JP2588033B2 - 可撓性面状発熱体とその製造方法 - Google Patents

可撓性面状発熱体とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、所望の電気比抵抗を付与することができ、
優れた均一発熱性と屈曲可能な可撓性を備える面状発熱
体とその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
カーボブラックは本質的に電気伝導性を有する微粉末
であるため、古くから樹脂材料等の導電フィラーとして
の利用が試みられている。ところが、カーボブラックは
マトリックス樹脂との親和性に乏しい関係で、多量の配
合範囲において十分な均一分散性を得ることが困難であ
る。
このような問題点を解消する目的で、熱可塑性樹脂と
導電性カーボブラックとを混練するにあたり各成分をフ
イブリル化したポリテトラフルオロエチレンで拘束した
状態で混練処理することを内容とした導電性樹脂組成物
の製造方法が提案されている(特公昭62−55533号公
報)。しかしながら、この方法によってもカーボンブラ
ックの配合量は組成物全量に対して50重量%が限度であ
り、これ以上の配合は機械的強度、成形性などを損ねる
原因となる。したがって、実質的に付与する導電性能に
も限界を伴う難点がある。
本出願人は上記の事態に鑑み、マトリックス樹脂を使
用しない組成系の導電性シートの製造方法として、繊維
化可能な弗素樹脂にカーボンブラックのような炭素質粉
末を混合し、混練助剤を加えて混練したのち抄紙法でシ
ートに形成したものを一定の条件下で熱圧成形するプロ
セスを開発(特開平1−169809号)し、さらにこの改良
技術として繊維化性のポリテトラフルオロエチレンとカ
ーボンブラックの混合粉に混練助剤を加えて混練し、混
練物をロール圧延によりシート化することを特徴とする
導電性シートの製造方法を提案(特願平1−186333号)
した。
〔発明が解決ようとする課題〕
前記の先行技術においては、電気比抵抗の制御を専ら
導電性材料となるカーボブラックと弗素樹脂成分の配合
比もしくはシート厚さを調整することによっておこなっ
てきた。ところが、抵抗を増すために弗素樹脂成分の配
合比率を高めると、均一かつ十分な導電性能を付与する
ことが困難となり、またシート厚さを変動させることは
強度、可撓性などを損ねる問題点がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされた
もので、均一な発熱性と良好な可撓性を損ねずに所望の
抵抗特性を備えるシート状の可撓性面状発熱体およびそ
の製造方法の提供を目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための本発明による可撓性面状
発熱体は、導電性カーボンブラックと不良導性物質を制
御された配合割合で均一分散する状態に繊維化ポリテト
ラフルオロエチレンを介して結合されてなることを構成
上の特徴とするものである。
導電性カーボンブラックは発熱体に導電性能を付与す
るための基本成分となるもので、ファーネスブラック、
アセチレンブラック、副生ブラックのうち特に窒素吸着
比表面積(N2SA)80〜220m2/g、DBP吸油量120〜170ml/1
00gの粒子性状を有するものが選択使用される。
不良導性物質は前記の導電性カーボンブラックと制御
された配合割合で均一分散させることにより抵抗特性を
可変させる成分要素となるもので、アルミナ、シリカ、
チタニア、ジルコニアおよびカオリナイト、ハロイサイ
トのような粘土鉱物から選択された少なくとも1種のも
のが使用される。
繊維化ポリテトラフルオロエチレンは、前記の導電
性、不良導性の両成分を一体に結合させるためのバイン
ダーとして、またシート組織を形成するための骨格とし
て機能する成分で、細かい網目状態を呈して組織全体に
介在する。
上記の組成構造を有する可撓性面状発熱体は、導電性
カーボンブラック90〜10重量%と不良導性物質の微粉末
5〜75重量%および繊維化性のポリテトラフルオロエチ
レン5〜15重量%の範囲内で配合した成分粉末に混練助
剤を加えて混練し、混練物をロール圧延によりシート化
する方法によって製造される。
導電性カーボブラックと不良導性物質との配合比率を
上記の範囲に設定した理由は、不良導性物質の配合量が
5重量%未満では抵抗特性の変化が顕著に現出せず、他
方75重量%を越えると薄膜のシート化が困難となるから
である。また、繊維化性のポリテトラフルオロエチレン
の配合量を5〜15重量%にしたのは、5重量未満ではシ
ート形成ができなくなり、15重量%を越えると必要な導
電性能が得られなくなるからである。
不良導性物質は微粉末として使用されるが、その粒径
が0.5μmを下廻ると分散性が減退し、50μmを上廻る
とシート組織が脆弱となる。したがって、粒径範囲が0.
