JP2590052Y2 - 揺動自在の刃を有する粘質物切断装置 - Google Patents

揺動自在の刃を有する粘質物切断装置

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JP2590052Y2
JP2590052Y2 JP1993025843U JP2584393U JP2590052Y2 JP 2590052 Y2 JP2590052 Y2 JP 2590052Y2 JP 1993025843 U JP1993025843 U JP 1993025843U JP 2584393 U JP2584393 U JP 2584393U JP 2590052 Y2 JP2590052 Y2 JP 2590052Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願考案は、揺動自在の刃を有す
る粘質物切断装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】バター、マーガリン、その他の粘質の食
品や、石鹸等の粘質の部材を、製造ライン上で商品の単
位となる所定の寸法に切断するに際し、例えば、厚みの
ある粘質物の切断も円滑に行えるように、下記のような
装置が提案されている。これは、前後方向基端側から先
端側へ移動中のマーガリン等の被加工物に対して適宜動
力源により刃を動かして切断等の加工を行う際に、被加
工物と同方向へ刃を移動させながら刃を下方へ移動させ
て被加工物に対する切断等の加工を行うマーガリン等の
食品切断装置であって、略上下方向或いは略前後方向の
2方向のうちいずれか1方向に配されたガイド体と、ガ
イド体に導かれて上記ガイド体方向へ移動し得る支持体
と、支持体に対して上記2方向のうち他の1方向へ摺動
可能に支持された刃と、この刃を斜方向に導く斜交ガイ
ドとを備え、この斜交ガイドが上記移動方向の基端側上
方へ傾斜したものである。
【0003】具体的に説明すると、図10、図11、図
12は、この切断装置の要部側面図、図13は同要部正
面図、図14は同側面図である。この切断装置は、基台
1と、基台上方に配された移送路2と、移送路2上に配
された切断部3とからなる。まず、基台1上に配された
移送路2から説明すると、この移送路2は、基端側(図
14の右側)に配された第1コンベア21と、これに連
続して配された先端側(図14の左側)に配された第2
コンベア22とから構成される。これらのコンベア2
1,22は、ベルトコンベアを採用し得るが、チェーン
コンベア、ローラコンベア等の適宜移送手段に変更し得
る。
【0004】第1コンベア21は、被加工物たるマーガ
リン等の粘性食品aを吐出するノズルb先端に配位さ
れ、ノズルbから連続して吐出された粘性食品aを先端
方向(左方向)に移送する。第2コンベア22は、第1
コンベア21より、その移送速度が速く、第1コンベア
21先端に配された切断部3によって所定寸法に切断さ
れた粘性食品aを、その先端方向(左方向)へ移送し、
包装等の次工程をなす装置(図示せず)へ送る。両コン
ベア21,22上面には、噴射ノズル23よりアルコー
ル等の消毒液を噴射し、コンベアの衛生状態を保つと共
に、粘性食品aがコンベア21,22のベルト等の移送
面に粘着してしまうことを防ぐことが望ましい。又、第
2コンベア22の基端寄りには、粘性食品aを検知する
センサ24が設けられ、このセンサ24の検知信号に基
づき作動する切断部3が第1コンベア21の先端寄りに
配されている。
【0005】この切断部3は、第1コンベア21をまた
ぐ状態で基台1上に形成された外フレーム31及び内フ
レーム32内に配されている。内フレーム32内には、
前後一対のガイド軸33,34が、移送路2の左右両側
に、内外フレーム31,32に支持された状態で立設さ
れている。尚、本考案において、前とは移送路の進行(
先端) 方向、後とは同逆(基端)方向、左、右とは同先
端側から基端側に向かって左、右をいう。左右夫々の前
後のガイド軸33,34間には、支持体35が上下に摺
動可能に渡されている。又、左右の各支持体35には、
その内側に案内溝36が形成されている。
【0006】この左右の案内溝36間には、中央バー3
7が渡されている。詳しくは、この中央バー37の両端
にローラ38,38が回転可能に取り付けられ、各ロー
ラ38が左右の案内溝36内に挿入されており、左右の
案内溝36のガイドにより、中央バー37は、前後方向
へ摺動可能となっている。中央バー37の両端寄りに
は、刃取付杆39,39が固定され、その上部には上部
バー40が、その下部には下部バー41が夫々渡される
と共に、刃取付杆39,39の下端間には、マーガリン
等の粘性食品の切断をなす1本の刃42が取り付けられ
ている。以上の構成により、ガイド軸33,34及び案
内溝36の案内によって、刃42は上下方向及び前後方
向に可動となっている。
【0007】次に、内フレーム32内の移送路2の左右
両側には、一対の略L字状可動体43,43が配されて
いる。各略L字状可動体43,43は、上下方向に少し
傾斜して延びる斜交部44と、斜交部44の下端から後
方向へ延びる水平部45とからなる。この斜交部44に
は、後上方から前下方に傾斜して延びる斜交ガイド溝4
6が形成されている。この斜交ガイド溝46内には、前
記の中央バー37の両端が挿通されていると共に、上
部、下部バー40,41の両端が挿入されている。この
上部、下部バー40,41の各端部にはローラが回転可
能に取り付けられ、斜交ガイド溝46に案内されて可動
する。従って、前記のように、ガイド軸33,34及び
案内溝36の案内によって上下方向及び前後方向に可動
となっている刃42は、斜交ガイド溝46の案内によ
り、上下、前後の2方向の合成方向である後上から前下
の斜方向へ移動し得るものである。
【0008】次に、この左右一対の略L字状可動体は、
上記のように、刃42の斜方向への移動を案内をなすと
共に、自らも前後方向へ移動し得る。そのために、左右
の斜交部44の上端間には連絡軸47が渡され、連絡軸
47の両端にはローラ48,48が回動可能に取り付け
られている。これらの各ローラ48は、内フレーム上部
の左右に設けられた上部ガイド溝49,49内に挿入さ
れている。他方、左右の夫々の水平部45後端寄りに
