JP2584631B2 - 酵素性ペル加水分解系および漂白への使用法 - Google Patents

酵素性ペル加水分解系および漂白への使用法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な酵素性ペル加水分解、すなわち活性化
された酸化体系およびこの系を水性溶液中で使用して優
れた漂白を達成する方法に関し、活性化された酸化体系
および漂白法は、詳細に水性溶液中において過酸源の利
用可能な酸素を生成させる能力を特徴とする。ここで,
「酸化体系」なる語は,酵素が触媒として機能する酸化
生成組成物の呼び名であり,具体的には漂白剤組成物を
意味する用語として使用される。ただし,過ホウ酸ナト
リウムなどの過酸素源またはトリグリセリドなどの基質
に関する化学量について使用されるものではない。以
下,同様とする。
[従来の技術] 多種多様な漂白剤が、衣類の洗浄および予備洗浄など
の各種クリーニング用および堅い表面の清掃のようなそ
の他の用途に古くから用いられてきた。これらの用途で
は漂白剤は、衣類、繊維および堅い表面の上のさまざま
な汚れあるいは染みを酸化する。
過酸化水素、過炭酸ナトリウムおよび過ホウ酸ナトリ
ウムのような過酸素漂白剤は、それらの酸化力のゆえに
乾燥漂白配合物に有用であることが認められている。
テトラアセチルエチレンジアミンのような活性剤を含
むある種の有機化合物を過ホウ酸塩漂白剤に添加する
と、その場で過酸が形成されることにより漂白能力を改
良することができることも見出だされている。
ある種の汚れや染みを除くため各種の酵素を用いた、
衣類、繊維および堅い表面を有するその他の材料のクリ
ーニング組成物も開発されてきた。例えば、プロテアー
ゼ酵素は、特に衣類のクリーニングにおいてタンパク質
性の汚れを加水分解するのに有用であることが認められ
ている。アミラーゼ酵素は、例えば食品から生じる炭水
化物性の汚れに有用であることが分かっている。リパー
ゼ酵素も、予備洗浄または予備浸透様式での脂肪性の汚
れを加水分解するのに有用であることが見出だされてい
る。
酵素のクリーニングまたは洗剤組成物での使用に関し
ては、ノボ・インダストリー・エイ/エス(Novo Indus
try A/S)の欧州特許出願公開第0,130,064号明細書に、
洗浄用の洗剤に使用する酵素添加物の改良に関して記載
されている。この明細書では、60℃未満の比較的低温を
も含む広範囲の洗浄温度に亙って、脂肪分解性クリーニ
ング効率を実質的に改良するため、リパーゼ酵素の使用
が記載されている。この文献では更に、リパーゼを包含
する各種酵素を用いて汚れや染みと直接相互作用させ、
脂肪性の汚れを部分的に溶解または解放する手段とする
ことが記載されている。
1976年8月10日発行のウェイン(Weyn)の米国特許第
3,974,082号明細書には、アルキルエステルを水性媒質
中でエステラーゼまたはリパーゼ酵素と結合させ、エス
テラーゼからアシル残基を放出する漂白組成物とその使
用法が開示されている。この特許明細書には、ペル化合
物(Percompound)と組み合わせることによって、過酸
がその場で形成されることも記載されている。
[発明が解決しようとする問題点] 従って、低温洗浄条件で水性溶液中で優れた性能を発
揮することができ且つ高温での性能をも維持することが
できる改良された漂白すなわち活性化された酸化体系
(activated oxidant system)が必要とされることが分
かった。
本発明は、過酸を生成するための過酸化水素源の存在
で、基質の酵素性ペル加水分解を行うための有効は活性
化された酸化体系を提供する。
上記の組合わせにおいて、酵素は、過酸をその場で形
成する基質の反応を触媒的に促進する働きを有してい
る。
従って、本発明のもう一つの目的は、水性溶液中で過
酸をその場で発生する活性化された酸化体系を、すなわ
ち漂白方法を提供することである。
[問題点を解決するための手段] 活性化された酸化体系は、 (a)リパーゼおよび/またはエステラーゼ活性を有す
る酵素と、 (b)構造 (但し、Rは少なくとも1個の炭素原子を有する置換基
であり、更に好ましくは、Rは1個以上の官能基または
複数原子団、例えばフェノール基、ハロ基若しくは原子
などで任意に置換された直鎖または分枝鎖状のアルキル
であり、Xは官能性残基である)を有する官能化された
エステルであって(a)の酵素によって加水分解可能な
基質と、 (c)(a)の酵素によって活性化された(b)の基質
と結合して過酸を生成する過酸化水素源とを有する。
本発明のもう一つの目的は、基質が実質的に化学的ペ
ル加水分解が不可能である活性化された酸化体系を提供
することである。
従って、本発明の酵素性ペル加水分解すなわち活性化
された酸化体系は、廉価な基質と同時に少量の酵素を併
用して過酸を生成させるといった多くの利点を提供す
る。同時に、本発明の系は、例えば、欧州および米国で
それぞれ用いられているような高温および低温洗浄溶液
中で有効であることが認められた。詳細には、本発明の
酵素性ペル加水分解または活性化された酸化体系は低温
洗浄溶液中で活性酸素を生成するのに極めて有効である
ことが分かった。
本発明のもう一つの目的は、上記の構造を有する活性
化された酸化体系において、Xが好ましくは官能化され
たポリオールまたはポリエーテルを有するものを提供す
ることである。本発明のもう一つの目的は、上記の活性
化された酸化体系においてXが少なくとも1個の炭素原
子と少なくとも1個の官能基を有することを提供するこ
とである。好ましくは、この系の基質は、 (i)構造 (但し、R1は1〜12個の炭素原子を有し、R2は1〜12個
の炭素原子を有するかHであり、R3は1〜12個の炭素原
子を有するかHである)を有するグリセリド、 (ii)構造 (但し、nは1〜10であり、R1は上記定義の通りであ
る)を有するエチレングリコール誘導体および、 (iii)構造 (但し、R1およびnは上記定義の通りである) を有するプロピレングリコール誘導体と から成る群から選択される。
更にもう一つの本発明の目的は、選択された酵素がリ
パーゼ活性を有する場合には基質が通常は水性溶液に不
溶性であり、且つ系が更にリパーゼ酵素と通常は不溶性
の基質とに対する相互作用部位としての界面を形成させ
るために選択された1種類以上の乳化剤を有する系を用
いて活性化された酸化体系およびそれを用いた漂白方法
を提供することである。
もう一つの本発明の目的は、水性クリーニング溶液お
よび対応する漂白工程に使用する活性化された酸化体系
であって、系がエステラーゼ酵素と、基質と、過酸化水
素源を有するものを提供することである。エステラーゼ
酵素と基質との種類および量は、更に好ましくは、過酸
化水素の存在で互いに相互作用して、水性溶液において
少なくとも約0.1ppm(百万分率)の活性酸素で表わされ
る式RCOOOHで表わされる過酸を生成させ、優れた汚れ除
去能力を提供するように選択される。更に好ましくは、
酵素と基質は、過酸からの活性酸素が約0.5〜約50ppmと
なるように選択され、最も好ましくは過酸からの活性酸
素が約1〜約20ppmとなるように選択される。
