている。
向にのって、IC,LSIなどを用いた応用製品の生産は年々
増加している。これらの半導体素子の持つ電気的特性を
引き出すためには、金属めっきが施されたリードやボン
デイングワイヤーと呼ばれる金属細線と接続することが
必要である。接続金属には、通常化学的に安定であるこ
とや電気伝導性が高いことからAu或はAu−Sn合金が用い
られ、接続法としては、加熱したボンディングツールで
加圧し、熱圧着する方式が広く採用されている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記の熱圧着方式の接続で用いられるボンディングツ
ールは大別して2種あり、第1図、第2図はその概念図
である。
ールは大別して2種あり、第1図、第2図はその概念図
である。
第1図のものは、パルス加熱方式と呼ばれるもので、
素材のニクロム、ステンレス、インコネル、Mo等を瞬間
的に通電発熱させて使用する。この方式では使用する素
材の問題として、高温での酸化やリードの焼付き、変形
等が顕著に生じるため、定期的に先端をクリーニングす
る必要がある。
素材のニクロム、ステンレス、インコネル、Mo等を瞬間
的に通電発熱させて使用する。この方式では使用する素
材の問題として、高温での酸化やリードの焼付き、変形
等が顕著に生じるため、定期的に先端をクリーニングす
る必要がある。
第2図のものは定常加熱方式のツールで、カートリッ
ジヒーターを組み込んだシャンクの先端に研摩したダイ
ヤモンドやルビーの単結晶を埋め込んだものが使用され
ており、パルス加熱方式のツールに比べて特にダイヤモ
ンド単結晶を用いたものは寿命が長い特長がある。ここ
で、ダイヤモンドが好んで用いられるのは、大気中で約
900℃まで顕著な熱劣化が生じないことや、Au−Snとの
濡れ性が悪く、反応も生じないことによるものである。
ジヒーターを組み込んだシャンクの先端に研摩したダイ
ヤモンドやルビーの単結晶を埋め込んだものが使用され
ており、パルス加熱方式のツールに比べて特にダイヤモ
ンド単結晶を用いたものは寿命が長い特長がある。ここ
で、ダイヤモンドが好んで用いられるのは、大気中で約
900℃まで顕著な熱劣化が生じないことや、Au−Snとの
濡れ性が悪く、反応も生じないことによるものである。
また、研摩したダイヤモンド単結晶はその表面状態が
Rmaxで0.1μm以下と良好で、かつ高硬度であるためそ
の表面状態が変化し難い。この特性により、圧着時に溶
融したAu−Suはダイヤモンド表面に付着残留することが
少ない。
Rmaxで0.1μm以下と良好で、かつ高硬度であるためそ
の表面状態が変化し難い。この特性により、圧着時に溶
融したAu−Suはダイヤモンド表面に付着残留することが
少ない。
さらに、ダイヤモンドは現存する物質中、最も高い熱
伝導部を有するため、定常加熱方式のツール素材に用い
ると、ヒーターを過度に発熱させることなくすなわちシ
ャンクを過度に熱することなくツール先端を所望の500
〜600℃に加熱させることができるという長所がある。
伝導部を有するため、定常加熱方式のツール素材に用い
ると、ヒーターを過度に発熱させることなくすなわちシ
ャンクを過度に熱することなくツール先端を所望の500
〜600℃に加熱させることができるという長所がある。
しかしながら、ダイヤモンド単結晶は高価であり、ま
た比較的安価な合成品でも未だ数mm以上の大きなものが
得られていないのが現実である。今後、多数の端子を一
度に熱圧着する工程が増加すると考えられるが、その場
合には10mm以上の素材形状が必要となる。
た比較的安価な合成品でも未だ数mm以上の大きなものが
得られていないのが現実である。今後、多数の端子を一
度に熱圧着する工程が増加すると考えられるが、その場
合には10mm以上の素材形状が必要となる。
それゆえに、本発明の目的は、上記の必要特性を備え
たボンディングツール素材となる硬質耐熱焼結体及びそ
の製造方法を提供することにある。
たボンディングツール素材となる硬質耐熱焼結体及びそ
の製造方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 即ち本発明の硬質耐熱焼結体は、ダイヤモンド粒子を
その構成物質の1つとして含有し、かつ真空中で1200℃
までの加熱に対して顕著な構造変化を生じない耐熱焼結
体を母材とし、その表面の少なくとも1部が気相合成法
で析出される多結晶ダイヤモンドおよび/または多結晶
