JP2585272B2 - 表面処理方法 - Google Patents
表面処理方法Info
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- JP2585272B2 JP2585272B2 JP62139724A JP13972487A JP2585272B2 JP 2585272 B2 JP2585272 B2 JP 2585272B2 JP 62139724 A JP62139724 A JP 62139724A JP 13972487 A JP13972487 A JP 13972487A JP 2585272 B2 JP2585272 B2 JP 2585272B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は固体表面を処理するドライプロセス(乾式処
理方法)に係り、特に半導体素子製造に好適な無損傷,
無汚染,高選択性かつ低温度のプロセスを実現すること
ができる表面処理方法に関する。
理方法)に係り、特に半導体素子製造に好適な無損傷,
無汚染,高選択性かつ低温度のプロセスを実現すること
ができる表面処理方法に関する。
従来の、特に半導体素子製造における、ドライプロセ
スでは、イオンビームまたはプラズマが用いられていた
(菅野卓雄編著;「半導体プラズマプロセス技術」、産
業図書,1980)。
スでは、イオンビームまたはプラズマが用いられていた
(菅野卓雄編著;「半導体プラズマプロセス技術」、産
業図書,1980)。
なお、特開昭62−108525号公報には、ドライプロセス
を実行するために被処理物に入射させる原子・分子等の
エネルギは0.1eV〜10eVの範囲が最適であることについ
て開示されている。しかし、粒子の並進エネルギをシー
ディング法により所望の値に設定し、その粒子を被処理
物に照射することについては開示がない。
を実行するために被処理物に入射させる原子・分子等の
エネルギは0.1eV〜10eVの範囲が最適であることについ
て開示されている。しかし、粒子の並進エネルギをシー
ディング法により所望の値に設定し、その粒子を被処理
物に照射することについては開示がない。
このような方法では被処理体である素子または試料の
表面や素子近傍の固体表面例えば真空室内壁や試料台表
面に、高運動エネルギー(約100eV以上)のイオン,原
子,分子,電子等が入射し、素子表面に損傷,汚染を不
可避的に形成していた。また、このような高エネルギー
粒子の入射による素子温度の上昇も発生した。半導体素
子寸法が減少(1μm以下)して行くと、このような損
傷,汚染,および素子温度上昇は重大な問題となつてく
る。また、近い将来に実現が期待されている3次元構造
の半導体素子には、このような損傷,汚染,温度上昇は
致命的であり、従来のドライプロセスは使用不可能とな
る。
表面や素子近傍の固体表面例えば真空室内壁や試料台表
面に、高運動エネルギー(約100eV以上)のイオン,原
子,分子,電子等が入射し、素子表面に損傷,汚染を不
可避的に形成していた。また、このような高エネルギー
粒子の入射による素子温度の上昇も発生した。半導体素
子寸法が減少(1μm以下)して行くと、このような損
傷,汚染,および素子温度上昇は重大な問題となつてく
る。また、近い将来に実現が期待されている3次元構造
の半導体素子には、このような損傷,汚染,温度上昇は
致命的であり、従来のドライプロセスは使用不可能とな
る。
本発明の目的は、損傷,汚染,温度上昇のない表面処
理方法を提供することにある。
理方法を提供することにある。
約10年程前から表面処理の分野,特に半導体素子製造
分野では、ドライプロセスが活発に用いられている。こ
こで、ドライプロセスとは、これ以前のウエツトプロセ
ス(水溶液を用いる方法)に対する言葉であり、試料表
面を真空中(光を含む)または気相中にて処理する方法
をいう。しかし、従来のドライプロセスでは、気相とし
てプラズマまたはイオンビームが用いられており、試料
表面に入射する電子,イオン,イオンビームの運動エネ
ルギーは数eV〜104eVに分布していた(第2図参照)。
ところが、結晶中の原子のデイスプレースメントエネル
ギー(Displacement Energy)(原子を正規の結晶格子
位置からずらすのに必要なエネルギー)Edは約10eVであ
る。例えば、Si結晶ではEd=12.9eVである(ジー カー
ター アンド ジエイ エス コリゴン,“イオン ボ
ンバードメント オブ ソリツズ",ハイネマン エドケ
イシヨナル ブツクス リミテツド,ロンドン 1968,p2
14(G.Carter and J.S.Colligon,“Ion Bombardment of
Solids",Heineman Educational Books Ltd.,London,19
68,p214))。このため、従来、ドライプロセスでは試
料表面に損傷が不可避的に形成された。また、このよう
な高エネルギー粒子の入射によつて試料温度も上昇し、
場合によつては300℃以上となつた。このような試料温
度上昇は試料表面に別の結晶欠陥(損傷)を形成した
り、プロセスの適用範囲を極端に限定していた。また、
このような高エネルギー粒子が試料近傍の表面に入射す
るとこの表面物質を物理的,化学的にスパツタし、これ
が試料表面に再付着して表面汚染を発生させた。このよ
うな損傷,汚染,温度上昇は表面処理技術、特に半導体
素子製造技術においては致命的である。
分野では、ドライプロセスが活発に用いられている。こ
こで、ドライプロセスとは、これ以前のウエツトプロセ
ス(水溶液を用いる方法)に対する言葉であり、試料表
面を真空中(光を含む)または気相中にて処理する方法
をいう。しかし、従来のドライプロセスでは、気相とし
てプラズマまたはイオンビームが用いられており、試料
表面に入射する電子,イオン,イオンビームの運動エネ
ルギーは数eV〜104eVに分布していた(第2図参照)。
ところが、結晶中の原子のデイスプレースメントエネル
