JP2587452B2 - 気相重合装置におけるガス分散板 - Google Patents

気相重合装置におけるガス分散板

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啓二 小林
和人 久保田
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、オレフィン類の気相重合に好適な重合装置
の流動層重合槽、とくに撹拌機を有しない流動層型重合
槽に使用されるガス分散板に関する。
なお、本明細書中で使用される「重合」及び「重合
体」なる用語は、それぞれ「単独重合」並びに「共重
合」及び「単独重合体」並びに「共重合体」を含む意味
で用いられる。
従来技術 近年、オレフィン重合用の遷移金属触媒の改良により
単位遷移金属当たりのオレフィン重合体生産能力が飛躍
的に向上し、その結果重合後における触媒除去操作が省
略されるようになった。
こうした高活性触媒を用いるときには、重合後の操作
が最も簡単なところから一般にはオレフィン重合を気相
で行う方法が採用されている。かゝる気相重合において
は通常、重合を円滑に進めるために流動層重合槽が多用
され、導入管を経て重合槽下部より導入したオレフィン
若しくはオレフィン含有ガスをガス分散板で均一に分散
させて上昇させ、流動層内でオレフィン重合体と触媒粒
子からなる固体粒子とともに流動しつゝ重合を行うよう
になっている。この種の流動層重合槽には、内部に撹拌
機を有するものと、有しないタイプのものとがあるが、
重合槽内部には本来、空洞で撹拌機その他の機器を何も
設けないでおくのが望まれる。重合体粒子が機器に付着
するようになるからである。この点からみれば、撹拌機
を有するものよりも有しないものの方が望ましいが、こ
のタイプのものにおいても撹拌機を有するものと同様、
ガス分散板に形成される孔に重合体粒子が付着して目詰
まりをしたり、重合体粒子が孔を通って落下し、ガス分
散板下で壁に付着して塊状化することがある。こうした
問題は、ガス分散板の孔の上にキャップを取付けること
によってある程度解消することができ、実用に供されて
いるものに、各孔の上に屋根形のキャップを設けたもの
がある(特願昭57−79543号)。
発明が解決しようとする問題点 孔の上にキャップを取付けるに当たっては、撹拌層の
流動性を損わず、流れの停滞を生じないように配慮する
必要があるが、撹拌機を有しないタイプのものにおいて
従来使用されてきた屋根形のキャップを設けたもので
は、分散板上に重合体粒子が塊りとなって付着する傾向
があった。
本発明は、各孔より吹出すガスで渦流を生じさせるこ
とによって上記の問題を解消したガス分散板を提供する
ことを目的とする 問題点の解決手段 本発明により提供される一つのガス分散板において
は、孔を同心円状に形成するとともに各孔の上に縦断面
の外形線がテーパ状或いは流線形状をなし、ガスが一方
向から吹出すキャップを開口が同一円周上では同じ向き
に、径方向では外向きより内向きに次第に向きが変わる
ように配置し、最内側のキャップの開口は、吹き出すガ
スが軸心を通るか或いは軸心に接するように向けられ、
別のガス分散板においては、上記分散板の中央部にガス
が両方から吹出す屋根形のキャップが好ましくは縦横に
同じ向きで並べられ、しかも縦及び横方向に一つ置きで
互い違いとなるようにして配置される。
作用 同一円周上に配置されるキャップからはガスが一方向
に同じ向きで吹出し、流れの周方向の成分により旋回流
を生じさせる。最外側のキャップから吹出すガスは壁面
を洗い、壁面に付着する重合体粒子を洗い流す。各列の
ガスの吹出す向きは、中心に向かって次第に内向きをな
すため渦流となり、最内側のガスは軸心を通るため軸心
に流れの停滞を生じさせない。またキャップは縦断面の
外形線がテーパ状或いは流線形状をなすためキャップの
上で流動性が保たれ、停滞を生じない。
中央部に二方向吹出し用のキャップを設けた場合、こ
れにより中央部での流動性がたもたらされ、その周りに
旋回流が生じ、最外側のキャップから吹出すガスで壁面
が洗われる。
壁面を洗うガスは、流量を多くし、壁面に付着する重
合体粒子の洗い流しが確実に行えるようにするのが望ま
しい。また各列のキャップから吹出すガスは、配置され
るキャップの密度や渦流の強さを変えるために各列で流
量が変わるようにしてもよい。
実施例 第1図に示すガス分散板は、孔1の上に第2図に示す
ような縦断面がテーパ状をなす一方向吹出し用のキャッ
プ2を同心円状に、しかも同一円周上では同じ向きをな
すとともに径方向では外向きより内向きに向きを次第に
変えて設けている。そして最外側の孔1aは大径に、キャ
ップ2aはサイズを大きくして多量のガスが吹出し、壁面
を洗うようにしてあり、また最内側のキャツプ2bは、こ
れより吹出すガスが軸心oと接するように、ガス分散板
3との接続線の延長が軸心oと一致するように向けられ
ている。
第3に示すガス分散板は、第1図に示すガス分散板に
おいて、軸心部における最内側の孔1aとキャップ2aを省
いて軸心とその周りに孔5を形成し、各孔5の上に第4
図に示すような二方向吹出し用の屋根形のキャップ6を
同じ向きでしかも縦及び横方向に一つ置きで互い違いと
なるようにして配置したものである。
発明の効果 本発明は以上のように構成され、次のような効果を奏
する。
請求項1のガス分散板においては、一方向吹出し用の
キャップより吹出すガスが同一円周上では同じ向きをな
し、中心に向かっては次第に内向きをなすようにしたこ
とにより吹出すガスで渦流を発生させ、しかも最外側の
ガス流で壁面を洗い、また軸心に接するか或いは軸心を
通って流れるガス流を生じさせるようにしたもので、撹
拌機を有しなくても流動層の流動性が十分に維持され、
分散板上や壁面に重合体粒子が塊りとなって付着する問
題を解消することができる。
請求項第2のガス分散板によれば、中央部での流動性
が二方向吹出し用のキャップにより保たれ、上記と同様
の効果を生じる。
請求項第3のガス分散板によれば、中央部での流動性
が確実となる。
請求項第4のガス分散板によれば、壁面に多量のガス
が吹付けられることにより壁面に付着する重合体粒子の
洗い流しが確実に行える。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に係るガス分散板の平面図、第2図は第
1図のA−A線拡大断面図、第3図はガス分散板の他の
例を示す平面図、第4図は第3図のB−B線拡大断面図
である。 1,5……孔、2,6……キャップ 3……ガス分散板