約60℃未満の低温洗浄および約60℃〜約100℃の高温
で使用するのに好ましい基質が開示される。
その他の本発明の目的および利点は、以下の説明およ
び本発明の実施例において明らかにするが、これらは本
発明の範囲を制限するためのものではなく、単に理解を
容易にするためのものである。
上記のように、本発明は酵素性ペル加水分解系の形態
での新規な過酸生成反応および対応する漂白法であっ
て、高温および低温での洗浄で比較的高い漂白作用を提
供するものに関する。
新規酵素性ペル加水分解系は、本質的には、以下に定
義するエステラーゼまたはリパーゼ酵素と、基質と、過
酸化水素源とから成る。従って、本発明は過酸(peraci
d)またはペル加水分解の化学に基づくものであるが、
それに関しては、既に別個に例えば、Oxidation 第1
巻、Morrel Dekkere社、ニュー・ヨーク、ニュー・ヨー
ク発行のSheldon N.Lewis,“Peracid and Peroxide Oxi
dations"、213〜254頁に詳細に記載されているので参照
されたい。基本的な過酸およびペル加水分解の化学の詳
細な説明は、当業者が本発明を理解するのに必要でない
と思われるが、単に本発明の理解を補助するために本明
細書に引用する。
エステラーゼまたはリパーゼ酵素は、基質および過酸
化水素源を有する酵素性ペル加水分解の本質的成分に加
えて、本発明のペル加水分解系は、基質の懸濁状態を維
持し且つ過酸化水素源からの過酸化水素の存在において
基質と酵素との相互作用を促進するように選択される1
種類以上の乳化剤を有することが好ましい。このタイプ
の1種類以上の乳化剤の使用は、詳細には酵素がリパー
ゼ酵素である場合、乳化剤が液相界面を形成して、リパ
ーゼ酵素がグリセリド基質と一層良好に相互作用するの
を補助するためのものである。
更に、ペル加水分解系は好ましくは各種の緩衝剤、安
定剤およびその他の助剤を有することが好ましいが、こ
れについては以下において詳述する。
酵素触媒の不在で非酵素的に過酸に転換する代表的な
過酸前駆体は既知である。代表的な過酸前駆体は、十分
な反応性のものとして必要な性能属性を提供するには、
特定の化学的改質を必要とする(1961年4月6日付け英
国特許公開第864,798号明細書、1983年11月1日発行の
チャン(Chung)らの米国特許第4,412,934号明細書、19
81年8月11日発行のディール(Diehl)の米国特許第4,2
83,301号明細書および1986年1月2日発行の欧州特許出
願公開第166571号明細書)。
本発明の要約、好ましい態様および特許請求の範囲を
含めて本発明を正しく理解し且つ解釈するために、本発
明の明細書に用いた用語の用法について以下に多数の定
義を記載して説明する。定義した用語には、次のものが
ある。
「ペル加水分解」は、基質と過酸化水素との反応とし
て定義する。他の箇所で説明するように、過酸化水素は
各種の源から供給することができる。本発明にとって特
に興味あることは、選択された基質が無機過酸化物と反
応して過酸生成物を生じるペル加水分解反応である。
過酸生成物を生じる好ましいペル加水分解反応では、
無機過酸化物出発物質と過酸生成物は共に酸化体であ
る。従来は、無機過酸化物は例えばドライクリーニング
での漂白剤中の酸化体として用いられてきた。しかしな
がら、無機過酸化物と過酸生成物の酸化力は著しく異な
り、本発明のクリーニングの漂白剤には過酸生成物が所
望な酸化体であることに注目することが大切である。ク
リーニング用漂白剤の有効な汚れ除去剤となる過酸生成
物の酸化力に加え、過酸酸化体は極めて温和なままであ
るので、クリーニング漂白剤生成物に用いられる染料や
他の添加剤との反応を最少限にすることができる。
それ故、これらの二種類の酸化体を互いに区別し、測
定した活性酸素の源を精確に同定することが非常に重要
である。本発明における測定した活性酸素の源は、当業
者に周知のチオ硫酸塩分析法の変法によって決定され
る。
「化学的ペル加水分解」は一般的にはテトラアセチル
エチレンジアミンのような活性剤または過酸前駆体を過
酸化水素源と結合させるペル加水分解反応を含める。従
って、過酸前駆体または活性剤と無機過酸との間に十分
な反応性が存在して、ペル加水分解を起こさせなければ
ならない。
「有意な化学的ペル加水分解」は、本発明の目的のた
め、70゜F(52.2℃)および10分間以内に少なくとも少な
くとも約1ppmの活性水素(A.O.)を生成させるのに十分
な選択された活性剤と無機過酸との間の反応性の最小量
として定義される。更に、この定義は化学的ペル加水分
解に関連するものであり、必然的に酵素性ペル加水分解
を除外するので、活性水素は酵素の不在で生成させなけ
ればならない。
「酵素性ペル加水分解」は、一般にヒドロラーゼとし
て分類され更に詳細には以下に同定される酵素によって
促進または触媒されるペル加水分解として定義される。
酵素性ペル加水分解に必要な成分は、基質、無機過酸
源および酵素である。これらの成分には、反応を促進す
るかまたは少なくともペル加水分解反応を阻害しないよ
うに選択された乳化剤を含んでいてもよい。例えば、基
質は一般的には水性溶液には不溶性であるので、乳化剤
は基質を可溶化するかあるいは二相界面を形成させて以
下に述べるように酵素と基質との相互作用を促進するよ
うに選択してもよい。
本発明によって特に意図されている型の基質は、別に
詳細に説明する。
無機過酸は従来は過ホウ酸若しくは過炭酸塩によって
供給されている。
上記のようにペル加水分解反応を促進する補助剤とす
るためには、選択された酵素の最小理論比活性は、酵素
1グラム当たり基質6マイクロモル/分またはタンパク
窒素1グラム当たり51マイクロモル/分より大きい。
「エステラーゼおよび/またはリパーゼ酵素」は、本
発明において使用する好ましい酵素を定義する。本発明
において有用な酵素は、ヒドロラーゼ酵素の一般的分類
にあるがエステラーゼおよびリパーゼ活性を有する酵素
が上記のペル加水分解を補助するのに最も好適であるこ
とが認められている。
これらの酵素については、様々な定義および分類が可
能である。例えば、エステラーゼ酵素は水性溶液中で基
質と相互作用しやすいが、リパーゼ酵素は相界面で基質
と相互作用する。従来の定義によれば、リパーゼ酵素は
例えば水性溶液と不溶性基質との二相界面が乳化剤で形
成される場合に不溶性基質に対して最も効果的となると
考えられる。
しかしながら、酵素は正確な定義や分類をすることが
出来ない。例えば、従来分類されたエステラーゼ酵素は
リパーゼ様活性を示すが、従来分類されたリパーゼ酵素
もエステラーゼ様活性を示すことがある。従って、本発
明では「エステラーゼ酵素」、「リパーゼ酵素」および
「エステラーゼおよび/またはリパーゼ酵素」という用
語は、これらの用語の下に従来分類されてきた両者の酵
素と共に、同様な型の活性を示すプロテアーゼのような
他のヒドロラーゼをも包含するものとする。
本発明で用いるのに好適な基質は、別の箇所で詳細に
説明する。しかしながら、本発明の好ましい基質は、構
(但し、Rは少なくとも1個の炭素原子を有する置換基