は、前後2個のローラ50,50が取り付けられ、これ
らのローラ50…は、内フレーム下部の左右に設けられ
た下部ガイド溝51,51内に挿入される。以上の構成
により、略L字状可動体43は、上部、下部ガイド溝4
9,51に案内されて前後方向へ平行移動し得るもので
ある。そして、この前後方向への平行移動により、刃4
2は、刃取付杆39及び上部、中央、下部の各バー4
0,37,41と共に前後方向へ移動する。
【0009】次に、上記切断部3の駆動手段を説明す
る。まず、基台1内には、図14に示すように、動力源
たる電動機61が取り付けられ、この電動機61の駆動
軸は、一回転クラッチ(図示せず)を介して、第1回転
軸62及び第2回転軸63に夫々接続されている。第1
回転軸62には、第1カム64が取り付けられている。
この第1カム64は、溝を有する溝カムであり、この溝
は、図15に示すように、径の一定した円弧部65と、
円弧部65の一端から径外方向へ膨出する引き下げ用部
66と、引き下げ用部66端から円弧部65の他端に至
る押し戻し用部67とを備える。
【0010】この第1カム64の後方には、軸68が配
され、軸68には第1揺動杆69が回動可能に取り付け
られている。この第1揺動杆69には、ローラ(図示せ
ず)がローラ取着軸70によって取り付けられ、このロ
ーラが上記溝内に可動状態で嵌入される。第1揺動杆6
9のローラ取着軸70の先端寄りには、第1上下杆71
の取着部72が設けられている。この取着部72には、
第1上下杆71の下端が回動可動に接続され、この第1
上下杆71の上端は前述の中央バー37に回動可能に接
続されている。この第1上下杆71の上端は、中央バー
37の左右端寄りに接続される。図13にこの接続部分
73,73を示す。尚、図の繁雑化を防ぐために接続部
分73,73のみを示し、第1上下杆71は図示しな
い。この図から明らかなように、接続部分73,73は
左右2箇所有り、その夫々に第1上下杆71の上端が接
続されるものである。従って、上記の第1カム64から
接続部分73までは、軸68を除き、左右一対づつ設け
られるものである。
【0011】次に、前記第2回動軸63は、上記第1回
動軸62関連の構成と実施的に同一の構成により、第2
上下杆77に接続される。ここで、第2カム75は、図
16へ示すように、円弧部78、押し上げ部79及び引
き戻し部80からなる溝を有する溝カムである。又、第
2揺動杆76の基端は、第1揺動杆69と同じ軸68に
回動可能に取り付けられている。
【0012】第2上下杆77の上端は、図14へ示すよ
うに、L字揺動部材81の一端に回動可能に接続されて
いる。詳しくは、このL字揺動部材81は、移送路2の
左右両側に配され、両部材81,81の折曲部分に通さ
れる軸82によって、回動可能に支持されている(図1
3)。又、両L字揺動部材81の一端間にも接続軸83
が渡され、この接続軸83の略中央に上記第2上下杆7
7の上端が回動可能に接続されている。
【0013】図10、図11及び図12へ示すように、
左右の両L字揺動部材81,81の他端側には、夫々長
孔84が形成され、これらの長孔に左右一対の前後杆8
5の前端が回動可能かつ上下に摺動可能に接続されてい
る。そして前後杆85の後端は、前記の左右一対の略L
字状可動体43,43の折曲部分附近に回動可能に接続
されている。
【0014】次に、この切断装置の作動状態について説
明する。まず、被加工物たるマーガリン等の粘性食品a
は、ノズルbから連続した一本のシート状態で吐出され
る。そして、粘性食品aは、第1コンベア21によって
移送され、切断部3の下方の通過し、第2コンベア22
に乗りうつり、その先端がセンサ24に検知されると、
この検知信号に基づき切断部3が作動する。まず作動前
における切断部3の主要な部材を、図12に示すと共
に、作動前の状態を説明する。
【0015】作動前の第1の過程について説明する。第
1揺動杆69のローラは、第1カム64の溝の円弧部6
5に位置しており、第1揺動杆69は上方位置にある。
第1揺動杆69に接続された第1上下杆71も上昇引き
下げ状態にある。従って、第1上下杆71に接続された
中央バー37も上昇しており、これに伴い支持体35の
案内溝36の後部位置に位置している。よって、上部、
中央、下部の各バー40,37,41は、略L字状可動
体43の斜交ガイド溝46の後上位置にある。
【0016】作動前の第2の過程について説明する。第
2揺動杆76のローラは、第2カム75の円弧部78に
あり、第2揺動杆76は下方位置にある。第2揺動杆7
6に接続された第2上下杆77も下降しており、これに
接続されたL字揺動部材81の一端も下降している結
果、その他端は後方位置にある。そして、この他端側の
長孔84に接続された前後杆85も後方位置にある。後
って、前後杆85に接続された略L字状ガイド体43
は、上部、下部の各ガイド溝49,51中の後方位置で
支持されている。
【0017】作動前の第3の過程について説明する。上
記第1及び第2の動作の結果、刃42は、後上位置にあ
る。
【0018】次に、センサ24の検知信号に基づき、切
断部3が作動し、刃42が後上位置から前下位置に降下
し、粘性食品aを切断する。(図10)。この間の作動
状態を次に説明する。
【0019】切断動作の第1の過程について説明する。
まず、電動機61の駆動軸に一回転クラッチが接続さ
れ、第1、第2の回転軸62,63の回転が始まる。こ
れにより、第1カム64が回転し、第1揺動杆69のロ
ーラは、同カム溝の円弧部65から引き下げ用部66内
を移動する。この移動に伴い、第1揺動杆69先端は下
降し、これに接続された第1上下杆71も下降する。従
って、第1上下杆71に接続された中央バー37も下降
し、支持体35も下降する。そして、この下降運動は、
上部、中央、下部の各バー40,37,41が斜交ガイ
ド溝46に案内されてた状態で行われるため、この案内
により各バー40,37,41は後上位置から前下位置
に斜めに移動する。このとき、中央バー37は、支持体
35の案内溝36の後部位置から前部位置に移行する。
【0020】切断動作の第2の過程について説明する。
上記第1の過程の他方において、第2回転軸63に固定
された第2カム75も、上記第1カム64と同様に回転
するが、第2揺動杆76のローラは、同カム溝の円弧部
78の内を移動するに止まる。その結果、これに接続さ
