JP2583303B2 - ヒト抗Rh(D)モノクローナル抗体 - Google Patents

ヒト抗Rh(D)モノクローナル抗体

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はヒト赤血球のRh(D)抗原に対するヒトモノ
クローナル抗体に関する。特に本発明は、D−陽性、
“弱D"又はDU細胞のいずれかにおける正常Rh(D)抗原
のみならずRh(D)抗原の重要な変異性をも検出するた
めに用いられるIgG1サブクラスのこのような抗体に関す
る。
いわゆるRh血液型系の抗原の中では、Rh(D)抗原が
対応抗体保有患者への輸血後における最も重篤な反応の
一部に関与している。Rh(D+)血液をうけた抗Rh
(D)保有Rh(D−)個体はRh(D)表現型不適合のせ
いで実質的赤血球(RBC)破壊をうけやすいことから、
ドナー及び受血者の血液は抗Rh(D)抗体との凝集試験
によりRh(D+)又はRh(D−)としてルーチンに分類
される。RBCのRh表現型は普通更にフィッシャー・レー
ス(Fisher−Race)系に基づき定義されるが、これはRh
抗原の遺伝は非常に近接して結合した座で作用する3対
の対立遺伝子C−c、D−d及びE−eで決定されると
いう仮定に基づいている。この理論によれば、ヒトは彼
の両親の各々から3つのRh遺伝子、即ち(1)C又は
c、(2)D又はd、(3)E又はeの一組を受け継ぐ
(d抗原はまだ同定されていないが、但し記号“d"はD
抗原を産生しないD遺伝子と対立する遺伝子の存在を示
すために用いられている)。例えば、Rh(D+)者は片
親からCDe及び他方からcdeを受け継いでいる。イギリス
人をフィッシャー・レース系に関して調べた場合に最も
共通するRh遺伝子組合せの割合が、特に言語上に用いら
れる“短記号”と共に下記第I表で示されている。
何年にもわたる拡大調査にもかかわらず、フィッシャ
ー・レース系はRh系で観察されたすべての反応を説明す
る上で十分ではなかった〔モリソン,P,L.,1983年,臨床
医学における輸血,第7版,ブラックウェル・サイエン
ティフィック,オックスフォード(Mollison,P.L.,(19
83)Blood Transfusion In Clinical Medicine,7th ed
n.,Blackwell Scientific,Oxford)〕。それにもかかわ
らず、世界保健機構では単純性及び画一性の理由からこ
の命名法が世界的に採用されるべきであると推奨してき
たため、以下で示されるすべてのRh遺伝子型は慣用的フ
ィッシャー・レース系に基づき定義される。
RBCのRh型判定に関する抗Rh(D)抗体の必要性に加
えて、このような抗体は新生児溶血症(HDN)を防止す
るためRh(D−)母親の受動免疫にとっても非常に必要
とされる。この症状は、妊娠中胎盤を通過して胎児RBC
破壊を引き起こすIgG抗Rh(D)抗体に起因してRh
(D)抗原に既に感作されたRh(D−)母親の新生Rh
(D+)児で生じる。Rh(D)抗原によるRh(D−)母
親の感作は、母親の循環に入って母親の免疫系により認
識されるある胎児RBCのせいで第一Rh(D+)子の誕生
時に生じたのであろう。HDNの発生率を低下させるた
め、母親の循環に入ったいかなるRh(D+)RBCも速や
かに除去されるようRh(D+)児の誕生直後Rh(D−)
母親に抗Rh(D)抗体を投与することがイギリス及び他
の多数の国におけるルーチン的実務である〔モリソン,
P.L.,1983年,前掲;レーロス・ジュニア,R.K.(Laros
Jr.,R.K.),1986年,“妊娠中の血液型疾患”中におけ
る“胎児赤芽球症",第7章,第103頁〕。
現在、RBCのRh型判定及びRh(D−)母親の受動免疫
の双方における使用のための抗Rh(D)抗体は、妊娠中
に免疫された女性ドナーから又は免疫された男性ボラン
ティアから直接主に得ている。しかしながら、Rh(D
−)女性へのヒト抗Rh(D)免疫グロブリンの産後予防
投与プログラムの成功で、自然アロ免疫女性の数に関し
著しい減少を招いた〔アーバニアック,S.J.,“新生児の
RhD溶血症:変化する状況",ブリテッシュ・メディシナ
ル・ジャーナル,1985年,第291巻,第4−6頁(Urbani
ak,S.J.,“RhD haemolytic disease of the newborn:th
e changing scene",British Medicinal Journal(198
5)291,4−6)〕。更に、Rh(D+)RBCによる個体の
意図的な免疫には、いかなるRBC輸血をうけた場合にも
共通するリスク、例えば肝炎ウイルス及びHIVの移入の
リスクを伴う。したがって、診断及び治療双方の目的の
ためヒトモノクローナル抗Rh(D)抗体を得ることに多
大な関心が集まっているのである。
上記のようにルーチンの血液試験において、血液型は
抗Rh(D)の凝集試験で示されるようにRBC上のRh
(D)抗原の見掛上の存在又は非存在に基づきRh(D
+)及びRh(D−)に分けられる。しかしながら、見掛
上Rh(D−)血液を有するヒトの少数は、このようなル
ーチン試験において抗Rh(D)により直接凝集されない
が、D型判定試験が選択された抗Rh(D)試薬を用いて