であり、更に好ましくは、Rは1個以上の官能基または
複素原子団、例えばフェノール基、ハロ基若しくは原子
などで任意に置換された直鎖または分枝鎖状のアルキル
であり、Xは官能性残基である)を有する官能化された
エステルとして一般的に特徴づけられる。この基質は更
に上記のような一種類以上の酵素によって加水分解する
ことができるものとして定義される。好ましくは、経済
性などのためには、基質は本明細書の他の箇所で述べる
ように通常は実質的な化学的ペル加水分解ができないも
のとしても定義される。
上記およびその他で本発明の好ましい基質を定義する
のに用いた「官能性残基または基」は、その一般的に古
典的な意味に用いられており、単純な炭素−炭素単結合
以外の化学構造を広く表わしている。従来技術において
他の場合には、かかる官能性残基または基は、例えば
「官能化されたヒドロカルビル基群」としても定義され
ている。
一般的には、本発明の官能性基は、ポリオールやポリ
エーテルのような鎖状構造と共に1個以上の複素原子を
含むことができるものとした。上記の定義によれば、X
は脱離性基、可溶化性基(スルホン酸およびカルボン酸
塩を包含)、並びにハロゲン化物、窒素、硫黄およびそ
の他の複素原子を有することができる。更に、本発明の
上記構造内で使用するのに好適な官能性基は、例えば19
84年12月14日米国特許出願のホング(Fong)らの「フエ
ニレン・モノーおよびジエステル過酸前駆体についての
出願第681,983号明細書に記載されている。従って、詳
細については上記文献を参照されたい。
「ポリオール」および「ポリエーテル」という用語
は、本発明の好ましい基質に用いられる官能性残基また
は基を定義するのに上記で用いられている。これらの用
語はそれぞれジオールおよびジエーテルと共に長い鎖状
分子を有することを意味している。
最後に、異なる洗浄条件を説明する。これに関して
は、次の用語を本発明の目的のために具体的に定義して
いる。
「高温洗浄条件」とは、例えば欧州で一般的に用いら
れている洗浄条件を指す。洗濯をする衣類または織物を
クリーニング配合物と共に水性溶液に入れ、洗濯サイク
ル中に加熱を行うのである。通常は、洗濯物の温度は60
℃〜100℃の範囲に上昇して、最大限のクリーニング効
果を発揮させるのである。
更に、かかる高温洗濯条件では1リットル当たり少な
くとも約5gの洗剤組成物が水溶液中で用いられる。
「低温洗濯条件」とは、一般的には例えば米国で用いら
れている洗濯条件を指し、水性溶液の温度は全洗濯サイ
クルを通じて約60℃未満である。
更に、かかる低温洗濯条件では、通常は1リットル当
たり僅かに約1.5gの洗剤組成物しか水性溶液中に用いな
い。
更に、本明細書で用いられる高温および低温洗濯条件
は、洗濯サイクルの時間によっても区別される。例え
ば、欧州式の洗濯での高温サイクルでは時間は約60分間
以下となるが、低温の米国式洗濯は約12〜15分間の時間
に過ぎなくてもよい。
グリセリド基質、酵素および過酸化物源を有する酵素
性ペル加水分解系の特徴および好ましい例を、最初に以
下に説明し、次いでペル加水分解系と共に用いられるそ
の他の添加物および本発明の酵素性ペル加水分解系を具
体的に説明する多くの実施例を簡単に説明する。
グリセリド基質 上記のように、活性化された酸化体系の基質は、過酸
化水素源の存在において酵素で触媒される反応で過酸を
形成するように選択される。
以下に更に詳細に説明するように、ある種の基質は通
常は固形物として存在し、基質、酵素および過酸化物源
を有する乾燥配合物に使用するのに有用である。かかる
生成物では、乾燥組成物の保存寿命が長く、この組成物
を水性溶液に加えるまで酵素触媒反応が起こらないよう
にすることが大切である。
クリーニング用洗剤組成物において使用するため、例
えば基質は界面活性剤の特徴を有して、クリーニングす
る織物の表面あるいはその近傍で直接過酸の形成が起こ
るようにすることも可能である。これによって、漂白作
用に重要な酸化体の効果を高めることができる。
本発明によれば、各種の脂肪酸またはグリセリド型の
材料が本発明の酵素性ペル加水分解系の基質を形成する
のに特に有用であることが分かった。
好ましくは、本発明の基質は、構造 (但し、Rは少なくとも1個の炭素原子を有する置換基
であり、更に好ましくは、Rは1個以上の官能基または
複素原子、例えばフェノール基、ハロ基若しくは原子な
どで任意に置換された直鎖または分枝鎖状のアルキルで
あり、Xは官能性残基である)を有する官能化されたエ
ステルである。この基質は上記のように酵素加水分解が
可能であり、好ましくは通常は実質的な化学的ペル加水
分解ができない。更に好ましくは、官能性残基は、官能
化されたポリオールまたはポリエーテルを有する。更に
広義には、官能性残基は少なくとも1個の炭素原子と少
なくとも1個の官能基を有する。
更に好ましくは、本発明の基質は、 (i)構造 (但し、R1は1〜12個の炭素原子を有し、R2は1〜12個
の炭素原子を有するか水素であり、R3は1〜12個の炭素
原子を有するか水素である)を有するグリセリドと、 (ii)構造 (但し、nは1〜10であり、R1は上記定義の通りであ
る)を有するエチレングリコール誘導体と、 (iii)構造 (但し、R1およびnは上記定義の通りである)を有する
プロピレングリコール誘導体とから本質的に成る群から
選択される。
上記の好ましい構造において、R1は更に好ましくは6
〜10個の炭素原子を有し、最も好ましくは8〜10個の炭
素原子を有し、R2は更に好ましくは6〜10個の炭素原子
を有するかまたは水素であり、最も好ましくは8〜10個
の炭素原子を有するかまたは水素であり、R3は更に好ま
しくは6〜10個の炭素原子を有するかまたは水素であ
り、最も好ましくは8〜10個の炭素原子を有するかまた
は水素である。
グリセリド、具体的にはジグリセリドおよびトリグリ
セリドが本発明の酵素性ペル加水分解系において特に好
ましいが、これはそれぞれのトリグリセリド分子が化学
量論的に3個以下の脂肪酸または過酸分子を生成するこ
とができるからである。従って、かかるグリセリドの使
用は、過酸源と酵素の存在において最大限の酸化力を達
成するのに特に有効であり、詳細について以下に説明す
る。
広義には、グリセリド基質は約1〜約18個の炭素原子
を有するグリセリド鎖を特徴とする。酢酸のような生成
物に由来する低分子量グリセリドは、天然には液体とし
て存在する。従って、かかる基質を洗濯用洗剤のような
乾燥組成物に包含させるには更に加工工程が必要であ
る。しかしながら、低分子量グリセリド生成物は、高温
洗濯用で更に有効となる。
17個の炭素原子の鎖を特徴とするステアリン酸のよう
な高分子量グリセリド基質は、通常は固形物として存在
するので、例えば乾燥洗濯洗剤への配合が容易である。
しかしながら、かかる高分子量グリセリド鎖は本発明に
よる最大酸化力を生成することができない。
本発明の酵素性ペル加水分解に使用する基質の最も好
ましい形状は、それぞれ8個および10個の炭素原子を有
するグリセリド鎖を特徴とするトリオクタノインまたは
トリデカノインであることが分かった。