れた第2上下杆77は下降状態を維持し、ひいては、略
L字状ガイド体43も後方位置で停止したままである。
【0021】切断動作の第3の過程について説明する。
上記作動第1及び第2の過程を経た結果、刃42は、後
上位置から前下位置に斜前方へ下降し、粘性食品aを切
断する。このとき、刃43の前方向への移動速度は、第
1コンベア21による粘性食品aの移送速度と等しく設
定され、その結果、粘性食品aに対しては垂直方向に刃
aが入れられることとなる。ここで、刃aの移動速度
は、第1カム64に、特にそのカム溝の引き下げ用部6
6の形状と、略L字状可動体43の斜交ガイド溝46の
傾斜角度と、第1回転軸62の回転速度により決定され
る。そして、この決定された速度と粘性食品の移送速度
とを同調させればよい。この同調状態を長期の運転中に
維持するために、同一の電動機61により、第1コンベ
ア21を運転するのが適切である。
【0022】次に、切断された粘性食品aは、第2コン
ベア22によって、第1コンベア21より速い速度で前
方へ移送されると共に、これに略等しい速度で刃42は
前進しつつ上昇し(図11)、上昇しながら再び後退
し、上昇しきったところで停止する(図12)。この間
の作動状態を次に説明する。
【0023】先ず上記切断刃の戻り動作の第1の過程に
ついて説明する。第1回転軸62とこれに固定された第
1カム64の回転によって、第1揺動杆69のローラ
は、同カム溝の引き上げ用部66から押し戻し用部67
を経て、円弧部65内に戻る。そして、第1回転軸62
が一回転した時点で、1回転クラッチが切られ、その回
転が停止する。この間、第1揺動杆69は、そのローラ
が、カム溝の押し戻し用部67内を移動中に上昇し、円
弧部65内を移動中、上昇した状態を保ち、さらに、カ
ムの回転、停止後も上昇位置で停止している。これによ
り、第1上下杆71、中央バー37、及び支持体35も
上昇し、上昇状態で停止する。そして、この上昇運動
は、上部、中央、下部の各バー40,37,41が斜交
ガイド溝46に案内されて、前下位置から後上位置に移
動して停止する。
【0024】切断刃の戻り動作の第2の過程について説
明する。他方、第2回転軸63に固定された第2カム7
5も回転し、1回転完了時点で1回転クラッチの働きに
より停止する。この間、第2揺動杆76は、そのローラ
が、カム溝の円弧部78から押し上げ部79を径て引き
戻し部80に至り、円弧部78内に戻る。これにより第
2上下杆77は、下降位置から上昇した後再び下降し、
その状態を維持する。その結果、L字揺動部材81及び
前後杆85を介して前後動するように接続された略L字
状ガイド体43は、後方位置から前進した後再び後退し
て後方位置に戻って停止する。
【0025】切断刃の戻り動作の第3の過程について説
明する。以上、上部、中央、下部の各バー40,37,
41が略L字状ガイド体43の斜交ガイド溝46に案内
されて前下位置から後上位置に移動し停止する間に、略
L字状ガイド体43が後方位置から前進した後再び後退
して後方位置に戻って停止するため、刃42は、前下位
置からさらに前進しつつ上昇し、さらに上昇を続けなが
ら後退して後上位置で停止する。この動きにより、刃4
2は、後続の粘性食品aの前進を防げることなく上昇し
て、次の切断に備えることができる。
【0026】上記説明で、刃を斜方向に導くガイドを斜
交ガイド溝46として形成したものを示したが、軸とし
て形成し、刃或はその支持手段に軸挿通部を設け、この
軸挿通部に軸を挿通して斜方向への案内をなしても効果
は同様である。また、支持体を導くガイド体をガイド軸
33,34としたものを用いたが、上記の例とは逆に、
溝として形成し、この溝により支持体35を案内させる
ものも効果は同様である。また、ガイド軸33,34を
上下方向に、支持体35の案内溝36を前後方向に配し
たが、この上下、前後の関係は逆にしても効果は同様で
ある。刃は1本の他、複数本設けるようにすることもで
きる。更に、例示したものは、ノズルから吐出された直
後の粘性食品(マーガリン、バター、チョコレート等)
に対して切断を行ったが、その切断時期は自由であり、
例えば、包装紙上に乗せられた粘性食品に対して同切断
を行うようにすることもできる。
【0027】以上のような構成を採るこの装置は、ガイ
ド体による支持体の案内と、支持体による刃の案内との
2方向の案内を受けつつ、刃は斜交ガイドにより斜方向
へ移動するものであるため、刃に対して大きな力を加え
ても、刃は確実に同方向へ移動し得る。よって、被加工
物の厚みにかかわらず、良好な切断を実現し得るはずで
ある。そして、カムにより、回転動力源の回転を往復運
動に変換して刃を移動させることによって、反復して、
同一の動作が正確に行えるものである。
【0028】
【考案が解決しようとする課題】ところがこの装置は、
しばしば刃42によって切り取られた粘性食品の後方が
形崩れをおこして、切り取られたものは量的にも夫々ば
らつきが生じたのであった。この点について説明する
と、図17へ示すように、切断時、刃42は、コンベア
(第1コンベア21)の移送と完全に同調して(水平方
向へコンベアと同速度で)昇降するものであれば、本来
このような問題は生じない筈である。即ち動作開始位置
Aから最下位置Bまで、等速に移動するコンベアの載置
面と、同じ速度でコンベアの移送方向へ水平に移動しな
がら下降して最下位置Bに到達し、この最下位置Bから
再びコンベアの載置面と、同じ速度でコンベアの移送方
向へ水平に移動しながら上昇して、充分粘性食品から離
れた位置Cにて、動作開始位置Aに復帰するものであれ
ば、上記問題は生じない筈である。実際このように図1
7へ示す動作を行う装置(図示しない。)も過去には用
いられたのであったが、切断された後続の粘質物の先端
が、切断後抜き上げ中の刃に抑えられるてしまい、正確
且つ円滑な切断が行えないという危惧が生じた。このた
め、上記従来の技術の欄にて説明した装置によって、第
2コンベア22の移送速度を第1コンベア21の移送速
度よりも速いものとし、切り取られた粘質物と後続の粘
質物との間に間隔を生じさせ、刃の動作を下記図18へ
示すようなものにすることによって対処することとし
た。即ち、この図18に示すように、上述の切断装置に
おいて、切断刃の作動経路は、作動開始位置Aから最下
位置Bに到る経路ABは、上記の通り、水平方向につい