間接的抗グロブリン試験で実施された場合には反応する
RBCを有している。こうして同定された細胞はDUと表示
される。DU表現型の割合は全体で約0.2%、コーカサス
人中0.6%及び全Rh(D−)妊娠女性中約1.5%である。
少なくとも3つの異なるメカニズム、即ち(1)完全Rh
(D)抗原の一部の遺伝的欠如、(2)トランス位置に
おけるCによるDの抑制に関する遺伝子相互作用及び
(3)弱抗原を産生するD遺伝子が、DU表現型の発現に
関与しているのであろう。
1950年代初期、Rh(D+)血液の輸血後又はRh(D
+)児を出産した妊娠の後、DU表現型の個体における抗
Rh(D)の存在に関する報告が最初にみられた。血液が
Rh(D+)に分類された一部の個体においてRh(D)抗
原の一部がRBCから欠落していることが、その後明らか
になった。輸血又は妊娠により完全Rh(D)抗原を有す
るRh(D+)RBCと接触された場合、不完全Rh(D)抗
原をRBC上に有するヒトは彼等が欠如するRh(D)抗原
部分に対するアロ抗Dを産生することができる。このよ
うな個体の血液は、RBCがルーチン抗Rh(D)試薬と直
接反応する場合にはD変異体と呼ばれ又は細胞が間接的
抗グロブリン技術でのみ反応する場合にはDU変異体と呼
ばれる。
Rh(D+)RBCを有する患者でアロ抗Rh(D)が産生
されるという観察から、用語“Dモザイク”の共通の用
法としてその完全天然型のRh(D)抗原を表すようにな
った。ルーチン抗Rh(D)試薬では、Dモザイクの一部
を欠くRBCをすべてのD成分を有するRBCから通常区別し
えない。
D変異体表現型はチペット(Tippett)及びサンガー
(Sanger)〔ボックス・サング(Vox.Sang),1962年,
第7巻,第9−13頁〕により類別された。この系はD−
及びDU変異体個体からのRBC及び血清の相互作用に基づ
いている。7つのカテゴリー(下記第II表参照)に大別
され、小分類がカテゴリーIII、IV及びVで既に認めら
れている。カテゴリーI及びIIは、それらが現在単一の
サブグループとして通常考えられるほど多数の類似性を
有することが判明した。
一方、さほど用いられないが、ウィーナー(Wiener)
による分類ではローマ数字の代わりに文字A、B、C、
Dを用いている。2つの系間に直接の相互関係はない
が、DB及びDVIは互換性があると通常考えられる。
人口中におけるD及びDU変異体個体の割合は比較的低
いけれども、輸血又は妊娠による非変異体Rh(D+)細
胞との接触のせいで現実的な抗Rh(D)形成のリスクを
潜在的に有するこれら血液型の個体の総数は決して微々
たるものではない。更にRh(D+)又はDU児を生んだRh
(D−)女性に加えて、Rh(D+)児を生んだDU変異体
女性もHDNのリスクを低下させるため産後抗Rh(D)治
療から利益を得るであろう〔ホワイト,C.A.ら,1983年,
アメリカン・ジャーナル・オブ・オブステトリカル・ギ
ネコロジー,第145巻,第1069−1073頁(White,C.A.et
al.(1983)American Journal of Obstetrical Gynecol
ogy,145,1069−1073)〕。D及びDU変異体RBCを区別し
うる抗血清は広く入手しえない。したがって、D及びDU
変異体RBCに関してある範囲の結合特異性を有する抗Rh
(D)モノクローナル抗体の供給は、このような細胞を
有する個体(特に予防的抗Rh(D)治療の適切な候補者
であるD又はDU変異体妊娠女性)の更に容易な確認及び
類別化を可能にし並びにRh(D)抗原複合体に関する構
造情報を更に得る上で有用とみられる。
ヒトモノクローナル抗Rh(D)抗体産生は既に: (a)抗Rh(D)陽性ドナーのBリンパ球に由来するエ
プスタイン・バール(Epstein Barr)ウイルス形質転換
Bリンパ球細胞系(以下、EBV形質転換LCLと称される)
を直接クローニングする〔英国特許出願第2127434号明
細書;クロフォードら,1983年,ランセット,第1巻,
第386−388頁(Crawford et al.(1983)Lancet,1,386
−388);及びペアーら, 1986年,イムノロジー・レターズ,第13巻,第137−141
頁(Paire et al.(1986)Immunology Letters,13,137
−141)参照〕; (b)抗Rh(D)産生EBV形質転換LCLをマウス、マウス
−ヒト又はヒトミエローマ細胞系と融合させて形成され
るハイブリドーマ細胞系をクローニングする〔同時係属
英国特許出願第8709748号明細書;トンプソン(Thompso
n)ら,1986年,イムノロジー,第58巻,第157−160頁;
及び欧州特許出願第162918号明細書参照〕;又は (c)ヒトLCLと免疫B細胞との融合〔ローウェ(Low
e)ら,1986年,ボックス・サング,第51巻,第212−216
頁〕; により達成された。
しかしながら抗Rh(D)陽性ドナー3例からのEBV形
質転換LCLをクローニングすることにより、我々は以前
に開示されたいずれの抗Rh(D)モノクローナル抗体試
薬の場合でも示されていない特に有用な結合特異性スペ
クトルを有するIgGクラスのモノクローナル抗Rh(D)
抗体を得ることができた。
