JP2583413B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2583413B2 JP18394986A JP18394986A JP2583413B2 JP 2583413 B2 JP2583413 B2 JP 2583413B2 JP 18394986 A JP18394986 A JP 18394986A JP 18394986 A JP18394986 A JP 18394986A JP 2583413 B2 JP2583413 B2 JP 2583413B2
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    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 (技術分野) 本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関するものであ
り、特に感度を向上した、分光増感したハロゲン化銀写
真感光材料に関するものである。
(従来技術) 分光増感技術は、高感度で色再現性に優れた感光材料
を製造する上で極めて重要かつ必須の技術である。高感
度な感光材料を提供すべくこれ迄種々の分光増感剤の開
発がなされるとともに、それらの強色増感方法、添加方
法等による使用上の技術開発も多くなされてきた。分光
増感剤は本来ハロゲン化銀写真乳剤が実質的に光吸収し
ない長波長域の光をも吸収し、その光吸収電子及び/ま
たは光吸収エネルギーをハロゲン化銀に伝達する作用を
有している。従つて分光増感剤による光捕捉量の増加は
写真感度を高めるのに有利となる。このため、光吸収係
数の高い分光増感剤を開発する試みだけでなく、ハロゲ
ン化銀乳剤への添加量を増加させて光捕捉量を高めよう
とした試みもなされている。
しかしながらハロゲン化銀乳剤への分光増感剤の添加
量は或る最適添加領域が存在し、それはハロゲン化銀粒
子の全表面を分光増感剤で被覆する量より少ないのが通
例であり、それ以上の量を添加するとかえつて大きな減
感をもたらす。このことは、T.H.ジエイムス(James)
編、「ザ・セオリー・オブ・ザ・フオトグラフイク・プ
ロセス(The Theory of the Photographic Proces
s」第4版」マクラミン(Macmillan,New York)1977,P
265〜268に記載されている。
(発明が解決しようとする問題点) このため、分光増感剤の添加量を増すことができる添
加方法の改良、ハロゲン化銀粒子乳剤の調製方法の改良
が試みられてきた。
例えばトーマス・エル・ペー(Thomas L Penne
r)、ピ・ビー・ギルマン・ジユニア(P.B.Gilman,J
r)、フオトグラフイク・サイエンス・アンド・エンジ
ニアリング(Phot.Sci.Eng.)、20(3)、97〜106(19
76)に見られるように適切な電位の関係にある2種の分
光増感剤をハロゲン化銀結晶に多量に層状吸着せしめ分
光増感剤による光捕捉量を増加させ、かつ多量添加に伴
う減感を抑える試みがなされている。しかし写真感材と
して提供するにたる感度の高い高性能のハロゲン化銀乳
剤に対しては効果を出すに至つていない。また一方、ハ
ロゲン化銀粒子の分光増感剤による添加量率を減感の生
じぬ最適領域に抑えて全添加量を増加させて光捕捉量を
増し分光感度を向上させる試みもなされている。
ここで、添加量率とは下記で表わされる割合をいう。
例えば、比表面積の大きな平板状ハロゲン化銀を用い
る方法が特開昭58−113,926号公報等に開示されてい
る。しかしながらかかる比表面積の大きい平板状ハロゲ
ン化銀粒子を用いても、分光増感剤の添加量率が立方
体、八面体、14面体、双晶等と称される他のハロゲン化
銀粒子に比べむしろ低い傾向にあるため添加量は思いの
ほか増加できず、前述のような分光増感々度を高める効
果が未だに不充分である。
II 発明の目的 本発明の目的は、分光増感したハロゲン化銀写真感光
材料において、高感度なハロゲン化銀写真感光材料を提
供することにある。
III 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によつて達成され
た。すなわち本発明は、支持体上に少なくとも一層のハ
ロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、該乳剤層中に下記一般式〔I〕又は〔II〕で表
わせられる分光増感剤とハロゲン化銀乳剤含有し、ハロ
ゲン化銀乳剤は化学増感されたものであり、かつ化学増
感の工程中から塗布するまでの間にイオン交換樹脂ある
いは多孔性吸着剤で処理されたものであることを特長と
するハロゲン化銀写真感光材料である。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明では、ハロゲン化銀乳剤を製造する工程におい
て、ハロゲン化銀乳剤を塗布するまでに、ハロゲン化銀
乳剤を多孔性吸着剤またはイオン交換樹脂で処理してお
り、本発明のハロゲン化銀写真感光材料にはこのような
処理をしたハロゲン化銀乳剤を用いる。
多孔性吸着剤またはイオン交換樹脂による処理は、乳
剤の化学増感工程中または化学増感工程終了後、塗布す
るまでの間に行う。
ここでいう多孔性吸着剤とは、表面積の大きな多孔質
の固型吸着剤(吸着媒ともいわれる)であり、具体的に
は、 活性炭、活性アルミナ、 活性白土、シリカ系吸着剤(耐水性のものが好まし
い)、 ゼオライト系吸着剤、多孔質ガラス、多孔質セラミツ
ク 等の無機質多孔性の吸着剤である。
これらの中では、活性炭が最も好ましい。
また、イオン交換樹脂とは、具体的には、 陽イオン交換樹脂(例えば、商品名アンバーライトIR
−120;ロームアンド・ハース社製など)、 陰イオン交換樹脂(例えば、商品名ダイヤイオンSA−
21A;三菱化成社製、商品名ダウエツクス1×8;ダウケミ
カル社製など)、 両性樹脂およびキレート樹脂(例えば、商品名ダイヤ
イオンCR−20;三菱化成社製など)である。
これらのイオン交換樹脂は、多種類のものが市販に供
されており、目的に応じたものを容易に入手することが
できる。
これらのなかでは、陰イオン交換樹脂、両性樹脂およ
びキレート樹脂が好ましく、陰イオン交換樹脂が最も好
ましい。
これらの吸着剤、イオン交換樹脂の具体的な使用方法
については、特願昭60−61429号および同60−61430号に
詳述されている。
本発明に用いられる色素は下記一般式〔I〕または
〔II〕によつて表わされるシアニン色素、メロシアニン
色素、ロダシアニン色素であるが、より好ましくは一般