ギー(Displacement Energy)(原子を正規の結晶格子
位置からずらすのに必要なエネルギー)Edは約10eVであ
る。例えば、Si結晶ではEd=12.9eVである(ジー カー
ター アンド ジエイ エス コリゴン,“イオン ボ
ンバードメント オブ ソリツズ",ハイネマン エドケ
イシヨナル ブツクス リミテツド,ロンドン 1968,p2
14(G.Carter and J.S.Colligon,“Ion Bombardment of
Solids",Heineman Educational Books Ltd.,London,19
68,p214))。このため、従来、ドライプロセスでは試
料表面に損傷が不可避的に形成された。また、このよう
な高エネルギー粒子の入射によつて試料温度も上昇し、
場合によつては300℃以上となつた。このような試料温
度上昇は試料表面に別の結晶欠陥(損傷)を形成した
り、プロセスの適用範囲を極端に限定していた。また、
このような高エネルギー粒子が試料近傍の表面に入射す
るとこの表面物質を物理的,化学的にスパツタし、これ
が試料表面に再付着して表面汚染を発生させた。このよ
うな損傷,汚染,温度上昇は表面処理技術、特に半導体
素子製造技術においては致命的である。
表面処理においてなすべき本質的なことは、試料表面
または気相中での物理,化学反応を用いて試料表面物質
を除去したり(エツチング)、試料表面に物質を堆積し
たり(デポジシヨン,エピタキシー)、試料表面物質を
改質したり(酸化,窒化等)することである。この際
に、物理反応よりむしろ化学反応が主役となる。これ
は、化学反応の方が変化に富んだ反応を実現できるから
である。さて、第2図に示すように化学反応に関係した
エネルギー(化学結合エネルギー)は、0.01〜10eVに分
布しており、結晶欠陥を発生させるエネルギーは約10eV
である。したがつて、表面処理を実行するために用いる
エネルギーとしては0.01〜10eVの範囲が適当である。し
かし実際には表面に供給したエネルギーが全て結晶欠陥
を形成するために用いられるわけではないから、上記の
エネルギーの上限は約10倍大きくすることができる。即
ち、表面処理を行うために表面に供給するエネルギーと
しては0.01〜10eVが最適である。
または気相中での物理,化学反応を用いて試料表面物質
を除去したり(エツチング)、試料表面に物質を堆積し
たり(デポジシヨン,エピタキシー)、試料表面物質を
改質したり(酸化,窒化等)することである。この際
に、物理反応よりむしろ化学反応が主役となる。これ
は、化学反応の方が変化に富んだ反応を実現できるから
である。さて、第2図に示すように化学反応に関係した
エネルギー(化学結合エネルギー)は、0.01〜10eVに分
布しており、結晶欠陥を発生させるエネルギーは約10eV
である。したがつて、表面処理を実行するために用いる
エネルギーとしては0.01〜10eVの範囲が適当である。し
かし実際には表面に供給したエネルギーが全て結晶欠陥
を形成するために用いられるわけではないから、上記の
エネルギーの上限は約10倍大きくすることができる。即
ち、表面処理を行うために表面に供給するエネルギーと
しては0.01〜10eVが最適である。
第2図に示す如く、原子・分子(以下粒子と呼ぶ)の
持つエネルギー、即ち、分子の回転準位エネルギー,分
子の振動準位エネルギー,原子・分子の電子準位エネル
ギー、および原子・分子の並進エネルギーの大きさは上
記のエネルギー範囲(0.01〜100eV)の中に制御するこ
とが可能である。したがつて、これらのエネルギーを表
面処理を行うための表面への供給エネルギーとして用い
ることができる。即ち、本発明の特徴の一つは、全エネ
ルギーEwが0.01〜100eVの範囲にある原子・分子(以下
このような原子・分子を活性粒子と呼ぶことにする)を
表面に入射させることによつて表面処理を行うことにあ
る。これによつて、表面損傷のない(または、表面損傷
の極めて少ない)表面処理を行うことができる。ここ
で、全エネルギーEwは Ew=Ew+Ev+Ee+Et Er:回転準位エネルギー Ev:振動準位エネルギー Ee:電子準位エネルギー Et:並進エネルギー と表わされる。上記4種のエネルギー(Er,Ev,Ee,Et)
のうち特に、並進エネルギーEtは量子力学的にも連続的
に分布しており、かつ第2図に示す如く広範囲に制御可
能であるから、表面への供給エネルギーとしては優れて
いる。したがつて、上記活性粒子のうち並進エネルギー
が0.01〜100eVの範囲に有る活性粒子を用いることは実
用的に特に意義の有ることである。しかし、必ずしもこ
うである必要はなく、他のエネルギーでも、必要に応じ
てうまく制御することが可能であれば実用に供し得るこ
とはいうまでもない。
持つエネルギー、即ち、分子の回転準位エネルギー,分
子の振動準位エネルギー,原子・分子の電子準位エネル
ギー、および原子・分子の並進エネルギーの大きさは上
記のエネルギー範囲(0.01〜100eV)の中に制御するこ
とが可能である。したがつて、これらのエネルギーを表
面処理を行うための表面への供給エネルギーとして用い
ることができる。即ち、本発明の特徴の一つは、全エネ
ルギーEwが0.01〜100eVの範囲にある原子・分子(以下
このような原子・分子を活性粒子と呼ぶことにする)を
表面に入射させることによつて表面処理を行うことにあ
る。これによつて、表面損傷のない(または、表面損傷
の極めて少ない)表面処理を行うことができる。ここ
で、全エネルギーEwは Ew=Ew+Ev+Ee+Et Er:回転準位エネルギー Ev:振動準位エネルギー Ee:電子準位エネルギー Et:並進エネルギー と表わされる。上記4種のエネルギー(Er,Ev,Ee,Et)
のうち特に、並進エネルギーEtは量子力学的にも連続的
に分布しており、かつ第2図に示す如く広範囲に制御可
能であるから、表面への供給エネルギーとしては優れて
いる。したがつて、上記活性粒子のうち並進エネルギー