て第1コンベア21の移送速度と等速の直線的なものと
し、最下位置Bから作動開始位置Aへ復帰する経路BA
においては、その立ち上がりの際、刃を前方に出しつつ
引き上げるのである(弧状部分)。この動作は、上記先
行する粘質物と後続の粘質物との間には適当な間隔があ
るので、可能となっている。そして、刃について、この
ような動作を行うことにすれば、後続の粘質物の先端が
刃と接触することがなく、通常上述のような問題は、生
じない。ところが、ちょっとした送りのタイミングのず
れや、先行する切り取られた粘質物が速く送られない場
合が生じることがあり、この場合、刃は、この前方の切
り取られて第2コンベア22の粘質物の後端を押圧する
ことになり、この先行する粘質物の形崩れを生じさせた
(図19)。本願考案は、このような課題の解決を目的
とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】そこで、本願第1の考案
に係る揺動自在の刃を有する粘質物切断装置は、移送手
段100と、切断刃昇降手段110と、切断刃120
と、揺動抑止部材130とを有し下記の構成を採る。即
ち、移送手段100は、粘質物を載置して移送すること
が可能な、ベルトコンベア等の装置である。切断刃昇降
手段110は、切断刃120を保持し且つ切断刃120
を移送手段100に振り下ろして移送中の粘質物を所定
長さに順次切断することが可能な装置である。切断刃1
20は、その後端が切断刃昇降手段110へ軸止されて
おり、先端側が移送手段100の移送方向に沿って前後
に揺動自在である。揺動抑止部材130は、切断刃12
0が移送手段100上の粘質物へ振り下ろされる間、切
断刃120の適宜位置を規制して上記揺動を抑止するも
のであり、且つ切断後切断刃120が切断刃昇降手段1
10に引き上げられる間、切断刃120を開放して上記
揺動を可能とするものである。
【0030】又、本願第2の考案に係る揺動自在の刃を
有する粘質物切断装置は、移送手段100と、切断刃昇
降手段110と、前方切断刃121と、後方切断刃12
2と、揺動抑止部材130とを有し下記の構成を採るも
のである。即ち、移送手段100は、粘質物を載置して
移送することが可能な、ベルトコンベア等の装置であ
る。切断刃昇降手段110は、上記両切断刃121,1
22を保持し且つ両切断刃121,122を移送手段1
00に振り下ろして、両切断刃121,122の間隔
分、移送中の粘質物を順次切断して行くことが可能な装
置である。前方切断刃121は、後方切断刃122と共
に振り下ろされ、移送中の粘質物の先端を切り取るもの
である。後方切断刃122は、前方切断刃121と共に
振り下ろされ、移送中の粘質物の後端を切り取るもので
あり、少なくともこの後方切断刃122は、その後端
が、上記昇降手段121に軸止されてその先端側が移送
手段100の移送方向に対し前後に揺動自在である。揺
動抑止部材130は、後方切断刃122が移送手段10
0上の粘質物へ振り下ろされる間、後方切断刃122の
適宜位置を規制して上記揺動を抑止するものであり、且
つ切断後後方切断刃122が切断刃昇降手段110に引
き上げられる間、後方切断刃122を開放して上記揺動
を可能とするものである。
【0031】
【作用】本願第1の考案に係る切断装置は、後端が切断
刃昇降手段110へ軸止された切断刃120は、揺動抑
止部材130によって、切断に到るまでの間、保持さ
れ、回動不能であり、切断後揺動抑止部材130の保持
から開放されて前後に回動可能となるものであるため、
切断刃120が、切断開始位置へ向かって上昇を始めた
際、切断された粘質物の後端や、或いは後続の粘質物の
先端との接触が生じても、粘質物から押し返される力に
抗さずに回動して、その刃先が粘質物に力を加えること
を回避することができる。
【0032】又本願第2の考案に係る切断装置にあって
も、一つの粘質物の切取り量の精度を更に高めた、前方
切断刃121と後方切断刃122とを同時に振り下ろし
て切断を行う装置にて、少なくともその後方切断刃12
2は、後端が切断刃昇降手段110へ軸止されたもので
あり、揺動抑止部材130によって、切断に到るまでの
間は保持され、回動不能となり、切断後は揺動抑止部材
130の保持から開放されて前後に回動可能となるもの
であるため、後方切断刃122は、切断開始位置へ向か
って上昇を始めた際、切断された粘質物の後端や、或い
は後続の粘質物の先端との接触が生じても、粘質物から
押し返される力に抗さずに回動して、その刃先が粘質物
に力を加えることがない。
【0033】
【実施例】以下図面を用いて本願考案の実施例について
説明する。図1及び図2へ本願考案に係る装置の一実施
例を掲げる。先ずこの装置は、ノズルbから吐出され、
連続して(一続きとなって切れ目なく)移送されてくる
粘質物を、所定の長さに切断するものである。粘質物と
いうのは、マーガリン、バター等の粘性食品や、工業用
の板状石鹸或いは、その他の粘性材料であり、粘性を有
する素材の切断に本願考案に係る装置を利用することが
できる。そして、この装置は、移送手段100と、切断
刃昇降手段110と、前方切断刃121と、後方切断刃
122と、揺動抑止部材130とを備えるものである。
これら各部の構成について、以下順に説明する。
【0034】移送手段100には、粘質物を載置して移
送することが可能な、ベルトコンベアが適当である。し
かし、ローラコンベア等の従来周知の他の移送手段を採
用するものであっても実施可能である。この実施例にお
いて、移送手段100は、従来例の説明で掲げたものと
同様、後方の第1コンベア21と、その前方の第2コン
ベア22とによって構成されている(この実施例におい
て、左手を前方とし、右手を後方とする。以下同じ)。
又第1コンベア21と第2コンベア22は、移送物の切
断工程における移動を担うものであり、他の処理工程を
この移送手段100の移送経路上にてなす場合は、更に
他のコンベアを増設して実施すればよい。この点、後に
適当な例を挙げて説明する。上記第2コンベア22は、
移送物を製品単位に切断した後、後続の未切断の移送物
と適当な間隔をあけて、円滑な移送を行うために、通常
第1コンベア21よりも、移送速度が速く設定されてい
る。特にこのような間隔をあけることによって、後述の
光電管の検出を容易にすることができるのである。勿論