ダイヤモンド状カーボンからなる硬質膜で被覆されたこ
とを特徴とするものである。
その構成物質の1つとして含有し、かつ真空中で1200℃
までの加熱に対して顕著な構造変化を生じない耐熱焼結
体を母材とし、その表面の少なくとも1部が気相合成法
で析出される多結晶ダイヤモンドおよび/または多結晶
ダイヤモンド状カーボンからなる硬質膜で被覆されたこ
とを特徴とするものである。
又本発明の上記焼結体の製造方法は、ダイヤモンド粒
子をその構成物質の1つとして含有し、かつ真空中で12
00℃までの加熱に対して顕著な構造変化を生じない耐熱
焼結体を母材として気相合成法により多結晶ダイヤモン
ドおよび/または多結晶ダイヤモンド状カーボンからな
る硬質膜を被覆することを特徴とするものである。
子をその構成物質の1つとして含有し、かつ真空中で12
00℃までの加熱に対して顕著な構造変化を生じない耐熱
焼結体を母材として気相合成法により多結晶ダイヤモン
ドおよび/または多結晶ダイヤモンド状カーボンからな
る硬質膜を被覆することを特徴とするものである。
以下本発明を発明の経緯と共に詳細に説明する。
本発明者らは、先ずダイヤモンド単結晶の代りにより
大きな形状が作製できる市販のCoを結合材として含有す
る焼結ダイヤモンドを定常加熱方式ツールの先端素材に
用いることを検討した。
大きな形状が作製できる市販のCoを結合材として含有す
る焼結ダイヤモンドを定常加熱方式ツールの先端素材に
用いることを検討した。
融点750℃の銀ろうを使用してステンレス鋼製のシャ
ンクにろう付けした後、先端面の研摩とシャンクの加工
を行いツールを作製した。研摩された焼結ダイヤモンド
はRmax=0.06μmで表面状態は良好であった。
ンクにろう付けした後、先端面の研摩とシャンクの加工
を行いツールを作製した。研摩された焼結ダイヤモンド
はRmax=0.06μmで表面状態は良好であった。
ツールの先端を常時570℃に一定加熱してICチップとA
u−Sn線との熱圧着をくり返し行ったところ、除々に、
研摩した先端面に凹凸が生じ、融解したAu−Sn合金の付
着量が多くなると共に、先端のダイヤモンド焼結体が、
ろう付け部分で動いている状態が観察された。
u−Sn線との熱圧着をくり返し行ったところ、除々に、
研摩した先端面に凹凸が生じ、融解したAu−Sn合金の付
着量が多くなると共に、先端のダイヤモンド焼結体が、
ろう付け部分で動いている状態が観察された。
先端面の変形は、ダイヤモンド焼結体を常時加熱して
いるため、結合材のCoとダイヤモンドの熱膨張差に基づ
く微小亀裂の発生や、ダイヤモンドの黒鉛化の進行によ
る耐摩耗性の低下によるものと考えられた。また、ダイ
ヤモンドのろう付け部分でのずれは、使用中のろう付け
部分の温度が、その融点近傍にまで曝されるためろう材
が変形し易くなっていることによると推定された。
いるため、結合材のCoとダイヤモンドの熱膨張差に基づ
く微小亀裂の発生や、ダイヤモンドの黒鉛化の進行によ
る耐摩耗性の低下によるものと考えられた。また、ダイ
ヤモンドのろう付け部分でのずれは、使用中のろう付け
部分の温度が、その融点近傍にまで曝されるためろう材
が変形し易くなっていることによると推定された。
以上のことから、Coを結合材とした市販の焼結ダイヤ
モンドでは、この種の工具の要求特性を満足できず、よ
り融点の高いろう材が使用でき、かつ長時間の加熱使用
にも耐えられる高耐熱焼結体が必要であることが判明し
た。
モンドでは、この種の工具の要求特性を満足できず、よ
り融点の高いろう材が使用でき、かつ長時間の加熱使用
にも耐えられる高耐熱焼結体が必要であることが判明し
た。
耐熱性の高いダイヤモンド焼結体は、例えば特開昭53
−114589号に開示されているが、この焼結体は鉄属金属
結合材を酸処理により抽出したものであるため、空孔が
存在し、研摩を行っても表面状態が良好とならないた
め、使用中にAu−Sn合金が付着し易い。
−114589号に開示されているが、この焼結体は鉄属金属
結合材を酸処理により抽出したものであるため、空孔が
存在し、研摩を行っても表面状態が良好とならないた
め、使用中にAu−Sn合金が付着し易い。
空孔の存在しない耐熱性ダイヤモンド焼結体は、特開
昭59−161268号や特開昭61−33865号に開示されている
が、これらの結合材は、SiやSiC或はNiとSiの合金等で
構成されており、これらはダイヤモンドに比べて硬度が
