JP2584624B2 - 多段槽振動バレル加工機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、上下多段又は上下多段で内外多重の振動
バレル加工機に関するものであって、バレル加工機の製
造、販売又は使用の産業分野で利用される。

（従来の技術） 従来知られている多段槽振動バレル加工機の排石装置
は、第３図に示すように最下段のバレル槽３に排石口を
設け、該排石口に蓋15を開閉可能に設置した構造であっ
た（特開昭63−21556号公報）。

（発明により解決すべき課題） 前記従来の排石装置によれば、排石口は内側の長尺管
体の終端と外側の長尺管体の始端との間、即ち、最下段
のバレル槽に設置されていた。従って研磨石を排出する
ため排石口を開口すると、内側の長尺管体より下降して
きた研磨石群は、排石口を一気に通過するので、その一
部は排出口より排出されずに、外側の長尺管体側へ移動
し、外側の長尺管体を上昇して選別部を通過した後、再
び内側の長尺管体を下降して前記動作を繰り返すように
なる。従って研磨石の全部を排出するには、研磨石がバ
レル槽内を何回も循環してしまうので、研磨石の交換作
業には多大の時間を費す問題点があった。

（課題を解決すべき手段） 然るにこの発明は、選別網の後端に研磨石の移動方向
を変えるフラップを取り付け、該フラップの下部に排石
用樋を設置したので、選別部手前まで上昇した研磨石は
フラップを開放することにより排石用樋内へ全て排出す
ることができることになり、前記従来の問題点を解決し
たのである。

即ちこの発明は、均一小径の長尺管体を、上下多段、
又は上下多段で内外多重に螺旋状に形成したバレル槽を
振動装置と共にスプリング上に懸架した多段槽振動バレ
ル加工機において、長尺管体の上端部のバレル槽底に排
石口を穿設すると共に、該排石口を閉鎖し、又は開放す
るフラップを設置し、前記フラップ下部に排石用樋を設
けて、この発明の排石装置を完成した。

前記におけるフラップは板状であり、その取付けは横
軸により上方又は下方へ回動可能に架設することによ
り、前記バレル槽底に設けた排石口を閉鎖又は開放する
ことができる。

（作用） この発明は、長尺管体の上端部のバレル槽底と選別網
の後端との間に研磨石の移動方向を変えるフラップを設
け、フラップの下部に排石用樋の一側を臨ませたので、
フラップを開放することにより排石用樋より全ての研磨
石をスムーズに排出することができる。

（実施例１） 次にこの発明の実施例を第１図及び第２図に基づいて
説明する。第１図はこの発明の実施例の装置を設置した
バレル加工機の正面図、第２図は同じく平面図である。

この発明は、同心状に配置した内筒１と外筒２の間へ
均一小径の長尺管体3a、3bを上下多段で内外多重に螺旋
状に巻き付けてバレル槽３を構成し、前記内筒１と外筒
２との間の空間に発泡プラスチック（例えば発泡ポリウ
レタン）又はスポンジゴム（例えばネオプレンスポンジ
ゴム）などの充填材４を充填して、前記バレル槽３の全
体を包みこんで固定する。

前記内筒１の内側上方へ一対の偏心重錘５、5aを具え
た振動モーター６を垂直に取り付け、これらの装置をフ
ランジ７と共に多数のスプリング８、８によって基台９
上に懸架する。

前記バレル槽３は外側の長尺管体3aと内側の長尺管体
3bとで構成され、夫々の管体3a、3bは下端で連結されて
いる。

また前記外側の長尺管体3aの上端部のバレル槽底を切
り欠き、選別網19の後端との間に研磨石の排石口10を設
けると共に、該排石口10を閉鎖し、又は開放するフラッ
プ11を回転軸12（横軸）を支点として第１図中11aの位
置より11bの位置まで回動可能に設置する。前記フラッ
プ11の下部に排石用樋13の一側を臨ませる。

前記内側の長尺管体3bの上端は、前記選別網19の下方
に設けた研磨石リターン用の樋20に連結されている。図
中22は前記樋20に通じる工作物又は研磨石の投入口、21
は工作物の排出口である。

上記の構造に基づいてこの発明の動作を説明する。先
づ工作物を研磨する時には、フラップ11は11aの位置に
回動し、排石口10を閉鎖しておく。ついで投入口22より
投入された未研磨の工作物は、研磨石と共に内側の長尺
管体3bを下降した後、外側の長尺管体3aを上昇し、フラ
ップ11上を通過して選別網19上へ導かれる。研磨済工作
物は選別網19上で選別された後、排出口21より排出さ
れ、選別された研磨石は再び内側の長尺管体3bへ戻さ
れ、前記と同様の動作を繰り返す。研磨作業終了後、研
磨石の交換を行なう場合には、フラップ11を第１図中11
bの位置に回動固定して、排石口10を開放する。このよ
うにすると、外側の長尺管体3aを上昇し、管体3aの上端
部に到達した研磨石は、排石用樋13上へ落下し、バレル
槽外へ排出される。

尚、前記実施例では長尺管体の上端底部を切り欠いて
排石口を造ったが、これに限定されるのではなく、要は
バレル槽上端部の槽底と選別網後端との間に排石口を設
けたものであれば良い。また前記実施例ではフラップを
上方へ回動して排石口を開放したが、下方へ回動して排
石口を開放するようにしても同様の効果が得られ、この
発明の技術範囲に属するものである。

また、さらに前記実施例では、排石口およびフラップ
の形状については詳述しなかったが、フラップの回動に
よりフラップと排石口との間には初動段階では隙間が生
じないのが望ましい。したがって排石口付近のみを断面
方形状とし、この断面形状に沿うようにフラップの形状
を定めるのが望ましい。

（発明の効果） 即ち、この発明によれば、長尺管体の上端部のバレル
槽底に排石口を設け、該排石口上に研磨石の移動方向を
変えるフラップを取り付け、該フラップの下部に排石用
樋を設置したので、フラップを回動することにより研磨
石を排石用樋からスムーズに排出することができる。従
って研磨石の交換作業が著しく短時間で、かつ容易とな
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例の装置を具備したバレル加工
機の正面図、第２図は同じく平面図、第３図は従来の装
置を具備したバレル加工機の正面図である。 １……内筒、２……外筒 ３……バレル槽、3a、3b……長尺管体 10……排石口、11……フラップ 13……排石用樋、19……選別網

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】均一小径の長尺管体を、上下多段又は上下
   多段で内外多重に螺旋状に形成したバレル槽を振動装置
   と共にスプリング上に懸架した多段槽振動バレル加工機
   において、長尺管体の上端部のバレル槽底に排石口を穿
   設すると共に、該排石口上に研磨石の移動方向を変える
   フラップを設置し、前記排石口の下部に排石用樋を設け
   たことを特徴とする多段槽振動バレル加工機
2. 【請求項２】フラップの取付けは、横軸により上方また
   は下方へ回動可能に架設したことを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の多段槽振動バレル加工機