これら二種類のトリグリセリドは固形物として存在す
ることが多いので、上記のような乾燥組成物に配合する
のに有効である。同時に、トリオクタノインおよびトリ
デカノインは水性溶液中で界面活性剤としての特徴を示
し、上記のようにその場で過酸を形成するのに有効であ
る。
最後に、上記の二種類の好ましいトリグリセリド分子
は、好ましいリパーゼ酵素と組合わせて使用するのに特
に望ましいことも明らかになっている。以下に更に詳細
に説明するように、リパーゼは液相界面で基質と相互作
用することを特徴としている。水性洗浄溶液ではトリオ
クタノインおよびトリデカノイン生成物は通常は水に不
溶性であるので、水性溶液中に形成されるミセル内に容
易に懸濁し易くなる。同時にこれら二種類のグリセリド
の鎖長は、過酸化物と相互作用して上記のようにその場
で過酸を形成するのに特に望ましいことが明らかになっ
た。
最も好ましいトリオクタノインおよびトリデカノイン
のようなつトリグリセリドを有する上記の基質は総て極
めて廉価であり、従って本発明の酵素性ペル加水分解系
の初期費用を軽減する上でも重要である。以下に説明す
るように、基質と過酸化水素源が酵素性ペル加水分解系
の主要成分であり、酵素は水性溶液でその場で意図され
る過酸生成を行うのに化学量論的量未満の極めて微量で
存在する必要があるだけである。従って、酵素は触媒的
に作用するものであり、反応には関与するが消費され
ず、再生して再度反応を行うのである。
過酸化物源 本発明の酵素性ペル加水分解系の酸化体源について
は、実質的に如何なる源の過酸化物であってもよい。例
えば、過酸化物源は過ホウ酸ナトリウムまたは過炭酸ナ
トリウムのような過ホウ酸塩または過炭酸塩から成って
いてもよい。更に、過酸化物源は、尿素過酸化水素など
のような過酸化水素付加物から成っているかまたは含ん
でいてもよい。従って、特定の酸化体源については、上
記の説明に従ってヒドロキシペルオキシドを生成するよ
うに洗濯される範囲のことを除いて、これ以上の説明は
必要でないと思われる。
酵素 酵素性ペル加水分解系の基質はエステル構造を特徴と
するので、酵素性ペル加水分解系に用いるのに最も好適
な酵素は好ましくはより広いヒドロラーゼ酵素からのエ
ステラーゼおよび/またはリパーゼ酵素を含む。以下に
おいて更に詳細に説明するように、リパーゼ酵素は親水
性−親油性相界面で基質分子と最も相互作用しやすいの
で、ペル加水分解系に使用するのに最も好ましい。本発
明の酵素性ペル加水分解系では、この相界面は水性溶液
中で基質と乳化剤とによって形成される。
上記の型の酵素の一般的な特徴は当業者に公知であ
り、多数の市販品から容易に入手される。例えば、脂肪
分解酵素またはリパーゼは多くの組織、流体物、細胞、
種子、器官などに広く分布して、遊離脂肪酸および部分
グリセリドの生産に重要な代謝機能を果たしていること
が以前より知られている。例えば、これらの酵素生成物
は膜を通して脂肪酸を輸送し、酸を放出して酸化を行
い、且つトリグリセリドへ再合成される。
リパーゼ酵素は、トリグリセリドと相互作用して、ト
リグリセリドを加水分解し、個々のカルボン酸をトリグ
リセリドから放出するので、特に興味深いものである。
同様な相互作用は、ジグリセリドなどのようなその他の
グリセリドについても起こる。
酵素がトリグリセリドを攻撃する順序は、酵素の特異
性によって異なる。異なる酵素はトリグリセリドに対し
て異なる攻撃順序を有し、1〜3個の分子を放出するこ
とができる。本発明の目的には、基質分子からのアシル
基の総てまたはほとんどを加水分解し、最大限の過酸製
造を行うことができる酵素を使用するのが好ましい。例
えば、基質がトリグリセリドの時には、3個総てのアシ
ル鎖を外すことができる酵素が、酵素性ペル加水分解系
に含まれるのが好ましい。しかしながら、グリセリド鎖
の幾つかだけを外す酵素でも十分であることがある。
上記のように、エステラーゼとリパーゼ酵素との間の
主な違いは、酵素が最初に加水分解する部位の相違にあ
る。上記のように、リパーゼ酵素は、二相界面であって
酵素が水性若しくは親水性相にある場合に加水分解が主
として起こることを大きな特徴としている。基質が長鎖
のグリセリドであれば、基質は極めて親油性が強い。従
って、リパーゼ酵素は、リパーゼ酵素が親水性相にあ
り、グリセリド基質が疎水性相にある状態で相界面でグ
リセリド分子と相互作用するのに特に好適である。他
方、エステラーゼ酵素は、均一な水性相で主として加水
分解を行うことを特徴としている。すなわち、エステラ
ーゼ酵素は、古典的に界面では作用しないのである。
実際には、異なる酵素が、時として他の特徴を示すこ
とがある。例えば、リパーゼ酵素は古典的には界面で基
質と相互作用するので上記のように別個の2つの相を必
要とする傾向があるが、リパーゼ酵素がエステラーゼ活
性を示し、基質と均質な水性溶液中で相互作用摺ること
が可能である。しかしながら、かかる均一な水性溶液で
のリパーゼ酵素の活性は界面での個展的な加水分解より
も低い。
他の要因がリパーゼとエステラーゼ酵素との間に明確
な分割線を画すのを妨げることもある。
同時に、本発明による基質は疎水性を示し易く、通常
は水性溶液の疎水性相に見られる。しかしながら、ある
種のグリセリド基質、特に低分子量のトリグリセリドま
たはジグリセリドは水溶性にもなり易く、上記説明によ
るエステラーゼまたはリパーゼ酵素のいずれとも相互作
用するのに適している。
いずれにせよ、リパーゼまたはエステラーゼ酵素は、
本発明の酵素性ペル加水分解系内で使用するのに好適で
ある。しかしながら、各種源かのリパーゼ酵素が本発明
の使用に最も好ましく、具体的にはシュドモナス(Pseu
domonas)株のリパーゼ酵素が最も好ましい。酵素源と
商業的名称とを含むリパーゼ酵素の具体例は実施例に示
され、本発明において使用する酵素の最も好ましい組を
構成している。
本発明に使用するのに好適と思われる酵素について
の、それらの最も重要な特徴は水性溶液でペル加水分解
を行う能力である。他の酵素の特徴も本発明に関連して
重要であり、ペル加水分解反応での効力の指標としての
酵素活性がある。
以下の実施例では、酵素活性は、それぞれの実施例に
ついて示したペル加水分解の量によって表わされる。更
に、酵素特異性も重要であり、グリセリド基質から放出
される脂肪酸の数および順序に関係する。酵素安定性
も、温度、過酸化物、過酸およびその他の予想される有
害な化合物または因子であって酵素性ペル加水分解系を
用いる洗剤配合物に存在するものに関して重要である。
酵素機構もペル加水分解系内での酵素の機能方法および
ペル加水分解反応で酵素が示す効力の程度を指す。
酵素性ペル加水分解反応 本発明を理解するには、リパーゼ酵素とグリセリド基
質との古典的相互作用と、酵素とグリセリドとが互いに
過酸化水素源の存在で相互作用する本発明の酵素性ペル
加水分解系を区別することが大切である。この相互作用
は上記した通りであるが、上記の文献を含む従来技術に
おいて詳細に取り扱われている。
以下の説明では、本発明の反応を、詳細にはリパーゼ
酵素とトリグリセリド基質とに関して説明する。しかし
ながら、他の基質を上記の各種リパーゼ酵素およびエス