が0.01〜100eVの範囲に有る活性粒子を用いることは実
用的に特に意義の有ることである。しかし、必ずしもこ
うである必要はなく、他のエネルギーでも、必要に応じ
てうまく制御することが可能であれば実用に供し得るこ
とはいうまでもない。
本特許で活性粒子というのは、電気的に中性な粒子
(原子・分子のこと)も、正または負にイオン化した粒
子もどちらも含むものとする。ただし、イオン化した粒
子が電気的に絶縁物の表面に入射すると表面が帯電して
損傷発生の原因となりうる。また、入射粒子のエネルギ
ーや軌道制御が難しくなる。したがつて、活性粒子のう
ち特に電気的に中性な活性粒子(中性活性粒子と呼ぶ)
は実用的価値のあるものである。
(原子・分子のこと)も、正または負にイオン化した粒
子もどちらも含むものとする。ただし、イオン化した粒
子が電気的に絶縁物の表面に入射すると表面が帯電して
損傷発生の原因となりうる。また、入射粒子のエネルギ
ーや軌道制御が難しくなる。したがつて、活性粒子のう
ち特に電気的に中性な活性粒子(中性活性粒子と呼ぶ)
は実用的価値のあるものである。
活性粒子を試料表面に供給するためには、第3図
(a)に示すように、等方的な速度分布をしている活性
粒子集団を用いる方法と、第3図(b)に示すように非
等方的な速度分布をしている活性粒子集団(以下、活性
粒子ビームと記す)を用いる方法がある。図においてP
*は活性粒子を表わす。一般に表面処理では試料表面に
対して非等方的な処理(例えば、非等方エツチング)が
要求されることが多く、活性粒子ビームを用いるのが得
策である。また、活性粒子ビームを用いることによつて
プロセスの制御性が向上する。
(a)に示すように、等方的な速度分布をしている活性
粒子集団を用いる方法と、第3図(b)に示すように非
等方的な速度分布をしている活性粒子集団(以下、活性
粒子ビームと記す)を用いる方法がある。図においてP
*は活性粒子を表わす。一般に表面処理では試料表面に
対して非等方的な処理(例えば、非等方エツチング)が
要求されることが多く、活性粒子ビームを用いるのが得
策である。また、活性粒子ビームを用いることによつて
プロセスの制御性が向上する。
本発明は、上記の考え方にもとづき、全エネルギーが
0.01〜100eVの範囲に有る活性粒子から構成される活性
粒子ビームを表面処理手段の少なくとも一部として用い
た表面処理方法、およびこれらの方法を実現可能にした
表面処理装置に特徴がある。
0.01〜100eVの範囲に有る活性粒子から構成される活性
粒子ビームを表面処理手段の少なくとも一部として用い
た表面処理方法、およびこれらの方法を実現可能にした
表面処理装置に特徴がある。
本発明の要旨は、以下の2点にある。
(1)互いに質量の異なる第1の粒子及び第2の粒子を
含むガスを加熱し、加熱した前記ガスを処理室内に噴出
させることにより前記第2の粒子の並進エネルギを所望
の値に設定し、前記所望の値の並進エネルギを有する前
記第2の粒子を被処理物表面に入射させることを特徴と
する表面処理方法。
含むガスを加熱し、加熱した前記ガスを処理室内に噴出
させることにより前記第2の粒子の並進エネルギを所望
の値に設定し、前記所望の値の並進エネルギを有する前
記第2の粒子を被処理物表面に入射させることを特徴と
する表面処理方法。
(2)その内部に被処理物を収容するための処理室と、 互いに質量の異なる第1の粒子及び第2の粒子を含む
ガスを加熱して前記第2の粒子の並進エネルギを所望の
値に設定する手段と、 加熱した前記ガスを前記処理室内に噴出させて前記所
望の値の並進エネルギを有する前記第2の粒子を前記被
処理物表面に入射させる手段とを有することを特徴とす
る表面処理装置。
ガスを加熱して前記第2の粒子の並進エネルギを所望の
値に設定する手段と、 加熱した前記ガスを前記処理室内に噴出させて前記所
望の値の並進エネルギを有する前記第2の粒子を前記被
処理物表面に入射させる手段とを有することを特徴とす
る表面処理装置。
本発明では、全エネルギーが0.01〜100eVの活性粒子
を用いているために無損傷(または極低損傷)の表面処
理が可能である。また、活性粒子を非等方的なビームと
して表面に供給するために、方向性の有る表面処理が可
能となる。
を用いているために無損傷(または極低損傷)の表面処
理が可能である。また、活性粒子を非等方的なビームと
して表面に供給するために、方向性の有る表面処理が可
能となる。
本発明の一実施例を第1図に示す。実施例は、活性粒
子ビーム発生手段1,コリメータ2,試料3,試料台4より構
成されている。コリメータ2と、試料3,試料台4は真空
室5の中に設置されている。活性粒子ビーム発生手段は
活性粒子ビームを発生させるための手段である。コルメ
ータ2は、これを通過させることによつてビームを形成
する活性粒子の速度分布をさらに一方向に揃えるための
ものである。コリメータは、例えばビーム通過方向に貫
通した無数の細孔から構成することができる。細孔の壁
に衝突した活性粒子はエネルギーを失つて活性粒子でな
くなるために、コリメータ通過後の活性粒子の飛行方向
はさらに揃つたものとなる。細孔を構成する壁を冷却す
ることによつてコリメータの働きをさらに向上させるこ
とができる。試料台には試料温度制御機能を持たせ、処
理中の試料温度を室温(約20℃)以下、室温程度、室温
以上と必要に応じて制御することも可能である。また、
大面積の試料を処理する場合(または、複数の試料を処
理する場合)は、試料台4と試料3をビームに対して相
対的に駆動させることによつて、一様性の良い処理が可
能となる。
子ビーム発生手段1,コリメータ2,試料3,試料台4より構
成されている。コリメータ2と、試料3,試料台4は真空
室5の中に設置されている。活性粒子ビーム発生手段は
活性粒子ビームを発生させるための手段である。コルメ
ータ2は、これを通過させることによつてビームを形成
する活性粒子の速度分布をさらに一方向に揃えるための
ものである。コリメータは、例えばビーム通過方向に貫