式〔I〕で表わされるシアニン色素である。
一般式〔I〕 式中、Z1、Z2は異なつていても同一でもよい5、6員
含窒素ヘテロ環形成原子群を表わす。例えば、チアゾリ
ン、チアゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾー
ル、セレナゾリン、セレナゾール、ベンゾセレナゾー
ル、ナフトセレナゾール、オキサゾール、ベンゾオキサ
ゾール、ナフトオキサゾール、ベンズイミダゾール、ナ
フトイミダゾール、ピリジン、キノリン、インドレニ
ン、イミダゾ〔4,5−6〕キノキザリンなどのヘテロ環
が挙げられ、これらのヘテロ環核は置換されていてもよ
い。置換基の例としては、低級アルキル基(好ましくは
炭素数6以下で、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、フエニ
ル基、置換フエニル基、カルボキシ基、アルコキシカル
ボニル基、アルコキシ基などで更に置換されていてもよ
い)、低級アルコキシ基(好ましくは炭素数6以下)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数8以下)、単環アリ
ール基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基
(好ましくは炭素数6以下)、ヒドロキシ、シアノ基ま
たはハロゲン原子等が挙げられる。
Q1は5、6員含窒素ケトメチレン環形成原子群を表わ
し、例えばチアゾリジン−4−オン、セレナゾリジン−
4−オン、オキサゾリジン−4−オン、イミダゾリジン
−4−オンなどが挙げられる。
R1、R2、R3およびR4は水素原子、低級アルキル基(好
ましくは炭素数4以下)、置換されてもよいフエニル
基、アラルキル基を表わすほか、l1が2または3を表わ
す時、およびnが2または3を表わす時は異なつたR1
R1、R2とR2、R3とR3またはR4とR4とが連結して炭素原
子、硫黄原子または窒素原子などを含んでもよい5、6
員環をも形成できることを表わす。
R5、R6は炭素鎖中に酸素原子、硫黄原子または窒素原
子を含有していてもよい炭素数10以下の置換されていて
もよいアルキル基または仝アルケニル基を表わす。置換
基の例としては、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ
基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルバモ
イル基、フエニル基、置換フエニル基などが挙げられ
る。また前記Z1、Z2が表わすヘテロ環がベンズイミダゾ
ール、ナフトイミダゾール、イミダゾ〔4,5−6〕キノ
キザリンのようなもう一方の置換可能な窒素原子を含む
場合、それらのヘテロ環のもう一方の窒素原子は例えば
炭素数6以下のヒドロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン
原子、フエニル基またはアルコキシカルボニル基などで
更に置換されていてもよいアルキル基、仝アルケニル基
などで置換されていてもよい。
l1およびn1は0または3以下の正の整数でl1+n1が3
以下であることを表わし、l1が1、2または3である時
は、R5とR1とが連結して5、6員環を形成してもよい。
j1、k1およびm1は0または1を表わす。X1 -は酸アニ
オンを表わし、r1は0または1を表わす。
R5、R6およびR7のうち少なくとも一つはスルホ基また
はカルボキシ基を含有した基であることがより好まし
い。
一般式〔II〕 式中、Z11は含窒素5、6員ヘテロ環形成原子群を表
わす。例えば、チアゾリン、チアゾール、ベンゾチアゾ
ール、ナフトチアゾール、セレナゾリン、セレナゾー
ル、ベンゾセレナゾール、ナフトセレナゾール、オキサ
ゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、ベ
ンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、ピリジン、キ
ノリン、ピロリジン、インドレニン、イミダゾ〔4、5
−6〕キノキザリンテトラゾール等の通常シアニン形成
に用いられるヘテロ環核が挙げられ、これらのヘテロ環
核は置換されていてもよい。置換基の例としては、低級
アルキル基(好ましくは炭素数10以下でヒドロキシ基、
ハロゲン原子、フエニル基、置換フエニル基、カルボキ
シ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基などで更
に置換されていてもよい)、低級アルコキシ基(好まし
くは炭素数7以下)、アシルアミノ基(好ましくは炭素
数8以下)、単環アリール基、単環アリールオキシ基、
カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基(好ましく
は炭素数7以下)、ヒドロキシ基、シアノ基、またはハ
ロゲン原子等が挙げられる。
Q11は含窒素5、6員ケトメチレン環形成原子群を表
わす。例えばチアゾリジン−4−オン、セレナゾリジン
−4−オン、オキサゾリジン−4−オン、イミダゾリジ
ン−4−オンなどを形成する原子群があげられる。
Q12は含窒素5、6員ケトメチレン環形成原子群を表
わす。例えば、ローダニン、2−チオヒダントイン、2
−セレナチオヒダントイン、2−チオオキサゾリジン−
2,4−ジオン、2−セレナオキサゾリジン−2,4−ジオ
ン、2−チオセレナゾリジン−2,4−ジオン、2−セレ
ナチアゾリジン−2,4−ジオン、2−セレナセレナゾリ
ジン−2,4−ジオンなどの通常メロシアニン色素を形成
できるヘテロ環核を形成する原子群があげられる。
前記、Z11、Q11およびQ12が表わすヘテロ環に於て、
ベンズイミダゾールやチオヒダントインのような2個以
上の窒素原子をヘテロ環形成原子中に含む場合はそれぞ
れR13、R15、R14が連結していない窒素原子は置換され
ていてもよく、置換基としてはアルキル鎖中の炭素原子
が酸素原子、硫黄原子または窒素原子で置換されていて
もよく、更に置換基を有していてもよい炭素数8以下の
アルキル基、仝アルケニル基または置換されていてもよ
い単環アリール基などが挙げられる。
R11は水素原子または炭素数4以下のアルキル基を表
わし、R12は水素原子、置換されていてもよいフエニル
基(置換基の例としては炭素数4以下のアルキル、アル
コキシ基またはハロゲン原子、カルボキシ基、ヒドロキ
シ基などが挙げられる)、またはヒドロキシ基、カルボ
キシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換されて
