JP2585325B2 - 金の溶解方法 - Google Patents

金の溶解方法

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JP2585325B2 JP62315627A JP31562787A JP2585325B2 JP 2585325 B2 JP2585325 B2 JP 2585325B2 JP 62315627 A JP62315627 A JP 62315627A JP 31562787 A JP31562787 A JP 31562787A JP 2585325 B2 JP2585325 B2 JP 2585325B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) (従来技術とその問題点) 金の溶解方法としては、塩酸と硝酸による王水法や、
塩酸と塩素ガス吹き込みによる塩酸塩素法がよく知られ
ている。これらの方法は、金の酸化剤として硝酸や塩素
ガスを用い化学反応的に金を酸化溶解する方法である。
しかし王水法においては、反応において窒素酸化物
(NOx)が生成したり、反応中の加温により多量の塩化
水素ガスの発生を併い、塩酸塩素法においても同様に未
反応の塩素ガスを含む塩化水素の排ガスを伴う。この様
に薬品による金の溶解においては、多量の有害な排ガス
が発生する為、環境保全、安全衛生等に多くの問題点を
かかえている。
一方電気化学的に金を溶解する方法として、塩酸酸性
液による金の電解精製法が知られている。
しかし、陽極で溶解した金((4)式)は、再び陰極
に析出((6)式)してしまう為、ある一定の濃度以上
溶かし込むことは、難しく、金の溶解法としては非常に
効率の低いもので、溶解法としては不適当である。
また電解液が塩酸酸性であることから常に有害な塩化
水素を発生し、副反応としても(5)の反応により、有
害な塩素ガスを発生する安全上の問題をかかえている。
さらに、高電流密度領域においては、(5)の反応が
支配的になる事から高電密電解をすることができず、長
時間の電解を必要とする。
このように従来の方法は多くの欠点を有している。
本発明者らは、金のヨウ素酸化溶解法に着目し、有害
ガスの発生しない、効率の高い金の溶解方法を検討した
結果隔膜を用いたヨウ素生成電解槽において、陽極室に
ヨウ素を生成させるとともに、この陽極室液を金溶解槽
へ導くことによる金の溶解方法を発明するに至った。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、陽極室と陰極室を陽イオン交換膜で隔てた
ヨウ素生成電解槽の陽極室と金を入れた溶解槽を接続
し、ヨウ素含有電解液を陽極室と溶解槽とを循環させる
と共に電解によりヨウ素を生成しこれによって金を溶解
しようとするものである。
本発明によれば、従来塩酸強酸性で行っていた金の溶
解範囲を酸性からアルカリ性に迄巾広い範囲で溶解でき
る様に拡げた為に、強酸性液における有害ガスの発生
を、弱酸性−アルカリ性でおこなう事により防止でき、
かつ液取扱いの危険性も低下する。
また本発明による金の溶解は、電流効率が非常に高い
こと、陰極室においては、苛性アルカリを製造できるこ
とがあげられる。さらに電解槽の陽極に不溶性陽極を用
いれば従来の電解のように金板を用いてそれを溶解する
必要がないので、金板の作製、取り替、使用後の金板の
再生等が不要であり、如何なる形状の金でも溶解槽に入
りさえすれば高価な金を短時間で溶解できる等の利点を
もっている。
本発明による物質の移動は、第1図の様に示される。
ヨウ素生成電解槽1内の陽極室2の陽極3表面での反
応は次の様に与えられるがI-が過剰にある場合はヨウ素
(イオン)が生成する。
ヨウ素生成からヨウ素(イオン)生成の反応 陽極 2I-→I2+2e ……(8) 副反応 I2+I-→I3 ……(9) 陽極材料としては、白金メッキしたチタニウム電極、
鉛電極、酸化鉛電極、カーボン電極、白金電極、白金イ
リジウム電極、DSE電極などの不溶性陽極が良いが、電
極として金板を用いてもよく消耗の都度、取り替えれば
良い。
ヨウ素(イオン)は、Auを酸化し、溶解する能力を有
する。
2Au+3I3 -→2〔AuI4+I- ……(10) そこでこの陽極室液2のをAu4を入れた溶解槽へ導く
ことにより(10)式の反応によりAu4を溶解し、再びこ
の液を陽極室2へ戻す。溶解槽5内のAu4は、なるべく
接触面積を広げたものが良く、フレーク状、金粒、金粉
等に加工したものが適するが、Au板等でも良い。