通した無数の細孔から構成することができる。細孔の壁
に衝突した活性粒子はエネルギーを失つて活性粒子でな
くなるために、コリメータ通過後の活性粒子の飛行方向
はさらに揃つたものとなる。細孔を構成する壁を冷却す
ることによつてコリメータの働きをさらに向上させるこ
とができる。試料台には試料温度制御機能を持たせ、処
理中の試料温度を室温(約20℃)以下、室温程度、室温
以上と必要に応じて制御することも可能である。また、
大面積の試料を処理する場合(または、複数の試料を処
理する場合)は、試料台4と試料3をビームに対して相
対的に駆動させることによつて、一様性の良い処理が可
能となる。
第4図に活性粒子ビーム発生手段の一実施例を示して
ある。実施例は、ガス導入バルブ6,炉7,加熱手段8,細孔
9より構成されている。本実施例の活性粒子ビーム発生
手段を加熱炉方式と呼ぶことにする。ガス導入バルブ6
によつて炉7内に導入された原子・分子(以下Pと記
す)は、加熱手段8によつて必要な温度に加熱され、一
部が活性粒子(以下P*と記す)となる。Pが分子のと
き、P*の分子構造はPと同じ場合も有るし、Pが分解
してP*を形成する場合も有る。加熱手段としては、電
気的な抵抗加熱,赤外線ランプによる加熱,RF加熱等が
使用可能である。活性粒子は単数、または複数の細孔9
から真空室5内に噴出することによつて活性粒子ビーム
となる。場合によつては、ガスを加熱することなく細孔
9を通して真空室5内に噴出するだけで活性粒子ビーム
となることが有る。この場合は、加熱手段8は不要とな
る。
ある。実施例は、ガス導入バルブ6,炉7,加熱手段8,細孔
9より構成されている。本実施例の活性粒子ビーム発生
手段を加熱炉方式と呼ぶことにする。ガス導入バルブ6
によつて炉7内に導入された原子・分子(以下Pと記
す)は、加熱手段8によつて必要な温度に加熱され、一
部が活性粒子(以下P*と記す)となる。Pが分子のと
き、P*の分子構造はPと同じ場合も有るし、Pが分解
してP*を形成する場合も有る。加熱手段としては、電
気的な抵抗加熱,赤外線ランプによる加熱,RF加熱等が
使用可能である。活性粒子は単数、または複数の細孔9
から真空室5内に噴出することによつて活性粒子ビーム
となる。場合によつては、ガスを加熱することなく細孔
9を通して真空室5内に噴出するだけで活性粒子ビーム
となることが有る。この場合は、加熱手段8は不要とな
る。
第5図に活性粒子ビーム発生手段の別の実施例を示し
てある。この方法は、光を用いて原子・分子の持つ各エ
ネルギー準位を直接に励起する方法である。例えば、X
線によつて内殻の電子準位を、紫外・可視光によつて電
子準位を、赤外光によつて振動準位を、マイクロ波によ
つて回転準位を励起することができる。図において、ガ
スの原子・分子がガス導入バルブを介してガス溜め10内
に導入される。ガス溜め10の中の原子・分子の一部は、
光源11で発生され、レンズ12で集光され、光透過窓13を
介して導入された光によつて励起され活性粒子となる。
光源としては、レーザーまたは通常光ランプのどちらを
用いてもよい。活性粒子は細孔9を通つて真空室5中に
噴出することによつて活性粒子ビームとなる。ガイド管
14は、活性粒子ビームの飛行方向を揃える働きをするも
のである。ガイド管14としては、例えばガス流体分野で
よく用いられるド・ラバール管を用いることができる。
ガス溜め10の内壁を反射鏡面にするかまたはガス溜め10
内に反射鏡を設けることによつて、光をガス溜1内で多
重反射させることによつて、原子・分子を活性粒子にす
る効率を大きくすることができる。
てある。この方法は、光を用いて原子・分子の持つ各エ
ネルギー準位を直接に励起する方法である。例えば、X
線によつて内殻の電子準位を、紫外・可視光によつて電
子準位を、赤外光によつて振動準位を、マイクロ波によ
つて回転準位を励起することができる。図において、ガ
スの原子・分子がガス導入バルブを介してガス溜め10内
に導入される。ガス溜め10の中の原子・分子の一部は、
光源11で発生され、レンズ12で集光され、光透過窓13を
介して導入された光によつて励起され活性粒子となる。
光源としては、レーザーまたは通常光ランプのどちらを
用いてもよい。活性粒子は細孔9を通つて真空室5中に
噴出することによつて活性粒子ビームとなる。ガイド管
14は、活性粒子ビームの飛行方向を揃える働きをするも
のである。ガイド管14としては、例えばガス流体分野で
よく用いられるド・ラバール管を用いることができる。
ガス溜め10の内壁を反射鏡面にするかまたはガス溜め10
内に反射鏡を設けることによつて、光をガス溜1内で多
重反射させることによつて、原子・分子を活性粒子にす
る効率を大きくすることができる。
第6図には、2種類以上(本図では2種類で示してあ
る。)のガスP1,P2を導入することによつて所望するガ
スの活性粒子(本実施例の説明ではP*2)の並進エネ
ルギーEtを他のエネルギー(Er,Ev,Ee)とは独立に制御
する実施例を示してある。装置の構成,働きは第4部の
実施例と同じである。本実施例をシーデイング(seedin
g)法と呼ぶことにする。本実施例ではガスP1の流量Q1
がガスP2の流量Q2より十分大きいとする。例えば、Q1=
aQ2としてa>10とする。ただし、必ずしもa>10であ
る必要はなく場合によつて異なる。P1を母体ガスP2をシ
ーデイングガスと呼ぶ。この場合、P*1の並進エネル
ギーEt1は炉の加熱温度Tfによつて定まり、 u1=(2γCkTf/m1(γC−1)1/2 k:ボルシマン定数 m1:粒子P1の質量 となる。γCは定圧比熱と定積比熱の比であり、γC=
(f+2)/fとなる。fは、ガス噴出時に粒子がエネル
ギーを失う自由度の数である。γC=5/3〜1の範囲に
有る。この時、活性粒子P*2の並進エネルギーEt2は となる。m2は粒子P2の質量である。即ち、炉温度Tfを一
定にしたままでも、m2/m1の値を変えることによつて、