いてもよいアルキル基を表わす。m21が2または3を表
わす時、異つたR12とR12とが連結して炭素原子、硫黄原
子または窒素原子を含有してもよい5、6員環を形成し
てもよい。
R13は炭素鎖中に酸素原子、硫黄原子または窒素原子
を含有していてもよい炭素数10以下の置換されていても
よいアルキル基または仝アルケニル基を表わす。置換基
の例としてはスルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、
ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
基、フエニル基、置換フエニル基または単環飽和ヘテロ
環基があげられる。
R14およびR15はR13と同意義を表わすほか、水素原子
または置換されていてもよい単環アリール基(置換基の
例としては、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、
ハロゲン原子、炭素数5以下のアルキル基、仝アシルア
ミノ基または仝アルコキシ基などがあげられる)をも表
わす。
m21は0また3以下の正の整数を表わし、j21は0また
は1をn21は0または1を表わす。
m21が3以下の正の整数である時は、R11とR13とが連
結して5、6員環を形成してもよい。
R13、R14およびR15のうち少なくとも一つはスルホ基
またはカルボキシ基を含有した基であることがより好ま
しい。
次に、本発明に用いられる分光増感剤の代表的な化合
物を以下に示す。
本発明に用いられる増感色素の記載文献例としては、
F.M.ハーマー(Hamer)著「ザ・ケミストリー・オブ・
ヘテロサイクリツク・コンパウンズ(The Chemistry
of Heterocyclic Compounds)、第18巻ザ・シアニン
・ダイズ・アンド・リレイテイド・コンパウンズ(The
Cyanine Dyes and Related Compounds)」(A.ワ
イズバーガーWeissberger編、インターサイエンス社−
ニユーヨーク−1964年刊)、D.M.スターマー(Sturme
r)著「同第30巻 ザ・シアニン・ダイズ・アンド・リ
レイテイド・コンパウンズ(The Cyanine Dyes and
Related Compounds)」(A.ワイズバーガー Weissb
erger,E.C.テイラー Taylor編、ジヨンウイリー社−ニ
ユーヨーク−1977年刊)、リサーチ・デイスクロージヤ
ー(RESEARCH DISCLOSURE)176巻、No.17643、p.23〜2
4(1978)、ドイツ特許929,080号、米国特許2,231,658
号、同2,493,748号、同2,503,776号、同2,519,001号、
同2,912,329号、同3,656,959号、同3,672,897号、同3,6
94,217号、同4,025,349号、同4,046,572号、英国特許1,
242,588号、特公昭44−14030号、同52−24844号、英国
特許584,609号、同1,177,429号、特開昭48−85130号、
同49−99620号、同49−114420号、同52−108115号、米
国特許2,274,782号、同2,533,472号、同2,956,879号、
同3,148,187号、同3,177,078号、同3,247,127号、同3,5
40,887号、同3,575,704号、同3,653,905号、同3,718,47
2号、同4,071,312号、同4,070,352号などを挙げること
ができる。
これらの分光増感剤は単独に用いてもよいが、それら
の組合せを用いてもよく、分光増感剤の組合せは特に、
強色増感の目的でしばしば用いられる。
分光増感剤とともに、それ自身分光増感作用をもたな
い色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であつ
て、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。たと
えば含チツ素異節環基で置換されたアミノスチルベン化
合物(たとえば米国特許2,933,390号、同3,635,721号に
記載のもの)、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合物
(たとえば米国特許3,743,510号に記載のもの)、カド
ミウム塩、アザインデン化合物などを含んでもよい。米
国特許3,615,613号、同3,615,641号、同3,617,295号、
同3,635,721号に記載の組合せは特に有用である。
本発明に用いられる分光増感剤を本発明のハロゲン化
銀乳剤中に含有せしめるには、それらを直接乳剤中に分
散してもよいし、あるいは水、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、メチルセロソルブ、2,2,3,3−テト
ラフルオロプロパノール等の溶媒の単独もしくは混合溶
媒に溶解して乳剤へ添加してもよい。また、特公昭44−
23,389、特公昭44−27,555、特公昭57−22,089等の記載
のように酸又は塩基を共存させて水溶液としたり、米国
特許3,822,135、米国特許4,006,025等記載のようにドゼ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤を共
存させて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳
剤へ添加してもよい。また、フエノキシエタノール等の
実質上水と非混和性の溶媒に溶解した後、水または親水
性コロイドに分散したものを乳剤に添加してもよい。特
開昭53−102,733、特開昭58−105,141記載のように親水
性コロイド中に直接分散させ、その分散物を乳剤に添加
してもよい。
また、これらの化合物を乳剤に添加する場合には、混
合したものを添加してもよいし、別々に添加してもよ
い。乳剤中に添加する時期は乳剤を適当な支持体上に塗
布される前の如何なる工程(例えばハロゲン化銀粒子形
成工程、物理熟成工程、化学熟成工程、粒子沈殿工程、
化学熟成後塗布前の工程など)でもよい。
また本発明に用いられる分光増感剤の添加量としては
通常のハロゲン化銀に適用される量10-5〜10-2モル/銀
モルを用いることができるが、本発明の利点を充分にも
たらすためには、50%以上の添加量率に相当する量が好
ましい。更により好ましくは60〜300%の添加量率に相
当する量である。
また別の言い方をすればイオン交換樹脂または多孔性
吸着剤を用いない場合に少なくとも0.1log E以上、よ
