JP2583259B2 - ヘリコプタ用フレックスビーム - Google Patents

ヘリコプタ用フレックスビーム

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    • B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ヘリコプタの回転翼におけるベアリングレ
ス・タイプ・ハブ構造のヘリコプタ用フレックスビーム
に関する。
（従来の技術） 上記ヘリコプタの回転翼を支持するベアリングレス・
タイプのハブ構造のフレックスビームにおいては、フラ
ッピング可撓構造部の他に、フェザリングとリードラグ
運動を受持つ弾性体構造部を必要としている。
従来、この種のフレックスビームの弾性体構造部とし
ては、例えば特開昭59−57098号として、所定の平面内
間隔を互いに隔てて、翼長方向に延びる互いに平行な複
数条の（上下合わせて８本）の強化複合体リブを一体の
枠に形成することにより、この薄板の複数条のリブによ
り捩じれ易くし、リードラグ剛性も低くした仮想ヒンジ
を形成したものが、また特開昭55−145811号として、繊
維結合体をＴ字形もしくは十字形の横断面とするととも
に、繊維結合体の各部材または結合部にスリットを設け
て捩じり易い構造としたもの等が夫々提案されている。
（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、上記従来例においては、そのいずれも
が軽量化の面で問題があるばかりでなく、製作がかなり
困難であるのが現状であると考えられる。
本発明は上記に鑑み、従来のものに比べて、更に軽量
化を図るとともに、製作が比較的容易なものを提供する
ことを目的とする。
（問題点を解決するための手段） 本発明は上記目的を達成するため、マスト取付け及び
フラッピング部分と、フェザリニグ及びリードラグ運動
部分と、ロータブレード取付け部分とから構成され、織
物複合材よりなる板状の中央部材の両側に、一方向複合
材のループ材より横断面略Ｙ字状に成形した一対の枠材
を、その脚部先端において一体的に接着させて上記フェ
ザリング及びリードラグ運動部分を構成したものであ
る。
（作用） 而して、織物複合材よりなる中央部材により主に捩じ
りの剪断応力に、一方向複合材よりなる枠材により主に
曲げの軸方向力に夫々効かすようにして、捩じり易くか
つ応力を小さくして、薄型化を図るとともに、任意の形
状の成形の便及びその容易化を図ったものである。
（実施例） 第１図乃至第７図は本発明の一実施例を示すもので、
棒状のフレックスビーム１は、中央の偏平ボス部でフラ
ッピング可撓構造部であるマスト取付け及びフラッピン
グ部分２と、この両側に延びフェザリングとリードラグ
運動を受け持つ弾性体構造物としてのフェザリング及び
リードラグ部分３、及び両端の偏平ボス部であるロータ
ブレード取付け部分４とから構成されている。
上記マスト取付け及びフラッピング部分２の中央に
は、ロータ回転中心５を通りヘリコプタのマストに取付
けるための透孔６が穿設され、フェザリング及びリード
ラグ運動部分３には、第３図に詳細に示すように、横断
面略Ｈ状で、この上端及び下端を前縁側及び後縁側に水
平方向に突出させた４つの薄板要素７が形成され、また
ロータブレード取付け部分４には、上下に連通した金属
ブッシュ８が埋め込まれている。
上記フレックスビーム１は、第５図に示すように、織
物複合材よりなる中央の中央部材９の前後両側に、一方
向複合材のループ材により上記フェザリング及びリード
ラグ運動部分３に相当する部分において、横断面Ｙ字状
に成形した一対の枠材10を、その脚部11の先端11a及び
その他の長手方向対向面において一体成形により接合し
て構成されている。
この成型は、例えばガラス繊維プリプレグ材を予め硬
化させた中央部材９を、第７図に示すように、下枠12と
上枠13との間の中央にセットする。一方、例えば第６図
に示すように、フィラメント・ワインディング（FW）装
置14を用い、FRPロービングでエポキシ樹脂を含浸させ
ながら半硬化のループ材10a,10b…を作り、このループ
材10a,10b…を上記中央部材９の前縁側及び後縁側に配
置し、この両端で上記金属ブッシュ８に巻き付けてセッ
トし、第７図に示すように側型15,15で加圧して成型す
る。
この枠材10は、第２図乃至第４図に示すように、長手
方向位置で断面形が異なり、一方向材を構成する各繊維
は通り道が異なり、全長が同一にならないため、一本の
ループ材では枠材を形成することができない。そこで、
通り道に合わせた複数種類のループ材を組合わせること