本発明によれば、我々は下記の本質的特徴: (a)Rh血液型系のC、c、E又はe抗原ではなくRh
(D)抗原に対して活性を示す; (b)IgG1タンパク質である; (c)kL鎖を有する; (d)Glm(3)又はGlm(1,17)アロタイプである; (e)間接的抗グロブリン試験でDU細胞に対して活性を
示す; (f)DIV、DV及びDVII変異抗原に対して活性を示す;
及び (g)DVI又はDB変異抗原に対して不活性である; を有するヒトモノクローナル抗体及びその抗原結合性断
片を提供する。
このようなモノクローナル抗体は、RBCを Rh(D+)、DU又はRh(D−)に分類しうるルーチン抗
Rh(D)試薬として使用可能である。
この目的のため、本発明のモノクローナル抗体は単独
で、又は更に1種以上の抗Rh(D)抗体、好ましくは1
以上の付加的結合特異性を有するモノクローナル抗体と
共に、のいずれでも用いることができる。このため例え
ば本発明のモノクローナル抗体は、DVI変異RBCをD陽性
として分類しうる更に広い特異性のある抗Rh(D)試薬
を得るためDVI変異体と結合しうる更にもう1種のモノ
クローナル抗体と混合されることが有利であろう。この
ような抗Rh(D)試薬において、本発明のIgG1抗体は、
例えば本出願と同日付の我々の同時係属国際特許出願
(公開第W089/2443号明細書)中で開示されたタイプの
下記結合特徴を有するIgG1モノクローナル抗体と混合さ
れる: (a)Rh血液型系のC、c、E又はe抗原ではなくRh
(D)抗原に対して活性を示す; (b)DV、DVII、DVI及びDB変異抗原に対して活性を示
す;及び (c)IAG試験において非パパイン処理DIV細胞と実質上
非反応性である。
このような抗体の中では、本発明の抗Rh(D)モノク
ローナル抗体と共に使用する上で、イギリス,ポートン
・ダウン(Porton Down)のヨーロピアン・コレクショ
ン・オブ・アニマル・セル・カルチャーズ(European C
ollection of Animal Cell Cultures)に受理No.ECACC
87091603号として1987年9月16日付で寄託されたB7と称
されるモノクローナル抗体が特に好ましい。
本発明のモノクローナル抗体がDVI変異体に対して反
応性の抗Rh(D)、例えば適切なポリクローナル抗Rh
(D)血清と共にRh型判定に用いられる場合において、
後者に関する凝集試験で陽性結果を示すが但し本発明の
モノクローナル抗体に関して陰性結果を示す血液サンプ
ルは主に又は完全にDVIカテゴリーに属すると予測する
ことができる(これは新規モノクローナル抗体が不活性
な事実上唯一のD変異抗原であるためである)。慣用的
凝集試験でRh(D+)又はDUとして分類されるが但し抗
Rh(D)を産生しうる個体の中では、高率でDVI変異抗
原を有することが確立されていた〔モリソン,P.L.,1983
年,“臨床医学における輸血”第8章,第339頁〕。そ
のため本発明のモノクローナル抗体の一使用例は、人口
中におけるDVI型個体の発生率を研究することである。
本発明のモノクローナル抗体は、抗DU活性のない又は
非常に弱い、即ち慣用的凝集試験でDU細胞をD陰性細胞
から信頼性をもって区別しうるにはこのような細胞に対
して不十分な活性である抗Rh(D)の特異性を補うため
抗Rh(D)型判定試薬における使用にとっても特に価値
がある。実際に、米国規制市販抗Rh(D)型判定試薬に
関する食品医薬品局(FDA)の規制下では、このような
試薬はDURBCを真のD陰性RBCから区別しうることが要求
されている。本発明の組合せ抗Rh(D)試薬の中では、
本発明のIgG抗Rh(D)がDU活性のない又は非常に弱いD
U活性のIgM抗Rh(D)、例えば特に欧州特許出願公開第
251440号明細書の主題をなす寄託されたハイブリドーマ
細胞系MAD−2(ECACC 86041803号)及びFOM−1(ECAC
C 87021301号)のモノクローナルIgMから選択されるIgM
モノクローナル抗Rh(D)と共に用いられた上記条件を
満足するこのような試薬が特に好ましい。このような試
薬は間接的抗グロブリン試験でDU赤血球との活性を個別
的に示す更に少なくとも1種のIgGモノクローナル抗Rh
(D)抗体で更に補充されることが有利であり、その結
果混合試薬は同一の試験でDU、DIV、DV及びDVI細胞と反
応するようになる。Rh型判定がこのような試薬で行われ
る場合、D陽性細胞は最初にIgM抗Rh(D)で直接凝集
される。次いで残りの非凝集細胞(見掛上D陰性)は間
接的抗グロブリン試験用の慣用的クームス(Coomb's)
試薬の添加により真のD陰性及びDU細胞に分けられる
が、その場合IgG抗体に結合するDU細胞は凝集されるた
め区別される。
本発明のモノクローナル抗Rh(D)抗体は、モノクロ
ーナル抗体の産生に関して公知の常法により、特に、必
要な抗体に関する上記特徴を有した抗Rh(D)免疫グロ
ブリンの分泌に基づき選択されるEBV形質転換ヒトBリ
ンパ球の培養により得ることができる。こうして得られ
た培養上澄は、本発明の特徴を有している。
我々は上記のようなIgG1抗Rh(D)モノクローナル抗
体を産生するクローニングされたEBV形質転換LCL9つに
ついて今や詳細に研究した。これらすべてのクローニン
グされた細胞系は、選択された抗Rh(D)ドナー2例の