り好ましくは0.15log E〜1.0log Eの固有感度の低
減をもたらすような分光増感剤の添加量において本発明
の利点、効果が顕著である。
ここで、固有感度の低下の測定に際しては、通常の現
像液例えば富士写真フイルム(株)製のハイレンドール
を用いて20℃4分の現像によつて固有感度の低下を求め
ることができる。
本発明において、写真乳剤には、ハロゲン化銀として
臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀、沃化銀およ
び塩化銀のいずれを用いてもよい。
粒子サイズ分布はせまくても広くてもいずれでもよ
い。
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、
14面体、斜方12面体のような規則的(regular)な結晶
体を有するものでもよく、また球状、板状などのような
変則的(irregular)な結晶形をもつもの、あるいはこ
れらの結晶形の複合形をもつものでもよい。種々の結晶
形の粒子の混合から成つてもよい。
ハロゲン化銀粒子は内部と表層とが異なる相をもつて
いても、均一な相から成つていてもよい。
また、例えばPbOの様な酸化物結晶と塩化銀の様なハ
ロゲン化銀結晶を結合させた、接合型ハロゲン化銀結
晶、エピタキシヤル成長をさせたハロゲン化銀結晶(例
えば臭化銀上に塩化銀、沃臭化銀、沃化銀等をエピタキ
シヤルに成長させる。)、六方晶形、沃化銀に正六面体
の塩化銀が配向重複した結晶などでもよい。
また、写真乳剤中のハロゲン化銀粒子の粒子サイズ分
布は任意であるが単分散であつてもよい。ここで単分散
とは95%の粒子が数平均粒子サイズの±60%以内、好ま
しくは40%以内のサイズに入る分散系である。ここで数
平均粒子サイズとはハロゲン化銀粒子の投影面積径の数
平均直径である。
本発明において写真乳剤はピー グラフキデス(P.Gl
afkides)著シミー エ フイジク フオトグラフイツ
ク(Chimie et Physique Photographique)、ポール
モンテル(Paul Montel)社刊(1967年)、ジー エ
フ デユフイン(G.F.Duffin)著フオトグラフイツク
エマルジヨン ケミストリー(Photographic Emulsion
Chemistry)、ザ フオーカル プレス(The Focal
Press)刊(1966年)、ヴイ エル ツエリクマン他
著(V.L.Zelikman et al)メーキング アンド コー
テイング フオトグラフイツク エマルジヨン(Making
and Coating Photographic Emulsion)、ザ フオ
ーカル プレス(The Focal Press)刊(1964年)な
どに記載された方法を用いて調製することができる。す
なわち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれでも
よく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる
形式としては片側混合法、同時混合法、それらの組合せ
などのいずれを用いてもよい。
粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(い
わゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合法の
一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpA
gを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロールド
・ダブルジエツト法を用いることもできる。
この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均
一に近いハロゲン化銀乳剤がえられる。
別々に形成した2種以上のハロゲン化銀乳剤を混合し
て用いてもよい。
ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程におい
て、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジ
ウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄
塩または鉄錯塩などを共存させてもよい。また、それら
の添加量は、目的とする感光材料に応じて少量でも多量
でもよい。
沈殿形成後あるいは物理熟成後の乳剤から可溶性塩類
を除去するためにはゼラチンをゲル化させて行なうヌー
デル水洗法を用いてもよく、また無機塩類、アニオン性
界面活性剤、アニオン性ポリマー(たとえばポリスチレ
ンスルホン酸)、あるいはゼラチン誘導体(たとえばア
シル化ゼラチン、カルバモイル化ゼラチンなど)を利用
した沈降法(フロキユレーシヨン法)を用いてもよい。
本発明のハロゲン化銀粒子は、化学増感が施されてい
る。
化学増感方法としてはいわゆる金化合物による金増感
法(例えば米国特許第2,448,060号、同3,320,069号)又
はイリジウム、白金、ロジウム、パラジウム等の金属に
よる増感法(例えば米国特許第2,448,060号、同2,566,2
45号、同2,566,263号)或いは含硫黄化合物を用いる硫
黄増感法(例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプト
化合物類、ローダニン類等の硫黄含有増感剤などを挙げ
ることができる。詳しくは、米国特許第1,574,944号、
同第2,410,689号、同第2,278,947号、同第2,728,668
号、同第3,656,955号、米国特許第2,222,264号)、或い
は、セレン化合物を用いるセレン増感法、或いは錫塩
類、ポリアミン等による還元増感法(例えば米国特許第
2,487,850号、同2,518,698号、同2,521,925号)、或い
はこれらの2つ以上を組あわせて用いることもできる。
特に本発明のハロゲン化銀粒子は金増感を施すことが
好ましい。さらに、金増感と硫黄増感の併用がより好ま
しい。
また、金錯塩を用いた増感法を行なう場合には、補助
剤としてチオ硫酸塩、チオシアン酸カリウム、チオエー
テルなどの金のリガンドを併用することが好ましい。
また、増感剤の添加量としては、ハロゲン化銀乳剤の
種類によつて異なるが、通常、硫黄増感剤は1×10-7
1×10-4モル/モルAg、貴金属増感剤は1×10-7モル/
モルAg以上が好ましい。
本発明において写真乳剤には、感光材料の製造工程、
