JP2587350B2 - 継目無鋼管の製造方法とその製造装置 - Google Patents

継目無鋼管の製造方法とその製造装置

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JP2587350B2
JP2587350B2 JP17781692A JP17781692A JP2587350B2 JP 2587350 B2 JP2587350 B2 JP 2587350B2 JP 17781692 A JP17781692 A JP 17781692A JP 17781692 A JP17781692 A JP 17781692A JP 2587350 B2 JP2587350 B2 JP 2587350B2
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研一 金崎
貢 石崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は継目無鋼管の製造方法お
よびその製造装置に関わり、特にマンドレルバーの速度
を規制するリストレイン方式のマンドレルミルによる生
産能力が小中規模の継目無鋼管の製造方法およびその製
造装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】従来より継目無鋼管を製造する圧延設備
としてマンドレル圧延機およびその付帯設備の集まりで
あるマンドレルミルとプラグ圧延機およびその付帯設備
(リーラーミルを含む)の集まりであるプラグミルが一
般的である。
【0003】マンドレルミルは、素管長より長いマンド
レルバーを有し、潤滑剤を塗布したマンドレルバーを素
管に挿入した状態で、通常7〜8台からなる圧延機列に
装入し、外部工具の圧延ロールと内部工具のマンドレル
バーにより素管を圧延する設備である。マンドレルミル
の基本設備構成は素管を圧延する圧延機、マンドレルバ
ーを素管に挿入するインサーター、素管にマンドレルバ
ーを挿入した状態で圧延機に装入するリテーナー装置と
素管移送装置、圧延された素管とマンドレルバーを引き
離すストリッピング装置、マンドレルバーへの潤滑剤塗
布装置、および、素管のハンドリング装置、マンドレル
バーのハンドリング装置である。前述したマンドレルミ
ル方式はマンドレルバーのハンドリングの差異により、
フルフロート方式、セミフロート方式、リストレイン方
式の大きくわけて3方式ある。
【0004】フルフロート方式は、素管に装入されたマ
ンドレルバーを無拘束状態で圧延し、圧延後、圧延機の
後面で専用のストリッピング装置により素管とマンドレ
ルバーを引き離す方式、セミフロート方式は素管に挿入
されたマンドレルバーを圧延途中まではリテーナーとの
接続を保つことにより、マンドレルバーの速度を規制す
るが、それ以降は、リテーナーはマンドレルバーを切り
離して後進し、素管は無拘束状態で圧延され、圧延終了
後、圧延機の後面で専用のストリッピング装置により素
管とマンドレルバーを引き離す方式、リストレイン方式
は圧延終了までセミフロート方式と同じ方法で圧延まで
行い、圧延終了後もリテーナーとの接続を離さず、リテ
ーナーの後進によって素管とマンドレルバーを引き離す
方式である。ここで、従来のマンドレルミルの中でマン
ドレルバーの拘束範囲が最も大きいリストレイン方式を
例にあげて、図7でその製造方法と製造装置を詳細に説
明する。 マンドレル圧延機入側供給床3にて供給され
た素管にプレインサートテーブル8でインサート装置9
によってマンドレルバーを挿入し、マンドレルバーを挿
入した素管を挿入した状態でマンドレル圧延機1前面に
搬送する。ここで、マンドレルバー後端をリテーナー装
置2に接続する。マンドレルバー後端を接続した状態で
リテーナー装置を前進させ、挿入された素管をマンドレ
ルバーとともに圧延機に装入し、素管を圧延する。圧延
終了後、圧延された素管をエキストラクター10で把持
するとともに前進させながら、リテーナー装置を後退さ