末梢Bリンパ球から出発し、所望の特異性をもつモノク
ローナル抗体を産生するEBV形質転換LCLを確立しかつク
ローニングするため英国特許出願第2145113号明細書で
記載された操作又は実質上同様の操作を用いることによ
り得た(例1参照)。10%(v/v)無マイコプラズマ牛
胎児血清、0.2mg/mlアルギニン及びマイコプラズマ増殖
を予防する抗生物質で補充されたRPMI1640培地を用いた
連続培養において、それらは高度に安定であって、R1R1
(CDe/CDe)RBCに対する低イオン強度塩水中での間接的
抗グロブリン(IAG)アッセイにより測定した場合に200
0〜8000の範囲内の抗Rh(D)力価を有する培養上澄を
生じることが見出された。このような培養上澄は濃縮必
要性のないRh型判定での使用に適しているが、実際には
使用上希釈してもよい。選択された4つの細胞系(ドナ
ーA由来のA1、A2及びA3)は、2年間にわたる連続培養
で安定な抗Rh(D)力価を維持しうることが示された。
上記のような培養上澄を生じうる更に4つの細胞系(ド
ナーB由来のB1、B2、B3及びB11)は、抗Rh(D)力価
の実質的減少なしに8月間にわたる連続培養で維持され
た。連続培養における上記具体的クローンの抗体産生特
徴は、下記第IIIa及びIIIb表で要約されている。
試験された本発明のモノクローナル抗体はIAGで表現
型R2rG−、hrs−、R1Rz及びR2RzのRBCと反応するが、但
しr″、Gr、rm、rG、r′sr、hrB−、r′wr及びRh33
+とは陰性であることが更に判明した。
クローンA1、A2、A3、B1、B2、B3、B11、B12及びB13
の抗体のGmアロタイプ判定では、それらが2つのアロタ
イプ型に属することを示した。WHO(1974年)表記法を
用いた場合、クローンA1、A2及びA3のIgG1抗Rh(D)抗
体はGlm(1,17)アロタイプに属することが判明し、一
方ドナーBに由来する残る上記クローンの抗体はアロタ
イプGlm(3)に属することが判明した。後者の抗体
は、Rh(D−)母親の産後免疫に用いられるモノクロー
ナル抗体製剤を提供するという観点から特に興味があ
る。一般にGlm(1,17)アロタイプ型の抗体は 抗原に対して活性であるが、一方Glm(3)アロタイプ
の場合は不活性であった。
IgGl抗Rh(D)抗体は、単球及びマクロファージによ
るRh(D+)RBC食作用の通常乏しい促進剤である。し
かしながら、我々はGlm(3)アロタイプのIgGl抗Rh
(D)抗体、例えばクローンB1、B2、B3、B11、B12及び
B13のIgGl抗体が、Glm(1,17)アロタイプのIgGl抗Rh
(D)抗体と異なり、抗体性細胞毒性(ADCC)アッセイ
においてKリンパ球による感作RBCの溶解を媒介する上
で高度に有効であることを見出した。これは、胎児溶血
がGlm(4)アロタイプ、即ちWHO(1974年)表記法〔ア
メリカン・ジャーナル・オブ・オブステトリカル・ギネ
コロジー,1985年,第1111−1115頁〕によるGlm(3)ア
ロタイプの母親IgGl抗体の場合更に重篤であるというパ
リノード(Parinaud)らの以前に報告された観察と一致
している。
このため本発明のもう1つの面によれば、我々はRh
(D)抗原に対する母親の感作を防止するためRh(D
+)児の誕生後Rh(D−)、D−又はDU−変異体母親の
受動免疫用に本発明のモノクローナルIgGl抗体、好まし
くはアロタイプGlm(3)を有する本発明のモノクロー
ナル抗体を提供する。ヒト注射用のかかる抗体の無菌溶
液は、いずれかの生理学上許容される水性媒体、例えば
等張リン酸緩衝液又は血清で処方される。一方、抗体は
使用前に再調整される凍結乾燥処方剤として供給しても
よい。HDNの予防用として高度に有効な予防製剤を提供
するため、特にGlm(3)アロタイプのような本発明の
モノクローナル抗体Rh(D)は更に1種以上の抗Rh
(D)抗体、例えばインビボでRh(D+)RBCの食作用
を促進する更に1種以上の抗Rh(D)抗体、例えばその
内容が参考のため本明細書に組込まれる本出願と同日付
の我々の同時係属国際特許出願(公開第W089/2600号明
細書)におけるIgG3モノクローナル抗Rh(D)のような
IgG3サブクラスの抗Rh(D)モノクローナル抗体と共に
用いられることが望ましい。前記IgG3モノクローナル抗
Rh(D)抗体は、寄託された細胞系ECACC 87091606号の
モノクローナル抗体で例示される。ルーチン使用のため
に理想的な本発明の予防医薬組成物は、抗DVI抗体を含
有している。
本発明の更にもう1つの面によれば、我々は本発明の
モノクローナル抗Rh(D)免疫グロブリンの水性溶液が
用いられるRBCのRh型判定法を提供する。モノクローナ
ル免疫グロブリンは、直接又はより一般的には希釈後用
いられる培養上澄中に含有されることが好ましい。Rh型
判定用には、Rh(D)抗原を有する酵素処理RBCを高希
釈(例えば、1:1000希釈)時に凝集させかつIAG試験に
おいて例えば1:10希釈時にRURBCを凝集させる本発明の
モノクローナル抗Rh(D)免疫グロブリンを含有した培
養上澄が特に好ましい。
前記のように、本発明のIgG1抗体を異なる特異性の抗
