JP2582124B2 - 炭素量測定装置 - Google Patents

炭素量測定装置

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JP2582124B2
JP2582124B2 JP63151373A JP15137388A JP2582124B2 JP 2582124 B2 JP2582124 B2 JP 2582124B2 JP 63151373 A JP63151373 A JP 63151373A JP 15137388 A JP15137388 A JP 15137388A JP 2582124 B2 JP2582124 B2 JP 2582124B2
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洋一 讃井
新吾 佐藤
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トキコ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、有機炭素量を測定することができるTOC
(Total Organic Carbon)計に係り、特に、高精度な炭
素量分析が可能な炭素量測定装置に関するものである。
「従来の技術」 一般に、原子炉用超純水、半導体の製造工程で用いる
超純水等の水質検査を行う場合には、有機物を酸化分解
して二酸化炭素に換え、この二酸化炭素の量を測定して
有機炭素量を求める炭素量測定装置が用いられている。
この炭素量測定装置は、有機炭素が含有された試料と
ペルオキソ二硫酸カリウム等の酸化剤とを高温下で反応
させて、前記有機炭素から二酸化炭素を生成する反応器
と、該反応器内の反応液に圧力をかける加圧ポンプ、絞
り等の加圧手段と、前記反応器で生成された二酸化炭素
を抽出する抽出器と、この抽出器によって抽出された二
酸化炭素の量を測定する赤外線分析器等の測定手段とを
有するものであって、前記加圧ポンプの近傍には、該加
圧ポンプから反応器に通じる配管系の圧力が所定値以上
になったことを検出する圧力スイッチが設けられてい
る。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、上記のような炭素量測定装置では、該圧力
スイッチに高い検出値を設定して、装置起動直後等の反
応液の温度が低い状態下において、加圧ポンプの吐出圧
力が異常に上昇した場合等の緊急を要する事態を適宜検
出し、装置の緊急停止を行うようにしている。
しかしながら、上記の炭素量測定装置では、上述した
緊急の異常の他に、炭素量測定時等において、例えば、
加圧ポンプの動作不良、配管からの流体漏れ、異物混入
による配管閉塞等といった異常が発生する場合がある。
そして、しかも、これら異常は、比較的、低圧状態下の
圧力変動により示されるものであるので、前述したよう
な圧力の設定された圧力スイッチでは該異常を検出する
ことができず、これによって、精度の高い炭素量の測定
を行うことができないという不具合があった。
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであっ
て、高い圧力値を呈する異常に対応するために逃し弁を
用い、また、比較的、低い圧力変動を呈する異常検出に
圧力センサを用いて、ポンプの故障、配管からの流体漏
れ、異物混入による配管閉塞等の測定精度低下につなが
る要因を検出して、その測定精度の向上を図った炭素量
測定装置の提供を目的とする。
「課題を解決するための手段」 この発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであっ
て、 有機炭素が含有された試料と酸化剤とからなる反応液
を高温下で反応させて、当該有機炭素から二酸化炭素を
生成する反応器と、前記反応器内の反応液に圧力をかけ
る加圧手段と、前記反応器で前記試料より生成された二
酸化炭素の量から当該試料中の炭素量を測定する測定手
段と、からなる炭素量測定装置において、 前記炭素量の測定を開始させるための運転スイッチ
と、 前記反応器内の圧力を検出する圧力センサと、 前記反応器内の圧力が第一の所定圧力以上となった場
合に開放状態となり、当該反応器内の圧力を低下させる
逃し弁と、 前記反応器内の温度を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段により検出された前記反応器内の温
度が、前記酸化剤による有機炭素の酸化に適した所定温
度に達したか否かを判断する温度判断手段と、 前記圧力センサにより検出された圧力が前記第一の所
定圧力以上になったか否かを判断する第一の判断手段
と、 前記温度判断手段が前記所定温度に達したと判断した