保存中あるいは写真処理中のカブリを防止し、あるいは
写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有さ
せることができる。
すなわちアゾール類たとえばベンゾチアゾリウム塩、
ニトロインダゾール類、トリアゾール類、ベンゾトリア
ゾール類、ベンズイミダゾール類(特にニトロ−または
ハロゲン置換体);ヘテロ置メルカプト化合物類たとえ
ばメルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾー
ル類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチ
アジアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−
フエニル−5−メルカプトテトラゾール)、メルカプト
ピリミジン類;カルボキシル基やスルホン基などの水溶
性基を有する上記のヘテロ環メルカプト化合物類;チオ
ケト化合物たとえばオキサゾリンチオン;アザインデン
類たとえばテトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ
置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類);ベンゼンチ
オスルホン酸類;ベンゼンスルフイン酸;などのような
カブリ防止剤または安定剤として知られた多くの化合物
を加えることができる。
詳しくは、イー ジー ビル(E.J.Birr)著、スタビ
リゼーシヨン オブ フオトグラフイツク ジルバーハ
ライド エマルジヨンズ(Stabilization of Photogr
aphic Silver Halide Emulsions)、フオーカル プ
レス(Focal Press)刊(1974年)等を参照すればよ
い。
本発明の感光材料の写真乳剤層または他の親水性コロ
イド層には塗布助剤、帯電防止、スベリ性改良、乳化分
散、接着防止及び写真特性改良(例えば、現像促進、硬
調化、増感)等種々の目的で、種々の界面活性剤を含ん
でもよい。
例えばサポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサ
イド誘導体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポ
リエチレングリコールアルキルエーテル類又はポリエチ
レングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチ
レングリコールエステル類、ポリエチレングリコールソ
ルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールアルキ
ルアミン又はアミド類、シリコーンのポリエチレンオキ
サイド付加物類)、グリシドール誘導体(例えばアルケ
ニルコハク酸ポリグリセリド、アルキルフエノールポリ
グリセリド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖
のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤;ア
ルキルカルボン酸塩、アルキルスルフオン酸塩、アルキ
ルベンゼンスルフオン酸塩、アルキルナフタレンスルフ
オン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エ
ステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン類、スル
ホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチ
レンアルキルフエニルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルリン酸エステル類などのような、カルボキシ
基、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸エス
テル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸
類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸
又はリン酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオ
キシド類などの両性界面活性剤;アルキルアミン塩類、
脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジ
ニウム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモニウ
ム塩類、及べ脂肪族又は複素環を含むホスホニウム又は
スルホニウム塩類などのカチオン界面活性剤を用いるこ
とができる。
この内、現像促進の目的では米国特許第4510229号、
同4332878号、特開昭56−25727号、同60−76741号等明
細書に記載のアルキレンオキサイド基を有する非イオン
性界面活性剤を好ましく用いることができる。
帯電防止剤としては米国特許第4201586号、特開昭60
−80849号明細書等に記載の含フツ素界面活性剤を好ま
しく用いることができる。
本発明には種々のカラーカプラーを使用することがで
き、その具体例は前出のリサーチ・デイスクロージヤー
(RD)No.17643、VII−C〜Gに記載された特許に記載
されている。
本発明に使用できるイエローカプラーとしては、バラ
スト基を有し疎水性のアシルアセトアミド系カプラーが
代表例として挙げられる。
本発明には、二当量イエローカプラーの使用が好まし
く、酸素原子離脱型のイエローカプラーあるいは窒素原
子離脱型のイエローカプラーがその代表例として挙げら
れる。特にα−ピバロイルアセトアニリド系カプラー及
びα−ベンゾイルアセトアニリド系カプラーが好まし
い。
本発明に使用できるマゼンタカプラーとしては、バラ
スト基を有し疎水性の、インダゾロン系もしくはシアノ
アセチル系、好ましくは5−ピラゾロン系およびピラゾ
ロアゾール系のカプラーが挙げられる。5−ピラゾロン
系カプラーは3−位がアリールアミノ基もしくはアシル
アミノ基で置換されたカプラーが好ましい。
二当量の5−ピラゾロン系カプラーの離脱基として窒
素原子離脱基またはアリールチオ基が特に好ましい。ま
た欧州特許第73,636号に記載のバラスト基を有する5−
ピラゾロン系カプラーは高い発色濃度が得られる。ピラ
ゾロアゾール系カプラーとしては、ピラゾロベンズイミ