低いため研摩後の表面状態はやはり十分満足されたもの
ではない。
昭59−161268号や特開昭61−33865号に開示されている
が、これらの結合材は、SiやSiC或はNiとSiの合金等で
構成されており、これらはダイヤモンドに比べて硬度が
低いため研摩後の表面状態はやはり十分満足されたもの
ではない。
結合材を含有せず、ダイヤモンドのみからなる焼結体
は、耐熱性、硬度、熱伝導率、面粗度の全てに関して最
も望ましいと考えられる。その試みとして、ダイヤモン
ドの粉末のみを超高圧下で焼結することが行なわれてい
るが、ダイヤモンド粒子自身が変形し難いため、粒子の
間隙には圧力が伝達されず、したがって黒鉛化が生じ、
ダイヤモンド−黒鉛の複合体しか得られていないのが現
状である。
は、耐熱性、硬度、熱伝導率、面粗度の全てに関して最
も望ましいと考えられる。その試みとして、ダイヤモン
ドの粉末のみを超高圧下で焼結することが行なわれてい
るが、ダイヤモンド粒子自身が変形し難いため、粒子の
間隙には圧力が伝達されず、したがって黒鉛化が生じ、
ダイヤモンド−黒鉛の複合体しか得られていないのが現
状である。
一方、最近では気相合成法により、結合材を含有しな
いダイヤモンド多結晶体を製造する技術が飛躍的な進歩
を遂げている。しかしながら、この方法では、合成時の
内部応力等の影響により、数百μm以上の厚さの膜を作
製するのは現状技術では困難とされている。また、この
ダイヤモンド薄膜は、超硬合金やW等の母材に析出さ
せ、切削工具として用いることが知られているが、これ
を上記したボンディングツールに適用しても、膜の密着
強度が低いことや、母材の強度、熱伝導度が低いことに
より良好な結果が得られない。
いダイヤモンド多結晶体を製造する技術が飛躍的な進歩
を遂げている。しかしながら、この方法では、合成時の
内部応力等の影響により、数百μm以上の厚さの膜を作
製するのは現状技術では困難とされている。また、この
ダイヤモンド薄膜は、超硬合金やW等の母材に析出さ
せ、切削工具として用いることが知られているが、これ
を上記したボンディングツールに適用しても、膜の密着
強度が低いことや、母材の強度、熱伝導度が低いことに
より良好な結果が得られない。
本発明者らは、より一層優れたボンディングツール素
材を得るべく鋭意検討した結果、以下の発明をなしたも
のである。
材を得るべく鋭意検討した結果、以下の発明をなしたも
のである。
すなわち、ダイヤモンド粒子をその構成物質の1つと
して含有し、かつ真空中で1200℃までの加熱に対して顕
著な構造変化を生じない耐熱焼結体を母材とし、その表
面の少なくとも1部が気相合成法で析出される多結晶ダ
イヤモンドおよび/または多結晶ダイヤモンド状カーボ
ンからなる硬質膜で被覆された硬質耐熱焼結体が優れた
ボンディングツール素材となることを見出したものであ
る。
して含有し、かつ真空中で1200℃までの加熱に対して顕
著な構造変化を生じない耐熱焼結体を母材とし、その表
面の少なくとも1部が気相合成法で析出される多結晶ダ
イヤモンドおよび/または多結晶ダイヤモンド状カーボ
ンからなる硬質膜で被覆された硬質耐熱焼結体が優れた
ボンディングツール素材となることを見出したものであ
る。
本発明の実施にあたり、優れたボンディングツール素
材となる焼結体を得るためには、母材のダイヤモンド焼
結体が高耐熱であることが必要である。その材質として
は真空中1200℃までの加熱に対して顕著な構造変化が生
じないものであればいずれでもよいが、特に特開昭61−
104045号記載のものが好ましい。
材となる焼結体を得るためには、母材のダイヤモンド焼
結体が高耐熱であることが必要である。その材質として
は真空中1200℃までの加熱に対して顕著な構造変化が生
じないものであればいずれでもよいが、特に特開昭61−
104045号記載のものが好ましい。
この高耐熱焼結体を必要形状に整形加工した後ボンデ
ィング面の十分な研摩を行い、母材とする。研摩面の面
状態は可能な限り平滑であることが望ましい。母材を構
成するダイヤモンド焼結体の粒径を0.1〜200μmとする
理由は0.1μ未満では熱伝導率が低くなること、また200
μmを超えると強度が低下することによる。またダイヤ
モンドの含有量を70〜99容量%、好ましくは95〜99容量
%とする理由は70容量%未満では空孔の容量が多くな
り、強度、熱伝導率が低下すること、また99容量%を超