テラーゼ酵素と同様に、本発明において使用することが
できる。詳細には、通常は、トリオクタノインとして同
定されるトリグリセリド基質について、以下に説明す
る。各分子が3個のグリセリド鎖を有し、この鎖が8個
の炭素原子を有することから、この名前が一般に用いら
れる。しかしながら、この分子は、トリカプリリンまた
はグリセロールトリオクタノエートという名称でも表わ
される。
リパーゼ酵素と、トリグリセリド例えばトリオクタノ
インのような基質との相互作用は十分報告されている
が、本発明を完全に理解するために簡単に説明する。
通常は、リパーゼのような酵素は、分子量が約15,000
〜約150,000の長いポリマー状の大きなタンパクであ
る。酵素ポリマーは、側鎖にラジカル基を有するアミノ
酸から形成される。酵素のポリマー鎖は互いに折り重な
っているので、R基側鎖を有するアミノ酸が互いに接近
すると、それらが「活性部位」を形成して、そこで興味
ある反応が実際に起こる。折り畳まれた酵素の配置は重
要であり、もし阻害されると、酵素がその正常な反応機
能を行うのを妨げることになる。この制限は、酵素系が
高温洗濯用に用いられるような特定の場合には特に興味
深い。酵素は、ある一定の温度を越えると「変性」して
しまい、その温度以上では酵素はその正常な機能を果た
すことができない。
驚くべきことには、過酸化水素と結合した基質に加え
られた脂肪分解性酵素が過酸を生じることを見出だし
た。これは、(1)苛酷な酸化性環境(過酸化物および
過酸の両方共)において、酵素が過酸を生成し、且つ
(2)過酸が基質のヒドロラーゼによって触媒される反
応に参加して、過酸を生成するので、驚くべきことであ
る。
本発明の酵素性ペル加水分解系の反応は、漂白様の過
酸の生成において、数多くの重要な実際的な利点を示
す。
これらの利点には、次のようなものがある。すなわ
ち、(1)好ましいグリセリド基質は、反応の完了時に
化学量論的に、(単なるエステル)より多くの個々の脂
肪酸鎖、従って過酸分子を生成する能力を有する。
(2)更に、好ましい基質には、グリセリドがあり、こ
れらは広く利用可能であり且つ上記のような「活性剤」
に比べて比較的廉価である。
(3)酵素、好ましくはリパーゼ酵素および/またはエ
ステル酵素は高価であるが、それは酵素的または触媒的
様式で機能し、化学量論的量で存在する必要がないので
極めて少量で用いられる。
本発明の酵素性ペル加水分解系には、その他の様々な
利点もある。例えば、上記反応は以下の実施例で更に説
明されるように様々なpH水準で起こることができる。従
って、酵素性ペル加水分解系は、通常塩基性水溶液で
も、または比較的中性の溶液でも、あるいはまたは酸性
溶液でも用いることができる。この点に関して、堅い表
面でも、詳細には様々は洗濯用途でも、様々なクリーニ
ング用途に固有な各種pH水準で機能することができる過
酸前駆体系についての実際の有用性が見出だされた。
もう一つの例としては、幾つかの新規な洗剤は以前よ
り低いpH水準で作用する。従って、本発明の酵素性ペル
加水分解系を用いれば、緩衝剤の使用は可能であるが必
要ではなく、比較的塩基性の10.5のpHから例えばリキッ
ド・タイド(Liquid Tide;プロクター・アンド・ギャン
ブル社(Procter & Gamble Co.)の商品名)のような
洗剤が示すより低いpH水準の間の如何なるpHも可能であ
る。
また、上記のように、本発明の酵素性ペル加水分解系
は、酵素の変性温度を越えないかぎり、広範な各種温度
で使用される。従って、この酵素的過加水分解系は、低
温洗濯条件でも、高温洗濯条件でも用いることができ
る。
いずれにせよ、本発明の酵素性ペル加水分解系は、効
果的な漂白を行うことが伝統的により困難であった低温
洗濯サイクルにおいて有用であることを具体的に見出だ
した。
乳化剤 乳化剤または界面活性剤の使用は、他の過酸漂白生成
物と同様に一般的には望ましい。上記のように、リパー
ゼ酵素を用いる場合には、酵素は水性溶液の相界面で基
質と相互作用することが好ましい。従って、乳化剤の使
用は、酵素とグリセリド基質との間の相互作用を促進す
る相界面を確立し且つ維持する上で特に重要であると思
われる。エステラーゼ酵素は、一般的な均一反応で完全
に水相内で基質と相互作用しやすい。従って、乳化剤ま
たは界面活性剤は、酵素と基質を水性相内に確立し且つ
維持する上で同様に重要である。非イオン性界面活性剤
は本発明の酵素的過加水分解系内で使用するのに特に好
適であると思われる。非イオン性界面活性剤には、線状
エトキシル化アルコール、例えばシェル・ケミカル・カ
ンパニー(Shell Chemical Company)から商標名ネオド
ール(NEODOL)で発売されているものがある。その他の
非イオン性界面活性剤には、平均長さが約6〜16個の炭
素原子を有し、アルコール1モル当たり平均して約2〜
20モルのエチレンオキシドを有する各種線状エトキシル
化アルコール、平均長さが約6〜16個の炭素原子であり
且つアルコール1モル当たりの平均的エチレンオキシド
が0〜10モルであり、プロピレンオキシドが約1〜10モ
ルである線状および分枝状第一級および第二級エトキシ
ル化プロポキシル化アルコール、平均鎖長が8〜16個炭
素原子を有するものであり且つアルコール1モル当たり
平均エチレンオキシドが1.5〜30モルであり、エトキシ
ル化アルキルフェノールとしても知られている線状およ
び分枝状のアルキルフェノキシ(ポリエトキシ)アルコ
ール、およびそれらの混合物がある。
その他の非イオン性界面活性剤としては、プロピレン
オキシドとエチレンオキシドとのある種のブロックコポ
リマー、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとプロ
ポキシル化したエチレンジアミンとのブロックポリマー
および半極性非イオン性界面活性剤例えばアミンオキシ
ド、ホスフィンオキシド、スルホキシドおよびそれらの
エトキシル化誘導体がある。
陰イオン性界面活性剤を用いることもできる。かかる
インサートイオン性界面活性剤の例には、6〜18個の炭
素原子を有する脂肪酸および樹脂酸、線状および分枝状
アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸、アルキル
エーテル硫酸、アルカンスルホン酸、オレフィンスルホ
ン酸、ヒドロキシアルカンスルホン酸、アシルザルコシ
ネートおよびアシルN−メチルタウリドのアンモニウ
ム、置換アンモニウム(例えばモノ−、ジおよびトリエ
タノールアンモニウム)、アルカリ金属およびアルカリ
土類金属塩がある。
好適な陽イオン性界面活性剤には第四級アンモニウム
化合物であって、典型的には窒素原子に結合した基の一
つが8〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、他
の3個の基が短い鎖状アルキル基であって、フェノール
基のような不活性置換基を有していてもよい。
更に、好適な両性および双性イオン性界面活性剤は陰
イオン性の水和性基、陽イオン性基および疎水性有機基
を含んでいてもよく、アミノカルボン酸およびそれらの
