JP2584884Y2 - 金庫状筺体の扉 - Google Patents

金庫状筺体の扉

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JP2584884Y2
JP2584884Y2 JP827593U JP827593U JP2584884Y2 JP 2584884 Y2 JP2584884 Y2 JP 2584884Y2 JP 827593 U JP827593 U JP 827593U JP 827593 U JP827593 U JP 827593U JP 2584884 Y2 JP2584884 Y2 JP 2584884Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば、専用の貸金庫
室を有しない金融機関において、内部に多数の貸金庫ボ
ックスを収容して金庫室の代わりに使用するようにした
金庫状筺体の扉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に耐火性や防盗性などの必要な機能
が付与された金庫や書庫等の筺体に取付けられる扉は、
扉自体にも筺体と同様の機能が付与されているため、扉
自体も相当に大きな重量がある。
【0003】従って、重量が大きな前記筺体の扉は、筺
体に対してヒンジで支持された片開き又は観音開きの扉
か、或は、筺体の開口に対して真横又は手前(又は前
後)にスライドさせて開閉する形式の扉が用いられるこ
とが多い。
【0004】しかし、このような大型の据置形金庫状の
筺体を、例えば貸金庫室に代えて使用する場合、内部の
各貸金庫ボックスを利用する度に金庫状筺体の扉を開閉
することは煩しいのみならず、開閉のたびに大きな労力
を必要とするという難点がある。
【0005】このような難点を避けるため、営業時間内
は扉を開けたままにしておくことが行われているが、開
けられた扉が囲りの空間を占めるため歩行の邪魔になっ
たり、目障りになるという問題がある。
【0006】この点に鑑み、金庫状筺体の扉を、当該筺
体の側壁面に平行な姿勢にして収納できるように構成し
たものがある。これは、図3に例示するように、扉用の
3個のヒンジHの軸Sを共通軸に形成するため、この軸
Sを筺体の側壁SPの外面において当該側壁の高さと同
程度の長さに形成すると共に、この軸Sの上,下部を側
壁の外面側の上,下に設けたガイドレールGLやラック
GRに、ころがり輪PUやピニオン輪PNを介して支持
案内させると共に、前記軸Sにかかる扉の荷重を当該軸
Sの下端の軸台座SBにおいて、床上に載置されるスラ
イドレールSLに跨装したスライダSDに支持させる構
造である。
【0007】しかし、この構造では、重量の大きな扉を
3個のヒンジHによって通し軸Sの上で開閉自在に支持
すると同時に、開けられた扉を側壁SPに沿ってスライ
ドさせる必要があるため、扉の支持構造が相当複雑な構
造,外観にならざるを得ず、従って、製造コストも相当
高価につくのみならず、組立工数の多さや重量が大きく
なりすぎるといった問題がある。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】このような点に鑑み本
考案は、据置型の大型金庫状の筺体に取付けられる扉で
あって、通常のヒンジによって開閉自在に支持できる構
造にすると共に、開けられた状態で前記筺体の側面にス
ライド可能な扉を、従来品に比べ簡潔な支持構造でしか
も軽快な動作が可能な構造にしたものを提供すること
を、課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本考案の構成は、前面が開口した
ほぼ金庫状をなす筺体における側壁外面側にスライド自
在のスライダを具備した水平なガイドレールを取付け、
前記スライダに前記筺体の開口に対する扉をヒンジを介
し開閉可能に支持した角パイプ等による支柱部材を取付
けて成り、前記支柱部材が前記ガイドレールの前端に位
置するとき前記扉が筺体の開口に対して開閉自在である
と共に、この位置で当該扉が前記側壁に平行に開けられ
たとき、前記支柱部材と一体にガイドレールに沿ってス
ライド可能にしたことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】筺体の側壁外面に設けた水平ガイドレールに架
装されているスライダに取付けて立設した支柱部材に、
筺体の扉をヒンジを介して取付けたので、開閉自在かつ
スライドの自在の扉の支持構造が簡潔なものとなる。殊