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流動層重合槽内に撹拌機を有しないタイプ
    の気相重合装置におけるガス分散板において、孔を同心
    円状に形成するとともに各孔の上に縦断面の外形線がテ
    ーパ状或いは流線形状をなし、ガスが一方向から吹出す
    キャップを開口が同一円周上では同じ向きに、径方向で
    は外向きより内向きに次第に向きが変わるように配置
    し、最内側のキャップの開口は、吹き出すガスが軸心を
    通るか或いは軸心に接するように向けられるガス分散板
  2. 【請求項2】流動層重合槽内に撹拌機を有しないタイプ
    の気相重合装置におけるガス分散板において、孔を同心
    円状に形成するとともに各孔の上に縦断面の外形線がテ
    ーパ状或いは流線形状をなし、ガスが一方向から吹出す
    キャップを開口が同一円周上では同じ向きに、径方向で
    は外向きより内向きに次第に向きが変わるように配置
    し、中央部には各孔の上に二方向吹き出し用の屋根形の
    キャップが設けられるガス分散板
  3. 【請求項3】中央部のキャップは縦横に同じ向きで並べ
    られ、しかも縦及び横方向に一つ置きで互い違いとなる
    ように配置される請求項2記載のガス分散板
  4. 【請求項4】最外側の孔は大径で、吹出すガスの風量が
    大にされる請求項1又は2記載のガス分散板
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