切断前は、第1コンベア21と第2コンベア22とは、
等速に移送するものであり、切断後第2コンベア22の
移送速度が第2コンベア22の移送速度よりも大きくな
るものであっても実施可能である。移送手段について
は、従来の技術の欄にて説明したのと同様のものを採用
するのが適当である。又ノズルbが粘質物を吐出する速
度は、第1コンベア21の移送速度とほぼ同じものに設
定しておくのが望ましい。図1の25及び26は、シャ
ワーを示しており、アルコール或いはアルコール混合水
を移送手段100の表面に吹きかけるものである。これ
らは、移送物が、粘性食品等の衛生状態の維持が必要と
されるものの加工を行う際、特に有効である。不要であ
れば、設けずに実施してもよい。又これらシャワー2
5,26が吹き出すアルコール等の液体には、必要に応
じて冷却されたものを用いればより効果的である。図示
はしないが、第1コンベア21のノズルb近辺には、ノ
ズルbから吐出されてくる粘質物aが左右に蛇行しない
よう、粘質物aの両脇を押圧して規制することが可能な
ガイドを設けておけば効果的である。又図1及び図2の
29は、移送手段100の脇に設けられた光電管を示し
ている。この光電管29は、次の切断のために送られて
くる粘質物aの先端を検出して、次に説明する切断刃昇
降手段110の下降のタイミングをとるものである。こ
のようなセンサーにて、切断のタイミングをとるように
してもよいが、タイマーを用いて、切断刃昇降手段11
0の下降のタイミングをとるものであっても実施可能で
ある。タイマーを用いる場合は、移送手段100につい
ては、従来の技術の欄にて掲げた装置と同様の動作が可
能な即ち第2コンベア22の移送速度の増速と、第1コ
ンベア21と第2コンベア22との同調(同速化)のコ
ントロールが可能な適宜制御手段を採用するのが望まし
い。
【0035】切断刃昇降手段110は、上記両切断刃1
21,122を保持し且つ両切断刃121,122を移
送手段100に振り下ろして、両切断刃121,122
の間隔分、移送中の粘質物を順次切断して行くことが可
能な装置である。図面の煩雑化を避けるために図1及び
図2において、切断刃昇降手段110を支持する手段
は、省略してある。この支持手段については、従来の技
術の欄にて例示した装置の中央バー37や刃取付杆39
と同じように、適当な支持体35及びガイド軸33、
又、ガイド溝49,51や略L字状可動体43(形状は
L字に限定するものではない。)と同様の機能を果たす
部材を採用することによって、切断刃昇降手段110
を、水平方向(移送手段100の移送方向)及び鉛直方
向(切断刃の振り下ろし方向)へ摺動可能に構成するも
のであればよい。例えば従来例の外フレーム31と同様
の、移送手段100に対して不動の外枠を、移送手段1
00付近上方に形成する。そしてこの外枠に水平方向或
いは鉛直方向に伸びるガイドバー形成する。このガイド
バーに嵌合し且つガイドバーが伸びる方向に摺動するこ
とが可能な部材を設ける(従来の技術の欄にて掲げた、
ガイド軸34に遊嵌する支持体35のような部材)。こ
の部材に、上記ガイドバーの伸びる方向と交差する方向
に伸びるガイド溝を形成し、このガイド溝に、上記切断
刃昇降手段110の一部或いは、切断刃昇降手段110
に軸止されたローラが、遊嵌するように形成しておけば
よい。切断刃昇降手段110は、図2へ示すように、切
断刃保持用水平部111と、縦杆部112とによって形
成された逆T字型部材を左右平行に配設し、両逆T字型
部材間へ、中央バー37、上部バー40及び下部バー4
1を渡すことによって形成されたものである。切断刃昇
降手段110は、このような形状に限定するものではな
い。しかし、このような構成を採用することによって、
従来の技術の欄にて掲げた装置の動力源周辺の構成や、
移送手段100周辺の構成をそのまま利用することが可
能である。そして、切断刃昇降手段110の刃保持用水
平部111には、その前部に前方切断刃121が設けら
れ、その後部に後方切断刃122が設けられている。こ
の前方切断刃121と後方切断刃122との間隔は、調
整可能なように、刃保持用水平部111が前後に伸縮す
る構成を採用すれば、汎用性の面でより効果的である。
刃保持用水平部111が前後に伸縮する構成を採る場
合、ラックとピニオン等の従来周知の手段を採用すれば
よい。切断刃昇降手段110の縦杆部112は、従来の
技術の欄に示した電動機61から取り出された昇降力を
受ける部分である。即ちこの縦杆部112が、既述の外
枠によって、水平方向及び鉛直方向に摺動可能に保持さ
れ、上記昇降力を受けて、切断刃昇降手段110全体の
作動を行うものである。従来の既述の欄に掲げた装置と
同様の第1カム64と第2カム75を用い、これらカム
によって電動機61(図1及び図2において図示しな
い。)からの回転力を直線的な往復運動に変換する。電
動機61はクラッチ(図示しない。)を介して、これら
カムに適切な回転力を供給するものである。第1カム6
4は、既述の引き下げ用部材66や押し戻し用部67を
備えた嵌合溝が形成されており、同じく第2カム75
は、既述の押し上げ部79や引き戻し部80を備えた溝
が形成されている(従来の技術の欄参照)。このような
第1カム64の溝に係合するローラ(図示せず。)を備
えた第1揺動杆69が、軸68にて装置に軸止されてい
る。この第1揺動杆69の先端は、上下に昇降する第1
上下杆71の下端部に軸止されている。第1上下杆71
の上端部は、切断刃昇降手段110の、中央バー37に
遊嵌し、切断刃昇降手段110へ、第1揺動杆69から
の昇降力を伝達する。又、第2カム75の溝に係合に係
合するローラ(図示せず。)を備え且つ上下に昇降する
第2揺動杆76も、軸68にて装置に軸止されている。
勿論この軸68とは別の位置にて軸止されるものであっ
ても実施可能である。そして、第2上下杆77の上端部
が、L字揺動部材81の接続軸83に軸止されている。
L字揺動部材81は、軸82を中心に揺動可能に装置へ
軸止されている。L字揺動部材81の上端は、既述の方
法にて、前後杆85に軸止されている。水平方向に渡さ
れたこの前後杆85の他端は、切断刃昇降手段110の
上記縦杆部112に軸止されている。従って第2上下杆
77の上下動によって、L字揺動部材81が揺動すれ
ば、これに追従する前後杆85が水平方向に摺動して、