せることにより、圧延された素管とマンドレルバーを引
き離す。圧延された素管は次工程に搬送し、マンドレル
バーはマンドレルミル入側素管供給床まで後退させ、リ
テーナー装置との接続を切り放し、切り放したマンドレ
ルバーを素管搬入側と反対側に払い出す。マンドレルバ
ーはマンドレルバー払い出し床70に払い出し後、次の
圧延に備えて、圧延によって上昇したマンドレルバー表
面温度を充分下げるため、マンドレルバー冷却床5にて
一般に水冷装置にて、冷却し、インサート装置9上に搬
送する。また、素管がプレインサートテーブル8に搬送
された後、次の圧延に備えてマンドレルバー表面の潤滑
状態を確保するため、インサート装置9でマンドレルバ
ー後端を押すことにより、マンドレルバーを素管に挿入
する際、潤滑剤塗布装置7にてマンドレルバー表面に潤
滑剤を塗布する。以上の繰り返しにより、鋼管の圧延が
行われる。マンドレルバーのサイズ替えを行う際はマン
ドレルバー供給床6より新マンドレルバーを供給し、前
記マンドレルバー払い出し床からマンドレルバー冷却床
に移送する代わりにラインオフする。
【0005】一方、プラグミルは内部工具として、プラ
グを使用し、プラグを圧延ロールのロールバイト内に固
定しておいた状態で、圧延中、潤滑剤を素管に吹き込む
とともに素管を移動させ、圧延ロールとプラグにより素
管を圧延する設備である。プラグミルの圧延に供するプ
ラグは圧延機前面のプラグ交換装置により圧延1パス毎
に取り替える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、マンドレル
ミルにおいては、上述のいずれの方式も、主として素管
圧延の際、素管からの入熱によるマンドレルバー表面の
高温化による軟化を防止するため、マンドレルバーは素
管1本圧延毎に取り替え、冷却する方法が行われてい
る。これに伴い同一サイズの素管圧延においてもマンド
レルバーが6〜18本必要で、そのための広大なマンド
レルバー循環設備が必要である。また、それに加えて、
外径が異なるマンドレルバーも必要となるので、その相
乗により、膨大なマンドレルバーとその置場を準備する
ことが不可欠である。ただし、マンドレルバー循環設備
はマンドレルバーを循環させることにより、圧延作業間
の圧延アイドル時間短縮を図り、また内径変更の際、新
マンドレルバーの取り替えを円滑にできる等、高生産性
確保に大きく寄与していることも事実である。マンドレ
ルミルは、3.0〜6.0と素管の延伸が大きくとれる
ことにより高い生産性を確保できること、素管内面とマ
ンドレルバーの相対すべりが小さいことにより内面品質
がよいこと等の利点がある反面、前述のとおり、マンド
レルバーの循環設備と膨大なマンドレルバーの保有のた
め、設備費が高い欠点があった。一方、プラグミルにお
いては、プラグ全長は100〜150mm程度で、前述
のマンドレルバーに比べてはるかに短いので、プラグ交
換装置は圧延機前面に充分納まるコンパクトな設備であ
り、また、プラグ置場も広大なスペースを必要としな
い。プラグミルは、素管の延伸が1.5〜2.0のた
め、生産性はマンドレルミルほど高くないものの設備費
が小である利点がある反面、内部工具が固定のためマン
ドレルミルに比べて内面品質が劣る欠点があった。
【0007】かかる背景から、プラグミル並の生産能力
を満たし、プラグミルの内面品質の問題点を抜本的に改
善し、しかも、在来のマンドレルミルに比してコンパク
トで設備費がそれほどかからない継目無鋼管圧延設備と
して新しい考え方にたった2〜4台の少スタンドマンド
レルミルが提案された(特開昭63−33107号)。
少スタンドマンドレルミルはマンドレルバーを使用する
ものであるので、この実施にあたってマンドレルバーの
拘束方式はフルフロート方式、セミフロート方式、リス
トレイン方式のいずれの方式をとることもできるが、い
ずれの方式にせよ、マンドレルバーの循環設備に多大な
スペースを必要とする。ところが、前述のように、マン
ドレルバー関連の設備が広大となれば、少スタンドマン