即ちガスP1の種類を変えることによつて、Et2を制御す
ることが可能となる。一般に他のエネルギー特に振動エ
ネルギーEvは炉温度Tfによつて決定されるから、シーデ
イング法によつて、シーデイングガスP2から形成される
活性粒子P2*の並進エネルギーと振動エネルギーを互い
に独立に制御することが可能となる。母体ガスP1として
は、化学的に不活性なガス、例えば、He,Ne,Ar,Kr,Xe,R
n等の希ガスを用いるのが望ましい場合が多い。
る。)のガスP1,P2を導入することによつて所望するガ
スの活性粒子(本実施例の説明ではP*2)の並進エネ
ルギーEtを他のエネルギー(Er,Ev,Ee)とは独立に制御
する実施例を示してある。装置の構成,働きは第4部の
実施例と同じである。本実施例をシーデイング(seedin
g)法と呼ぶことにする。本実施例ではガスP1の流量Q1
がガスP2の流量Q2より十分大きいとする。例えば、Q1=
aQ2としてa>10とする。ただし、必ずしもa>10であ
る必要はなく場合によつて異なる。P1を母体ガスP2をシ
ーデイングガスと呼ぶ。この場合、P*1の並進エネル
ギーEt1は炉の加熱温度Tfによつて定まり、 u1=(2γCkTf/m1(γC−1)1/2 k:ボルシマン定数 m1:粒子P1の質量 となる。γCは定圧比熱と定積比熱の比であり、γC=
(f+2)/fとなる。fは、ガス噴出時に粒子がエネル
ギーを失う自由度の数である。γC=5/3〜1の範囲に
有る。この時、活性粒子P*2の並進エネルギーEt2は となる。m2は粒子P2の質量である。即ち、炉温度Tfを一
定にしたままでも、m2/m1の値を変えることによつて、
即ちガスP1の種類を変えることによつて、Et2を制御す
ることが可能となる。一般に他のエネルギー特に振動エ
ネルギーEvは炉温度Tfによつて決定されるから、シーデ
イング法によつて、シーデイングガスP2から形成される
活性粒子P2*の並進エネルギーと振動エネルギーを互い
に独立に制御することが可能となる。母体ガスP1として
は、化学的に不活性なガス、例えば、He,Ne,Ar,Kr,Xe,R
n等の希ガスを用いるのが望ましい場合が多い。
第7図には、活性粒子(P*)ビームによつてアンダ
ーカツトのない垂直エツチングが実現できる様子を示し
てある。例えば、Si基板をエツチングするためには、P
*を形成するための導入ガスとしては、F2,Cl2,Br2,FC
l,SF6,NF3,CCl4,CnFm,CnClm、等のハロゲン元素を含む
分子ガスが用いられる。この結果、導入ガス分子が分解
せずに励起されたり、分解,励起されて活性粒子P*の
ビームを形成する。以下、例えば活性粒子として塩素分
子の活性粒子Cl2*を用いる場合について述べる。Cl2*
がSi表面に入射すると、その一部は化学反応 Si+2Cl2*→SiCl4 によつて、SiCl4を形成する。SiCl4の蒸気圧は高いため
に表面から蒸発してSi表面をエツチングする。反応生成
物としては、SiCl4の他にSiCln(n≦3)の場合も有
る。反応しなかつたCl2*はSi表面から脱離するが、こ
の時もつているエネルギーの一部を失い化学反応性を失
つてしまう。この結果、脱離したCl2分子がエツチング
途中のパターン側壁に入射してもそこをエツチングする
ことはない。この結果、マスクパターンがビーム入射方
向に転写され、マスクパターンに忠実に微細加工が行わ
れる。本実施例では、Si基板のエツチングについて説明
したが、他の材料例えばGaAs,InPのような半導体、W,M
o,Al,Ta,Ni,Ti、のような金属およびそれらのシリサイ
ド、Si3N4,SiO2のような絶縁物等の材料に関しても導入
ガスを選択することによつて同様の原理で垂直エツチン
グができる。
ーカツトのない垂直エツチングが実現できる様子を示し
てある。例えば、Si基板をエツチングするためには、P
*を形成するための導入ガスとしては、F2,Cl2,Br2,FC
l,SF6,NF3,CCl4,CnFm,CnClm、等のハロゲン元素を含む
分子ガスが用いられる。この結果、導入ガス分子が分解
せずに励起されたり、分解,励起されて活性粒子P*の
ビームを形成する。以下、例えば活性粒子として塩素分
子の活性粒子Cl2*を用いる場合について述べる。Cl2*
がSi表面に入射すると、その一部は化学反応 Si+2Cl2*→SiCl4 によつて、SiCl4を形成する。SiCl4の蒸気圧は高いため
に表面から蒸発してSi表面をエツチングする。反応生成
物としては、SiCl4の他にSiCln(n≦3)の場合も有
る。反応しなかつたCl2*はSi表面から脱離するが、こ
の時もつているエネルギーの一部を失い化学反応性を失
つてしまう。この結果、脱離したCl2分子がエツチング
途中のパターン側壁に入射してもそこをエツチングする
ことはない。この結果、マスクパターンがビーム入射方
向に転写され、マスクパターンに忠実に微細加工が行わ
れる。本実施例では、Si基板のエツチングについて説明
したが、他の材料例えばGaAs,InPのような半導体、W,M
o,Al,Ta,Ni,Ti、のような金属およびそれらのシリサイ
ド、Si3N4,SiO2のような絶縁物等の材料に関しても導入
ガスを選択することによつて同様の原理で垂直エツチン
グができる。
第8図に活性粒子ビームを用いて表面改質をする実施
例を示してある。図には、酸素分子の活性粒子(O2*)
ビームを用いた酸化の例を示してある。例えば試料とし
てSiを用いれば、入射する活性粒子O2*が反応 Si+O2*→SiO2 によつてSiO2を形成して表面の酸化が行われる。試料と
してSi以外の物質、例えばGaAs,InP等の半導体や、W,M
o,Al,Ti,Ta,Ni,Pbのような金属等を用いても同様に酸化
をすることができる。また、酸化ばかりでなく、例えば
N2*用いれば窒化が同様に行えるし、他の表面改質への
発展も可能である。本方式の表面改質の特徴は、イオン
や電子を用いないために、表面損傷のない表面改質が低
温で行えることである。