切断刃昇降手段110の水平方向への移動力を供給する
ものである。尚この図2においては、第1カム64と第
2カム75とは同心に描かれているが、従来の技術の欄
に示すように別々の位置にて軸止されたものであっても
実施可能である。
【0036】切断刃昇降手段110の切断刃保持用水平
部111前部に設けられた前方切断刃121は、後方切
断刃122と共に振り下ろされ、移送中の粘質物の先端
を切り取るものである。前方切断刃121について詳述
すると、この前方切断刃121は、その基部側が、切断
刃昇降手段110に固定され切断刃昇降手段110と同
体に動作するものである。この実施例において、前方切
断刃121は、切断刃昇降手段110の軸113にて軸
止されており、その後方は、シリンダー27に接続され
ている。即ち前方切断刃121は、粘質物を切断した
後、シリンダー27で後端が後方(図1右側)に引かれ
て、上昇する際に刃先を幾分移送手段100の(移送方
向)前方に強制的に向けることができる。即ち切断した
粘質物に続く粘質物の先端から刃先を前方へ逃がすこと
が可能な構成を採用している。しかし、不要であれば、
このような構成は採用せずに実施することも可能であ
る。又、この前方切断刃121は後述する後方切断刃1
22と同様の構成を採用するものであっても実施可能で
あり、従って後方切断刃122と前方切断刃121とが
共に同じ動作(後述)を行うものであっても実施可能で
ある。前方切断刃121の粘質物切断を円滑に行うため
に、例えば電熱線等の加熱手段を、この前方切断刃12
1の適宜位置に設けて、刃先を加熱するようにしても効
果的である(図示しない)。このような加熱手段は、不
要であれば設けずに実施することも可能である。例えば
切断刃の材質にテフロン等の加熱によらなくても、粘質
物が引っ付かない材質のものを採用すれば、上述のよう
な加熱手段は不要である。図示はしないが、前方切断刃
121は、その刃先から切断刃昇降手段110に固定さ
れた後端に到る間にエアシリンダーを備えるものとし、
切断後上昇開始する間、刃先を粘質物aから逃がすよう
にして、実施することも可能である。
【0037】後方切断刃122は、前方切断刃121と
共に振り下ろされ、移送中の粘質物の後端を切り取るも
のである。この後方切断刃122は、その後端が、上記
昇降手段121に軸止されてその先端側が移送手段10
0の移送方向に対し前後に揺動自在である。詳述する
と、この後方切断刃122は、後端の軸123によっ
て、切断刃昇降手段110の切断刃保持用水平部111
後部へ、ぶらぶらと回動すことが可能な状態に保持され
ている。この実施例においては、上下の速度調整のた
め、後方切断刃122は、シリンダー28を介して、切
断刃保持用水平部111後部へ固定されている。即ちシ
リンダー28の備えるピストンロッドの先端に軸123
が形成されているのである。図示したものと異なり、軸
123は、シリンダー28と切断刃保持用水平部111
との固定部に形成されるものとし、ピストンロッドに対
しては後方切断刃122が回動しないように実施するこ
とも可能である。この後方切断刃122も前方切断刃1
21と同様必要に応じて、電熱線等の加熱手段を備える
ものとすればよい。
【0038】上記後方切断刃122の左右両脇には、図
3及び図4へ示すように揺動抑止部材130が形成され
ている。詳述すると、揺動抑止部材130は、後方切断
刃122を挟んで互いに向かい合い、一対となるもので
あり、第1抑止部材131と、第2抑止部材132とに
よって構成されている。この第1及び第2抑止部材13
1,132は、夫々切断刃昇降手段110に固定された
シリンダー133,134を備える。このシリンダー1
33,134のピストンロッド135,136の先端に
抑止部137,138が設けられている。抑止部13
7,138は、夫々後方切断刃122を臨む面に、溝1
39,140が形成されている。この溝139,140
は夫々、内部が奥に行くほど幅が狭くなるようにテーパ
ーが付けられたものである。後方切断刃122が切断刃
昇降手段110の動作によって粘質物に振り下ろされる
間は、図3へ示すように、シリンダー133,134
は、夫々のピストンロッド135,136を伸ばして、
抑止部137,138の溝139,140内に、後方切
断刃122を嵌合し、保持するものである。後方切断刃
122は、両脇を上記各溝139,140のテーパー面
に抑えられて、前記軸123を中心とする回動が不能と
なる。そして、切断が完了し、即ち後方切断刃122が
最も下がった位置から上昇を開始すると、図4へ示すよ
うに、シリンダー133,134は、夫々のピストンロ
ッド135,136を後退させて、抑止部137,13
8の溝139,140から、後方切断刃122開放す
る。このように、揺動抑止部材130は、後方切断刃1
22が移送手段100上の粘質物へ振り下ろされる間、
後方切断刃122の適宜位置を規制して上記揺動を抑止
するものであり、切断後後方切断刃122が切断刃昇降
手段110に引き上げられる間、後方切断刃122を開
放して上記揺動を可能とするものである。この図3及び
図4に示した実施例において、揺動抑止部材130は、
後方切断刃122左右に設けられたものとして開示した
が、後方切断刃122の上方、例えば、図2のシリンダ
ー28のある位置に設けられ、この位置から下方に下降
して、後方切断刃122を保持するものとして実施する
ことも可能である。
【0039】上述の前方切断刃121と後方切断刃12
2とを備えた切断刃昇降手段110全体の動作は、前述
した図18に示す直線経路ABに沿って粘質物aに振り
下ろされ、弧状経路BAに沿って、元の位置に戻るので
ある。そして少なくともこの位置Bから位置Aに向かう
立ち上がりの区間において、後方切断刃122の上方へ
の速度を高めるために、上記シリンダー28の摺動動作
が加わるのである。以上のような動作を可能とすること
によって、弧状経路BAを上昇中は、後方切断刃122
は、軸123を中心にぶらぶら回動することが可能とな
り、外力を受けてもこれに抗さず、退くものである。従
って、先端後の粘質物aの後方との接触によって力を受
けても、後方に回動して、粘質物aに不要な力を加える
ことがない。
【0040】ここで、粘質物aの切断の手法について説
明する。図5へ示すように、連続して一繋がりになって
