JP2583856B2 - 光ビ−ム走査装置 - Google Patents

光ビ−ム走査装置

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JP2583856B2
JP2583856B2 JP61224465A JP22446586A JP2583856B2 JP 2583856 B2 JP2583856 B2 JP 2583856B2 JP 61224465 A JP61224465 A JP 61224465A JP 22446586 A JP22446586 A JP 22446586A JP 2583856 B2 JP2583856 B2 JP 2583856B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は光源からの光ビームを偏向器によって偏向し
被走査面を走査する光ビーム走査装置に関するものであ
る。
従来の技術 従来より偏向反射面を有する偏向器、例えば回転多面
鏡を用いた光ビーム走査装置において、その偏向反射面
の倒れにより偏向走査された光ビームが、走査面に直角
な面内で変化しても被走査面上での走査線にピッチむら
が生じないような光ビーム走査装置は種々知られてい
る。例えば、特開昭56-36622号公報、特開昭57-144516
号公報では、レーザー光源を適当な手段で適当なビーム
径にコリメートされた光ビームを得る光源、線状に結像
する単一の平凸シリンドリカルレンズからなる第1結像
光学系とその線状の結像位置近傍に偏向された光ビーム
を被走査面上に結像する単一の球面レンズと単一のトー
リック面を有するレンズからなる第2結像光学系から構
成されている。その偏向反射面とその被走査面は走査方
向と直角な面内において幾何光学的共役関係にあり、そ
の偏向反射面の倒れを光学的に補正し走査線のピッチむ
らを補正している。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の光ビーム走査装置では、走査方
向のFナンバーが60、走査方向と直角な方向のFナンバ
ーが100と大きく、光ビームの被走査面におけるスポッ
ト径が約100μm程度となり、1mm当り10ドット程度の解
像度しか得られない。小さいスポット径を得るにはFナ
ンバーを小さくし、かつ充分な収差補正を必要とするが
従来の光ビーム走査装置では、第2結像光学系の走査方
向と直角な面内のパワーが、前記幾何光学的共役関係を
満足するために必然的に強くなり、収差が大きく発生し
易く、Fナンバーを小さくすることが困難であった。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の光ビーム走査装
置は、第1結像光学系は走査方向に対し直角な方向にの
み光の収束効果を有し、さらに補正過剰な球面収差が生
じるように構成され、走査方向に対し直角な方向に関
し、その偏向反射面と被走査面とが幾何光学的共役関係
をなし、前記第2結像光学系は、偏向器側から順に、偏
向器側に凹面を向けた正のメニスカス球面レンズ、偏向
器側に凸面を向けた正の球面レンズとトーリック面を有
するレンズの3枚により構成され、次の条件を満足する
ように構成するものである。
f3>5.0f 但し、fは全系の走査方向における焦点距離、f3は第2
結像光学系の偏向器側から見た第1レンズの焦点距離。
作用 第2結像光学系は、走査方向に対し直角な方向に関し
偏向反射面と被走査面とが幾何光学的共役関係にあるの
で、走査方向と直角な面内のパワーが走査方向のパワー
に比べて強くなっている。従って走査方向における球面
収差は補正不足となりFナンバーを小さくすることは残
存収差によって回折限界系の光学系とする上で大きな制
約を受けていた。しかしながら本発明は第1結像光学系
が補正過剰な球面収差を持つように構成されているの
で、前記第2結像光学系の走査方向に直角な方向におけ
る補正不足な球面収差と相互に打ち消し合う。さらに第
2結像光学系を3枚すべて正レンズで構成することによ
り、第2結像光学系において光束の入射角をθ、走査方
向の焦点距離をf、像高をyとしたとき、 y=f・θ となる負の歪曲特性を得るために必要な正パワーを無理
なく各レンズに配分することができ、走査の直線性に対
しても良好に補正する自由度を増す。
以上のような作用により全系の残存収差は著しく低減
され、その結果、本発明の光ビーム走査装置は、Fナン
バーを小さくすることが可能となり光ビームの被走査面
におけるスポット径を小さく絞り込むことができる高印
字品質化に対応した光ビーム走査装置が得られることと
なる。
条件f3>5.0fは、第2結像光学系において偏向器側か
ら見て第1レンズのパワーを規定するものであり、歪曲
収差などの諸収差を補正するため無理のないパワーの配
分を行う条件である。f3が、この下限を越えるとパワー
のバランスがくずれ、走査の直線性のずれおよび像面湾
曲が過大となる。
さらに、トーリック面を有するレンズは、走査方向と
直角な面内において偏向器側に凹面を向けた全体で正の
パワーを有するメニスカス単レンズであることが望まし
い。
さらに、トーリック面を有するレンズは、その偏向器
側の面の走査方向の屈折に関する曲率半径をr10とする
