JP2588069Y2 - 瓦のプレス成型機における下型へのエアーの供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、瓦のプレス成型機にお
ける金型の下型に着脱可能に接続され、成型後、下型の
成型面からエアーを吹出して型離れを容易にするため
に、下型にエアーを供給する供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】瓦のプレス成型に用いられる金型は一般
に、図１に示されるように下型１と上型２とよりなり、
下型１には左右に横板３が上向きに突設されて横板間に
上型２が嵌合し、また上型２には前後に前後板４が側方
及び下向きに突設されて前後板間に下型が嵌合されるよ
うにしてあり、瓦のプレス成型は、練土を真空ドレン機
により帯状に絞り出したのち、一定間隔で切断して得た
荒地を下型１上に置き、その後、上型２を押下げること
によって行われ、この種の金型のなかには、プレス後の
成型品の取出しを容易にするために、図示するように下
型１にコンプレッサーと接続されるホース６を接続して
プレス後、これよりエアーを供給し、下型１の成型面に
形成した吹出口７よりエアーを吹出して型離れを生じさ
せるようにしたものもある。

【０００３】一方、瓦の生産性を上げるために近年、図
２に示すように回転台８に下型１を回転方向に複数個
（図示する例においては６個）取付け、回転台を一定角
度（図示する例においては６０°）づゝ回転させて、Ａ
位置において下型１に荒地９ａを供給し、ついでＢ位置
において上型２を降下させてプレス成型を行ったのち、
Ｃ位置において下型１から成型品を取り出すようにした
成型機が開発されているが、従来のこの種成型機では、
下型１が回転台８と共に回転することから、各下型１に
ホースを取付けることができず、したがって型離れを容
易にするために、エアーの吹出しが行えるようになって
いなかった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、下型が回転
台に取付けられて回転する成型機において、下型へのエ
アーの供給が行えるような供給装置を提供することを目
的とする。

【０００５】

【課題の解決手段】本考案の供給装置は、圧縮空気源に
接続され、少なくとも一部が可撓性を有する管と、管先
端に取着され、吹出口と通ずる下型の受口に係脱可能に
取付けられる接続口と、接続口に連結されて回転台の間
欠回転に同期して進退し、その進退により受口に脱着さ
せる作動装置とからなるものである。

【０００６】

【作用】図２に示す回転台８が一定角度回転し、下型１
がＣ位置に達して停止したとき、作動装置により管の可
撓性を有する部分が屈曲して接続口が一定量前進し、受
口に取付けられる。これにより圧縮空気源よりエアーが
管を通り、受口を経て吹出口より吹出す。

【０００７】回転台の回転が行われるまでに、下型１か
ら成型品が取出され、また作動装置により接続口が後退
して受口より外される。回転台の回転時には、接続口が
後退位置にあるため、回転台の回転に何ら支障を与えな
い。エアーは、接続口の位置を問わず、接続口から常時
吹出すようにしておいてもよいが、好ましくは管にエア
ーの供給を止める電磁弁を設け、接続口が前進位置にあ
るときのみにエアーが供給されるようにするのが望まし
い。

【０００８】接続口は上述するように、前進位置と後退
位置とに切換えられるようになっていればよく、切換え
を行うための好適な作動装置としては、エアーシリンダ
ーが例示される。

【０００９】

【実施例】図３において、エアーシリンダー１１のロッ
ド１２端には、接続口としてのフランジ１３を装着した
筒軸１４が嵌着して固定されており、フランジ１３は筒
軸１４にスライド可能で、一方向への動きがストッパー
１５により規制され、常には筒軸１４に装着したコイル
バネ１６によってストッパー１５に突当たるように付勢
されている。

【００１０】筒軸１４にはまた、図示しないコンプレッ
サーと管を介して接続されるゴムホース１７が連結さ
れ、コンプレッサーより圧縮空気が管及びゴムホース１
７を介して筒軸１４に供給されるようにしてあり、その
供給は図示していないが、管に設けた電磁弁によって停
止され、電磁弁の開閉は、図４に示す回転台１８の回転
と同期して行われるようになっている。すなわち回転台
１８の回転時においては、電磁弁が閉じて管軸１４への
エアーの供給が停止状態にあると共に、筒軸１４が後退
位置にあり、また回転台１８が停止すると、エアーシリ
ンダー１１の切換弁が切換わって筒軸１４が前進すると
共に、電磁弁が閉じて筒軸１４へエアーが供給されるよ
うになっている。

【００１１】回転台１８は断面正六角形状をなして図示
しない駆動装置により６０°づゝ間欠的に回転駆動さ
れ、各面に固着される下型１９には、吹出口に通ずる受
口を備えたフランジ２０が固着されている。図中２１は
プレス位置Ｂに配置される上型であり、成型品２２ｃの
取出位置Ｃに上述する筒軸１４がフランジ２０に向って
進退しうるように配置されている。

【００１２】本考案は以上のように構成され、回転台１
８が６０°づゝ回転して停止したときにＡ位置において
荒地２２ａが供給されると共に、Ｂ位置において上型２
１が降下してプレス成型が行われ、またＣ位置において
電磁弁と切換弁が切換わって筒軸１４が前進すると共
に、筒軸１４にエアーの供給が行われ、筒軸１４が前進
してフランジ１３が下型１９のフランジ２０に接合して
押付けられると、以後はコイルバネ１６の作用に抗して
筒軸１４が前進端に達するまで、フランジ２０内を移動
する。

【００１３】フランジ１３がフランジ２０に接合するの
に伴い、エアーが下型１９の成型面より吹出し、この状
態で成型品２２ｃの取出しが行われる。

【００１４】

【考案の効果】本考案のエアーの供給装置によれば、下
型が回転台に取付けられて回転するタイプの瓦のプレス
成型機においても、取出位置の下型に接続してエアーを
供給し、成型面よりエアーを吹出すようにすることがで
きる。また管に電磁弁を設けて回転台の回転と同期して
開閉させるようにすれば、所要時にのみエアーを供給す
ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 上型及び下型の斜視図。

【図２】 従来の成型機の概略図。

【図３】 取出位置にある下型とエアー供給装置との関
係を示す図。

【図４】 本考案に係る成型機の概略図。

【符号の説明】 １１・・・エアーシリンダー １３、２０・・・
フランジ １４・・・筒軸 １６・・・コイル
バネ １７・・・ゴムホース １８・・回転台 １９・・・下型 ２１・・・上型

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Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一定角度づゝ間欠回転駆動される回転台
   と、回転台に回転方向に一定間隔で取付けられる下型
   と、プレス成型位置に上下動可能に支持される上型とか
   らなり、プレス成型位置への前後に、瓦の荒地を下型に
   供給する供給位置と、プレス成型された成型品を取出す
   取出位置を有する瓦のプレス成型機において、圧縮空気
   源に接続され、少なくとも一部が可撓性を有する管と、
   管先端に取着され、吹出口と通ずる下型の受口に係脱可
   能に取付けられる接続口と、接続口に連結されて回転台
   の間欠回転に同期して進退し、その進退により受口に脱
   着させる作動装置とからなり、上記取出位置に配置され
   る下型へのエアーの供給装置。
2. 【請求項２】 管には開閉可能で、回転台が停止して接
   続口が前進位置にあるときに開く電磁弁が設けられる請
   求項１記載の下型へのエアーの供給装置。