やってくる粘質物aは、粘質物aとの相対位置Xにて振
り下ろされる切断刃昇降手段110の前方切断刃121
と後方切断刃122とによって、一つの製品(或いは半
製品)単体a1として切り取られる。次に、粘質物aと
の相対位置Yにて、切断刃昇降手段110の前方切断刃
121と後方切断刃122とによって、後続の単体a2
が切り取られる。このとき、単体a1と単体a2との間
には、端切れa3か生じるように間隔設定されておれ
ば、単体a1と単体a2との間で、切断面の影響がでな
い(影響がでる場合は、端切れa3に対するものであ
り、他は、これに影響されないものである)。しかし、
本願考案に係る装置にあっては、確実な切断が可能であ
るため、上記単体a1の切断位置Xと、単体a2の切断
位置Yとの間を図6へ示すように設定し、端切れa3を
端切れとせず、製品単体a3として、形成することが可
能であり、加工効率を著しく高めることが可能である。
【0041】この実施例に挙げた装置のように、切断刃
は、前方切断刃121と後方切断刃122の2つを備え
たものに限定するものではなく、例えば従来の技術の欄
にて説明した従来の装置において説明したもののように
切断刃は1つとして実施することも可能である。この場
合既述の刃42が、上記後方切断刃122と同様の構成
を採る(ここでは図示しないが、説明の便宜上、後方切
断刃122と同様の構成を備えた刃42を切断刃120
とする)。即ち切断刃120は、上記後方切断刃122
と同様に軸止され、その回動の規制は、揺動抑止部材1
30によって行うようにするのである。特に粘質物の切
断を第1コンベア21上のみで済ませる場合、このよう
に切断刃は1つのものとして実施するのが適当である。
しかし、切断した粘質物の正確な定量化を臨むのであれ
ば、前後2枚の切断刃を備えた図1及び図2へ示すもの
を採用するのが最も望ましい。上述してきた実施例にお
いては、後方切断刃122のみが、回動可能に軸止さ
れ、揺動抑止部材130の規制を受けるものとしたが、
この前方切断刃121も、このように回動可能に切断刃
昇降手段110に軸止され、別途設けた揺動抑止部材1
30の規制を受けるものとして実施することも可能であ
る(図示しない)。切断刃の動作は、切断予定の粘質物
aの先端検出、切断刃のエアシリンダの電磁弁の作動、
切断刃のエアシリンダの動作、各カムの1回転、電動機
61のクラッチ動作、両上下杆71,77の切断刃昇降
手段110作動、という過程を経るものであり、この間
誤動作が発生すると粘質物の定量切断が行えなくなる
が、上記前後2つ切断刃を用いるものは、同時に粘質物
aの先端と後端を切り取るためこのような影響を受けな
い。
【0042】従来特に、増速される第2コンベア22上
で、既述の光電管29やタイマーによって一連の粘質物
の先端の到来を検知し、切断刃の振り下ろしを行ってい
たが、粘質物の粘度の変化によっても、抜きあげの際の
切断刃との接触によって、大きな変形が生じ、このた
め、既述の端切れa3を大きく設定する必要が生じて、
余分な粘質物の増量が強いられていた。この点、上述し
てきた構成によって、改善可能となり、コスト低減の面
でも本願考案に係る装置は効果的である。
【0043】以下、装置の周辺部の構成について、適当
なものを説明する。上記説明において述べた端切れa3
を移送手段から取り除くのに適した手段について説明す
る。図7へ示すように第1コンベア21と第2コンベア
22との間の下方に別途端切れ移送用コンベア11を設
ける。そして、第2コンベア22の後方を下方に屈曲可
能に構成して、逐次端切れa3を移送用コンベア11へ
落として、他へ運ぶようにするのである。この第2コン
ベア22の後方の構成について説明すると、第2コンベ
ア22の後端ロール12は、ロール13,14を中心に
下方へ揺動可能に構成されている。そして、この後端ロ
ール12は、適宜アクチュエータ機構15を備え、この
アクチュエータ機構15の伸縮によって、下方へ揺動
し、端切れa3を移送用コンベア11へ落とした後、元
の位置に復帰して、粘質物a1の移送を行うのである。
勿論端切れa3やその他の切り屑が生じない実施例を採
用するものであれば、このような手段を設ける必要はな
い。又このような切り屑の除去手段として、従来周知の
他の手段、例えばエアーを吹きかけて、ライン上から吹
き飛ばす等の手段を採用するものであっても実施可能で
ある。
【0044】次に、切断下降後、移送手段100の途中
で、梱包工程等を設定する場合の適当な実施例について
説明する。図8へ示すように、第2コンベア22の前方
へ更に、第3コンベア53、第4コンベア54、第5コ
ンベア55、第6コンベア56を順に設ける。この第3
コンベア53の移送面(上面)には、その後方から前方
に向かって、ロール57aから引き出された包装紙(梱
包紙)mが敷かれている。単体に切断後の粘質物aは、
この包装紙mによって底部を覆われ、包装紙mは、適当
な位置に設けられた刃58によって、包装に適当な長さ
に切断されるのである。59は、その受け刃を示してい
る。同様の構成を第3コンベア53或いは第4コンベア
54の上方に形成して、単体に切断後の粘質物aの上部
の包装も同時に行うようにしてもよい。第3コンベア5
3或いは第4コンベア54の後方から前方に向かって、
ロール57bに巻かれた包装紙nが、粘質物aの上方に
位置し、粘質物aの移動に伴ってロール57bから順次
引き出されていくのである。この包装紙nの包装は、包
装紙mの包装と共に第3コンベア53にて行われるもの
である場合は、上記刃58と受け刃59とによって、双
方同時に切断されるものとして実施可能であるが、この
ような切断が困難であれば、例えば、包装紙nの包装に
ついては、第4コンベア54の上方で行うようにし、別
途包装紙n切断用の刃を設けるようにして実施すること
も可能である。
【0045】切断や包装が行われた粘質物a…は、少数
纏めて重ねてから扱いたい場合がある。この場合、上記
図8に示した第5コンベア55を前方に傾斜可能に構成
することによって、実現することが可能である。詳述す
ると、第5コンベア55は、後方のロール55aを中心
として、下方に先端ロール55b側を傾斜させることが
可能なように構成する。そして、第5コンベア55の底
部の適宜位置をアクチュエーター等で引下げ・押し上げ
ることが可能に構成しておくのである。先端側が下方に
