JP2584318Y2 - 外壁板の取付具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、建物の外壁板の取付具
に関する。

【０００２】

【従来の技術】建物の外壁を補修する場合、側面からみ
て垂直な前壁および前壁の後方に同じく垂直に起立する
後壁並びに前壁と後壁の下端間に水平に設けられる底壁
を有する取付具を、予め外壁面に固定された胴縁を介し
て上下に対向して固定し、両取付具の前後壁間に外壁板
の縁部を嵌め込むことにより、壁面に外壁板が取付けら
れている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】例えば、マンションな
どのベランダの手摺壁では、その外側面に外壁板を取付
ける以外に手摺壁の上面も傷んでいることがある。その
場合は、外壁板の取付け作業とは別に補修を行ってい
た。

【０００４】しかしながら、手摺壁の上面の補修は、通
常、防水塗装を施すことにより行われるが、この場合、
予め外壁面が充分に乾燥されている必要がある他、塗装
の際の塗料の均一な塗布や塗装後の乾燥に一定時間を要
するなど、その補修に多大の手間と時間を要するという
問題がある。

【０００５】本考案の目的は、建物のベランダの手摺壁
や窓部などでも簡単且つ美麗に外壁板を取付けることが
できる取付具を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案にかかる外壁板の
取付具は、側面からみて垂直な前壁および前壁の後方に
同じく垂直に起立する後壁並びに前壁と後壁の下端間に
水平に設けられる底壁を有する外壁板縁部嵌入部と、外
壁板縁部嵌入部の底壁から後方へ延長状に設けられ且つ
長さ方向に伸びる折取り用切溝が前後方向に所定間隔で
形成されている後方延長突出部とを備えているものであ
る。

【０００７】

【作用】本考案による外壁板の取付具によれば、出隅を
構成する外壁面に固定された胴縁の上下に２つの取付具
を、その外壁板縁部嵌入部同士を対向させた状態とし
て、その各後壁を胴縁上にビス止めした上、外壁板縁部
嵌入部に外壁板の縁部を挿入することにより外壁板が胴
縁の外側面に取付けられる。そして、取付具の後方延長
突出部は、外壁板が取付けられた外壁面の上面または下
面の条件に合わせて後方延長突出部を適当な位置の折取
り用切溝に沿って除去することができる。例えば、ベラ
ンダの手摺壁では、その外側面の外壁板を本考案の取付
具で固定すれば、外壁板の上縁側を固定する取付具の後
方延長突出部が傷んだ手摺壁の上面を覆い、この場合、
手摺壁の上面の幅に応じて後方延長突出部を適当な位置
の折取り用切溝に沿って除去することができる。

【０００８】

【実施例】次に、本考案の構成を図面に示す実施例にし
たがって具体的に説明する。

【０００９】取付具(1) は、アルミニウム押出形材製で
あって、図１・図２に示すように、側面からみて垂直な
前壁(2a)および前壁(2a)の後方に同じく垂直に起立する
後壁(2b)並びに前壁(2a)と後壁(2b)の下端間に水平に設
けられる底壁(2c)を有する外壁板縁部嵌入部(2) と、外
壁板縁部嵌入部(2) の底壁(2c)から後方へ延長状に設け
られ且つ長さ方向に伸びるＶ字状の折取り用切溝(3a)が
前後方向に一定間隔で８本形成されている後方延長突出
部(3) とを備えている。

【００１０】本実施例では、前壁(2a)が後壁(2b)より低
く、また後壁(2b)と後方延長突出部(3) はそれぞれ一定
幅で長さ方向に伸びる凹凸形状とされている。

【００１１】本実施例の取付具(1) によるマンションの
外壁補修工事における外壁板の取付けについて説明する
と、図３・図４に示すように、屋上部(A) 、およびその
下階(B) 、(C) に外壁板を取付ける場合、窓(W) を有す
る垂直外壁(5a)と、屋上部(A) 並びにベランダ(D) にお
ける庇部(5b)および手摺壁(5c)の外側面にそれぞれ胴縁
(6) を固定する。胴縁(6) は図５に示すように、側面か
らみてリップ溝形の当接部(6a)と、その両側壁(6b)から
伸びる鍔部(6c)と、鍔部(6c)の先端に当接部(6a)の側壁
(6b)と同一高さで平行に設けられる端壁(6d)とからなる
ものである。そして、胴縁(6) は鍔部(6c)より長ビス(7
a)を手摺壁(5c)の内部にねじ込むことにより固定され
る。