とき、r10=∞とすれば加工上容易であり、コストを下
げるのに有効である。
実施例 以下に本発明になる光ビーム走査装置の一実施例を示
す。但し、各実施例中r1,r2,……は光源から順に走査
方向の屈折に関する各面の曲率半径、r1′,r2′,……
は光源から順に走査方向と直角な方向の屈折に関する各
面の曲率半径、d1,d2,……は上記各面の面間隔、n1,
n2,……はそれぞれのレンズの波長790nmにおける屈折
率である。
第1実施例 Fナンバー 走査方向 :50 走査方向と直角な方向 :50 (第1結像光学系) r1=∞ r1′=15.044 d1= 4.00 n1=1.76530 r2=∞ r2′=12.773 d2= 5.00 r3=∞ r3′=48.842 d3= 3.72 n2=1.76530 r4=∞ r4′= ∞ d4=73.19 (偏向反射面) r5=∞ r5′= ∞ d5=20.00 (第2結像光学系) r6 =−70.189 r6′ =−70.189 d6 =18.845 n3=1.76530 r7 =−77.471 r7′ =−70.471 d7 =10.00 r8 =369.975 r8′ =369.975 d8 = 6.15 n4=1.53288 r9 =554.244 r9′ =554.244 d9 =39.51 r10 =−1859.183 r10′ =−78.953 d10 =12.34 n5=1.67450 r11 =−227.419 r11′ =−33.306 f3= 27.8f d10=0.043f 第2実施例 Fナンバー 走査方向 :49 走査方向と直角な方向 :49 (第1結像光学系) r1= ∞ r1′=21.000 d1= 4.00 n1=1.765299 r2= ∞ r2′=17.545 d2= 5.00 r3= ∞ r3′=47.389 d3= 3.72 n2=1.765299 r4= ∞ r4′= ∞ d4=79.01 (偏向反射面) r5= ∞ r5′= ∞ d5=20.48 (第2結像光学系) r6 =−70.606 r6′ =−70.606 d6 =17.28 n3=1.765299 r7 =−77.654 r7′ =−70.654 d7 = 0.66 r8 =354.042 r8′ =354.042 d8=14.21 n4=1.532883 r9 =431.786 r9′ =431.786 d9 =39.29 r10 = ∞ r10′ =−83.615 d10 =18.19 n5=1.674497 r11 =−230.766 r11′ =−34.394 f3=56.8f d10=0.064f 第3実施例 Fナンバー 走査方向 :50 走査方向と直角な方向 :50 (第1結像光学系) r1= ∞ r1′=38.410 d1= 4.00 n1=1.76530 r2= ∞ r2′=26.065 d2= 5.00 r3= ∞ r3′=39.264 d3= 3.720 n2=1.765299 r4= ∞ r4′= ∞ d4=86.057 (偏向反射面) r5= ∞ r5′= ∞ d5=20.00 (第2結像光学系) r6 =−83.583 r6′ =−83.583 d6 =25.24
n3=1.73759 r7 =−87.678 r7′ =−87.678 d7 =10.00 r8 =336.361 r8′ =336.361 d8 = 6.00
n4=1.76167 r9 =432.403 r9′ =432.403 d9 =39.5
8 r10 = ∞ r10′ =−65.724 d10 =12.0
0 n5=1.60659 r11 =−286.512 r11′ =−29.803 f3=5.21f d10=0.042f (第4実施例) Fナンバー 走査方向 :50 走査方向と直角な方向 :50 (第1結像光学系) r1= ∞ r1′=23.564 d1= 4.05 n1=1.765299 r2= ∞ r2′=20.286 d2= 5.06 r3= ∞ r3′=54.574 d3= 3.77 n2=1.765299 r4= ∞ r4′= ∞ d4=85.42 (偏向反射面) r5= ∞ r5′= ∞ d5=25.00 (第2結像光学系) r6 = −72.763 r6′ = −72.763 d6 =19.00 n3=1.76167 r7 = −77.288 r7′ = −77.288 d7 =10.00 r8 = 643.375 r8′ = 643.375 d8 =11.147 n4=1.5119 r9 = 2849.379 r9′ = 2849.379 d9 =45.00 r10 = ∞ r10′ = −82.637 d10 = 6.00 n5=1.67450 r11 = −306.407 r11′ = −34.194 f3= 7.0f d10=0.02f 本発明になる光ビーム走査装置の一実施例について図
面を参照しながら説明する。第1図は本発明に係る光ビ
ーム走査装置の第1実施例に基づく概略構成図を示す斜
視図である。レーザー光源からの出力光はコリメータレ
ンズで適当なビーム径となるようコリメートされ(図示
せず)に、光ビーム1は、2枚のシリンドリカルレンズ
2,3から構成された第1結像光学系5によって偏向反射