Au4の溶解槽5も、なるべく接触効率を高くとれる構
造のものが良く、カラム式、強撹拌した槽などがあげら
れる。
陽極室に入れるヨウ素化合物としては、ヨウ化カリウ
ム、ヨウ化ナトリウムによるものが良いが、これをベー
スにヨウ素やヨウ素酸やヨウ素酸塩を加えても良い。
(カリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩)を加え
ても良い。また過ヨウ素酸や過ヨウ素酸塩を加えても良
い。
電解液のpHは13以下であるならば金をとかすことがで
きるが、I2ガスの発生を止める為、pH=2〜pH=13にし
ておいた方が良くさらにはpH6〜13が最も望ましい。
陽イオン交換膜6上においては、正の価数を持ったK+
やH+は通過するが、金は〔AuI4の錯イオンになって
いる為通過する事は困難である。電解液のベースがNaI
になればこの膜を通過するイオンはNa+やH+となる。こ
こにおける陽イオン交換膜6としては、含フッ素陽イオ
ン交換膜のナフィオン(商品名)やHC(ハイドロカーボ
ン)陽イオン交換膜のセレミオン(商品名)が挙げられ
る。
陰極上での反応は次の様になり水素の発生がみられ
る。
2H2O+2e→H2+2OH- ……(11) 導電性を高める為陰極室7に酸や水酸化アルカリもし
くは塩類を加えておいた方が良い。さらに陽極室よりNa
+やK+が陰極室に移動する為、陰極室系内はアルカリ性
となり好ましくは水酸化アルカリをあらかじめ入れてお
き、さらに陽極より移動するNa+やK+により作った苛性
ソーダや苛性カリは工業的に利用価値が高い。
(実施例1) 第2図に示す如く陽イオン交換膜8(含フッ素系陽イ
オン交換膜)により陽極室9(容量1.0)と陰極室10
(容量1.0)とを分離したヨウ素電解槽11と、導管12
とポンプ13と陽極液タンク14(容量5)、導管15とポ
ンプ16と陰極液タンク17(5)を接続した装置におい
て、陽極液タンク14に水酸化カリウムでpH=12に調整し
た500g/のヨウ化カリウム溶液を5、陰極液タンク1
7に5.8g/の水酸化カリウム溶液を5それぞれ入れ、
ポンプを作動させると各々の液が陽極室9と陽極液タン
ク14、陰極室10と陰極液タンク17の間で循環するように
した。
陽極18として100mm×100mmの白金めっきしたチタン板
を、陰極19としてカーボン板を用い、陽極液タンク14に
直径5〜10mm、厚さ0.2〜1.0mmの不規則な円形のフレー
ク状の金を300g入れ、撹拌機20を回転させることによ
り、陽極液タンク14を金の溶解槽となるようにした。
2台のポンプと撹拌機20を作動させるとともに陽極18
と陰極19のあいだに20Aで4時間通電を行った。陽極側
では有害なガスがほとんど発生することなく金が溶解し
電解液が黒くなるとともに、陰極側では水素のガスの生
成とともに水酸化カリウムが副生した。
通電後、金の溶けた陽極液(5)を分析したところ
182gの金が溶解しており、金を溶解するための電流効率
は92.9%と高いものであった。
(実施例2) 第2図に示す如く陽イオン交換膜8(含フッ素系陽イ
オン交換膜)により陽極室9(容量1.0)と陰極室10
(容量1.0)とを分離したヨウ素電解槽11と、導管12
とポンプ13と陽極液タンク14(容量5)、導管15とポ
ンプ16と陰極液タンク17(5)を接続した装置におい
て、陽極液タンク14に水酸化カリウムでpH=12に調整し
た500g/のヨウ化カリウム溶液を5、陰極液タンク1
7に5.8g/の水酸化カリウム溶液を5それぞれ入れ、
ポンプを作動させると各々の液が陽極室9と陽極液タン
ク14、陰極室10と陰極液タンク17の間で循環するように
した。
陽極18として100mm×100mm×3mmの580gの金板を、陽
極19としてカーボン板を用い、陽極液タンク14に直径5
〜10mm、厚さ0.2〜1.0mmの不規則な円形のフレーク状の
金を300g入れ、撹拌機20を回転させることにより、陽極
液タンク14を金の溶解槽となるようにした。
2台のポンプ13、16と撹拌機20を作動させるとともに
陽極18と陰極19のあいだに40Aで2時間通電を行った。
陽極側では有害なガスがほとんど発生することなく金が
溶解し電解液が黒くなるとともに、陰極側では水素ガス
の生成とともに水酸化カリウムが副生した。
通電後、金の溶けた陽極液(5)を分析したところ
175gの金が溶解しており、金を溶解するための電流効率
は89.3%と高いものであった。
また、陽極は28g消耗し、残る147gは陽極液タンク14