Rh(D)モノクローナル抗体の1種以上、例えば更に抗
DVI活性を有するIgG1抗体を混合することが望ましい。
適切な希釈剤としては、有利には牛血清アルブミン及び
ツィーン(Tween)80又はメチルセルロースのような界
面活性剤又は懸濁化剤を含有した生理塩水又はリン酸緩
衝液がある。
細胞系A3及びB2は、イギリス,ポートン・ダウンのヨ
ーロピアン・コレクション・オブ・アニマル・セル・カ
ルチャーズに各々受理No.ECACC 87091605号及びNo.ECAC
C 87091604号として1987年9月16日付で寄託された。
本発明の上記寄託細胞系の産生及びこれらの連続培養
から得られる培養上澄の同定特徴に関する詳細は、下記
非制限例の例1で示されている。
例1 (1)抗Rh(D)産生EBV形質転換LCLの確立及びクロー
ニング (a)Bリンパ球源 ドナーA:彼女の最初でかつ唯一の妊娠(正常Rh(D
+)児を生んだ)中に免疫され、分娩4年後にパック詰
めRh(D+)(R2r)RBC0.5mlで追加免疫され及び追加
免疫の8日後に彼女の血清抗Dレベルが60IU/mlになっ
たとき得られた末梢血液サンプルで追加免疫された女
性。
ドナーB:最初1966年に輸血で免疫され、以後6回追加
免疫され、彼の血清抗Dレベルが318IU/mlになった1985
年に“バフィーコート”分画(白血球)を贈与する13日
前最後に追加免疫された男性。
(b)細胞系の確立 ドナーBの末梢血単核細胞をリンホプレプ(Lymphopr
ep)〔ニエガード社(Nyegaard and Co.)〕で分離し、
EBV(濾過された無マイコプラズマB95−8細胞系からの
培養上澄1ml/107細胞)の存在下37℃で1時間インキュ
ベートし、リン酸緩衝液(PBS)で洗浄した。一部を (a)1%(v/v)フィトヘマグルチニン(PHA)又は0.
5μg/mlシクロスポリンA(CsA)のいずれかで補充され
たリンパ芽球細胞培地〔10%(v/v)無マイコプラズマ
牛胎児血清(FCS)、0.2mg/mlアルギニン、100IU/mlペ
ニシリン(グラクソ(Glaxo))、50μg/mlストレプト
マイシン(グラクソ)、25IU/mlポリミキシン(グラク
ソ)、25μg/mlカナマイシン(ギブコ(Gibco)、20μl
/mlフンギゾン(スクイブ(Squibb)、25μg/ml硫酸ゲ
ンタマイシン(シグマ(Sigma))及び20μg/mlトリビ
シン(アップジョン(UpJohn))を含有したRPMI1640培
地〕を用い2mlウェル中0.5×106細胞/mlで培養するか;
又は (b)上記のように培養する前ブロメライン処理 OR1R2(CDe/cDE)RBCでロゼット化することにより表面
抗D陽性リンパ球について豊富化させた。
ドナーBからの4つの細胞系、即ちLCL及び最初にPHA
又はCsA補充のいずれかで豊富化されたLCLが獲得され
た。
ドナーAから単された末梢血単核細胞を同様にEBVで
感染させた。PBSで洗浄後、細胞を1%(v/v)PHAで補
充されたリンパ芽球細胞培地に再懸濁し、マウス腹膜マ
クロファージの供給細胞層上2mlウェル中に分配した。
次いで、すべての培養物を5%CO2、95%湿空気中37
℃でインキュベートした。培地変更を3〜4日毎に行
い、3週間の培養後細胞を50mlフラスコに移した。すべ
ての細胞系(クローンB3を生じる系を除く)を3〜4週
間隔でロゼット化することにより豊富化させた。
(c)クローニング 細胞をマウス腹膜マクロファージの供給細胞層上平底
96ウェルプレート中5及び10細胞/ウェルで限定希釈下
培養した〔ドイルら,1985年,ヒューマン・イムノロジ
ー,第13巻,第199−209頁(Doyle et al.(1985)Huma
n Immunology,13,199−209)〕。培養物に1週間1回基
質添加したところ、3〜4週間後抗Dに陽性のクローニ
ング細胞が生じた。
(d)クローンの誘導 IgG1サブクラスの抗Rh(D)抗体を産生する3つのク
ローン(A1、A2及びA3と称される)はドナーAのBリン
パ球から誘導された。これらのクローンを生じるポリク
ローナル細胞系をPHAで開始し、続いてクローニング前
に13回ロゼット化することにより抗Rh(D)陽性細胞に
ついて豊富化させた。
IgG1サブクラスの抗Rh(D)抗体を産生する更に5つ
のクローン(B1、B2、B3、B11及びB12と称される)はPH
Aで開始されたポリクローナル細胞系を介してドナーB
のBリンパ球から誘導された。B1及びB2はLCL確立後ロ
ゼット化により繰返し(6×)選択された細胞系から誘
導された。B11及びB12は2回だけロゼット化された細胞
系から誘導され、B3はクローニング前ロゼット化せずに
1年間維持されたLCLから産生された。〔B11は優先権出
願(英国特許出願公開第8722018号)でC1と誤記された
ことに留意せよ〕 更に抗Rh(D)IgG1を産生するクローン(B13)はCsA
で補充されたトナーBポリクローナル細胞系から誘導さ
れた。この細胞系をEBVで形質転換直後抗Rh(D)につ
いて選択されたリンパ球から確立し、しかる後4回再ロ
ゼット化した。
上記選択細胞系の組織型及び核型分析の結果は、下記
第IV表で示されている。
(e)培養上澄中における抗Rh(D)活性及びIgGの定