ダゾール類、好ましくはピラゾロ〔5,1−c〕〔1,2,4〕
トリアゾール類、リサーチ・デイスクロージヤー24220
(1984年6月)および特開昭60−33552号に記載のピラ
ゾロテトラゾール類およびリサーチ・デイスクロージヤ
ー24230(1984年6月)および特開昭60−43659号に記載
のピラゾロピラゾール類が挙げられる。イミダゾ〔1,2
−b〕ピラゾール類は好ましく、ピラゾロ〔1,5−b〕
〔1,2,4〕トリアゾールは特に好ましい。
本発明に使用できるシアンカプラーとしては、米国特
許第2,474,293号に記載のナフトール系カプラー、好ま
しくは米国特許第4,052,212号、同第4,146,396号、同第
4,228,233号および同第4,296,200号に記載された酸素原
子離脱型の二当量ナフトール系カプラーが代表例として
挙げられる。またフエノール系カプラーの具体例は、米
国特許第2,369,929号、同第2,801,171号、同第2,772,16
2号、同第2,895,826号などに記載されている。
湿度および温度に対し堅牢なシアン色素を形成しうる
カプラーは、本発明で好ましく使用され、フエノール核
のメタ−位にエチル基以上のアルキル基を有するフエノ
ール系シアンカプラー、2−位にフエニルウレイド基を
有しかつ5−位にアシルアミノ基を有するフエノール系
カプラーなどである。2,5−ジアシルアミノ置換フエノ
ール系カプラー、ナフトールの5−位にスルホンアミド
基、アミド基などが置換したシアンカプラーも好まし
い。
さらにカラードカプラー、発色色素が適度に拡散性を
有するカプラー、ポリマー化された色素形成カプラー、
及び現像抑制剤を放出するDIRカプラーなどを用いるこ
とが出来る。DIRカプラーとしては特開昭57−151944
号、同57−154234号等に記載の化合物が好ましい。
本発明の写真感光材料としては、種々のカラー及び黒
白感光材料を挙げることができる。
例えば撮影用カラーネガフイルム(一般用、映画用
等)、カラー反転フイルム(スライド用、映画用等、ま
たカプラーを含有しない場合もする場合もある)、カラ
ー印画紙、カラーポジフイルム(映画用等)、カラー反
転印画紙、熱現像感光材料(詳しくは、米国特許4,500,
626号、特開昭60−133449号、同59−218443号、特願昭6
0−79709号に記載)、銀色素漂白法を用いたカラー感光
材料、製版用写真感光材料(リスフイルム、スキヤナー
フイルム等)、Xレイ写真感光材料(直接・間接医療
用、工業用等)、撮影用黒白ネガフイルム、黒白印画
紙、マイクロ用感光材料(COM用、マイクロフイルム
等)、カラー拡散転写感光材料(DTR)、銀塩拡散転写
感光材料、プリントアウト感光材料などを挙げることが
できる。
本発明の写真感光材料のその他の添加剤に関しては特
に制限はなく、例えばリサーチデイスクロージヤー誌
(Research Disclosure)176巻アイテム17643(RD1764
3)及び同187巻アイテム18716(RD18716)の記載を参考
にすることができる。
RD17643及びRD18716に於ける各種添加剤の記載個所を
以下にリスト化して示す。
本発明の感光材料の写真処理には、公知の方法のいず
れをも用いることができるし処理液には公知のものを用
いることができる。又、処理温度は通常、18℃から50℃
の間に選ばれるが、18℃より低い温度または50℃をこえ
る温度としてもよい。目的に応じ、銀画像を形成する現
像処理(黒白写真処理)、或いは、色素像を形成すべき
現像処理から成るカラー写真処理のいずれをも適用する
ことが出来る。
黒白現像液には、ジヒドロキシベンゼン類(例えばハ
イドロキノン)、3−ピラゾリドン類(例えば1−フエ
ニル−3−ピラゾリドン)、アミノフエノール類(例え
ばN−メチル−p−アミノフエノール)等の公知の現像
主薬を単独或いは組み合わせて用いることができる。
カラー現像液は、一般に、発色現像主薬を含むアルカ
リ性水溶液から成る。発色現像主薬は公知の一級芳香族
アミン現像剤、例えばフエニレンジアミン類(例えば4
−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−
アミノ−N,N−ジエチルアニリン、4−アミノ−N−エ
チル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル
−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル
アニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−
β−メタンスルホアミドエチルアニリン、4−アミノ−
3−メチル−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニ
リンなど)を用いることができる。
この他L.F.A.メソン著「フオトグラフイツク・プロセ
シング・ケミストリー」、フオーカル・プレス刊(1966
年)の226〜229頁、米国特許2,193,015号、同2,592,364
号、特開昭48−64933号などに記載のものを用いてもよ
い。
現像液はその他、アルカリ金属の亜硫酸塩、炭酸塩、
ホウ酸塩、及びリン酸塩の如きpH緩衝剤、臭化物、沃化
物、及び有機カブリ防止剤の如き現像抑制剤ないし、カ
ブリ防止剤などを含むことができる。又必要に応じて、
硬水軟化剤、ヒドロキシルアミンの如き保恒剤、ベンジ
ルアルコール、ジエチレングリコールの如き有機溶剤、
ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン
類の如き現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラ
ー、ナトリウムボロンハイドライドの如きかぶらせ剤、
1−フエニル−3−ピラゾリドンの如き補助現像薬、粘
性付与剤、米国特許4,083,723号に記載のポリカルボン
酸系キレー剤、西独公開(OLS)2,622,950号に記載の酸
化防止剤などを含んでもよい。
カラー写真処理を施した場合、発色現像後の写真感光
材料は通常漂白処理される。漂白処理は、定着処理と同
時に行われてもよいし、個別に行われてもよい。漂白剤
としては、例えば鉄(III)、コバルト(III)、クロム
(VI)、銅(II)などの多価金属の化合物、過酸類、キ
ノン類、ニトロソ化合物等が用いられる。例えば、フエ
リシアン化物、重クロム酸塩、鉄(III)またはコバル
ト(III)の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢
