JP2588455Y2 - 車両運搬用トレーラ - Google Patents

車両運搬用トレーラ

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JP2588455Y2
JP2588455Y2 JP1993037405U JP3740593U JP2588455Y2 JP 2588455 Y2 JP2588455 Y2 JP 2588455Y2 JP 1993037405 U JP1993037405 U JP 1993037405U JP 3740593 U JP3740593 U JP 3740593U JP 2588455 Y2 JP2588455 Y2 JP 2588455Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は荷台付トラクタの後部に
連結される車両運搬用トレーラに係り、特に旋回走行時
におけるトラクタ側のデッキとトレーラ側のデッキとの
干渉防止等を図った車両運搬用トレーラに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、特に新車の運搬には、自走によ
る事故や傷付き等を防ぐため、車両運搬車が用いられ
る。車両運搬車としては、実開昭57−151134号
公報に記載されたような、カーゴトラックを改造した2
段デッキ形式のものが一般的である。また、積載台数を
増やしたものとして、実開昭62−6041号公報に記
載されたように、トラクタに2段デッキの車両運搬用セ
ミトレーラを連結した車両運搬車も採用されている。そ
して、更に積載台数を増やしたものとして、実開平2−
43730号公報では、トラクタの上部にも一台分の積
載用デッキを備えたものが提案されている。ところが、
このようなセミトレーラ形式の車両運搬車では、トレー
ラの全長が道路環境等により制限されるため、積載台数
をいたずらに増加させることはできなかった。また、ト
レーラの全長内で積載を行った場合にも、トラクタとセ
ミトレーラとの連結部、すなわち第5輪にかかる荷重を
許容範囲に収める必要があり、重量の大きくなる大型車
を多数台運搬することは難しかった。更に、積載可能台
数の半分程度の自動車を運搬する場合には、取扱いが不
便になると共に燃料の無駄も多かった。
【0003】そこで近年、図13に示したように、荷台
付トラクタ1の後部にピントルフック2を介してフルト
レーラ3を連結した車両運搬車が提案されている。この
車両運搬車ではトラクタ1の上下段デッキ4,5とフル
トレーラ3の上下段デッキ6,7とに自動車(図示例で
は普通乗用車)8をそれぞれ積載できるため、セミトレ
ーラ方式のものに比べて積載台数を無理なく増加させる
ことができる。また、3、4台の自動車8はフルトレー
ラ3を連結することなく運搬でき、セミトレーラ形式の
ものに比べて燃料消費量を低減できる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上述した荷台
付トラクタとフルトレーラとを組合せた車両運搬車にも
次の問題点があった。このような車両運搬車では、自動
車8を自走させて、フルトレーラ3(以下、単にトレー
ラ)側のデッキ6,7から荷台付トラクタ1(以下、単
にトラクタ)側のデッキ4,5に順次乗入れる。したが
って、自動車8の積込み時には、トラクタ1側の上下段
デッキ4,5とトレーラ3側の上下段デッキ6,7とを
接近させると共に、それぞれの高さを一致させる必要が
ある。ところが、そのままでは、図14(図13中のE
矢視図)に示したように、旋回走行時等においてトレー
ラ3がトラクタ1のピントルフック2の連結点Pを中心
として回動し、トラクタ1側の上下段デッキ4,5とト
レーラ3側の上下段デッキ6,7とが干渉(干渉部位を
図中にハッチングで示した)する。そのため、自動車8
を積込んだ後に、例えばトレーラ3側の上下段デッキ
6,7を昇降あるいはスライドさせて、この干渉を防止
していた。
【0005】ところで、一般にトレーラ3側の上段デッ
キ6は、傾斜させて自動車の積込みを行う都合上、多数
の流体圧シリンダにより昇降あるいは前後にスライドす
る構造となっている。したがって、特別な機構を追加す
ることなく、上述した干渉の防止が可能である。しか
し、積込みだけを考えた場合、下段デッキ7は固定式で
よく、干渉防止のためだけに、昇降およびスライド用に
独立した流体圧シリンダを用いることはコストや製作工
数の点で難しかった。
【0006】そこで、本考案は、上記従来技術の有する
問題点を解消し、下段デッキの端部を同一の流体圧シリ
ンダにより、昇降およびスライドさせるようにした自動