5〜50μmのものを適用することが好ましい。
繊維化性のポリテトラフルオロエチレンは,通常、粉
末あるいはサスペンジョンの形態で市販されているが、
本発明の目的には粒径0.5μm以下の微粉末を適用する
ことが望ましい。この粒径が0.5μmを越すと形成され
る繊維径が太くなって局部的な電気抵抗の増大を招くこ
とがある。
これらの混合粉に添加される混練助剤としては、例え
ばグリセリン、ソルベントナフサ、低粘度エポキシ樹
脂、ケロシン等が使用可能であるが、温水中で容易に除
去することができるグリセリンを用いることが処理の効
率化を図るために良結果を得る。これら混練助剤の添加
量は、概ねカーボンブラック量の1〜2倍の範囲とする
ことが適当である。
混練助剤を加えた上記3成分の混合粉は、回転翼ニー
ダーのような剪断力がかかる混練機に入れて十分に混練
する。混練の条件は特に限定されるものではないが、温
度を100℃以上に保持した加熱状態で10rpmを越えない低
い回転数により処理したときに最も細繊化が進行し、シ
ート強度が上昇する。上記の混練物は1系列(2本)ま
たは複数系列のロール間を通過させるロール圧延によ
り、厚さ100〜2000μm程度の薄膜状シートに成形す
る。成形されたシートは、引続き適宜な溶媒中で洗浄す
ることにより混練助剤成分を除去し、乾燥する。
洗浄後のシートは、必要に応じ温度200℃以上、圧力1
0kg/cm2以上の条件で熱圧処理をおこなって本発明の可
撓性面状発熱体を得る。
〔作 用〕
本発明の面状発熱体は、導電性カーボンブラックと不
良導性物質を制御された配合割合で均一分散した組成組
織を有するからこれら成分の配合度合により所望の抵抗
特性を保持し、低温から高温域に至る範囲内で均一な導
電性能が付与される。そして、これら導電性および不良
導性の成分は細繊化したポリテトラフルオロエチレンの
網目構造によって一体に捕捉結合され、自由に屈曲し得
る可撓性シートを形成している。
また、不良導性物質としてアルミナ、チタニアあるい
はジルコニア等を用いた場合には、これら物質固有の遠
赤外線放射作用に基づいて発熱時に遠赤外線を放射する
副次的効果が得られる。
このような面状発熱体の性状は、本発明による製造方
法によってもたらされる。すなわち、予め発熱体の抵抗
特性を検量して設定した配合比率で導電性カーボンブラ
ックと不良導性物質を混合する過程で抵抗特性を所望の
値に定めることができる。これら成分に添加した繊維化
性のポリテトラフルオロエチレンは、混練過程で混練助
剤が介在する剪断力の付加環境で繊維に転化して導電性
カーボブラックと不良導性物質との組織中に均等に分散
し、絡み合い作用によってこれら成分を捕捉結合して保
持する機能をなす。ついで混練物をロール圧延する段階
で繊維化したポリテトラフルオロエタンは一層繊維化が
進み、直径1.2〜2.0μm、長さ120〜2000μmの繊維形
態を呈して網状の組織骨格を形成する。
このような作用を介して、広い面積でも電気抵抗にば
らつきがなく、骨格強度が堅固で、均一な発熱性と優れ
た可撓性を備えるシート状面状発熱体の効率的な製造が
可能となる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
実施例1〜7、比較例1〜3 窒素吸着比表面積(N2SA)206m2/g、DBP吸油量155ml/
100gの導電性カーボンブラック〔東海カーボン(株)
製、トーカブラック#5500〕、不良導体物質としての粒
径0.6μmのアルミナ微粉末および繊維化製のポリテト
ラフルオロエチレン〔三井デュポンフロロケミカル
(株)製、K10/J〕の3成分を各種の配合割合になるよ
うに秤取し、50%エタノール水溶液中に入れて十分に撹