えるとその製造時での結合材の含有量が少なく、ダイヤ
モンド結合が強固な焼結体が得られない点にある。
ィング面の十分な研摩を行い、母材とする。研摩面の面
状態は可能な限り平滑であることが望ましい。母材を構
成するダイヤモンド焼結体の粒径を0.1〜200μmとする
理由は0.1μ未満では熱伝導率が低くなること、また200
μmを超えると強度が低下することによる。またダイヤ
モンドの含有量を70〜99容量%、好ましくは95〜99容量
%とする理由は70容量%未満では空孔の容量が多くな
り、強度、熱伝導率が低下すること、また99容量%を超
えるとその製造時での結合材の含有量が少なく、ダイヤ
モンド結合が強固な焼結体が得られない点にある。
このようにして製造されたダイヤモンド焼結体を必要
形状に切断した後、たとえば王水のような鉄属金層を腐
食し得る酸に入れ鉄属金属を溶出して空孔を形成し、高
耐熱焼結体とする。
形状に切断した後、たとえば王水のような鉄属金層を腐
食し得る酸に入れ鉄属金属を溶出して空孔を形成し、高
耐熱焼結体とする。
この焼結体を母材として、ボンディング面に気相合成
により多結晶ダイヤモンドおよび/または多結晶ダイヤ
モンド状カーボンからなる硬質膜を被覆する。こゝで、
被覆する膜厚は0.05〜200μmが好ましい。これは膜厚
が0.05μm未満であると母材表面の空孔を気相合成ダイ
ヤモンドで埋めつくすことが困難であるためで、また現
状の技術では膜厚が200μmを超す厚いものとするの
は、析出速度が小さいので時間すなわちコストがかゝり
好ましくない。
により多結晶ダイヤモンドおよび/または多結晶ダイヤ
モンド状カーボンからなる硬質膜を被覆する。こゝで、
被覆する膜厚は0.05〜200μmが好ましい。これは膜厚
が0.05μm未満であると母材表面の空孔を気相合成ダイ
ヤモンドで埋めつくすことが困難であるためで、また現
状の技術では膜厚が200μmを超す厚いものとするの
は、析出速度が小さいので時間すなわちコストがかゝり
好ましくない。
以上の方法で得られた硬質耐熱焼結体は、硬質膜を被
覆した面をさらに研摩仕上げして、その表面状態を単結
晶ダイヤモンド並のRmax0.05μm以下とすることによ
り、ボンディングツール素材として性能を発揮するもの
である。
覆した面をさらに研摩仕上げして、その表面状態を単結
晶ダイヤモンド並のRmax0.05μm以下とすることによ
り、ボンディングツール素材として性能を発揮するもの
である。
本発明の硬質耐熱焼結体の用途としては、ボンディン
グツール素材の他に、伸線ダイス、セラミックス切削加
工用バイト、ドレッサー、ビットなどが挙げられる。
グツール素材の他に、伸線ダイス、セラミックス切削加
工用バイト、ドレッサー、ビットなどが挙げられる。
(実施例) 以下、実施例により具体的に説明する。
実施例1 平均粒度100μm、50μm、20μmおよび5〜0.2μm
のダイヤモンド粉末を、5:3:1:1の割合で配合した後、W
C−Co超硬合金製のポットとボールとを用いて5分間粉
砕混合した。この粉末を1400℃の温度で30分間、真空中
で加熱した後、Mo製の容器に充填し、Co板を完成粉末上
に載置して接触させ、超高圧・高温装置を用いて、まず
圧力を55Kb加え、引き続き1460℃の温度に加熱し、10分
間保持した。
のダイヤモンド粉末を、5:3:1:1の割合で配合した後、W
C−Co超硬合金製のポットとボールとを用いて5分間粉
砕混合した。この粉末を1400℃の温度で30分間、真空中
で加熱した後、Mo製の容器に充填し、Co板を完成粉末上
に載置して接触させ、超高圧・高温装置を用いて、まず
圧力を55Kb加え、引き続き1460℃の温度に加熱し、10分
間保持した。
このようにして得られた焼結体を容器より取出し、化
学分析によりダイヤモンド、WCおよびCoの含有量を測定
したところ、それぞれ、96.5容量%、0.15容量%、3.35
容量%であった。
学分析によりダイヤモンド、WCおよびCoの含有量を測定
したところ、それぞれ、96.5容量%、0.15容量%、3.35
容量%であった。
次に、この焼結体を加熱王水中に入れCoを溶出し、磁
気天秤および化学分析により組成を調査したところ、ダ
イヤモンド96.5容量%、WC0.14容量%、Co0.4容量%、
空孔2.96容量%であった。この試料の圧縮強度を測定し
たところ、380Kg/mm2の強度を示した。