例を示してある。図には、酸素分子の活性粒子(O2*)
ビームを用いた酸化の例を示してある。例えば試料とし
てSiを用いれば、入射する活性粒子O2*が反応 Si+O2*→SiO2 によつてSiO2を形成して表面の酸化が行われる。試料と
してSi以外の物質、例えばGaAs,InP等の半導体や、W,M
o,Al,Ti,Ta,Ni,Pbのような金属等を用いても同様に酸化
をすることができる。また、酸化ばかりでなく、例えば
N2*用いれば窒化が同様に行えるし、他の表面改質への
発展も可能である。本方式の表面改質の特徴は、イオン
や電子を用いないために、表面損傷のない表面改質が低
温で行えることである。
第9図には、試料表面にSiO2膜を堆積する実施例を示
してある。試料3の表面に、酸素の活性粒子ビーム(O2
*ビーム)とSiの原子が入射するようになつている。入
射したO2*とSiが O2*+Si→SiO2 の反応をして表面にSiO2を堆積させる。この方法を第8
図の実施例を比べた時の特徴は、第8図の方法では改質
層の厚みを厚くすることは困難であるが本方法では任意
の厚みのSiO2膜を容易に形成できることである。本実施
例ではSiO2膜の堆積について示したが、O2*のかわりに
N2*を用いることによつてSiの窒化膜(Si3N4)の堆積
を行うことができる。また、Si原子のかわりに他の材料
を入射させれば、それらの酸化膜,窒化膜の堆積を行う
ことができる。
してある。試料3の表面に、酸素の活性粒子ビーム(O2
*ビーム)とSiの原子が入射するようになつている。入
射したO2*とSiが O2*+Si→SiO2 の反応をして表面にSiO2を堆積させる。この方法を第8
図の実施例を比べた時の特徴は、第8図の方法では改質
層の厚みを厚くすることは困難であるが本方法では任意
の厚みのSiO2膜を容易に形成できることである。本実施
例ではSiO2膜の堆積について示したが、O2*のかわりに
N2*を用いることによつてSiの窒化膜(Si3N4)の堆積
を行うことができる。また、Si原子のかわりに他の材料
を入射させれば、それらの酸化膜,窒化膜の堆積を行う
ことができる。
第10図に別の膜堆積の実施例を示してある。本方法
は、表面に入射した活性粒子そのものが分解または反応
をして膜を堆積させる方法である。図には活性粒子CH4
*のビームを用いて炭素Cを成分とする物質(グラフア
イト,ダイヤモンド,多結晶カーボン,炭化水素)の膜
を堆積する方法を示してある。CH4*が表面に入射する
と自分の持つているエネルギーのために分解して、Cま
たはCHn(n≦3)を形成して、表面に炭素または炭化
水素を構成成分とする膜を堆積させる。他の原子・分子
の活性粒子を入射させれば、他の膜の堆積も同様の方法
で可能である。
は、表面に入射した活性粒子そのものが分解または反応
をして膜を堆積させる方法である。図には活性粒子CH4
*のビームを用いて炭素Cを成分とする物質(グラフア
イト,ダイヤモンド,多結晶カーボン,炭化水素)の膜
を堆積する方法を示してある。CH4*が表面に入射する
と自分の持つているエネルギーのために分解して、Cま
たはCHn(n≦3)を形成して、表面に炭素または炭化
水素を構成成分とする膜を堆積させる。他の原子・分子
の活性粒子を入射させれば、他の膜の堆積も同様の方法
で可能である。
第11図に、第7図とは別の方法のエツチング方法が示
してある。この方法は、エツチング反応に必要なエネル
ギーは活性粒子ビームのエネルギーとして供給し、反応
に必要な物質は別に供給する方法である。この方法を活
性粒子ビームによるアシストエツチングと呼ぶ。図に
は、活性粒子ビームとしてAr*ビームを用い、反応物質
供給ガスとしてF2ガスを用いる方法が示してある。F2は
等方的な速度分布のガスとして供給しても良いし、非等
方的な速度分布のビームとして供給しても良い。試料3
としてSiを用いると、 Si+2F2+Ar*→SiF4+Ar の反応によつて蒸気圧の高い反応生成物SiF4が形成され
て脱離することによつてエツチングされる。この時、Ar
*のエネルギーが、反応の活性化エネルギーとして用い
られる。本実施例ではSi試料の場合について述べたが、
第7図の実施例で述べたような他の試料材料についても
同様のエツチングが出来る。また、反応物質供給ガスと
して他のガス例えば、Cl2,Br2,FCl,SF6,NF3等のハロゲ
ン元素を含むガスを用いることができる。また、活性粒
子のビームとしては、Ar*ビームの他に、他の希ガスの
活性粒子ビームや、他の化学的に安定な分子(例えばCO
2)の活性粒子ビームを用いることもできる。
してある。この方法は、エツチング反応に必要なエネル
ギーは活性粒子ビームのエネルギーとして供給し、反応
に必要な物質は別に供給する方法である。この方法を活
性粒子ビームによるアシストエツチングと呼ぶ。図に
は、活性粒子ビームとしてAr*ビームを用い、反応物質
供給ガスとしてF2ガスを用いる方法が示してある。F2は
等方的な速度分布のガスとして供給しても良いし、非等
方的な速度分布のビームとして供給しても良い。試料3
としてSiを用いると、 Si+2F2+Ar*→SiF4+Ar の反応によつて蒸気圧の高い反応生成物SiF4が形成され
て脱離することによつてエツチングされる。この時、Ar
*のエネルギーが、反応の活性化エネルギーとして用い
られる。本実施例ではSi試料の場合について述べたが、
第7図の実施例で述べたような他の試料材料についても
同様のエツチングが出来る。また、反応物質供給ガスと
して他のガス例えば、Cl2,Br2,FCl,SF6,NF3等のハロゲ
ン元素を含むガスを用いることができる。また、活性粒
子のビームとしては、Ar*ビームの他に、他の希ガスの
活性粒子ビームや、他の化学的に安定な分子(例えばCO
2)の活性粒子ビームを用いることもできる。
第12図に本発明の別の実施例が示されている。本実施
例では、結晶のエピタキシーを低温で行なう方法が示さ
れている。以下、Si(シリコン)のエピタキシーについ