塩、アミノジカルボン酸およびそれらの塩、アルキルベ
タイン、アルキルアミノプロピルベタイン、スルホベタ
イン、アルキルイミダゾリニウム誘導体、ある種の第四
級化合物、ある種の第四級ホニウム化合物およびある種
の第三級スルホニウム化合物がある。その他の好適と思
われる双性イオン性界面活性剤の例は、ジョーンズ(Jo
nes)の米国特許第4,005,029号明細書、第11〜15欄に見
出だすことができ、詳細は上記特許明細書を参照された
い。
その他の乳化剤の例には、ポリビニルアルコール(PV
A)、ポリビニルピロリドン(PVP)、メチルヒドロキシ
プロピルセルロース(MMPC)などのような水溶性または
分散性ポリマーがある。
その他の添加剤 特定の用途に応じて、本発明の酵素性ペル加水分解系
と共にその他の多種多様な添加剤を使用してもよいと考
えられる。例えば、上記のように、直接漂白生成物、予
備洗浄生成物(これは液状であることがしばしばある)
および各種硬質表面クレンザーのような多種多様なクレ
ンザー応用品または配合物に用いたり、配合したりする
ことができる。
液体配合物については、過酸化水素源を基質または酵
素のいずれか、あるいは好ましくは両方から隔離してお
くのが好都合なことがある。これは、例えばビーチャム
(Beacham)らの1986年4月29日発行の米国特許第4,58
5,150号明細書記載の多室ディスペンサーを用いること
によって達成された。
好適な添加物には、香料、染料、ビルダー、安定剤、
緩衝剤などがある。安定剤は、多くの目的を達成するた
めに配合することができる。例えば、安定剤は、最初の
処方成分またはこの処方を水性溶液に入れた後に存在す
る中間生成物の効力を確立し且つ維持するためのもので
あってもよい。酵素は重金属、有機化合物などのために
基質の加水分解において阻害されることがあるので、例
えば、従来技術において一般的に知られている好適な安
定剤を用いてかかる効果に対抗させ且つ配合物内の酵素
の効力を最大にすることができる。
緩衝剤を本発明に用いて水性溶液を所望なアルカリ性
pH水準に維持することもできる。緩衝剤としては、一般
的には洗剤技術の当業者に公知の総ての物質がある。詳
細には、本発明で使用される緩衝剤には、炭酸塩、リン
酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩および水酸化物があるが、こ
れらに限定されるものではない。
実施例 上記の記載は、本発明の酵素性ペル加水分解系の新規
な組合わせを十分に説明しているものと考えられる。し
かしながら、本発明の理解を完全なものとするために、
本発明の酵素性ペル加水分解系を具体的に示す多数の具
体的実施例を以下に記載する。
次に記載する実施例1および2ではリパーゼ酵素の使
用を説明し、具体的にはグリセリド基質としての12%の
トリオクタノインと水性溶液中の活性水素約1000ppmの
濃度での過酸化水素を有する反応混合物(1Mg/ml)1ml
当たり約1mgのブタ脾臓性リパーゼの使用を説明してい
る。実施例1のペル加水分解反応はpH10で行い、実施例
2の酵素性ペル加水分解反応はpH11で行った。
実施例1および2はそれぞれ、更に乳化剤としてポリ
ビニルアルコールを含んでいた。ポリビニルアルコール
は、分子量28,000のもの約70部と分子量77,000の物質約
30部との配合物である。実施例1および2は両方のpH水
準で過酸を生成したが、11という高い方のpH水準の方が
生成量は多かった。これら二つの実施例では過酸の濃度
とその次に括弧内に過酸化水素の濃度を活性酸素(A.
O.)の百万分率(ppm)で表わし、0.15分、30分および6
0分の時間間隔に対して記載した。
実施例1 実施例2 下記の実施例3は、過酸化水素の量を実施例3に記載
のように変えたことを除き、実施例1および2について
上記した各種系成分の濃度での同様なペル加水分解反応
を示す。実施例3でもpH水準を11.0として行い、本発明
のペル加水分解効果が初期の過酸化水素濃度によって変
わることを明確に示している。すなわち、過酸化水素の
量が増加すると、それに従って生成した過酸の量が増加
する。
実施例3H2O2(ppm) 1時間での過酸A.O.(ppm) 1314 8.4(±0.3) 434 2.5(±0.1) 170 1.2(±0.2) 1314* (リパーゼなし) 0.0 対照試料 下記の実施例4は、pH水準が7.5で、トリオクタノイ
ン12.5%と、反応混合物1ml当りカンジダ・シリンドラ
セア(Candida Cylindracea)リパーゼ1mgと、過酸化水
素を1000ppm(A.O.)の濃度で、室温で、実施例1〜3
と同様に乳化剤としてポリビニルアルコールを用いて行
った。実施例4は、7.5は低いpH水準でも過酸が生成す
ることを示している。実施例4は、この程度の低pH水準
では非酵素的加水分解は一般的には起こらないので極め
て重要である。したがって、実施例4に示される過酸の
生成は必然的に酵素的効果によるものである。実施例4
は、低pHの応用での本発明の酵素性ペル加水分解の有用
性も示している。H2O2(ppm) 28分での過酸(ppm) 0 0 100 0.8 1000 7.8 下記の表−1は、表内の各実施例に対して同定した多
数の酵素で行ったペル加水分解試験を示す。ここではま
た、表内の各実施例に対して行ったペル加水分解処理で
は、室温で、総てpH9.0でグリセリド基質としてトリオ
クタノイン12.5%、乳化剤としてのポリビニルアルコー
ルを実施例1〜4で用いたのと同様な濃度および過酸化
水素を400ppm(A.O.)の濃度で含んだ。
表−1には、それぞれの実施例に対して様々な酵素濃
度を記載し、次に初期加水分解速度、最後にペル加水分
解または過酸生成の量が記載されている。
表−2でも、pH10.5で実施例を行ったことを除き、表
−1と同様に実施例34〜63を記載している。
表−1および2は、総合すると、総数が30種類のリパ
ーゼ酵素のうち約20種類のこれらの酵素が、表−1およ
び2の実施例の条件下でペル加水分解または過酸の生成
を示した。更に、二つの表に含まれるある種のリパーゼ
は、9.0および10.5の両方のpH水準で過酸を生成するこ
とができる。
本出願人らは、本発明に用いられる酵素の比活性が酵
素1g当り約6μモル基質/分または窒素1g当り51μモル
基質/分より大きい方が好ましいと考える。この活性は
経験的検討に基づいて誘導された値を表わす。酵素は専
売的なものであり、各業者は選択した分析方に基づいて
それ自体の活性を記載しているので、市販の酵素では標
準的は活性測定法は用いられていない。しかしながら、
下記の表−3はこれらの別種の値を記載して、酵素性ペ
ル加水分解系において異なる酵素を使用し手本発明の適
応性を示す。
下記の表−4において、実施例64〜67は、溶液にリン
酸塩0.12モルを添加することによって定めた10.5のpH水
準で行った乳化剤系におけるペル加水分解を示してい
る。更に、表−4においては、実施例はそれぞれ、グリ
セリド基質として約10重量%のトリオクタノインと、1m
l当り1.0mgのそれぞれのリパーゼ酵素と、400ppm(A.