量 上澄中における抗Rh(D)活性は、オートアナライザ
ーでイギリスナショナルスタンダードに対して定量され
た。少なくとも2回の測定平均が計算された。IgGの定
量的評価は、ELISA〔ウェイクフィールドら,クリニカ
・キミカ・アクタ,1982年,第123巻,第303−310頁(Wa
kefield et al.,Clinica Chimica Acta(1982)123,303
−310)の方法の修正〕により各上澄毎に少なくとも8
回の測定で行われた。コーティング抗体〔アフィニティ
ー精製ヤギ抗ヒトIgG(シグマ)〕をpH9.6の0.05M炭酸
緩衝液中1/200で用いた。上澄及びスタンダード〔精製
ヒトIgG(シグマ)〕をRPMI1640+10%FCSで希釈した。
ペルオキシダーゼ複合化ヤギ抗ヒトIgG(シグマ)をPBS
+0.05%ツィーン20で1/500希釈したが、基質はTMB(3,
3′,5,5′−テトラメチルベンジジン)であった。
異なる実験条件下で確立されたすべての細胞系が安定
な抗体産生を示したのではなかった。しかしながら、そ
の後でクローニングされたすべての細胞系は6月間以上
にわたり高力価(微量滴定で1/33,000以上)の抗Dを維
持した。これら細胞系からのすべてのクローンは抗Dに
関して陽性であり、連続培養期間中それらの力価を維持
した(A1、A2及びA3−2年間以上;B1、B2、B3及びB11−
8月間以上)。培加時間は3〜7日であった。細胞は個
体産生の低下なしに懸濁培養物中でよく増殖した。
(f)免疫グロブリンクラス及びサブクラス決定 イムノドットアッセイ〔マウドゥガル(McDougal)
ら,1983年,第63巻,第281−290頁〕がニトロセルロー
スに吸着されたモノクローナル抗Rh(D)抗体と抗Ig
G、抗IgM、抗κ及び抗λ抗血清〔セロテック(Serote
c)〕との反応を調べるため用いられ、陽性反応はペル
オキシダーゼ複合化抗ヒツジIgG(セロテック)しかる
後4−クロロ−1−ナフトールでの発色により検出し
た。IgGサブクラスは、モノクロナール抗サブクラス抗
体〔ユニパス(Unipath)〕による抗D被覆RBCの凝集か
ら評価された。
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動後選択された細
胞系に由来する抗体について単一の分離したバンドの存
在は、モノクローナル性の証拠となった。
(g)SDS−PAGE及びウエスターンブロッティング アイコブ(Iscove's)上澄(無血清)を15%ポリアク
リルアミドゲル上還元条件下で電気泳動に付した〔レム
リ,ネーチャー,1970年,第227巻,第680−685頁(Laem
mli,Nature(1970)227,680−685)〕。次いで、分離さ
れたタンパク質を電気泳動でニトロセルロース膜に移し
〔ブラネット,アンルズ・オブ・バイオケミストリー,1
981年,第112巻,第195−203頁(Brunette,Annals of B
iochemistry(1981)112,195−203)〕、これを抗IgG抗
血清(セロテック)でプローブ処理し、上記のように検
出した。
(h)プロテインA吸着 上澄2ml容量をプロテインAセファロースC1−4B(シ
グマ)の25mm(1ml)カラムに2回通し、抗Rh(D)の
吸着を滴定で評価した。
(i)Gmアロタイプ判定 RBCをモノクローナル抗D抗体でコーティングし、凝
集をGmアロタイプ判定試薬〔バーミンガム(Birmingha
m)又はアムステルダム(Amsterdam)〕で評価した。
クローンA1、A2、A3、B1、B2、B3、B11、B12及びB13
のモノクローナル抗体のGmアロタイプは他の特徴と共に
下記の第V表で示されている。
(2)血清学 抗D滴定は、V−ウェルマイクロプレート中において
生の及び2倍に連続希釈された上澄50μlにブロメライ
ン処理OR1R2(CDe/cDE)赤血球の0.1%懸濁液50μlを
加えることにより行われた。37℃で60分間のインキュベ
ート及び600rpmで3分間の遠心後、それらはプレートを
70°に傾け陰性反応を更に続けることにより肉眼で読み
取られた。凝集の程度を常法に従い等級分けし、力価を
完全な凝集を示す最高希釈倍率として示した(第IIIa表
参照)。抗D力価は、低イオン強度塩水(LISS)中ウサ
ギ抗ヒトIgG及び3%R1r、R1R1、▲RU 1r▼又は▲RU 0r▼
細胞を用いてIAG試験によっても測定された。D変異赤
血球のパネルに対するモノクローナルの抗D活性も塩
水、アルブミン、パパイン及びIAG(LISS中)試験で評
価された。別個の系統の試験において、DU赤血球(15組
の▲RU 1r▼細胞及び10組の▲RU 2r▼細胞;各組は異なる
個体から採取されている)に対するA1、A2、A3、B1、B3
及びB11のモノクローナル抗Dの反応性は、未処理上澄
を用いてIAG(LISS中)により評価された。同様の操作
で、B1の培養上澄を1組の▲RU 1r▼細胞及び3組の▲RU
0r▼細胞に対してB2の培養上澄と更に比較した。上澄
は、テクニコン・オートグルーパー16C(Technicon Aut
ogrouper 16C)により1:5〜1:10,000希釈で試験した。
アルブミン、パパイン及び間接的抗グロブリン技術に