拌混合したのち、濾過・乾燥(80℃)した。
この混合粉に導電性カーボブラックの1.6倍に相当す
る量のグリセリンを混練助剤として添加し、プラストミ
ル混練機により、温度100℃、回転速度5rpmの条件で混
練した。
ついで、混練物を1系列(2本)ロール間を通してシ
ート化した。成形したシートを60℃の温水中に1時間浸
してグリセリン成分を除去し、乾燥したのち、上下面に
ガラス繊維紙を敷き温度200℃、圧力30kg/cm2の条件で
熱圧処理を施した。
このようにして、縦横250mm、厚さ150μm(平均)の
薄膜シート状の面状発熱体を製造した。
得られた各面状発熱体のアルミナ配合比率と電気比抵
抗との関係を第1図に、表面負荷電力と温度との関係を
第2図に、実施例5の面状発熱体を200℃に発熱させた
際のシート面9ケ所について計測した温度分布の状態を
第3図に示した。また、各面状発熱体の引張強度、伸び
等の物理特性を測定し、結果を成分配合比率に対応させ
て表1に示した。
第1図からアルミナ配合比率が5〜75重量%の範囲で
電気比抵抗値が一定の変化を示し、第2図から温度によ
る表面負荷電力の変動は極めて少なく、そして第3図か
ら発熱温度分布は極めて均一であることが認められる。
また、表1の結果から、各実施例の発熱体は良好な強度
ならびに可撓性を備えていることが判明するが、本発明
の成分配合要件を外れる比較例ではシート形成ができな
かったり、十分な導電性能が得られないことが判る。
実施例8〜15、比較例4〜8 不良導性物質として各種のものを用い、これを実施例
1〜7と同一の導電性カーボブラックおよび繊維化性ポ
リテトラフルオロエチレンと配合した。引き続き実施例
1〜7と同一の工程、条件によってシート状面状発熱体
を製造した。
得られた各面状発熱体の電気比抵抗、引張強度および
伸びを測定し、配合成分の条件と対比して表2に示し
た。
〔発明の効果〕 以上のとおり、本発明によれば導電性カーボンブラッ
ク、不良導性物質および繊維化ポリテトラフルオロエチ
レンの成分配合比を変えることによって所望の抵抗特性
を付与することができ、そのうえ均一発熱性、高強度
性、可撓性など面状発熱体としての具備要件を悉く満足
する薄膜シート状の面状発熱体が提供される。また、本
発明の製造プロセスに従えば、低温から高温までの所定
温度に均一発熱する面状発熱体を効率よく量産すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
図は実施例により得られた面状発熱体の電気的特性を示
すもので、第1図は不良導性物質の配合比率と電気比抵
抗との関係図、第2図は温度と表面負荷電力との関係
図、第3図は発熱温度分布の状態図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性カーボンブラックと不良導性物質を
    制御された配合割合で均一分散する状態に繊維化ポリテ
    トラフルオロエチレンを介して結合されてなるシート状
    の可撓性面状発熱体。
  2. 【請求項2】不良導性物質が、アルミナ、シリカ、チタ
    ニア、ジルコニア、粘土鉱物から選択された少なくとも
    1種の微粉末である請求項1記載の可撓性面状発熱体。
  3. 【請求項3】導電性カーボンブラック90〜10重量%、不
    良導性物質の微粉末5〜75重量%および繊維化性のポリ
    テトラフルオロエチレン5〜15重量%の範囲内で配合し
    た成分粉末に混練助剤を加えて混練し、混練物をロール
    圧延によりシート化することを特徴とする可撓性面状発
    熱体の製造方法。
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