ドレルミルの意図するコンパクト化、設備費の低減化を
有利に実現できない問題点があった。特にコンパクト化
は、前述、内面性状の向上を意図して、プラグミルおよ
びプラグミルに従属して使用されるリーラーミルを少ス
タンドマンドレルミルにリプレースすることが可能であ
れば、前後設備をそのままの形で有効活用を図ることが
できることから、少スタンドマンドレルミルの設備費低
減効果が最大限に発揮される重要な意味をもっている。
【0008】本発明は少スタンドマンドレルミルを最も
有効に適用するコンパクト化、設備費の低減化の背景に
鑑み、高位な内面品質を確保しつつ、少なくともプラグ
ミル並の生産性を確保し、膨大なスペースを必要とする
マンドレルバー循環装置を省略する、すなわち、生産性
にみあったコストパーフォーマンスを達成できる、従来
のマンドレルミル、プラグミルに代わる新しいタイプの
継目無鋼管の製造方法とその製造装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は前述のリストレ
イン方式マンドレルミルにおいて、圧延機入側までリテ
ーナーに保持されたマンドレルミルを後退させることに
よって、圧延された素管とマンドレルバーを引き離す工
程の後に、次の圧延に備えて、マンドレルバーを循環さ
せる代わりに次の素管に圧延ライン上においてマンドレ
ルバーを挿入し、圧延を行う工程を繰り返すことで、マ
ンドレルバー循環装置を省略できると考え、同一のマン
ドレルバーの連続使用に着目し、以下の発明を創案し
た。本発明は、マンドレル圧延機の圧延ライン上のテー
ブルにテーブルの片側に隣接して配置された素管供給床
より素管を供給し、リテーナーを前進させて前記テーブ
ル上にて素管にマンドレルバーを挿入し、さらに、リテ
ーナーを前進させて挿入された素管をマンドレルバーと
ともにマンドレル圧延機に装入し、素管を圧延し、圧延
終了後、マンドレルバーを保持した状態でリテーナーを
後進させることにより、圧延された素管をマンドレルバ
ーから離脱させるとともに、次の素管を圧延するため、
マンドレルバーの先端が素管圧延方向に対して前記圧延
ライン上の素管受け入れテーブルの後方になるよう、マ
ンドレルバーを退避させ、リテーナの前進、後進に伴う
マンドレルバーの移動経路上において、リテーナー後進
時および、または最後進位置での停止時マンドレルバー
表面への冷却と、素管へのマンドレルバーの挿入に先だ
ってマンドレルバー表面への潤滑剤塗布とを行うことに
より、順次同一のマンドレルバーにより、素管を圧延す
る継目無鋼管の製造方法により構成される。本発明で
は、同一マンドレルバーを連続して使用し、循環中に行
っていたマンドレルバーへの諸処置、すなわち潤滑剤塗
布、冷却を圧延ライン上で行う手段である。リテーナー
はインサーターの機能を兼ねる。リテーナーに装着され
たマンドレルバーに圧延ライン上に供給された素管を挿
入する。圧延された素管をマンドレルバーから引き離し
て後、次の圧延のために素管にマンドレルバーを挿入す
るまで、マンドレルバーの外面には素管が存在しないこ
とに着目して、リテーナーの前後進によるマンドレルバ
ーの移動経路内においてリテーナーに装着されたままマ
ンドレルバーの表面に素管へのマンドレルバー挿入に先
だって潤滑剤を塗布する。 また、マンドレルバー冷却
に対しては、潤滑剤塗布装置と同様の着眼で、リテーナ
ーの前後進によるマンドレルバーの移動経路内において
リテーナーに装着されたままマンドレルバーの表面を冷
却する。少スタンドマンドレルミルの技術的な特性とし
て、従来マンドレルミルは、主としてマンドレルバーへ
の高入熱によるマンドレルバー冷却の観点から、マンド
レルバーの循環過程における冷却が必要とされてきた
が、少スタンドマンドレルミルのマンドレルバーへの入
熱量は7〜8台の圧延機列からなる従来のマンドレルミ
ルと比べて小さく、少スタンドマンドレルミルのマンド
レルバーの冷却条件は従来設備と比べて有利であること