て説明するが他の結晶のエピタキシーにも同様の方法が
適用可能である。装置は、活性粒子ビーム発生手段1,Si
ビーム発生手段15,試料3,試料台4および真空室5から
構成されている。活性粒子ビーム発生手段1の活性粒子
としてはSiを適当な速さでエツチングする活性分子、た
とえばSF6*を用いる。また、試料台4には適当な加熱
手段が具備されているとする。Siビーム発生手段15から
飛来したSi原子またはSi分子(Sin)は試料3の表面に
付着して結晶を成長させる。第13図には、Si結晶の成長
過程が模式的に示してある。結晶側と表示したのは既に
正しいSi結晶が形成された部分を示し、最表面層と表示
したのはSi結晶が形成されている部分を示す。表面に飛
来したSi原子の一部は第13図のSiAのように正しい結晶
位置(正位置)に付着し、一部はSiBのように正しくな
い結晶位置(不正位置)に付着する。このままの状態で
付着過程が進行すると、結晶は単結晶でなく、多結晶と
して成長してしまう。本実施例の方法は、活性粒子(SF
6*)ビームを用いて不正位置のSi原子(SiB)のみを除
去(エツチング)し、正位置のSi原子(SiA)のみによ
る単結晶成長を可能にさせるものである。このような、
付着位置による選択エツチングが可能なことは次のよう
に説明される。即ち、不正位置のSi原子と結晶側Siとの
結晶エネルギーは、正位置のSi原子と結晶側Siとの結合
エネルギーよりも小さい。したがつて、活性粒子SF6*
のエネルギーを適当に選ぶことによつて、SiBのみを選
択的にエツチングすることが可能となる。
例では、結晶のエピタキシーを低温で行なう方法が示さ
れている。以下、Si(シリコン)のエピタキシーについ
て説明するが他の結晶のエピタキシーにも同様の方法が
適用可能である。装置は、活性粒子ビーム発生手段1,Si
ビーム発生手段15,試料3,試料台4および真空室5から
構成されている。活性粒子ビーム発生手段1の活性粒子
としてはSiを適当な速さでエツチングする活性分子、た
とえばSF6*を用いる。また、試料台4には適当な加熱
手段が具備されているとする。Siビーム発生手段15から
飛来したSi原子またはSi分子(Sin)は試料3の表面に
付着して結晶を成長させる。第13図には、Si結晶の成長
過程が模式的に示してある。結晶側と表示したのは既に
正しいSi結晶が形成された部分を示し、最表面層と表示
したのはSi結晶が形成されている部分を示す。表面に飛
来したSi原子の一部は第13図のSiAのように正しい結晶
位置(正位置)に付着し、一部はSiBのように正しくな
い結晶位置(不正位置)に付着する。このままの状態で
付着過程が進行すると、結晶は単結晶でなく、多結晶と
して成長してしまう。本実施例の方法は、活性粒子(SF
6*)ビームを用いて不正位置のSi原子(SiB)のみを除
去(エツチング)し、正位置のSi原子(SiA)のみによ
る単結晶成長を可能にさせるものである。このような、
付着位置による選択エツチングが可能なことは次のよう
に説明される。即ち、不正位置のSi原子と結晶側Siとの
結晶エネルギーは、正位置のSi原子と結晶側Siとの結合
エネルギーよりも小さい。したがつて、活性粒子SF6*
のエネルギーを適当に選ぶことによつて、SiBのみを選
択的にエツチングすることが可能となる。
従来のSiエピタキシー(たとえば、分子ビームエピタ
キシー(MBE))では、試料を高温(600〜800℃)に加
熱して不正位置のSi原子を熱運動で正位置に移行させる
ことによつて単結晶成長を実現させていた。しかし、こ
の方法では処理温度が高過ぎて適用範囲が極めて限定さ
れていた。本実施例の方法を用いれば低温度での単結晶
成長が可能となり、適用範囲が広くなる。特に将来の3
次元素子プロセスには極めて有効である。本実施例では
エピタキシー(単結晶成長)について述べたが、SF6*
のエネルギーの大きさを適当に選ぶことによつて、適度
な大きさの粒度を持つた多結晶膜を成長させることも可
能である。この場合はデポジシヨン技術となる。また、
本実施例ではSF6*ビームを用いた例を示したが、他の
活性粒子ビーム、特にハロゲン元素を含む原子・分子の
活性粒子ビームを用いることもできる。
キシー(MBE))では、試料を高温(600〜800℃)に加
熱して不正位置のSi原子を熱運動で正位置に移行させる
ことによつて単結晶成長を実現させていた。しかし、こ
の方法では処理温度が高過ぎて適用範囲が極めて限定さ
れていた。本実施例の方法を用いれば低温度での単結晶
成長が可能となり、適用範囲が広くなる。特に将来の3
次元素子プロセスには極めて有効である。本実施例では
エピタキシー(単結晶成長)について述べたが、SF6*
のエネルギーの大きさを適当に選ぶことによつて、適度
な大きさの粒度を持つた多結晶膜を成長させることも可
能である。この場合はデポジシヨン技術となる。また、
本実施例ではSF6*ビームを用いた例を示したが、他の
活性粒子ビーム、特にハロゲン元素を含む原子・分子の
活性粒子ビームを用いることもできる。
本発明によれば、低エネルギーの活性粒子ビームを用
いるため、表面損傷が極めて少ない、かつ方向性の有る
表面処理が可能となる。本発明は、特に、半導体プロセ
スに最適である。
いるため、表面損傷が極めて少ない、かつ方向性の有る
表面処理が可能となる。本発明は、特に、半導体プロセ
スに最適である。
第1図,第4図,第5図,第6図,第8図,第9図,第
10図,第11図及び第12図は、本発明の実施例をそれぞれ
示す断面図、第2図は各種エネルギーの大きさを示す説
明図、第3図はビームを説明する説明図、第7図は本発
明によるエツチングを示す説明図、第13図はエピタキシ
ーの過程を示す説明図である。 1……活性粒子ビーム発生手段、2……コリメータ、3
……試料、4……試料台、5……真空室、6……ガス導
入バルブ、7……炉、8……加熱手段、9……細孔、10
……ガス溜め、11……光源、12……レンズ、13……光透
過窓、14……ガイド管、15……Siビーム発生手段。