に、スライダをスライド自在に架装して具備した水平ガ
イドレールは、リニアスライド機構等と称される工作機
械等の機械パーツとして市販されているものが使用でき
るので、本考案扉の重量低減,構造の簡素化、或は、製
造コストの低減に寄与する。
【0011】
【実施例】次に本考案の実施例の一例を図に拠り説明す
る。図1は本考案扉を装着する金庫状筺体の要部の斜視
図、図2は本考案における扉の取付構造の一例を示すた
め筺体の左半側を省略した平断面図、図3は従来の扉取
付構造の一例の要部をを示す正面図である。
【0012】図1において、1は筺体の底壁、2は天
壁、3は背壁、4,5は左,右の側壁で、各壁1〜5
は、全面を鋼製板で形成した中空二重壁体の内部に、一
般の耐火金庫等における耐熱性,耐火性,耐錐性等の防
御材が充填して形成されている。
【0013】上記の各壁1〜5により形成される筺体
は、予め前面が開口した筺体に組立てられていても良い
が、本考案では、夫々に防御性を付与して形成された各
壁1〜5がそれぞれに例えば100Kg程度をはるかに
超える重量があるため、この筺体を貸金庫室の代わりに
設置する現場において組立てることができるいわゆる現
地ノックダウン構造がとられている。
【0014】現地ノックダウン構造の例としては、組立
てにおいて各壁1〜5の突合せ当接する対向面に、凸条
Tと凹溝Uとを対向形成して各壁1〜5の接合部におけ
る防御性能を確保し、相隣る各壁同士の接合は、この筺
体の内面側においてL字状等をなす鋼性アングル材など
による接合部材Cをボルト止め等によって各壁1〜5の
止めることによって、施工現地において筺体に組立てる
のである。なお、上記凹凸条溝に代えて、各壁の突合せ
当接する対向面に、段部のある面を対向形成し、接合部
における防御性能を確保するようにしてもよい。
【0015】上記のようにして組立てられる筺体におい
て、本考案では筺体の前面開口部に設ける扉を次のよう
にして取付ける構造を採用したので、次にこの点につい
て説明する。
【0016】而して、図2において6は右側の側壁5の
外面において、当該側壁5の上,下部に、筺体の奥行方
向に水平に取付けたガイドレール、7はこのガイドレー
ル6にレールの長さ方向にのみ摺動可能に架装されたス
ライダである。図2には表われないが、左側の側壁4の
外面にも上,下に夫々にスライダ7を架装した2本のガ
イドレール6が取付けられている。上記ガイドレール6
は、扉の重量や側壁4,5の高さなどに応じて1本設け
るもの、或は、3本以上設けることもある。
【0017】上記2本のガイドレール6のスライダ7の
外面(図2の右側外面)には、角パイプやH型鋼などに
より形成した支柱部材8が側壁5の高さ方向に垂直に取
付けられている。この支柱部材8における前記筺体の開
口側の外面(図2の下側の面)には、ヒンジ受9が取付
けられている。図2には表われないが、左側の側壁4の
2本のガイドレール6におけるスライダ7にも、上記支
柱部材8と同様の支柱部材8が取付けられ、該支柱部材
8にはヒンジ受9が設けられている。なお、ガイドレー
ル6が1本の場合、支柱部材8の中間に位置するように
設け、支柱部材8の上,下における側壁4,5の対向面
には、ころがり部材,スベリ子などを設けて支柱部材8
を、その上,下バランスを保持してスライドできるよう
にする。
【0018】本考案において、各壁1〜5により形成さ
れた上記筺体の開口に装設される左右の扉10,11
は、それぞれの扉10,11の外側端面に設けられたヒ
ンジ12において、上記左右の支柱部材8のヒンジ受9
に支持され、筺体の開口に対し開閉自在の観音開きタイ
プの扉として機能するように設けられている。この場合
において、左右の支柱部材8を取付けたスライダ7はガ
イドレール6の前端、つまり筺体の開口側に位置付け
(図2参照)られている。なお、6aはガイドレール6
の前端に対応して側壁4,5に取付けられ、ここでは支
柱部材8に作用するストッパ、12aはヒンジ12の外
面に凸出形成した扉10,11の開き角のストッパで、
このストッパ12aの前面が支柱部材8の前面に当接す
ることにより、扉10,11の開き角を90°に規制す
るためのものである。
【0019】ここで、左,右の扉10,11同士のめし
合せ部、或は、これらの扉10,11の内面外周縁や外
周面と、側壁4,5の前端面や天,底壁2,1の前部側
との間は、一般的な金庫の筺体と扉との関係と同様に、
防盗性,火炎遮断,煙返し等の目的のため凹凸嵌合構造
や熱膨張シール材等のシール材を介在させる構造が採ら