が考えられ、あえてオフラインにての冷却を実施しなく
ても、同一マンドレルバーの連続使用下において、プラ
グミル並の生産性を達成するに必要なサイクルタイムで
マンドレルバーの冷却確保は容易である。なお、マンド
レルバー表面への冷却につき、リテーナー後進時とある
のは、後進中に一時停止し、その停止中において冷却す
る場合もあることを含める意味に使用している。
【0010】また、本発明は、前記の継目無鋼管の製造
方法において、回転自由なローラーを有する素管受け入
れテーブル上で、マンドレル圧延機の入側直前に位置す
るマンドレルバー通過自由のストッパーに対して圧延方
向に、当該ストッパー直前に位置するピンチロールによ
り、供給床から圧延ライン上に搬入された素管を移動さ
せるとともに、当該ストッパーにて素管の圧延方向への
移動を拘束した状態で、リテーナーを前進させて、素管
に対してマンドレルバーを所定位置まで貫通挿入させ、
引続き、当該ピンチロールとリテーナーの速度同期をと
って、マンドレル圧延機に装入させることにより構成さ
れる。本発明はサイクルタイムをできるだけ短縮する手
段である。リテーナーが従来のインサーターと従来のリ
テーナーの役割を兼ねることに着目して、素管搬入後、
ピンチロールで素管を位置決めするとともに素管にマン
ドレルバーを挿入し、引続き、リテーナー前進とピンチ
ロールによる素管移送により、マンドレルバーを挿入し
た素管をマンドレル圧延機に装入させる。この手段によ
り、素管へのマンドレルバー挿入後速やかな圧延が可能
となる。
【0011】また、本発明は、マンドレル圧延機入側の
圧延ライン上に素管を供給するための素管供給床と、マ
ンドレルバーを装着し、マンドレルバーに前記圧延ライ
ン上に供給された素管を挿入、圧延ロールに挿入するた
めに前進し、圧延された素管を引き離されたマンドレル
バーの先端が前記圧延ライン上で素管圧延方向に対して
供給される素管の後方になるよう後進するリテーナー
と、リテーナーの前進、後進によるマンドレルバーの移
動経路内において、リテーナーに装着されたマンドレル
バーの表面を冷却するマンドレルバー冷却装置と、素管
の挿入に先だってマンドレルバーの表面に潤滑剤を塗布
するマンドレルバー潤滑剤塗布装置と、リテーナーの最
後進位置のマンドレルバーに沿って設けたマンドレルバ
ー交換装置とを備えたことを特徴とする継目無鋼管の製
造装置により構成される。本発明は請求項1の方法を実
施する製造装置であり、さらに早急なサイズ替えを達成
する手段を含む。その手段は、圧延終了後のリテーナー
後進によって、次の素管を圧延ライン上への早急を妨げ
ない位置にマンドレルバーが退避していることに着目し
て、リテーナーの最後進位置のマンドレルバーに沿って
設けたマンドレルバー交換装置を備える。
【0012】
【作用】マンドレル圧延機において、リテーナーを前進
させて圧延ライン上でマンドレルバーを素管に挿入し、
さらに、リテーナーを前進させて装入された素管を圧延
し、圧延終了後、マンドレルバーを保持した状態で、リ
テーナーを後進させることにより素管をマンドレルバー
から離脱させるとともに、次の素管を圧延するため、マ
ンドレルバーを退避させ、マンドレルバー表面への冷却
と潤滑剤塗布とを行うことにより、少なくともプラグミ
ルの圧延サイクルタイムを維持し、順次繰り返して、同
一のマンドレルバーにより、素管を圧延する。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を以下図面を参照して説明す
る。図1、図2において、4スタンドのマンドレル圧延
機24の入側の圧延ライン上前方にリテーナー装置23
を設置し、マンドレル圧延機24とリテーナー装置23
間にテーブル41、42、マンドレル圧延機24出側に
テーブル43を設置する。テーブル41、42はテーブ
ルローラーを回転自由とした非駆動方式のテーブル、テ
ーブル43はマンドレル圧延機24およびエキストラク
ター25と速度同期して動く駆動方式のテーブル、その
機能は、テーブル41がマンドレルバーの退避、テーブ