10図,第11図及び第12図は、本発明の実施例をそれぞれ
示す断面図、第2図は各種エネルギーの大きさを示す説
明図、第3図はビームを説明する説明図、第7図は本発
明によるエツチングを示す説明図、第13図はエピタキシ
ーの過程を示す説明図である。 1……活性粒子ビーム発生手段、2……コリメータ、3
……試料、4……試料台、5……真空室、6……ガス導
入バルブ、7……炉、8……加熱手段、9……細孔、10
……ガス溜め、11……光源、12……レンズ、13……光透
過窓、14……ガイド管、15……Siビーム発生手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西松 茂 国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式 会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 Journal of Chemic s Physics.84(8).15 A pnil 1986”On the vol e of vibrational e nengy in the activ ated dissociative chemisovption of m ethane on tungsten and rhodium”,PP. 4163−4167
Claims (2)
- 【請求項1】第1の粒子を含む第1のガスと、前記第1
の粒子とは質量の異なる第2の粒子を含む第2のガスと
を炉内へ導入する工程と、前記第1のガスと前記第2の
ガスとを加熱する工程と、前記加熱したガスを前記炉内
から処理室内に噴出させることにより前記第2の粒子の
並進エネルギーを所望の値に設定し、前記所望の値のエ
ネルギーを有する前記第2の粒子を、前記処理室内に載
置された被処理物表面に入射させることを特徴とする表
面処理方法。 - 【請求項2】前記第2の粒子の並進エネルギを0.01eV以
上100eV以下の所望の値に設定することを特徴とする特
許請求の範囲第1項記載の表面処理方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62139724A JP2585272B2 (ja) | 1987-06-05 | 1987-06-05 | 表面処理方法 |
KR1019880006284A KR960016218B1 (ko) | 1987-06-05 | 1988-05-28 | 표면처리방법 및 그 장치 |
EP88108815A EP0293879B1 (en) | 1987-06-05 | 1988-06-01 | Surface treatment method and apparatus |
DE8888108815T DE3876145T2 (de) | 1987-06-05 | 1988-06-01 | Verfahren und vorrichtung zur oberflaechenbehandlung. |
US07/511,946 US5108778A (en) | 1987-06-05 | 1990-04-16 | Surface treatment method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62139724A JP2585272B2 (ja) | 1987-06-05 | 1987-06-05 | 表面処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63304626A JPS63304626A (ja) | 1988-12-12 |
JP2585272B2 true JP2585272B2 (ja) | 1997-02-26 |
Family
ID=15251918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62139724A Expired - Lifetime JP2585272B2 (ja) | 1987-06-05 | 1987-06-05 | 表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2585272B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60126823A (ja) * | 1983-12-13 | 1985-07-06 | Fujitsu Ltd | プラズマ気相成長装置 |
JPS61113775A (ja) * | 1984-11-07 | 1986-05-31 | Hitachi Ltd | 表面処理方法 |
JPH0682642B2 (ja) * | 1985-08-09 | 1994-10-19 | 株式会社日立製作所 | 表面処理装置 |
JPS62108525A (ja) * | 1985-11-06 | 1987-05-19 | Hitachi Ltd | 表面処理方法およびその装置 |
-
1987
- 1987-06-05 JP JP62139724A patent/JP2585272B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Journal of Chemics Physics.84(8).15 Apnil 1986"On the vole of vibrational enengy in the activated dissociative chemisovption of methane on tungsten and rhodium",PP.4163−4167 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63304626A (ja) | 1988-12-12 |
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