気天秤および化学分析により組成を調査したところ、ダ
イヤモンド96.5容量%、WC0.14容量%、Co0.4容量%、
空孔2.96容量%であった。この試料の圧縮強度を測定し
たところ、380Kg/mm2の強度を示した。
比較のために、最大のダイヤモンド粒度が同じであ
り、ダイヤモンド含有率が92.0容量%、空孔7.7容量
%、Co0.3容量%のものを試作し、その圧縮強度を測定
したところ、120Kg/mm2であった。
り、ダイヤモンド含有率が92.0容量%、空孔7.7容量
%、Co0.3容量%のものを試作し、その圧縮強度を測定
したところ、120Kg/mm2であった。
次に、本発明の焼結体の耐熱性を試験するために、真
空中で1200℃に加熱し、30分間保持したところ、寸法変
化や亀裂は全く生じなかった。
空中で1200℃に加熱し、30分間保持したところ、寸法変
化や亀裂は全く生じなかった。
この耐熱焼結体を10mm×10mm×3mmの直方体形状にレ
ーザー切断し、10mm×10mmの面を研摩したところ、Rmax
が0.15μmであった。これを母材としてプラズマCVD法
により厚さ5μmの多結晶ダイヤモンド膜を析出させ被
覆した。
ーザー切断し、10mm×10mmの面を研摩したところ、Rmax
が0.15μmであった。これを母材としてプラズマCVD法
により厚さ5μmの多結晶ダイヤモンド膜を析出させ被
覆した。
しかる後、この被覆面を研摩したところ、Rmaxが0.03
μmと、単結晶ダイヤモンドに匹敵する程の良好な表面
状態が得られた。
μmと、単結晶ダイヤモンドに匹敵する程の良好な表面
状態が得られた。
これに対して、Moを母材として同様のダイヤモンド膜
を析出、被覆したものは研摩中に膜に亀裂が入り、一部
剥離してしまった。
を析出、被覆したものは研摩中に膜に亀裂が入り、一部
剥離してしまった。
上記ツール素材の研摩面以外の表面をPVD法でTiCコー
ティングした後ステンレス鋼製のシャンクに1000℃でろ
う付けを行い、ボンディングツールを作製した。このツ
ールの耐久テストをボンディング装置に実装して行った
ところ、3mm角の単結晶ダイヤモンドを用いて作製した
ツールと同様に100万回の使用に耐えた。
ティングした後ステンレス鋼製のシャンクに1000℃でろ
う付けを行い、ボンディングツールを作製した。このツ
ールの耐久テストをボンディング装置に実装して行った
ところ、3mm角の単結晶ダイヤモンドを用いて作製した
ツールと同様に100万回の使用に耐えた。
そのボンディング面の寸法が拡大できたことにより、
生産性が約5倍に増大できることが明らかとなった。
生産性が約5倍に増大できることが明らかとなった。
実施例2 実施例1と同様の製造方法により、第1表に示したボ
ンディングツール素材を作製した。第1表には、比較と
して本発明以外の素材についても示した。
ンディングツール素材を作製した。第1表には、比較と
して本発明以外の素材についても示した。
ここで、No.Bは市販の焼結ダイヤモンドであり、被膜
形成は不可能であった。
形成は不可能であった。
これらの素材を加工し、先端20mm角のボンディングツ
ールを作製した。これらのツールの耐久テストを行った
結果を第2表に示す、使用条件は、先端温度600℃で圧
着時間2秒とし、ピン数1000本のICをくり返しボンディ
ングした。
ールを作製した。これらのツールの耐久テストを行った
結果を第2表に示す、使用条件は、先端温度600℃で圧
着時間2秒とし、ピン数1000本のICをくり返しボンディ
ングした。
このように、本発明の素材を用いたツールでは顕著な
劣化はみられなかった。
劣化はみられなかった。
(発明の効果) 以上のように、本発明によれば、大型ボンディングツ
ール素材に適した耐熱性、強度および耐摩耗性がより一
層向上された焼結体を得ることが可能となる。
ール素材に適した耐熱性、強度および耐摩耗性がより一
層向上された焼結体を得ることが可能となる。
第1図及び第2図は共に半導体素子と金属細線とを接続
するのに用いられるボンディングツールの概念図で、第
1図はパルス加熱方式、第2図は定常加熱方式である。 (1)……パルス通電発熱部、(2)……シャンク取付
部、 (3)……ボンディングツール先端部、 (4)……カートリッジヒータ収納部、 (5)……放熱用穴、(6)……シャンク取付部。
するのに用いられるボンディングツールの概念図で、第
1図はパルス加熱方式、第2図は定常加熱方式である。 (1)……パルス通電発熱部、(2)……シャンク取付