ル42が素管を受け入れ、この位置でのマンドレルバー
の素管への挿入、テーブル43が圧延された素管の移送
である。また、ピンチロール34の機能は、素管先端の
位置決めを行うストッパー44まで移動させ、素管を圧
延機へ噛み込ませることである。マンドレル圧延機24
の入側の圧延ラインに沿って素管供給床28、潤滑剤塗
布装置33を設ける。
【0014】以下、実際の操業について説明する。供給
床28上を搬送されてきた素管に受け入れテーブル42
の位置でピンチロール34で素管を押し付けるとともに
ストッパー44に対して移動させ、ストッパー44によ
って熱間素管の先端移動を拘束していて、マンドレルバ
ーを挿入させる。挿入完了後、ストッパー44を退避さ
せ、圧延機噛み込みの際 噛み込み不良が発生しない押
し圧を加えたピンチロロール34によって圧延サイズ毎
の規定の速度で、リテーナーと速度同期をとってマンド
レル圧延機に噛み込ませる。噛み込みと同時にピンチロ
ール34を開放させる。ピンチロールは押し付け機構と
ロールを回転させる駆動機構から構成される。ストッパ
ー44は図6に示すように駆動装置66と位置決め機構
67からなるストッパー本体64の開度調整装置とスク
リュージャッキ65の高さ調整装置でマンドレルバー径
に合うよう位置決めする。マンドレルバー61はストッ
パーを通過自由で熱間素管のみ先端移動を拘束できる構
造になっている。リテーナー速度は通常、圧延機1番ス
タンドのロール溝底速度の0.5〜0.9を設定する。
圧延機後段スタンドは当該スタンドの延伸分だけ前段ス
タンドに比べてロール速度が速く設定し、熱間の素管を
マンドレルバーとの接触面で滑らせながら、圧延する。
マンドレル圧延機後面のマンドレルバー最大前進以遠の
位置に配置されたロール39、40からなるエキストラ
クター25で圧延された素管の先端から若干の圧延を圧
下を加えるとともに圧延された素管を圧延ライン方向に
移送させる。エキストラクターの移送速度は、圧延され
た素管の後端が最終圧延機38を通過するまでは、最終
圧延機と同期させる。圧延された素管の後端がマンドレ
ル圧延機を抜けた時点で、マンドレルバーを次の素管の
圧延に備えて、退避位置41まで後退させる。このと
き、マンドレルバーが退避テーブル41まで移動する間
および退避テーブル41で後退、待機中にマンドレルバ
ー冷却を行う。冷却に際して、その圧延サイクルにおけ
るマンドレルバー冷却の必要度合に応じて、素管受け入
れテーブル42における冷却装置73の冷却条件、マン
ドレルバー退避テーブル41における冷却装置72の冷
却条件を変更するものとする。ここでいう冷却条件の変
更は、冷却装置のオンオフ、冷却能の変更を意味する。
【0015】マンドレルバー退避完了後、圧延機入側の
所定位置に素管を送り込む。この後、リテーナーを前進
させ、素管へのマンドレルバー挿入を行う。挿入時、潤
滑剤塗布装置33で潤滑剤を塗布する。マンドレルバー
冷却装置72、73のノズル配置は図12に示すよう
に、その形態はほぼ同じで、マンドレルバーに対して放
射状、等間隔に4〜6個配置するのが一般的である。マ
ンドレルバー潤滑塗布装置のノズルについても、同様と
する。実際の操業は以上の工程の繰り返しである。ここ
で、6−3/4″ミルにおいてマンドレルバーの温度シ
ミュレーションを示す。シミュレーションに使用した材
料仕様を表1とし、そのときのサイクルタイム、冷却加
熱条件を図10に示す。
【0016】
【表1】 ここにおける材料仕様、サイクルタイムはプラグミルな
みの操業条件を確保可能かどうか、判断するために与え
た条件である。サイクルタイムはプラグミル並み、延伸
については、2.23とプラグミルの延伸以上とするも
のである。ここで、冷却装置72、73は前述のように
図2の41および42に配置し、冷却能は5000kc
al/m2 hr℃とする。冷却装置72、73はノズル
71を備える。
【0017】図7は前述条件でシミュレーションしたマ
ンドレルバーのサイクル毎の温度履歴を表したものであ