れている。図2においてS は上記嵌合構造、S は上
記シール材構造、S,S は煙返し構造の構成部材であ
る。また、カンヌキLも必要に応じて扉10,11同士
の間、或は、扉10,11と天,底壁2,1との間に、
出没自在に設けられる。なお、前記煙返し部材S は、
その楔形断面形状により万一ヒンジ12が損壊しても、
これによって扉10,11が筺体の開口部から手前側に
倒れたり脱抜することがないようにするための規制部材
としての作用をもたせてある。
【0020】上記の扉10,11は、閉扉状態から90
度開いたとき、即ち、ヒンジ12を中心にして開けて側
壁4,5と平行な向きになったとき、この扉10,11
を側壁4,5の奥行き方向つまりガイドレール6の奥側
に押込むと、当該扉10,11を支持している支柱部材
8がスライダ8の作用によってガイドレール6に沿って
スライドするので、扉10,11は、それぞれ側壁4,
5の外面側に当該側壁4,5に沿った姿勢で位置付ける
ことができる。支柱部材8はガイドレール6の終端まで
スライド移動させる。レール6の終端側にはスライダ7
又は支柱部材8に作用するストッパ(図示せず)が側壁
4,5に設けられているので、スライダ7がレール6か
ら外れることはない。
【0021】上記のようにして開扉状態にした扉10,
11を閉じるときは、両扉10,11をガイドレール6
の手前側に引張り、扉10,11をヒンジ受9とヒンジ
12を介して支持している支柱部材8をガイドレール6
の前端に位置付けることにより、この位置でヒンジ12
を中心にして筺体の開口に対し当該開口を塞ぐように旋
回させて閉扉作動をさせるのである。以上の説明は各壁
1〜5により形成される筺体を貸金庫室に代わる筺体の
例として述べたが、本考案扉が適用できる筺体は、耐火
性,防盗性等の重量の大きな扉を具備する金庫、書庫、
耐火庫等の筺体であってもよいこと勿論である。
【0022】
【考案の効果】本考案は以上の通りであって、きわめて
重量の大きな扉を開扉状態において筺体の側面に側壁と
平行に位置付けるため、筺体の側壁外面にスライダが架
設されたガイドレール、例えば、リニアスライド機構等
と称して市販されているガイド機構を側壁の取付け、こ
の機構のスライダに扉をヒンジを介して旋回開閉作動自
在に支持した支柱部材を取付けることによって、旋回開
閉動作とスライド動作とを行えるようにした扉を設けた
から、従来品に比べ通常構造のヒンジを用いることがで
きる一方でラック・ピニオン等による補助的ガイド機構
が不要となるので扉の支持構造を比較的簡潔な構造とす
ることができ、また、既製の機械部品も使用できること
によって、重量低減を図り、コストを押えた扉構造を容
易に得ることができる。なお、上記ガイドレールとスラ
イダは既製品に限られず別製されたものであっても、上
記と同等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案扉を装着する金庫状筺体の要部の斜視
図。
【図2】本考案における扉の取付構造の一例を示すため
筺体の左半側を省略した平断面図。
【図3】従来の扉取付構造の一例の要部をを示す正面
図。
【符号の説明】
1 底壁 2 天壁 3 背壁 4,5 側壁 6 ガイドレール 7 スライダ 8 支柱部材 10,11 扉 C 接合部材

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面が開口したほぼ金庫状をなす筺体に
    おける側壁外面側にスライド自在のスライダを具備した
    水平なガイドレールを取付け、前記スライダに前記筺体
    の開口に対する扉をヒンジを介し開閉可能に支持した角
    パイプ等による支柱部材を取付けて成り、前記支柱部材
    が前記ガイドレールの前端に位置するとき前記扉が筺体
    の開口に対して開閉自在であると共に、この位置で当該
    扉が前記側壁に平行に開けられたとき、前記支柱部材と
    一体にガイドレールに沿ってスライド可能にしたことを
    特徴とする金庫状筺体の扉。
  2. 【請求項2】 ガイドレールは1本又は2本以上設けた
    請求項1の金庫状筺体の扉。
  3. 【請求項3】 筺体を構成する底壁,天壁,背壁、及
    び、左,右の側壁の各壁は、それぞれの突合せ当接させ
    る部位に設置場所で筺体に組立てできる構造を具備した
    請求項1又は2の金庫状筺体の扉。
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