JP2582566Y2 - レトルト食品の加熱用保持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、レトルト食品を加熱調
理する際に使用するレトルト食品の加熱用保持具に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】レトルト食品は、熱湯中で加熱するだけ
で食に供されるので、非常に便利なものであり、その需
要は拡大しつつある。このレトルト食品は、通常、パウ
チ包装の袋体の形をとっているが、その加熱には、普通
の鍋等よりも専用の加熱装置の方が取り扱いに便利であ
り、代表的加熱装置の一つが、実公昭６３−４５２２１
号公報に記載されている。

【０００３】その概要を説明すると、レトルト食品は、
扁平状の篭体の中に入れられて加熱容器内の水中に浸漬
され、加熱される。篭体は、水平内断面が縦横比の大き
い長方形で、パンチング加工した多孔側板が対向してい
る。上方に、掴み金具が枢着されていて、篭体の取り出
し時に指でつかまれるようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】レトルト食品を効率的
に加熱するには、袋体を立てて保持し、上昇する加熱水
の流れにさらされるのがよいが、パンチング板よりなる
篭体の中に入れる従来のものでは、篭体の中の水と、加
熱器で加熱される篭体外の湯との置換、混流が容易では
なく、加熱調理が長くなるという問題があった。また、
篭体の構造が複雑で製作にかなりの工数を要して製作費
が高くなるという問題があった。

【０００５】従って、本考案の目的は、構造簡単にして
製作費が安く、更に、レトルト食品が加熱用湯によく接
して加熱調理を効率的に行うことができる加熱用保持具
を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本考案においては、加熱用保持具は、加熱容器の
上端に架け渡される水平保持棒と、該水平保持棒から相
互に間隔をおいて垂下する少なくとも２本の垂直保持棒
と、前記水平保持棒より上方に位置する握棒と、該握棒
の両端から前記垂直保持棒の下端部に向かって延び同垂
直保持棒と協働してレトルト食品の保持部を形成する懸
垂保持棒とから構成されている。

【０００７】

【作用】レトルト食品の袋体を保持部に入れて挟み、握
棒を持って、加熱容器内に入れれば、水平保持棒が容器
上端口縁に当接し、保持具は所望位置に載置される。こ
れにより、レトルト食品の袋体は、加熱容器中の湯水中
に懸架支持され、水にさらされる。加熱された湯水は、
袋体に接して流れ、レトルト食品は加熱調理される。

【０００８】

【実施例】次に、本考案の好適な実施例について添付図
面を参照して詳細に説明するが、図中、同一符号は同一
又は対応部分を示すものとする。図１は、本考案の実施
例である保持具即ちホルダー１０を示す。水平保持棒１
１の両端は、下方へ折り曲げられ、横方向への移動を阻
止する爪１１ａ、１１ｂとなっている。２本の垂直保持
棒１３、１３は、下端で折り曲げられ懸垂保持棒１５、
１５につながっている。懸垂保持棒１５、１５の上端
は、握棒１７で互いに連結され、ここは、断熱部材でお
おわれている。断熱部材は、ビニールパイプ、ゴム管、
樹脂等で構成できる。垂直保持棒１３、１３と、懸垂保
持棒１５、１５との間にレトルト食品の保持部（空間）
１９が形成されている。垂直保持棒１３と懸垂保持棒１
５との間隔は、下方で若干小さくすると、保持性がよ
い。

【０００９】図２は、レトルト食品を加熱する加熱装置
の湯槽２及びその中に置かれた内容器４を示す。加熱用
ヒータ６が湯槽２の底面上に突出して設けられ、このヒ
ータ６は、図示しない電気回路を介して電源に連絡して
いる。

【００１０】図３及び図４は、レトルト食品の加熱状態
の湯槽２を一部破断した平面図及び側断面図で示し、上
述したホルダー１０は、内容器４の上端開口縁に架け渡
されている。

【００１１】内容器４の底上げされた底板４ａは、多孔
板で構成され、無孔の側囲板４ｂ、４ｃが、ヒータ６の
加熱空間を画成する。側囲板４ｂ、４ｃは、底板４ａに
対し開孔率が無視できるという程度なら、一、二個の小
孔があってもよい。