る。この結果は、マンドレルバーの最高表面温度が表面
硬度低下臨界温度である550℃を越えないので、マン
ドレルバー連続使用の操業において、少なくとも、プラ
グミルなみの操業条件は確保できることを示している。
一方、サイズ替えについては、図2に示すマンドレルバ
ー退避テーブル41の両側に設置された図1のマンドレ
ルバー交換装置31、32によって短時間マンドレルバ
ー交換を行う。ここで、31は旧バー払い出し床、32
は新バー供給床である。マンドレルバー交換時の操業形
態は以下のとおりである。後次の圧延で使用するマンド
レルバー61−aは予めマンドレルバー持ち上げアーム
54に乗せておく。予定の圧延が完了したマンドレルバ
ーがマンドレルバー退避テーブル41まで後進完了後、
図3の旧マンドレルバー払い出し装置51をマンドレル
バー退避テーブル41のマンドレルバー退避位置まで前
進させるとともに、図4、図5に示すマンドレルバー6
1後端のリテーナー23との接続部のリテーナー先端に
位置するマンドレルバークランプ装置62にて分離す
る。旧マンドレルバー払い出し装置51に装着されたマ
ンドレルバー持ち上げアーム53でリテーナーと分離さ
れたマンドレルバー61をすくい上げ、旧マンドレルバ
ー払い出し装置を後退させる。旧マンドレルバー払い出
し装置後退と同時にマンドレルバー持ち上げア−ム54
を持ち上げ、新マンドレルバー61−aを乗せた状態で
新マンドレルバー取り込み装置52をマンドレルバー退
避テーブル41のマンドレルバー退避位置まで前進さ
せ、マンドレルバー持ち上げアームを下げる。マンドレ
ルバー後端をマンドレルバークランプ装置62にてリテ
ーナーと接続させるとともに、新マンドレルバー取り込
み装置をマンドレルバー退避テーブルより後退させる。
図3で55、56は53、54のアームを昇降させる油
圧シリンダーである。図4はクランプ状態、図5はアン
クランプ状態を示す。図4、図5でクランプ装置を作動
させる油圧シリンダーである。マンドレルバー交換中に
素管をマンドレル圧延機前面のマンドレルバー挿入位置
に搬送しておき、マンドレルバー交換後ただちに新マン
ドレルバー61−aを後次圧延素管に挿入させる。マン
ドレルバー交換に要する時間は前述の動作を示した次の
表2のとおり、8秒となる。
【0018】
【表2】 (注)表2において、 動作1は、旧マンドレルバーリテーナー脱 動作2は、旧マンドレルバー払い出し装置前進 動作3は、同上アーム上げ 動作4は、旧マンドレルバー払い出し装置後退 動作5は、新マンドレルバー取り込み装置前進 動作6は、同上アーム下げ 動作7は、新マンドレルバーリテーナー着 動作8は、新マンドレルバー取り込み装置後退 である。
【0019】マンドレルバー交換直後の潤滑剤の塗布に
ついては、マンドレルバーは事前に潤滑剤を塗布してお
き、当該マンドレルバーでの1回目の圧延の際は潤滑剤
を塗布しないか、事前に塗布可能温度まで当該マンドレ
ルバーを温熱しておいて、素管にマンドレルバーを挿入
する際、リテーナー前進時潤滑剤を塗布するか、いずれ
かの方法をとる。これについては、潤滑剤の乾燥特性に
よって選択すればよい。2回目以降の潤滑剤塗布はマン
ドレルバー挿入時のリテーナー前進中、潤滑剤塗布装置
により行う。サイズ替えにて使用済みの旧マンドレルバ
ーは払い出し床からラインオフし、必要に応じ、整備
し、次の圧延チャンスに備える。また、次の圧延チャン
スに予定されている使用前マンドレルバー61−bを圧
延作業中に取り込み装置ア−ムすくい上げ位置まで送
り、待機させる。以上の方法により、従来のマンドレル
ミル、プラグミルと同様圧延の連続性を妨げることな
く、マンドレルバーのサイズ替えが可能である。実施例
において、図3のマンドレルバー交換装置、図4、図5
のクランプ装置、図6のストッパー装置を具体的に示し
たが、例示例であり、これに限定するものではない。ま
た、実施例においてスタンド数を4台としたが、前述の
記述のとおり、3台としてもよい。
【0020】
【発明の効果】