【００１２】次に、取付具(1) の手摺壁(5c)への取付け
に当たっては、図４および図５に示すように、その後壁
(2b)を胴縁(6) の当接部(6a)に当接させた状態で外方か
ら短ビス(7b)をねじ込むことにより胴縁(6) 上に当該取
付具(1) が固定される。屋上部(A) における庇部(5b)と
手摺壁(5c)によって形成される出隅部分への外壁板(4)
の取付けの場合、手摺壁(5c)上の胴縁(6) の上縁と下縁
に沿ってそれぞれ本実施例の取付具(1) を対向させた状
態で固定する。対向する外壁板縁部嵌入部(2)間に外壁
板(4) を嵌め込むものである。外壁板(4) の上縁におけ
る取付具(1) の後方延長突出部(3) は、手摺壁(5c)の上
面を覆うこととなり、この面の補修を行うことができ
る。また、手摺壁(5c)の上面が傷んでいない場合には、
図６に示すように、後方延長突出部(3) を予め後壁(2b)
に最も近い折取り用切溝(3a)に沿って先端側を除去した
形態とし、その縁部が手摺壁(5c)に当接させることもで
きる。

【００１３】一方、手摺壁(5c)の胴縁(6) 下縁における
取付具(1) は、後方延長突出部(3)が除去されていない
形態であり、庇部(5b)上の外壁板(4) の端部を覆うもの
である。

【００１４】また、垂直外壁(5a)と庇部(5b)によって形
成される入隅については、横断面コ字形の取付具(8) が
それぞれ胴縁(6) 上に対向して固定され、これらに外壁
板(4) の縁部が嵌め込まれることにより、外壁板(4) が
取付けられている。

【００１５】さらに、下階(B)(C)の各ベランダ(D) につ
いても、上述した屋上部(A) の場合と同様の要領で外壁
板(4) の取付けを行うものである。

【００１６】図７・図８は本考案の取付具を用いて窓枠
の上下部分に外壁板を取付ける場合の実施例を示す。

【００１７】図７は垂直外壁(5a)より内側に窓(W) が設
けられた場合であって、上下の垂直外壁(5a)にそれぞれ
固定された胴縁(6) 上に、取付具(1) が短ビス(7b)によ
り固定され、各外壁板縁部嵌入部(2) に外壁板(4) が嵌
め込まれるものである。

【００１８】図８は垂直外壁(5a)より外側に窓(W) が設
けられた所謂出窓の場合であって、この場合も外壁板
(4) は上記と同様の要領で垂直外壁(5a)に取付けられ、
取付具(1) と窓(W) 間にはコーキング(9) が施される。

【００１９】

【考案の効果】本考案の取付具によれば、特にマンショ
ンなどのベランダの手摺壁に外壁板を取付ける場合、そ
の上縁の取付具の後方延長突出部により手摺壁の上面を
覆うことができる。また、その際、手摺壁上面の幅に応
じて、後方延長突出部をその適当な折取り用切溝に沿っ
て除去することができる。したがって、本考案の取付具
によれば、従来のように、別途、手摺壁上面の補修作業
を行う必要がなく、この種外壁の補修工事の作業能率を
大幅に向上させることができる。

【００２０】この他、例えば建物の窓部分についても、
窓の形態に関係なく、簡単且つ確実に外壁板の取付けが
行えるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の取付具の一実施例を示す斜視図であ
る。

【図２】取付具の後方延長突出部を折取り用切溝から除
去した状態の斜視図である。

【図３】本考案の取付具を用いた外壁板の取付け例を示
す斜視図である

【図４】本考案の取付具を用いた外壁板の取付け状態を
示す断面図である。

【図５】取付具を固定する胴縁の取付け状態を示すＡ−
Ａ線断面図である。

【図６】手摺壁上面における取付具の他の取付け例を示
す断面図である。

【図７】窓部分における外壁板の取付け例を示す断面図
である。

【図８】窓部分における外壁板の他の取付け例を示す断
面図である。

【符号の説明】

(2) 外壁板縁部嵌入部 (2a) 前壁 (2b) 後壁 (2c) 底壁 (3) 後方延長突出部 (3a) 折取り用切溝

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 側面からみて垂直な前壁(2a)および前壁
   (2a)の後方に同じく垂直に起立する後壁(2b)並びに前壁
   (2a)と後壁(2b)の下端間に水平に設けられる底壁(2c)を
   有する外壁板縁部嵌入部(2) と、外壁板縁部嵌入部(2)
   の底壁(2c)から後方へ延長状に設けられ且つ長さ方向に
   伸びる折取り用切溝(3a)が前後方向に所定間隔で形成さ
   れている後方延長突出部(3) とを備えている外壁板の取
   付具。