O.)の濃度の過酸化水素を含んでいた。表−4のそれぞ
れの実施例は、表−4にそれぞれ記載した別個の乳化剤
を用いて、表−4に記載した各種濃度で行った。それぞ
れの実施例とそれぞれの乳化剤とについて、14分経過後
に生成した過酸の量を含む同様な過加水分解試験を、酵
素なしの対照と実施例のそれぞれについて同定した各種
の異なる酵素についても行った。表−4の各種実施例
は、本発明の酵素性ペル加水分解系が各種の異なる乳化
剤と共に機能する能力も併せて示している。
表−5は、実施例68〜75において、好ましいリパーゼ
酵素(シュドモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas
fluorescens)をグリセリド基質としてのトリオクタノ
インと表−5に記載の各種洗剤と乳化剤との組合わせと
を組合わせた場合のペル加水分解の結果を示している。
更に表−5について説明すれば、タイド(Tide)とい
う商品名で発売されている市販の洗剤またはビルダー、
充填剤などの添加成分なしの界面活性剤の組合わせで、
「合成洗剤」と表わしたものを用いて、実施例68〜75の
ペル加水分解試験を行った。各種乳化剤が、表−5に示
すように実施例68〜75において配合されていた。乳化剤
としては、ラウリルスルホン酸ナトリウム(SLF)、デ
オキシコール酸ナトリウム、天然の乳化剤である胆汁酸
およびプロピレングリコールがあった。表−5の実施例
68〜75について行った加水分解試験は10.0のpH水準で行
い、ペル加水分解は14分経過後に測定した。
表−5に示す実施例68〜75の結果は、多数のこれら実
施例についてのペル加水分解を説明するものである。
表−6は、過酸化水素濃度が400ppm(A.O.)でpH水準
が10.0で、アマノ(Amano)によって供給される好まし
いシュドモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas f
l.)種のリパーゼ酵素を各種濃度で含む試料で測定した
過加水分解と加水分解についての実施例76〜78を示す。
表−6の実施例76〜78のそれぞれでは、14分間の反応
の後、チオ硫酸塩滴定によって過加水分解を測定した。
加水分解は、同時に連続滴定によって測定した。
表−6の実施例76〜78のそれぞれにおいて用いた基質
とその他の成分は、次の通りである。成分 量 トリオクタノイン/PVA 12.5重量% (実施例1〜4と同じ) 液状過酸化水素 400 ppm A.O. (H2O2源として) HPO4−2および 0.12N pH 10.0 表−6の実施例76〜78のそれぞれにおいては、酵素は
アマノ社製CESリパーゼであった。
総体的には、表−6の結果は、実施例76〜78に用いた
特定の酵素種は高いペル加水分解結果を生じ、したがっ
て本発明の酵素性ペル加水分解系において特に好ましい
ことを示している。
上記実施例は総て、上記の好ましい基質群の官能基
(i)を有するトリグリセリド基質を使用することに基
づいている。同じ官能基内に含まれるたのグリセリドを
上記実施例のトリグリセリドに代えて用いることができ
ることは勿論であり、同様な結果が得られた。同時に、
上記のようなその他の基質、具体的にはエトキシル化し
たエステル(ii)およびプロポキシル化したエステル
(iii)の好ましい官能基内に含まれるもので上記実施
例のトリグリセリド基質に代えて用いても、過酸源から
の利用可能な酸素の生産については同様な結果を得るこ
とができた。かかる基質を使用した場合の結果の類似性
は、同様な官能基が好ましい基質群に含まれ且つ本発明
について定義した広範な基質群内にあることから極めて
明らかであると思われる。
更に、上記の好ましい官能性残基群(i)、(ii)お
よび(iii)に関連して、第一の官能基内の特定の基質
例は上記実施例から明らかである。たの2群からの基質
の例は、実施例に示すプロポキシル化したエステルの合
成法によって説明される。
実施例79 カルボン酸のプロピレングリコールモノエステルの調
製法は、以下の工程から成る。
(1)塩形成および脱水 カルボン酸1当量と炭酸ナトリウム0.09当量を、マグ
ネチック・スターラー・バーと加熱用油浴を備えた丸底
フラスコに入れた。スラリーを真空下で一定撹拌を行い
ながら150℃に約1時間加熱して、脱水を行った。真空
を解除して反応物を室温へ冷却した。
(2)エステル化 工程(1)からの冷却した酸/酸塩溶液をプロピレン
オキシド約6当量と結合させ、焼く60℃の温油浴上で還
流下で約8時間加熱して、エステル化反応を完結させ
た。(エステル化反応の完了は、ガスクロマトグラフィ
ー観察によって確かめた)。
(3)還流濃縮物を取り出して、過剰のプロピレンオキ
シドを加熱留去した。酸100ミリモル当りジエチルエー
テル約200mlを加えて生成する溶液を、分液漏斗中で5
%炭酸ナトリウム(Na2CO3)2容量を用いて抽出した。
次に1容量の色円錐を加えた。エーテル層を硫酸ナトリ
ウム上で乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターに
よって留去すると、エステル生成物を生成した(通常は
約90%の収率)。
官能性基質群(ii)および(iii)による官能化した
基質の他の例は同様な方法で生成させることができる。
様々な上記例によって開示されたペル加水分解または
活性化された酸化体系は、通常は織物のクリーニングに
用いられる広範な種類の洗剤組成物の如何なるものとも
配合することができる。本発明のペル加水分解系を用い
ることができる洗剤組成物の具体的例を、次の実施例80
および81に記載する。
実施例80 標準的洗剤処方(アメリカン・アソシエーション・オ
ブ・テクスタイル・ケミスツ・アンド・カラーリスツ・
スタンダード・デタージェント(American Association
of Textile Chemists and Colorists Standard Deterg
ent)は、次のような成分を含む。名目組成 重量% 線状アルキレート・スルホネート、 ナトリウム塩 14.0 アルコールエトキシレート 2.3 ソーク、高分子量 2.5 トリポリリン酸ナトリウム 48.0 ケイ酸ナトリウム (SiO2/Na2O=2.0) 9.7 硫酸ナトリウム 16.0 カルボキシメチルセルロース(CMC) 0.25 水分およびその他の増白剤など 7.25 総量 100.00 通常の低温洗濯条件下(例えば、米国で用いられてい
るような)では、洗濯溶液1リットル当り上記洗剤1.17
gが用いられる。洗濯サイクルを焼く20〜55℃の温度範
囲で約14分未満の時間行う。
かかる低温洗濯条件では乾燥漂白剤添加物は、通常は
上記処方での洗濯負荷当り約1/2カップを加えて、洗濯
溶液における約30ppmの活性酸素(A.O.)の過酸化水素
を供する。
本発明によれば、上記のようなペル加水分解または活
性化された酸化体系は乾燥漂白剤添加物の代わりに洗剤
処方と共に用いて、過酸源から所望な水準の活性化され
た酸素を生成させることができた。
実施例81 これとは対照的に、(欧州各国で通常に用いられてい
るような)いわゆる高温洗濯条件は、加熱要素を有する
装置で行って、洗濯サイクル中に水性洗濯溶液の温度を
上昇させるようにする。かかる条件では、洗濯溶液の温
度が約70℃より高い温度、更に好ましくは水の沸点、10
0℃近くになるまで熱を加える。このため、高温洗濯サ
イクルは少なくとも約30分間、可能ならば約60分間まで
続ける。
上記の高温系は、洗濯水1リットル当り約5gの洗剤と
いうように比較的多量の洗剤量を用いる。同時に、この
ような高温配合物には漂白剤添加物は、H2O2の活性酸素
約200ppm程度のより高水準で含まれる。
この例では実施例80の組成物を1リットル当り5gの濃
度で用いる。
実施例81は、上記の高温系に関連して、上記ペル加水
分解または活性化された酸化体系のいずれかの使用を示
している。
更に、上記の基質については、基質の各種ラジカル群
における全範囲の炭素原子を用いることができることが
注目される。対照的に、低温洗濯系では少なくとも6個
の炭素原子を有する基の鎖状結合が好ましく、8〜10個
の炭素原子を有するものが最も好ましい。
表−7に記載された実施例82〜91は、基質と過酸化水
素源とを含む処方の変法についての汚れ除去を説明す
る。実施例82〜91のそれぞれは、各種酵素を含むまたは
含まない標準的処方から成り、酵素の添加による汚れ除
去への効果を説明した。
実施例82では、標準処方はトリオクタノイン0.06重量
%、PVA(ポリビニルアルコール)0.0036重量%およびH
2O2を80ppm含んでいた。試験を行うに当り、5枚の布き