(1)マンドレルバーを保持したリテーナーに従来のイ
ンサーター機能と従来のマンドレルバー速度調整機能を
もたせ、素管圧延間の圧延アイドル時間内でマンドレル
バーの冷却.潤滑剤塗布できるよう、圧延ライン上にマ
ンドレルバー冷却装置とマンドレルバー表面潤滑剤塗布
装置を配設することにより、膨大な設備費を要していた
従来のマンドレルバー循環設備を省略できる新しいタイ
プの継目無鋼管の製造方法とその製造装置を提供する。 (2)従来のリストレインタイプのマンドレルミルへの
マンドレルバー連続使用が可能となる。特に、プラグミ
ル並の生産能力を狙った特開昭63−331077号で
開示の少マンドレルミルにおいては、実施例での説明の
とおり適用容易である。 (3)マンドレルバー循環設備が不要なため、従来のプ
ラグミルおよびリーラーミルの設備配置内に収まる、コ
ンパクトな設備配置をもつマンドレルミルへのリプレー
スが容易である。 このことを図面により説明すると、図8の加熱装置1
1、ピアサーミル12、サイザーミル15は図9の加熱
装置21、ピアサーミル22、サイザーミル26に、図
8のプラグミル12およびリーラーミル14を図9のリ
テーナー23およびマンドレルミル24に置き替えれば
よい。図8の16〜19のトランスフアーは必要に応じ
て図9の27〜29に置き換えるものとする。以上よ
り、従来、設備費に対するコストパフォーマンスから高
生産量でしか成り立たなかったマンドレルミルが低生産
量でも成り立つ本発明の経済的効果は高いものといえ
る。特に、現にプラグミルおよびリーラーミルを使用し
ている作業所において、内面性状の優れたマンドレルミ
ルへの容易なリプレースを可能とする点を本発明の効果
として強調したい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマンドレル圧延機入出側設備の配置を
示す平面図である。
【図2】図1の圧延機パスセンターでの断面図である。
【図3】マンドレルバー交換装置を示す図である。
【図4】マンドレルバークランプ装置(クランプ状態)
を示す図である。
【図5】マンドレルバークランプ装置(アンクランプ状
態)を示す図である。
【図6】ストッパー装置を示す図である。
【図7】従来技術のマンドレル圧延機回りのレイアウト
を示す図である。
【図8】従来技術のプラグミルおよびリーラーミルのレ
イアウトを示す図である。
【図9】特開昭63−33107号で開示されたマンド
レル圧延機を製管設備とするレイアウトを示す図であ
る。
【図10】シミュレーションに使用した圧延条件例を示
す図である。
【図11】マンドレルバー最高温度例を示す図である。
【図12】マンドレルバー冷却装置およびマンドレルバ
ー潤滑剤塗布装置のノズル配置を示す図である。
【符号の説明】
1 マンドレル圧延機 2 リテーナ装置 3 マンドレル圧延機入側供給床 4 マンドレル圧延機出側払い出し床 5 マンドレルバー冷却床 6 マンドレルバー供給床 7 潤滑剤塗布装置 8 プレインサーターテーブル 9 インサート装置 10 エキストラクター 11 加熱装置 12 ピアサーミル 13 プラグミル 14 リーラーミル 15 サイザーミル 16〜19 トランスファー 21 加熱装置 22 ピアサーミル 23 リテーナー装置 24 マンドレル圧延機 25 エキストラクター 26 サイザーミル 27 トランスファー 28 素管供給床 29 トランスファー 31 旧マンドレルバー払い出し床 32 新マンドレルバー供給床 33 潤滑剤塗布装置 34 ピンチロール 35 第1圧延機 36 第2圧延機 37 第3圧延機 38 第4圧延機 39 第1エキストラクター 40 第2エキストラクター 41 マンドレルバー退避テーブル 42 素管受入テーブル 43 圧延機出側テーブル 44 ストッパー 51 マンドレルバー払い出し装置 52 マンドレルバー取り込み装置 53 マンドレルバー持ち上げアーム 54 マンドレルバー持ち上げアーム 55 アーム昇降油圧シリンダー 