部、 (3)……ボンディングツール先端部、 (4)……カートリッジヒータ収納部、 (5)……放熱用穴、(6)……シャンク取付部。
Claims (8)
- 【請求項1】ダイヤモンド粒子をその構成物質の1つと
して含有し、かつ真空中で1200℃までの加熱に対して顕
著な構造変化を生じない耐熱焼結体を母材とし、その表
面の少なくとも1部が気相合成法で析出される多結晶ダ
イヤモンドおよび/または多結晶ダイヤモンド状カーボ
ンからなる硬質膜で被覆され、該硬質膜の表面粗さがRm
ax 0.05μm以下であることを特徴とするボンディング
ツール素材。 - 【請求項2】母材である耐熱焼結体が、ダイヤモンドの
含有量が70〜99容量%を占め、残部が鉄族金属と周期律
表IV a,V a,VI a族の金属もしくは炭化物の少なくとも
一方を合計で0.1〜3容量%、ならびに空孔0.5〜30容量
%よりなる焼結ダイヤモンドである特許請求の範囲第
(1)項記載のボンディングツール素材。 - 【請求項3】前記ダイヤモンド含有量が95〜99容量%で
あり、残部空孔が0.5〜5容量%である特許請求の範囲
第(2)項記載のボンディングツール素材。 - 【請求項4】母材の耐熱焼結体のダイヤモンド粒径が0.
1〜200μmである特許請求の範囲第(1)項、第(2)
項又は第(3)項記載のボンディングツール素材。 - 【請求項5】母材を被覆する硬質膜の厚さが0.05〜200
μmである特許請求の範囲第(1)項、第(2)項、第
(3)項又は第(4)項記載のボンディングツール素
材。 - 【請求項6】ダイヤモンド粉末、またはダイヤモンド粉
末と周期律表IV a,V a,VI a族の金属もしくは炭化物お
よび鉄族金属との混合粉末を作成し、1300℃以上の温度
にて、原料粉末中のダイヤモンドの一部を黒鉛化し、し
かる後鉄族金属または周期律表IV a,V a,VI a族の焼結
炭化物と接触させて超高圧・高温装置を用いてダイヤモ
ンドが安定な高温高圧下においてホットプレスして焼結
体を作成し、該焼結体を酸処理することにより鉄族金属
および周期律表IV a,V a,VI a族の金属もしくは炭化物
の一部を溶出し、これを耐熱焼結体母材とし、該母材の
少なくとも一部に気相合成法により多結晶ダイヤモンド
および/または多結晶ダイヤモンド状カーボンからなる
硬質膜を被覆し、その後該硬質膜の表面を研磨し、表面
粗さがRmaxで0.05μm以下とすることを特徴とするボン
ディングツール素材の製造方法。 - 【請求項7】前記ダイヤモンド粉末の含有量が70〜99容
量%である特許請求の範囲第(6)項記載のボンディン
グツール素材の製造方法。 - 【請求項8】前記ダイヤモンド粉末の含有量が95〜99容
量%である特許請求の範囲第(7)項記載のボンディン
グツール素材の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP62176869A JP2590113B2 (ja) | 1987-07-15 | 1987-07-15 | ボンディングツール素材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP62176869A JP2590113B2 (ja) | 1987-07-15 | 1987-07-15 | ボンディングツール素材及びその製造方法 |
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Family
ID=16021222
Family Applications (1)
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-
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- 1987-07-15 JP JP62176869A patent/JP2590113B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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JPS6421076A (en) | 1989-01-24 |
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