によって枠材10の成形が可能となる。
本実施例では、断面が上下・左右対称であるので、こ
の枠材10は、ループ材の長さの違いを４種類（10a,10b,
10c,10d）として、合計８本のループ材で構成されてい
る。これらのループ材10a,10b…は、上記型12,13及び15
の所定位置に順次積層していくだけで容易に枠材10を形
成することができる。
本実施例においては、マスト取付け及びフラッピンブ
部分２の両側方にフェザリング及びリードラグ運動部分
３を連接しているため、これを２個重ね合わせることに
より４翅ブイード・ロータを実現することができる。
第８図は、他の実施例を示すもので、マスト取付け及
びフラッピンブ部分２の一側方にのみ上記と同様なフェ
ザリング及びリードラグ運動部分３を連接してフレック
スビーム１′を構成したものである。
このマスト取付け及びフラピンブ部分２に取付け金具
16を取付けて３翅ブレード・ロータを実現するようにす
ることができる。
（発明の効果） 本発明は上記のような構成であるので、前後方向に比
較的長い寸法の断面を有するようにすることができるた
め、所要のリードラグ剛性を得るのに断面積が小さくて
済、軽量化を図ることができるばかりでなく、薄板要素
の上下方向間隔を各々自由に設定することができるた
め、リードラグ剛性を余り変化させることなく所要のフ
ラップ剛性を得るようにすることができる。
しかも、織物複合材よりなる中央部材により主に捩じ
りの剪断応力に、一方向複合材よりなる枠材により主に
曲げの軸方向力に夫々効かすようにして、強度の面から
断面全体の全要素の板厚を薄くすることができ、スリッ
ト等を設けることなく、捩じり易くかつ応力を小さくす
ることができる。
更に、中央部材は織物複合材であるので、予め所定の
寸法に容易に製作することができるばかりでなく、成形
型内で中子として利用できるため、突出した４つの薄板
要素を所定の位置にセットすることが容易で、確実に一
体成形を行うことができ、また４つの薄板要素の各フィ
レット部を鈍角となすことにより、型抜きが容易で加圧
も確実になるようにすることができる。
また、薄板要素を構成する枠材の一方向複合材は、遠
心力を効率良く負担することができるため、マスト取付
け部においては取付け締付け材の孔をよけて、縦通して
左右一対のブレードを保持するフレックスビームとする
ことも、金属ブッシュを介して折返して片持梁のフレッ
クスビームとすることもできるので、任意の枚数用のロ
ータハブに使用することができるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】 第１図乃至第７図は本発明の一実施例を示し、第１図は
全体斜視図、第２図はそのII−II線断面図、第３図は同
じくIII−III線断面図、第４図は同じくIV−IV線断面
図、第５図は中央部材と枠材を分離して示す斜視図、第
６図はループ材の製造例の概略を示す斜視図、第７図は
中央部材と枠材とを型内で一体成形する状態を示す断面
図、第８図は他の実施例を示す全体斜視図である。 1,1′……フレックスビーム、２……マスト取付け及び
フラッピング部分、３……フェザリング及びリードラグ
部分、４……ロータブレード取付け部分、７……薄板要
素、８……金属ブッシュ、９……中央部材、10……枠
材、10a〜10d……ループ材、11……脚部、11a……同先
端。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】マスト取付け及びフラッピング部分と、フ
    ェザリング及びリードラグ運動部分と、ロータブレード
    取付け部分とから構成され、織物複合材よりなる板状の
    中央部材の両側に、一方向複合材のループ材より横断面
    略Ｙ字状に成形した一対の枠材を、その脚部先端におい
    て一体的に接合させて上記フェザリング及びリードラグ
    運動部分を構成したことを特徴とするヘリコプタ用フレ
    ックスビーム。
  2. 【請求項２】上記マスト取付け及びフラッピング部分の
    両側方に上記フェザリング及びリードラグ運動部分を夫
    々一体に連接したことを特徴とする特許請求の範囲第１
    項記載のヘリコプタ用フレックスビーム。
  3. 【請求項３】上記マスト取付け及びフラッピング部分の
    一側方にのみ上記フェザリング及びリードラグ運動部分
    を一体に連接したことを特徴とする特許請求の範囲第１
    項記載のヘリコプタ用フレックスビーム。
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