れを上記処方を含む水200mlに浸漬した。試験は室温で
定速撹拌しながら12分間継続した。
実施例83は、K−30酵素56μg/mlを加えたこと以外は
実施例82と同様に行った。
実施例84では、室温の代わりに38℃で試験したことを
除いて、実施例82の処方および条件を繰り返した。
実施例85および86は、実施例85ではK−30酵素20μg/
mlを加え、実施例86ではType VII酵素50μg/mlを加えた
ことを除き、実施例84と同様に試験した。
実施例87では、過酸化水素の量を50ppmに減らしたこ
とを除いて、実施例84の処方および条件を繰り返した。
実施例88、89および90は、実施例88ではLipase S酵素
20μg/mlを加え、実施例89ではK−30酵素20μg/mlを加
え、実施例90ではType VII酵素20μg/mlを加えたことを
除いて、実施例87と同様に試験した。
実施例91では、Tideという商標の洗剤1.5g/lを加えて
実施例87の処方および条件を繰り返した。
実施例92は、次にK−30酵素20μg/mlを加えたことを
除いて実施例91と同様に実施した。
表−7では、それぞれの非標準的実施例に対して酵素
の名称を示し、次いで汚れの除去を反射光線により数値
で表わしたパラメーター%SR(Y)と信頼係数LSD(最
小有意差)を示した。
したがって、表−7は(表−1および2の場合と同じ
酵素を有する)実施例83、85、86、88〜90および92のそ
れぞれは、(酵素を含まない)それぞれの対照例と比較
して、汚れの除去能力に有為な増加が見られることを示
している。
本発明のもう一つの態様では、酵素性触媒的ぺる加水
分解系はリパーゼまたはエステラーゼ酵素と、過酸化水
素源と、構成式 (但し、nは0〜10であり、mは0〜10である)を有す
る物質から成る。特に好ましい物質はnが8〜10で、m
が0〜2である場合に提供される。
この態様では、酵素の濃度が、反応混合物の約5%未
満、更に好ましくは約0.1%未満、最も好ましくは約0.0
1%未満である。酵素の量は、次の実施例93に更に詳細
に説明されるように重要と思われる。
実施例93成分 濃度 リパーゼ(K−30)酵素1 0.01mg/ml H2O2 2 400ppm A.O. エチルオクタノエート3 1.1重量% ポリビニルアルコール 0.07重量% 水 残部 脚注 1.アマノ(Amano)製、シュドモナス種。
2.液状H2O2を用いた。乾燥標準漂白組成物では、過ホウ
酸ナトリウム股はその他の無機過酸化物を水性溶液にH2
O2の当量%供給することができる。
3.エチルオクタノエートは構造 CH3(CH2)6-C-O-CH2CH3 を有し、シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemic
al Co.)から発売されている。
上記組成をビーカー中で配合して、音波処理を行っ
た。滴定法によって0.13ppmの活性酸素を有する過酸を
測定した。酵素を上記組成から省くと、過酸は生成しな
かった。
実験では、酵素の濃度を増しても過酸の量は増加せ
ず、実際には減少することを示している。これは、これ
らの型の基質に関して用いるには酵素の限界水準が必要
である事を示している。
以上の説明、発明の態様および実施例は例示のために
記載したものであり、発明の範囲を制限するためのもの
ではない。その他の非制限的発明の態様は、説明および
実施例に於いて記載したものの外にも可能である。した
がって、本発明の範囲は、本発明を更に説明するもので
ある特許請求の範囲によってのみ定義される。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酵素のペル加水分解によって過酸をその場
    で生成する漂白剤組成物であって, (a)水溶液中で過酸化水素を生成する過酸化物と, (b)リパーゼ及び/またはエステラーゼ活性を有する
    酵素と, (c)以下の構造を有する官能化エステルであって, i)R1=C1〜C12,R2=C1〜C12またはH及びR3=C1〜C12
    またはHである,以下の構造を有するグリセリドと, ii)n=1〜10,R1=C1〜C12である,以下の構造を有す
    るエチレン・グリコール誘導体と, iii)n=1〜10,R1=C1〜C12である,以下の構造を有
    するプロピレン・グリコール誘導体と, から成る群から選択されるところの官能化エステルと, から成り, 前記酵素及び官能化エステルは,前記過酸化物からの過
    酸化水素の存在下で,互いに相互作用するように組み合
    わされかつ決められた量で用いられ,その結果水溶液内
    で少なくとも0.1ppmの活性酸素をもたらす化学式R1COOO
    Hで表される過酸が新しく生成され,それによって優れ
    た汚れ除去作用が与えられる, ことを特徴とする漂白剤組成物。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の漂白剤組成
    物であって,前記酵素及び官能化エステルは,優れた汚
    れ除去作用及び改良された清浄作用を与えるべく,酵素
    源の過酸として0.5〜50ppmの活性酸素を与えるよう組み
    合わされかつ選択された量で用いられる, ところの漂白剤組成物。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項に記載の漂白剤組成
    物であって,前記酵素及び官能化エステルは,優れた汚
    れ除去作用及び改良された清浄作用を与えるべく,酵素
    源の過酸として1.0〜20ppmの活性酸素を与えるよう組み
    合わされかつ選択された量で用いられる, ところの漂白剤組成物。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項に記載の漂白剤組成
    物であって,前記官能化エステルにおいてR1=C6〜C10,
    R2=C6〜C10またはH及びR3=C6〜C10またはHである, ところの漂白剤組成物。
  5. 【請求項5】物質を洗浄する方法であって, 該物質を水溶液に接触させる段階と, 該水溶液に酵素のペル加水分解によって過酸をその場で
    生成する漂白剤組成物を混入する段階と, から成り, 当該漂白剤組成物が, (a)水溶液中で過酸化水素を生成する過酸化物と, (b)リパーゼ及び/またはエステラーゼ活性を有する
    酵素と, (c)以下の構造を有する官能化エステルであって, i)R1=C1〜C12,R2=C1〜C12またはH及びR3=C1〜C12
    またはHである,以下の構造を有するグリセリドと, ii)n=1〜10,R1=C1〜C12である,以下の構造を有す
    るエチレン・グリコール誘導体と, iii)n=1〜10,R1=C1〜C12である,以下の構造を有
    するプロピレン・グリコール誘導体と, から成る群から選択されるところの官能化エステルと, から成り, 前記酵素及び官能化エステルは,前記過酸化物からの過
    酸化水素の存在下で,互いに相互作用するように組み合
    わされかつ決められた量で用いられ,その結果水溶液内
    で少なくとも0.1ppmの活性酸素をもたらす化学式R1COOO
    Hで表される過酸が新しく生成され,それによって優れ
    た汚れ除去作用が与えられる, ことを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第5項に記載の方法であっ
    て,前記酵素及び官能化エステルは,優れた汚れ除去作
    用及び改良された清浄作用を与えるべく過酸として0.5
    〜50ppmの活性酸素を与えるよう組み合わされかつ選択
    された量で用いられる, ところの方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第5項に記載の方法であっ
    て,前記酵素及び官能化エステルは,優れた汚れ除去作
    用及び改良された清浄作用を与えるべく過酸として1.0
    〜20ppmの活性酸素を与えるよう組み合わされかつ選択
    された量で用いられる, ところの方法。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第5項に記載の方法であっ
    て,前記官能化エステルにおいてR1=C6〜C10,R2=C6〜
    C10またはH及びR3=C6〜C10またはHである, ところの方法。
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