56 アーム昇降油圧シリンダー 61 マンドレルバー 61−a 使用前マンドレルバー 61−b 使用前マンドレルバー 61−c 使用前マンドレルバー 61−d 使用前マンドレルバー 62 マンドレルバークランプ装置 63 クランプ装置作動油圧シリンダー 64 ストッパー本体 65 ストッパー昇降スクリュージャッキ 66 ストッパー開度調整駆動モーター 67 ストッパー開度位置調整機構 68 ストッパー開度調整支持ベース 70 マンドレルバー払い出し床 71 ノズル 72 冷却装置 73 冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石崎 貢 東京都板橋区舟渡4−3−1 新日本製 鐵株式会社東京製造所内 (56)参考文献 特開 昭57−4310(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンドレル圧延機の圧延ライン上のテー
    ブルにテーブルの片側に隣接して配置された素管供給床
    より素管を供給し、リテーナーを前進させて前記テーブ
    ル上にて素管にマンドレルバーを挿入し、さらに、リテ
    ーナーを前進させて挿入された素管をマンドレルバーと
    ともにマンドレル圧延機に装入し、素管を圧延し、圧延
    終了後、マンドレルバーを保持した状態でリテーナーを
    後進させることにより、圧延された素管をマンドレルバ
    ーから離脱させるとともに、次の素管を圧延するため、
    マンドレルバーの先端が素管圧延方向に対して前記圧延
    ライン上の素管受け入れテーブルの後方になるよう、マ
    ンドレルバーを退避させ、リテーナの前進、後進に伴う
    マンドレルバーの移動経路上において、リテーナー後進
    時および、または最後進位置での停止時マンドレルバー
    表面への冷却と、素管へのマンドレルバーの挿入に先だ
    ってマンドレルバー表面への潤滑剤塗布とを行うことに
    より、順次同一のマンドレルバーにより、素管を圧延す
    ることを特徴とする継目無鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 回転自由なローラーを有する素管受け入
    れテーブル上で、マンドレル圧延機の入側直前に位置す
    るマンドレルバー通過自由のストッパーに対して圧延方
    向に、当該ストッパー直前に位置するピンチロールによ
    り、供給床から圧延ライン上に搬入された素管を移動さ
    せるとともに、当該ストッパーにて素管の圧延方向への
    移動を拘束した状態で、リテーナーを前進させて、素管
    に対してマンドレルバーを所定位置まで貫通挿入させ、
    引続き、当該ピンチロールとリテーナーの速度同期をと
    って、マンドレル圧延機に装入させることを特徴とする
    請求項1記載の継目無鋼管の製造方法。
  3. 【請求項3】 マンドレル圧延機入側の圧延ライン上に
    素管を供給するための素管供給床と、マンドレルバーを
    装着し、マンドレルバーに前記圧延ライン上に供給され
    た素管を挿入、圧延ロールに装入するために前進し、圧
    延された素管を引き離されたマンドレルバーの先端が前
    記圧延ライン上で素管圧延方向に対して供給される素管
    の後方になるよう後進するリテーナーと、リテーナーの
    前進、後進によるマンドレルバーの移動経路内におい
    て、リテーナーに装着されたマンドレルバーの表面を冷
    却するマンドレルバー冷却装置と、素管の挿入に先だっ
    てマンドレルバーの表面に潤滑剤を塗布するマンドレル
    バー潤滑剤塗布装置と、リテーナーの最後進位置のマン
    ドレルバーに沿って設けたマンドレルバー交換装置とを
    備えたことを特徴とする継目無鋼管の製造装置。
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