よる“正常"RhD陽性又はRhD陰性表現型の細胞に対する
試験では、すべてのIgG1モノクローナル抗体がD抗原に
関して特異性を示すことを明らかにした(下記第VI表参
照)。いずれのモノクローナル抗Dも塩水によると非反
応性であった。“部分的"D陽性細胞に対してIAGにより
試験した場合、抗体はDIV、DV及びDVII赤血球を凝集さ
せたが、DVI又はDBについては凝集させなかった(下記
第VII表参照)。第VIII表で示されているように、A1、A
2、A3、B1、B3及びB11の上澄はすべてポリクローナル抗
血清〔イギリスのサウス・ウエスターン・リージョナル
・トランスフュージョン・サービス(South Western Re
gional Transfusion Service)で用いられるルーチン試
薬〕よりも25のDU細胞(即ち、弱D)とのIAG試験で強
い活性を示すことが判明した。同一のIAG試験操作を用
いた場合、B1の培養上澄は更に4組のDU細胞に対してB2
の培養上澄と同様又は同一の反応性を示すことが判明し
た(第IX表参照)。すべてのIgG1モノクローナル抗体は
DU又はDVいずれの細胞の場合よりもR1r(CDe/cde)又は
R1R1(CDe/CDe)細胞と更に強く反応したが、上澄間の
力価にはやや差異があった。テクニコン・オートグルー
パー16Cで別々に試験した場合、A2、B1及びB11の上澄
は、ルーチン抗Dとして使用の場合1:1,000希釈及びDU
をD陰性細胞から区別する場合1:10希釈で用いることが
できた。
(3)リンパ球ADCCアッセイ 等容量(50μl)の標的細胞(クロム51標識R1R1RBC
懸濁液)、エフェクター細胞(Kリンパ球)及び抗D培
養上澄を穏やかな遠心後マイクロプレート中37℃で一夜
インキュベートし、クロム51放出量を測定した〔アーバ
ニアック,1979年,ブリティシュ・ジャーナル・オブ・
ヘマトロジー,第42巻,第303−314頁(Urbaniak(197
9)British Journal of IIaematology,42,303−31
4)〕。エフェクター:標的細胞の比率は15:1であっ
た。
Glm(3)アロタイプのモノクローナル抗Rh(D)を
含有したクローンB1、B2、B3、B11、B12及びB13の培養
上澄は、Glm(1,17)アロタイプの抗体を含有した他の
培養上澄と異なり、K細胞の存在下において感作RBCの
溶解を媒介する上で高度に活性であることが判明した
(下記第X表参照)。
(4)U937単球ロゼット化及び食作用アッセイ パック詰めOR1R2RBC100μlを37℃で60分間にわたり
抗Rh(D)(既に1μg/mlに調整されている)500μl
で感作し、洗浄し、RPMI中1×108細胞/mlで再懸濁し
た。U937細胞を対数増殖期に採取し、50U/mlでγ−イン
ターフェロン〔アマーシャム(Amersham)〕の存在下又
は非存在下のいずれかで2日間培養した。次いで45×10
6のRBCを1.5×106のU937細胞のペレットに加え、混合し
て30:1の比率にした。ロゼット化アッセイの場合、細胞
を室温で5分間インキュベートし、600rpmで3分間遠心
し、更に5〜20分間後血球計測器で試験した。食作用は
細胞を37℃で3時間インキュベートした直後に評価し
た。結果は1以上の付着又は貪食されたRBCに関する単
球の率として示された。
クローンA1、A2、A3、B1、B3及びB11の培養上澄並び
に慣用的ポリクローナル抗Rh(D)血清に関して得られ
た結果の比較は、第1及び第2図で示されている。
(5)マクロファージ結合アッセイ RBC(R2r)(1容量部)をモノクローナル抗Rh(D)
(未処理培養上澄2容量部)で感作し、単球由来培養マ
クロファージと共にインキュベートした。マクロファー
ジをアッセイにおけるそれらの使用前48時間にわたり組
換え免疫インターフェロン〔ジュネーブのバイオゲン
(Biogen)〕500U/mlで刺激した。マクロファージに対
するRBCの結合は肉眼で評価され、マクロファージ結合
インデックス(=100のマクロファージに付着した又は
それで貪食された赤血球の数)として示された。
下記第XI表は、クローンA1、A2、A3、B1、B3及びB11
の培養上澄に関して得られた結果について示している。
RBC−マクロファージ相互作用を起こしうるこれら上澄
の能力は、陽性コントロールとして機能するポリクロー
ナル抗Rh(D)血清(抗Rh(D)−43IU/ml)の場合と
比較して非常に乏しい。
例2 RBCのRh(D)表現型判定法 一般に、本発明の抗Rh(D)モノクローナル抗体(例
えばB11)と更にDVI活性を有するIgGモノクローナル抗
体、例えばその内容が参考のため本明細書に組込まれる
本出願と同日付の我々の同時係属国際特許出願(公開第
W089/2443号明細書)の細胞系B7(ECACC 87091603)の
モノクローナル抗体との混合剤を用いることが上記目的
にとって好ましい。
マニュアル使用法 最終混合剤は1:1:1のB11:B7:希釈剤である。
希釈剤 30%牛血清アルブミン100ml KH2PO4 2.42g Na2HPO4・2H2O 2.77g NaCl 4.50g ツィーン20 0.2ml NaN3 1.00g 全量 蒸留水で1.0l:pH6.8 この混合剤は、D及びDU型判定用のすべてのマニュアル