車運搬用トレーラを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の自動車運搬用トレーラは、車両積載用のデ
ッキを備えたトラクタの後部に連結され、シャーシフレ
ーム上に車両積載用の上段デッキと下段デッキとを備え
た車両運搬用トレーラにおいて、前記下段デッキの前部
に配設され、後端部をヒンジとして上下方向に揺動する
揺動デッキと、前記揺動デッキの前部に前後方向に摺動
自在に取付けられ、前進時に前記揺動デッキの前端部か
ら突出するスライドデッキと、前記スライドデッキを前
記揺動デッキに対して複数の位置で係止するスライドデ
ッキ係止手段と、一端部が前記スライドデッキに揺動自
在に取付けられ、他端部が前記シャーシフレームに前後
動かつ揺動自在に取付けられたサポートアームと、前記
サポートアームのシャーシフレーム側の端部をシャーシ
フレームに対して前後に駆動する流体圧シリンダとを備
えたことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】本考案によれば、流体圧シリンダによりサポー
トアームをシャーシフレームに対して前方に駆動する
と、スライドデッキが揺動デッキの前端部から突出す
る。そして、スライドデッキがスライドデッキ係止手段
により係止された後には、スライドデッキと揺動デッキ
とが一体となり、揺動デッキが後端部をヒンジとして上
方に揺動する。
【0009】
【実施例】以下、本考案による自動車運搬用トレーラの
一実施例について添付の図面を参照して説明する。
【0010】図1,図2(図1中のA−A断面図),図
3(図2中のB−B拡大断面図),図4(図2中のC−
C拡大断面図),図5(図2中のD−D拡大断面図)に
おいて、9はトレーラ3のシャーシフレームであり、サ
イドレール10やクロスメンバ11からなる鋼板溶接構
造品である。シャーシフレーム9には下段デッキ7が固
定され、その前部にはヒンジ12を介して揺動デッキ1
3が揺動自在に取付けられている。揺動デッキ13の前
端部上面にはスライドデッキ14が載置されており、揺
動デッキ13に固着された左右一対のコ字状断面のデッ
キガイド15に案内されて前後にスライドする。デッキ
ガイド15には上下に貫通するストッパピン穴16が前
後に複数個(図示例では12個)形成されており、図の
状態では最前端のストッパピン穴16にスライドデッキ
係止手段であるストッパピン17が挿着されている。
【0011】一方、下段デッキ7の前端部には、揺動デ
ッキ13の下面に沿って、左右一対の油圧シリンダ18
が取付けられている。これら油圧シリンダ18のロッド
19は、揺動デッキ13の下方に配置されたスライドビ
ーム20の後端部に連結されている。スライドビーム2
0は、サイドレール10に固着された左右一対のコ字状
断面のビームガイド21に案内され、油圧シリンダ18
に駆動されて前後にスライドする。ビームガイド21に
は上下に貫通するストッパピン穴22が前後に複数個
(図示例では13個)形成されており、図の状態では最
前端のストッパピン穴22にストッパピン23が挿着さ
れている。そして、スライドビーム20の前端部とスラ
イドデッキ14の後端部との間には、左右一対のサポー
トアーム24がそれぞれ揺動自在に取付けられている。
【0012】以下、本実施例の作用を述べる。本実施例
では、図2の状態から油圧シリンダ18を伸長させる
と、図6に示したように、スライドビーム20およびサ
ポートアーム24を介して先ずスライドデッキ14が前
進する。スライドデッキ14の前進動は係止ピン17に
当接するまで続き、その後はサポートアーム24がスラ
イドデッキ14に対して回動し、その結果、揺動デッキ
13がスライドデッキ14と共にヒンジ12を軸に上方
に揺動する。図6の状態では、スライドデッキ14の高
さはトラクタ1側の下段デッキ5と略同一となってお
り、自動車8を乗入れる際の段差がなくなる。そして、
図6の状態から油圧シリンダ18を伸長させると、図7
に示したように、揺動デッキ13は更に上方に揺動す
る。そして、この揺動はスライドビーム20が係止ピン
23に当接した時点で停止する。
【0013】一方、係止ピン17をデッキガイド15の
最後端のストッパピン穴16に挿着した場合、スライド
デッキ14は元位置から前進できない。したがって、油
圧シリンダ18が伸縮動すると、図8および図9に示し
たように、揺動デッキ13はトラクタ1側の下段デッキ
5から離れた状態でスライドデッキ14と共に最初から
上下に揺動する。
【0014】自動車の積込みを行う場合、本実施例では
図10に示したように、トラクタ1側の上下段デッキ
4,5とトレーラ3側の上下段デッキ6,7とを接近さ
せると共に、それぞれの高さを一致させる。この際、ト