傾斜した際、第5コンベア55の上面先端に下がって粘
質物aが前方から下方に落下するのを阻止する当たり5
5cを第5コンベア55の適宜位置に設けておく。この
当たり55cの昇降は、適当なアクチュエーター等を設
けて対応すればよい。このように前方を傾斜させ、所望
の枚数粘質物a…が重ねられたら、第5コンベア55は
元の位置に上昇して、当たり55cを開き、枚数粘質物
a…を次の第6コンベア56へ移送するようにすればよ
いのである。上記第6コンベア56は、計量用のコンベ
アであり、所定量の粘質物a…を集積機5(図9)へ移
送する。集積機において、上記小束に重ねられた粘質物
a…は、運送に適した大量に重ねられ、梱包がなされる
のである。
【0046】図9に示す集積機5について説明すると、
集積機5は、移送方向(右から左)に対して左右に後退
することが可能な右手ローラ群5aと左手ローラ群5b
とによって構成される。当たり5c位置に粘質物a…が
到達すると、左右よりガイド5a,5bが伸び、粘質物
a…の左右側面を抑えてばらつきを規制する。そして、
右手ローラ群5aと左手ローラ群5bとが同時に、移送
方向の左右の脇に後退して、下方に順次粘質物a…を集
積してゆくでのある。所望量の集積が終わったら、再び
右手ローラ群5aと左手ローラ群5bは元の位置に復帰
して、粘質物a…を載せる。
【0047】
【考案の効果】本願第1の考案の実施によって、移送す
る粘質物の切断時、この粘質物の形崩れを生じさせず、
一定量の切断が可能である。又複雑な構成や、切断刃を
制御するための別途機構を用いることなく、簡単な構造
にて、このような粘質物の正確な切断を行うことが可能
であるため、実施コストの面でも有利である。又、本願
第2の考案の実施によって、特に精度よく、粘質物の切
断を行うため、前後に2つの切断刃を備えたものにあっ
て、上記本願第1の考案と同様、粘質物の形崩れを生じ
させず、一定量の正確な切断が行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す要部略側面図である。
【図2】本考案の一実施例を示す要部略側面図である。
【図3】本考案の一実施例の要部略横断面図である。
【図4】本考案の一実施例の要部略横断面図である。
【図5】本考案の粘質物の切断状態についての説明図で
ある。
【図6】本考案の粘質物の切断状態についての説明図で
ある。
【図7】本考案の一実施例を示す要部略側面図である。
【図8】本考案の周辺部の一実施例を示す全体略側面図
である。
【図9】本考案の周辺部の一実施例を示す要部略平面図
である。
【図10】従来の装置の要部側面図である。
【図11】従来の装置の要部側面図である。
【図12】従来の装置の要部側面図である。
【図13】従来の装置の要部正面図である。
【図14】従来の装置の要部側面図である。
【図15】従来の装置の要部側面図である。
【図16】従来の装置の要部側面図である。
【図17】従来の装置の刃42の理想的な作動経路を示
す説明図である。
【図18】従来の装置の刃42の現実の作動経路を示す
説明図である。
【図19】従来の装置の刃42の現実の作動経路を示す
説明図である。
【符号の説明】
100 移送手段 110 切断刃昇降手段 120 切断刃 121 前方切断刃 122 後方切断刃 130 揺動抑止部材

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移送手段(100) と、切断刃昇降手段(11
    0) と、切断刃(120)と、揺動抑止部材(130) とを有し、 移送手段(100) は、粘質物を載置して移送することが可
    能な、ベルトコンベア等の装置であり、 切断刃昇降手段(110) は、切断刃(120) を保持し且つ切
    断刃(120) を移送手段(100) に振り下ろして移送中の粘
    質物を所定長さに順次切断することが可能な装置であ
    り、 切断刃(120) は、その後端が切断刃昇降手段(110) へ軸
    止されており、先端側が移送手段(100) の移送方向に沿
    って前後に揺動自在であり、 揺動抑止部材(130) は、切断刃(120) が移送手段(100)
    上の粘質物へ振り下ろされる間、切断刃(120) の適宜位
    置を規制して上記揺動を抑止するものであり、且つ切断
    後切断刃(120) が切断刃昇降手段(110) に引き上げられ
    る間、切断刃(120) を開放して上記揺動を可能とするも
    のであることを特徴とする揺動自在の刃を有する粘質物
    切断装置。
  2. 【請求項2】 移送手段(100) と、切断刃昇降手段(11
    0) と、前方切断刃(121) と、後方切断刃(122) と、揺
    動抑止部材(130) とを有し、 移送手段(100) は、粘質物を載置して移送することが可
    能な、ベルトコンベア等の装置であり、 切断刃昇降手段(110) は、上記両切断刃(121) (122) を
    保持し且つ両切断刃(121) (122) を移送手段(100) に振
    り下ろして、両切断刃(121) (122) の間隔分、移送中の
    粘質物を順次切断して行くことが可能な装置であり、 前方切断刃(121) は、後方切断刃(122) と共に振り下ろ
    され、移送中の粘質物の先端を切り取るものであり、 後方切断刃(122) は、前方切断刃(121) と共に振り下ろ
    され、移送中の粘質物の後端を切り取るものであり、少
    なくともこの後方切断刃(122) は、その後端が、上記昇
    降手段(121) に軸止されてその先端側が移送手段(100)
    の移送方向に対し前後に揺動自在であり、 揺動抑止部材(130) は、後方切断刃(122) が移送手段(1
    00) 上の粘質物へ振り下ろされる間、後方切断刃(122)
    の適宜位置を規制して上記揺動を抑止するものであり、
    且つ切断後後方切断刃(122) が切断刃昇降手段(110) に
    引き上げられる間、後方切断刃(122) を開放して上記揺
    動を可能とするものであることを特徴とする揺動自在の
    刃を有する粘質物切断装置。
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