面6の近傍に走査方向に線状に結像される。偏向反射面
6は回転多面鏡7の周囲に設けられた複数の偏向反射面
の1つである。これはモーター(図示せず)等によって
回転駆動され、偏向をおこなう。その偏向反射面6によ
って、被走査面12に走査スポットを形成する。ここで、
その2枚の球面レンズ8,9とトーリックレンズ10は、第
1図に示す如く光ビーム走査装置の小型化が可能なよう
に、光ビームが通過する範囲を少なくとも確保できるよ
うな外形形状とするのが望ましい。第2図(a),
(b)は、前記第1実施例の各々走査面内におけるレン
ズ配置と光路を示す概略図と走査方向と直角な面内にお
けるレンズ配置と光路を示す概略図である。第2図
(b)に示す如く、第2結像光学系11に対して、走査方
向と直角な面内においては、偏向反射面6と被走査面12
は幾何光学的共役関係にあり、所謂偏向反射面の面倒れ
の補正機能を有している。このような作用を有する第2
結像光学系は、走査方向に直角な方向におけるパワー
が、偏向方向のパワーに比べて大であり、走査方向に直
角な方向で補正不足の球面収差が発生する。本実施例に
おいては、前記の如く、シリンドリカルレンズ群によっ
て構成される第1結像光学系5が、その第2結像光学系
で発生する補正不足の球面収差を相殺するように補正過
剰の球面収差を、走査方向に直角な方向に発生させてい
る。これによって、全系での球面収差は著しく低減され
ている。
第3図,第4図,第5図および第6図は、それぞれ第
1実施例,第2実施例,第3実施例および第4実施例に
おける特性を示す。
図中(a)は第1結像光学系の走査方向と直角な方向
の球面収差、(b)は第2結像光学系の走査方向と直角
な方向の球面収差、(c)は全系の走査方向と直角な方
向の球面収差、(d)は非点収差を示し、実線はサジタ
ル(S)方向、破線がメリディオナル(M)方向の収差
を表している。(e)は走査の直線性の特性を示してい
る。各図から明らかなように、全系の各残存収差は良好
に補正されており、Fナンバーの小さく広画角で、しか
も面倒れ補正機能を有する光ビーム走査装置が実現され
ている。
第2実施例,第3実施例,第4実施例は第2結像光学
系のトーリック面を有するレンズにおいて偏向器側の面
の走査方向の屈折に関する曲率半径r10をr10=0とした
ものである。このことによって、加工が容易となりコス
トの低減ができる。
なお、トーリック面を有するレンズはレンズの口径が
比較的大きくなるため硝材コストを下げるためには、レ
ンズ肉厚は薄い方が好ましいが、コバ厚が薄くなりすぎ
ると精度の高い加工が困難となる。したがってトーリッ
ク面を有するレンズの肉厚をd10とすると、 d10<0.02f であることが望ましい。
発明の効果 本発明は、光源からの光ビームを線状に偏向反射面の
近傍に結像する第1結像光学系が、補正過剰な球面収差
を持つように構成され、さらに第2結像光学系が、偏向
器側から順に、偏向器側に凹面を向けた正のメニスカス
球面レンズ、偏向器側に凸面を向けた正の球面レンズと
トーリック面を有するレンズの3枚により構成され、前
記の条件を満足することによって全系の残存収差が良好
に補正されたFナンバーの小さく広画角でしかも面倒れ
補正機能を有する光ビーム走査装置を提供するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例に基づく光ビーム走査装置
の概略構成を示す斜視図、第2図は本発明の第1実施例
の装置の構成図、第3図は第1実施例における特性図、
第4図,第5図,第6図はそれぞれ第2実施例,第3実
施例,第4実施例の特性図である。 1……光ビーム、5……第1結像光学系、6……偏向反
射面、11……第2結像光学系、12……被走査面。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光ビームを線状に結像する第1
    結像光学系、その第1結像光学系による線状の結像の位
    置近傍にその偏向反射面を有する偏向器、その偏向器で
    偏向された光束を第2結像光学系を介して被走査面を走
    査する光ビーム走査装置であって、前記第1結像光学系
    は走査方向に対し直角な方向にのみ光の収束効果を有
    し、さらに補正過剰な球面収差が生じるように構成さ
    れ、走査方向に対し直角な方向に関し、その偏向反射面
    と被走査面とが幾何光学的共役関係をなし、前記第2結
    像光学系は、偏向器側から順に、偏向器側に凹面を向け
    た正のメニスカス球面レンズ、偏向器側に凸面を向けた
    正の球面レンズとトーリック面を有するレンズの3枚に
    より構成され、次の条件を満足することを特徴とする光
    ビーム走査装置。 f3>5.0f 但し、fは全系の走査方向における焦点距離、f3は第2
    結像光学系の偏向器側から見た第1レンズの焦点距離。
  2. 【請求項2】トーリック面を有するレンズは、その偏向
    器側の面の走査方向の屈折に関する曲率半径をr10とす
    るとき、r10=∞である特許請求の範囲第(1)項記載
    の光ビーム走査装置。
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