酸、ニトリロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノ
ール四酢酸などのアミノポリカルボン酸類あるいはクエ
ン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸の錯塩;過硫酸
塩、過マンガン酸塩;ニトロソフエノールなどを用いる
ことができる。これらのうちフエリシアン化カリ、エチ
レンジアミン四酢酸鉄(III)ナトリウム及びエチレン
ジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウムは特に有用であ
る。エチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩は独立の漂
白液においても、一浴漂白定着液においても有用であ
る。
漂白または漂白定着液には、米国特許3,042,520号、
同3,241,966号、特公昭45−8506号、特公昭45−8836号
などに記載の漂白促進剤、特開昭53−65732号に記載の
チオール化合物の他、種々の添加剤を加えることもでき
る。
V 発明の具体的効果作用 本発明によれば、ハロゲン化銀乳剤を製造する工程に
おいて、支持体上にハロゲン化銀乳剤を塗布するまで
に、ハロゲン化銀乳剤を多孔性吸着剤またはイオン交換
樹脂で処理しているため、分光増感のための増感剤を含
有させたときに、高感度なハロゲン化銀写真感光材料が
得られる。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し本発明の効果をさ
らに詳細に説明する。
実施例 1 臭化カリウム、アンモニアおよびゼラチンを加えて溶
解し、60℃に保つた溶液中に、撹拌しながら硝酸銀溶液
および臭化カリウム溶液をpAgを8.9に保ちつつ、ダブル
ジエツト法により添加した。添加終了後、35℃まで降温
し、沈降法により可溶性塩類を除去したのち、ゼラチン
を追添しpHを6.3に調整した。
得られた臭化銀粒子は稜長0.9μmの八面体粒子であ
つた。この乳剤を2分して乳剤A−1、A−2とした。
乳剤A−1は、5−ベンジリデン−3−エチルローダ
ニン、塩化金酸カリウムおよびチオシアン酸カリウムを
用いて56℃で55分間熟成し、最適に化学増感した。
乳剤A−2は乳剤A−1と同様の化学増感を施した
が、銀1モル当り活性炭8.5gを添加して20分間処理した
ときに最適となるようにあらかじめ化学熟成した。その
後ミクロフイルターで過し、活性炭を取除いた。
これら2つの乳剤をそれぞれ2分し、40℃で溶解し、
銀1モル当り沃化カリウム200mgを添加した。次いで2
分した乳剤の一方には分光増感剤D−15を銀1モル当り
290mg添加し、他方にはそれを添加せず、更に安定剤
(4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイ
ンデン)塗布助剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム)および硬膜剤(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ
−s−トリアジンナトリウム)を添加し、ポリエチレン
オキサイドを含有しゼラチンを主成分とする表面保護層
と共にポリエチレンテレフタレート(PET)フイルム支
持体上に塗布し、乾燥した。
塗布試料を410nmに透過光のピークを持つバンドパス
フイルターを用いて0.1秒間青色光露光したのち、富士
写真フイルム(株)製の現像液「ハイレンドール」にて
20℃で4分間現像し、定着、水洗、乾燥した。
結果を第1表に示した。こゝで相対感度はカブリ値+
0.2の黒化度を得るのに必要な露光量より算出した。
第1表の結果より活性炭を用いない乳剤は固有減感が
大きいのに対し、試料1−4の本発明は、固有減感が小
さく高感度であることが示される。当然のことながらマ
イナス青で露光したときの色増感感度は本発明の感材が
極めて高感度である。
同様の効果は増感色素D−19、D−18、D−8、D−
26、D−12に対しても認められた。
実施例 2 臭化カリウム、アンモニアおよびゼラチンを加えて溶
解し、60℃に保つた溶液中に、撹拌しながら硝酸銀溶液
および臭化カリウム溶液をpAgを7.7に保ちつつ、ダブル
ジエツト法により添加した。添加終了後、35℃まで降温
し、沈降法により可溶性塩類を除去したのち、ゼラチン
を追添しpHを6.3に調整した。
得られた臭化銀粒子は稜長0.8μmの立方体粒子であ
つた。この乳剤を2分して乳剤B−1、B−2とした。
乳剤B−1は、5ベンジリデン−3−エチルローダニ
ン、塩化金酸カリウムおよびチオシアン酸カリウムを用
いて56℃で80分間熟成し、最適に化学増感を施した。
乳剤B−2は乳剤B−1と同様にして化学増感を施し
たが、銀1モル当り11gの活性炭で20分間処理したとき
に最適となるようにあらかじめ化学増感を施した。その
後ミクロフイルターで過し、活性炭を取り除いた。
これら2つの乳剤に銀1モル当り沃化カリウム200mg
と分光増感剤D−15を銀1モル当り190mg添加した。こ
の乳剤を実施例1と同様に塗布した。
塗布試料を520nmより長波を通すシヤープカツトフイ
ルターを用いて0.1秒間露光したのち、富士写真フイル
ム(株)製の現像液「ハイレンドール」にて20℃で4分
間現像し、定着・水洗・乾燥した。結果を第2表に示し
た。
第2表の結果より活性炭を用いた乳剤は高い分光増感
感度を示すことが解る。
実施例 3 60℃に保つた臭化カリウムを含有するゼラチン水溶液
を激しく撹拌しながら、アンモニアを添加した後、硝酸
銀水溶液と、臭化カリウムと沃化カリウムの混合水溶液
とを同時に添加した。
添加終了後、35℃まで降温し、沈降法により可溶性塩
類を除去したのちゼラチンを追添しpHを6.4に調整し
た。
得られた粒子は双晶粒子を主とする平均粒子サイズ約
0.7μmの沃臭化銀粒子(沃度6モル%)であつた。こ
の乳剤を2分して乳剤C−1、C−2とした。
乳剤C−1は5−ベンジリデン−3−プロピルローダ
ニン、塩化金酸およびチオシアン酸カリウムを用いて58
℃で60分間熟成した。乳剤C−2は、乳剤C−1と同様
に化学増感を施したが、活性炭18g(銀1モル当り)で1
0分間処理したときに最適となるようにあらかじめ化学
増感を施した。その後、ミクロフイルターで過して活
性炭を除去した。
これら2つの乳剤に、増感色素D−9および下記のカ
プラー、安定化剤、硬膜剤および塗布助剤を添加した後
セルロースアセテートフイルム支持体上に塗布し乾燥さ
せた。