試験、例えば微量滴定、マイクロプレート、IAGで用い
ることができる。
1:1:2のB11:B7:希釈剤の混合剤も使用可能である。
マシン用混合剤 この混合剤は例えばテクニコン・オートグルーパー16
Cで使用することができる。
前混合試薬B11:B7 1:1 D表現型判定(D陽性VSD陰性)の場合溶液は1:1000
混合剤:希釈剤であり、DU決定法(DUVSD陰性)の場合
溶液は1:5混合剤:希釈剤である。
希釈剤 13.5%メチルセルロース含有1.3%生理塩水中
2%牛血清アルブミン モノクローナル抗体B7は、様々なD変異抗原に関して
広い特異性がありDVIを含有しかつIAG試験でDU細胞に対
し活性を示す抗Rh(D)試薬を提供するため、本発明の
他の抗体、例えば寄託された細胞系A3(ECACC 8709160
5)及びB2(ECACC 87091604)のモノクローナル抗体と
同様に混合してもよい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 G01N 33/577 B 33/563 9162−4B C12N 15/00 C 33/577 9281−4B 5/00 B (72)発明者 カンペル,ベリンダ メアリー イギリス国ブリストル、コングレスベリ ー、リントン、ロード、ウッドサイド (番地なし)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の本質的特徴: (a)Rh血液型系のC、c、E又はe抗原ではなくRh
    (D)抗原に対して活性を示す; (b)IgG1タンパク質である; (c)κL鎖を有する; (d)Glm(3)又はGlm(1,17)アロタイプである; (e)間接的抗グロブリン試験でDU細胞に対して活性を
    示す; (f)DIV、DV及びDVII変異抗原に対して活性を示す;
    及び (g)DVI又はDB変異抗原に対して不活性である; を有するヒトモノクローナル抗体及びその抗原結合性断
    片。
  2. 【請求項2】細胞系ECACC 87091605及びECACC 87091604
    のモノクローナル抗体から選択される、請求項1に記載
    のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載されたモノクローナ
    ル抗体が1以上の付加的結合特異性を有する更に1種以
    上の抗Rh(D)抗体と混合された抗Rh(D)試薬。
  4. 【請求項4】DVI変異体と結合しうるモノクローナル抗
    体が存在する、請求項3に記載の抗Rh(D)試薬。
  5. 【請求項5】抗体成分が: (a)請求項1に記載されたモノクローナル抗体;及び (b)抗DU活性のない又は非常に弱いIgM抗Rh(D); を含む、請求項3に記載の抗Rh(D)試薬。
  6. 【請求項6】抗体成分が間接的抗グロブリン試験でDVI
    細胞に対する活性を示しうるIgGモノクローナル抗Rh
    (D)を更に含む、請求項5に記載の抗Rh(D)試薬。
  7. 【請求項7】成分(b)が寄託されたハイブリドーマ細
    胞系MAD−2(ECACC 86041803)及びFOM−1(ECACC 87
    021301)のモノクローナルIgMから選択される、請求項
    5又は6に記載の抗Rh(D)試薬。
  8. 【請求項8】請求項1に記載されたモノクローナル抗体
    を産生しうるヒトリンパ球由来細胞系。
  9. 【請求項9】ECACC 87091605及びECACC 87091604から選
    択される、請求項8に記載の細胞系。
  10. 【請求項10】新生児の溶血症を防止するための受動免
    疫用である、請求項1又は2に記載のモノクローナル抗
    体。
  11. 【請求項11】請求項8又は9に記載された細胞系の培
    養により得られた培養上澄。
  12. 【請求項12】アロタイプG1m(3)である、請求項10
    に記載のモノクローナル抗体。
  13. 【請求項13】新生児の溶血症を防止する受動免疫用医
    薬組成物であって、 生理学上許容される担体又は希釈剤と共に請求項1又は
    2に記載されたモノクローナル抗体を含むことを特徴と
    する医薬組成物。
  14. 【請求項14】モノクローナル抗体がアロタイプG1m
    (3)である、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】抗体成分がDVI変異体と結合しうるモノ
    クローナル抗体を更に含む、請求項13又は14に記載の医
    薬組成物。
  16. 【請求項16】抗体成分がIgG3サブクラスの抗Rh(D)
    抗体を1種以上含む、請求項13〜15のいずれか一項に記
    載の医薬組成物。
  17. 【請求項17】請求項1又は2に記載されたモノクロー
    ナル抗体又は請求項3〜7のいずれか一項に記載された
    抗Rh(D)試薬が用いられ、上記モノクローナル抗体又
    は上記試薬が水性溶液の形態であることを特徴とするRh
    型判定方法。
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