レーラ3のスライドデッキ14は図6に示した状態とな
っている。図中、25はトレーラ3の後端部に接続され
た道板であり、上段デッキ4,6および下段デッキ5,
7への自動車8の乗入れに供される。
【0015】本実施例では積込みを終えた後、自動車8
が普通乗用車である場合には、図11に示したように、
スライドデッキ14を上昇させる。すなわち、トレーラ
3側のスライドデッキ14を図7に示した状態とし、ト
ラクタ1側の下段デッキ5との干渉を防止するのであ
る。また、自動車8が軽貨物車である場合には、図12
に示したように、スライドデッキ14を後退させると共
に下降させる。すなわち、トレーラ3のスライドデッキ
14を図2に示した状態とし、トラクタ1側の下段デッ
キ5との干渉を防止するのである。
【0016】本考案は上述した実施例に限られるもので
はなく、例えばスライドデッキ係止手段としてねじ機構
等を用いてもよいし、流体圧シリンダとしてエアシリン
ダを用いてもよい。
【0017】
【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
によれば一対の流体圧シリンダによりスライドデッキの
前後動と上下動とを行わせるようにしたため、製作コス
トの低減が可能になると共にその操作も容易となった。
また、スライドデッキ係止手段によりスライドデッキの
突出し量や高さを任意に変更できるため、大きさや形状
の異なる種々の自動車を積載することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による自動車運搬用トレーラの一実施例
を示した半裁平面図。
【図2】図1中のA−A断面図。
【図3】図2中のB−B拡大断面図。
【図4】図2中のC−C拡大断面図。
【図5】図2中のD−D拡大断面図。
【図6】実施例におけるスライドデッキの作動を示した
説明図。
【図7】実施例におけるスライドデッキの作動を示した
説明図。
【図8】実施例におけるスライドデッキの作動を示した
説明図。
【図9】実施例におけるスライドデッキの作動を示した
説明図。
【図10】実施例のトレーラにおける自動車積込み前の
状態を示した側面図。
【図11】実施例のトレーラにおける自動車積込み後の
状態を示した側面図。
【図12】実施例のトレーラにおける自動車積込み後の
状態を示した側面図。
【図13】従来のトレーラにおける自動車積込み後の状
態を示した側面図。
【図14】図13中のE矢視図。
【符号の説明】
1 トラクタ 3 トレーラ 4 トラクタ側の上段デッキ 5 トラクタ側の下段デッキ 6 トレーラ側の上段デッキ 7 トレーラ側の下段デッキ 8 自動車 9 シャーシフレーム 12 ヒンジ 13 揺動デッキ 14 スライドデッキ 15 デッキガイド 16 ストッパピン穴 17 ストッパピン 18 油圧シリンダ 20 スライドビーム 21 ビームガイド 22 ストッパピン穴 23 ストッパピン 24 サポートアーム

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両積載用のデッキを備えたトラクタの後
    部に連結され、シャーシフレーム(9)上に車両積載用
    の上段デッキ(6)と下段デッキ(7)とを備えた車両
    運搬用トレーラにおいて、 前記下段デッキ(7)の前部に配設され、後端部をヒン
    ジとして上下方向に揺動する揺動デッキ(13)と、 前記揺動デッキ(13)の前部に前後方向に摺動自在に
    取付けられ、前進時に前記揺動デッキ(13)の前端部
    から突出するスライドデッキ(14)と、 前記スライドデッキ(14)を前記揺動デッキ(13)
    に対して複数の位置で係止するスライドデッキ係止手段
    (17)と、 一端部が前記スライドデッキ(14)に揺動自在に取付
    けられ、他端部が前記シャーシフレーム(9)に前後動
    かつ揺動自在に取付けられたサポートアーム(24)
    と、 前記サポートアーム(24)のシャーシフレーム(9)
    側の端部をシャーシフレーム(9)に対して前後に駆動
    する流体圧シリンダ(18)とを備えたことを特徴とす
    る車両運搬用トレーラ。
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CN106671857B (zh) * 2017-03-03 2023-05-02 安吉汽车物流有限公司 车辆运输中置轴列车
CN107298046A (zh) * 2017-06-29 2017-10-27 昆山专用汽车制造厂有限公司 单动力双向摆动装置

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