安定化剤;4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデン カプラー;1−(2,4,6−トリクロロフエニル)−3−
〔3−(2,4−ジ−t−アミルフエノキシ)−アセトア
ミド〕ベンツアミド−5−ピラゾロン ゼラチン硬化剤;2,4−ジクロロ−ヒドロキシ−s−トリ
アジンナトリウム 塗布助剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ これらの試料を光楔を通して露光し(1/100秒)、次
いで下記カラー現像処理した。
処理工程 1. カラー現像 2分45秒(38℃) 2. 漂白 6分30秒 3. 水洗 3分15秒 4. 定着 6分30秒 5. 水洗 3分15秒 6. 安定 3分15秒 各工程に用いた処理液組成は下記のものである。
カラー現像液 ニトリロ三酢酸ナトリウム 1.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g 炭酸ナトリウム 30.0g 臭化カリ 1.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 4−(N−エチル−N−βヒドロキシエチルアミノ)−
2−メチル−アニリン硫酸塩 4.5g 水を加えて 1 漂白剤 臭化アンモニウム 160.0g アンモニア水(28%) 25.0ml エチレンジアミン−四酢酸ナトリウム鉄塩 130 g 氷酢酸 14 ml 水を加えて 1 定着液 テトラポリリン酸ナトリウム 2.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g チオ硫酸アンモニウム(70%) 175.0ml 重亜硫酸ナトリウム 4.6g 水を加えて 1 安定液 ホルマリン 8.0ml 水を加えて 1 得られた結果を第3表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−62425(JP,A) 特開 昭59−149345(JP,A) 特開 昭61−219948(JP,A) 特開 昭61−219949(JP,A) 特公 昭26−2918(JP,B1) 特公 昭33−3474(JP,B1) 米国特許2827428(US,A) 米国特許3782953(US,A) 化学大辞典編集委員会編「化学大辞典 (第2巻)」(昭和35年6月30日発行) 共立出版、第437頁〜第438頁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも一層のハロゲン化銀
    乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該
    乳剤層中に下記一般式〔I〕又は〔II〕で表わせられる
    分光増感剤とハロゲン化銀乳剤を含有し、ハロゲン化銀
    乳剤は化学増感されたものであり、かつ化学増感の工程
    中から塗布するまでの間にイオン交換樹脂あるいは多孔
    性吸着剤で処理されたものであることを特徴とするハロ
    ゲン化銀写真感光材料。 一般式〔I〕 式中、Z1、Z2は異なっていても同一でもよい5、6員含
    窒素ヘテロ環形成原子群を表わす。Q1は5、6員含窒素
    ケトメチレン環形成原子群を表わす。R1、R2、R3および
    R4は水素原子、低級アルキル基、置換されてもよいフエ
    ニル基、アラルキル基を表わすほか、l1が2または3を
    表わす時、およびnが2または3を表わすときは異なっ
    たR1とR1、R2とR2、R3とR3またはR4とR4とが連結して酸
    素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでもよい5、
    6員ヘテロ環をも形成できることを表わす。 R5、R6炭素鎖中に酸素原子、硫黄原子または窒素原子を
    含有していてもよい炭素数10以下の置換されていてもよ
    いアルキル基または同アルケニル基を表わす。また前記
    Z1、Z2が表わすヘテロ環がベンズイミダゾール、ナフト
    イミダゾール、イミダゾ〔4,5−6〕キノキザリンのよ
    うなもう一方の置換可能な窒素を含む場合、それらのヘ
    テロ環のもう一方の窒素原子は炭素数6以下のヒドロキ
    シ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、フエニル基または
    アルコキシカルボニル基などで更に置換されていてもよ
    いアルキル基、同アルケニル基などで置換されていても
    よい。 l1およびn1は0または3以下の正の整数でl1+n1が3以
    下であることを表わし、l1が1、2または3である時
    は、R5とR1とが連結して5、6員環を形成してもよい。 j1、k1およびm1は0または1を表わす。X1 -は酸アニオ
    ンを表わし、r1は0または1を表わす。 一般式〔II〕 式中、Z11は含窒素5、6員ヘテロ環形成原子群を表わ
    す。Q11は含窒素5、6員ケトメチレン環形成原子群を
    表わす。Q12は含窒素5、6員ケトメチレン環形成原子
    群を表わす。 前記Z11、Q11およびQ12が表わすヘテロ環に於て、ベン
    ズイミダゾールやチオヒダントインのような2個以上の
    窒素原子をヘテロ環形成原子中に含む場合はそれぞれR
    13、R15、R14が連結していない窒素原子は置換されてい
    てもよい。 R11は水素原子または炭素数4以下のアルキル基を表わ
    し、R12は水素原子、置換されていてもよいフエニル基
    または置換されていてもよいアルキル基を表わす。m21
    が2または3を表わす時、異ったR12とR12とが連結して
    酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含有してもよい
    5、6員ヘテロ環を形成してもよい。 R13は炭素鎖中に酸素原子、硫黄原子または窒素原子を
    含有していてもよい炭素数10以下の置換されていてもよ
    いアルキル基または同アルケニル基を表わす。 R14およびR15はR13と同意義を表わすほか、水素原子ま
    たは置換されていてもよい単環アリール基をも表わす。 m21は0または3以下の正の整数を表わし、j21は0また
    は1を、n21は0または1を表わす。m21が3以下の正の
    整数であるときは、R11とR13とが連結して5、6員環を
    形成してもよい。
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