【００１２】内容器４の側囲板４ｂと湯槽２の内面との
間に環状の空間Ａが画成され、ここの水は、ヒータ６の
直接加熱を受けないから、相対的に低温であり、放熱を
防止する。側囲板４ｂ、４ｃは、断熱性のよい材料でつ
くるとよい。

【００１３】レトルト食品Ｃは、図示のようにホルダー
１０に保持され、内容器４の加熱空間中の湯水中に浸漬
される。ヒータ６の発熱により温度上昇した湯水は、底
板４ａを通過して上昇し、レトルト食品Ｃに接触して流
れる。これにより、レトルト食品Ｃは、加熱調理され
る。

【００１４】次に、本考案の第２実施例を、図５を参照
して説明する。ホルダー２０の水平保持棒２１は、両端
に爪２１ａ、２１ｂを有し、その中央部から下方へ延出
した３本の垂直保持棒２３は、水平保持棒２１と平行し
て延びた連結棒２４でつながっている。連結棒２４に遊
嵌した回転軸２６を下端にもつ懸垂保持棒２５の上部
は、水平保持棒２１より上方へ延び、断熱被覆をもつ握
棒２７により連結されている。更に懸垂保持棒２５に
は、水平保持棒２１に対応して別の水平保持棒２８が一
体的に連結され、これは水平に延びて両端に爪２８ａ、
２８ｂを有する。

【００１５】左右の垂直保持棒２３の上端は、この実施
例の場合更に上方に延び、握棒２７に対応した握棒３１
で連結されている。そして、回転軸２６と連結棒２４の
間には、捩りコイルばね３３、３４が介装されている。

【００１６】このようにして、垂直保持棒２３と懸垂保
持棒２５との間には、保持部２９が形成されるが、ここ
に、前述と同様のレトルト食品Ｃが挿入され挟まれる。
このホルダー２０の使用は、ホルダー１０と同じである
が、レトルト食品Ｃは、捩りコイルばね３３、３４の力
によってしっかりと固定され、脱落が防止される。

【００１７】図６は、内容器４の代わりに、線状部材で
構成した枠状構造のホルダー載置台４’を用いている。
このようなホルダー載置台４’を用いると、図３、図４
に示すような低温の熱放散防止空間（保持部）Ａを画成
しないが、その挿脱は容易である。

【００１８】

【考案の効果】以上説明した本考案によれば、線状棒材
で形成したホルダーにより、レトルト食品を完全に水に
さらした形で保持するので、加熱調理が迅速に行うこと
ができる。更に、線状棒材を使用した保持具は、製作も
容易で安価にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る保持具もしくはホルダー
を示す斜視図。

【図２】前記実施例に係るホルダーが使用される加熱調
理装置の斜視図。

【図３】前記実施例の使用状態を示す加熱調理装置の一
部破断平面図。

【図４】前記実施例の使用状態を示す加熱調理装置の立
断面図。

【図５】本考案の別の実施例に係るホルダーを示す斜視
図。

【図６】本考案の保持具が使用される別の加熱調理装置
の斜視図。

【符号の説明】 １０ ホルダー（保持具） １１ 水平保持棒 １３ 垂直保持棒 １５ 懸垂保持棒 １７ 握棒 １９ 保持部 ２０ ホルダー（保持具） ２１、２８ 水平保持棒 ２３ 垂直保持棒 ２５ 懸垂保持棒 ２７ 握棒 ２８ 水平保持棒 ３１ 握棒

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱容器の上端に架け渡される水平保持
   棒と、該水平保持棒から相互に間隔をおいて垂下する少
   なくとも２本の垂直保持棒と、前記水平保持棒より上方
   に位置する握棒と、該握棒の両端から前記垂直保持棒の
   下端部に向かって延び同垂直保持棒と協働してレトルト
   食品の保持部の形成する懸垂保持棒とからなることを特
   徴とするレトルト食品の加熱用保持具。