内の金が溶解したものであった。
(比較例) 第2図に示す如く陽イオン交換膜8(含フッ素系イオ
ン交換膜)により陽極室9(容量1.0)と陰極室10
(容量1.0)とを分離したヨウ素電解槽11と、導管12
とポンプ13と陽極液タンク14(容量5)、導管15とポ
ンプ16と陰極液タンク17(5)を接続した装置におい
て、陽極液タンク14に2規定の塩酸溶液を5、陰極液
タンク17に5.8g/の水酸化カリウム溶液を5それぞ
れ入れ、ポンプを作動させると各々の液が陽極室9と陽
極液タンク14、陰極室10と陰極液タンク17の間で循環す
るようにした。
陽極18として100mm×100mm×3mmの580gの金板を、陽
極19としてカーボン板を用い、陽極液タンク14に直径5
〜10mm、厚さ0.2〜1.0mmの不規則な円形のフレーク状の
金を300g入れ、撹拌機20を回転させることにより、陽極
液タンク14を金の溶解槽となるようにした。
2台のポンプ13、16と撹拌機20を作動させるとともに
陽極18と陰極19のあいだに20Aで4時間通電を行った。
陽極側では有害な塩素ガスが発生し金が溶解し電解液が
橙色になったが、陰極側では水素ガスが発生したものの
水酸化カリウムは副生しなかった。
通電後、金の溶けた陽極液(5)を分析したところ
42gの金が溶解しており、金を溶解するための電流効率
は21.4%と低いものであった。
また陽極液タンク14の金はほとんど溶けず、陽極が消
耗しただけであった。
(従来例) 第2図における陽イオン交換膜8(含フッ素系陽イオ
ン交換膜)を外し、陽極室9(容量1.0)と陰極室10
(容量1.0)との分離を廃したヨウ素電解槽11と、導
管12とポンプ13と陽極液タンク14(容量5)、導管15
とポンプ16と陰極液タンク17(5)を接続した装置に
おいて、陽極液タンク14と陰極液タンク17に2規定の塩
酸溶液を5それぞれ入れ、ポンプを作動させると各々
の液が陽極室側と陽極液タンク14、陰極室側と陰極液タ
ンク17の間で循環するようにした。
陽極18として100mm×100mm×3mmの580gの金板を、陰
極19としてカーボン板を用い、陽極液タンク14に直径5
〜10mm、厚さ0.2〜1.0mmの不規則な円形のフレーク状の
金を300g入れ、撹拌機20を回転させることにより、陽極
液タンク14を金の溶解槽となるようにした。
2台のポンプ13、16と撹拌機20を作動させるとともに
陽極18と陰極19のあいだに20Aで4時間通電を行った。
陽極18では有害な塩素ガスが発生し金が溶解し電解液が
僅かに橙色になったが、陰極側では水素ガスが発生する
とともに金が電析された。
通電後、金の溶けた陽極液(5)を分析したところ
3gの金が溶解しており、金を溶解するための電流効率は
1.5%と低いものであった。
また陽極液タンク14の金はほとんど溶けず、陽極が46
g消耗しており、残る43gは陰極に析出した。
(発明の効果) 以上述べたように本発明の金の溶解法は、陽イオン交
換膜により陽極室と陰極室とを分離したヨウ素生成電解
槽の陽極室と金を入れた溶解槽を接続し、ヨウ素含有電
解液を陽極室と溶解槽を循環させると共に電解によりヨ
ウ素を生成しこれによって金を溶解するので、有害ガス
の発生がなく、電流効率も良い。また金の陽極板は必ず
しも必要とはせず、安全でメンテナンスも楽で効率よく
金を溶解することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を説明する概略図、第2図は本発
明の実施例を具体的に説明する概略図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽イオン交換膜により陽極室と陰極室とを
    分離したヨウ素生成電解槽の陽極室と金を入れた溶解槽
    を接続して、ヨウ素含有電解液を陽極室と溶解槽とを循
    環させると共に電解によりヨウ素を生成することを特徴
    とする金の溶解方法。
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WO2005063365A1 (en) * 2003-12-31 2005-07-14 Council Of Scientific And Industrial Research A process for the preparation of free standing membranes
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