場合、または前記運転スイッチがONとなってから所定時
間経過した場合には、前記圧力センサにより検出された
圧力が前記第一の所定圧力よりも低く設定された第二の
所定圧力以上であるか否かを判断する第二の判断手段
と、 前記第一の判断手段が第一の所定圧力以上に達したと
判断した場合、及び、前記第二の判断手段が前記第二の
所定圧力以上でないと判断した場合には、前記炭素量測
定装置の動作を停止させる制御手段と、 を設けるようにしている。
「作用」 本発明では、第一の判断手段にて、圧力センサにより
検出された圧力が、逃し弁が開放される第一の所定圧力
以上になったか否かを判断し、また、第二の判断手段に
て、温度判断手段が、反応器内が酸化剤による有機炭素
の酸化に適する所定温度に達したと判断した場合、また
は運転スイッチがONになってから所定時間経過した場合
には、圧力センサにより検出された圧力が前記第一の所
定圧力よりも低く設定された第二の所定圧力以上である
か否かを判断する。
そして更に、制御手段では、これら第一の判断手段が
第一の所定圧力以上に達したと判断した場合、及び第二
の判断手段が第二の所定圧力以上でないと判断した場合
には、炭素量測定装置の動作を停止させるようにしてお
り、これによって、装置起動時において逃し弁が正常に
作動するか否かの検出を行うことができ、また、ポンプ
の作動不良、配管からの流体漏れ、異物混入による配管
閉塞等といった比較的、低圧状態下の圧力変動により示
される異常検出を行うことができる。
「実施例」 以下、この発明の第1実施例を、第1図の炭素量測定
システム及び第2図のフローチャートを参照して説明す
る。
第1図において、符号1は試料供給ポンプであって、
この試料供給ポンプ1の吸込側には、有機炭素を含む試
料が単位時間当たり一定量(例えば、10〜13ml/min)供
給される試料供給ライン2が設けられている。また、前
記試料供給ポンプ1の吐出側には、配管3が設けられて
おり、この配管3の途中には、前記試料供給管1から供
給された試料と反応する反応液を供給するための反応液
供給手段4(供給手段)が設けられている。この反応液
供給手段4は、ペルオキソ二硫化カリウム溶液等の酸化
剤と硫酸溶液等の酸性溶液との混合液が貯留される貯留
部4Aと、該貯留部4A内の混合液を、前記配管3に供給す
るための反応液供給ポンプ4Bとから構成されたものであ
る。
なお、前記貯留部4Aに貯留された反応液の内、ペルオ
キソ二硫化カリウム等の酸化剤は、試料に含有される有
機炭素を酸化して二酸化炭素を生成させるためのもので
あり、硫酸溶液等の酸性溶液は、前記試料に既に含有さ
れている無機炭素であり、かつ弱酸である二酸化炭素を
(後述する脱気器6において)追い出すためのものであ
る。
前記配管3の下流部には、脱気器6が設けられてい
る。この脱気器6は、ヘリウム、窒素等の不活性ガスを
送り込む供気管7が下部に接続されたものであって、該
供気管7を通じて供給された不活性ガスは、脱気器6の
内部で気泡状となって、反応液(硫酸溶液)と試料との
混合液を互いに撹拌混合し、該試料中の二酸化炭素(無
機炭素)を脱気するようになっている。なお、前記脱気
器6の内部で分離された二酸化炭素、及び供気管7によ
り供給されたヘリウム、窒素等の不活性ガスは、該脱気
器6の上部に接続されてなる複数の排気管8・8・・に
より外部に排出されるようになっている。
前記脱気器6の排出口には、配管9が接続され、この
配管9の途中には、加圧ポンプ10(加圧手段)、逃し弁
11A、圧力センサ11B、反応器12、固定絞り13(加圧手
段)が順次設けられている。
前記加圧ポンプ10は、後述する反応器12内に前記試料
と反応液とからなる混合液を一定範囲の圧力で、かつ一
定の流量で供給するためのものであり、また、前記逃し
弁11Aは、配管9内の圧力が所定値以上(例えば、30kgf
/cm2)になった場合に開放状態となるように設定された
ものである。また、前記圧力センサ11Bは、配管9内の
圧力に検知する圧電素子11Cと、この圧電素子11Cによっ
て検知された圧力を、電気信号に変換する圧力変換器11
Dとから構成されたものであって、この圧力変換器11Dに
よって得られた圧力データは、後述する制御部Cに供給
されるようになっている。
前記反応器12は、ドラムヒータ12Aの周囲に形成され
た溝部(図示略)に沿うように、配管9を螺旋状に巻回
し、この配管9の管壁に、管内の温度を検出する熱電対
12B(温度検出手段)を取り付けたものであって、前記
ドラムヒータ12Aの熱量は、前記熱電対12Bの検出値に基
づき、符号12Cで示す温度コントローラが制御するよう
になっている。そして、この反応器12において、反応液
(酸化剤)と試料中の有機炭素とを反応させて、該有機
炭素から二酸化炭素を生成させるようになっている。な
お、前記熱電対12Bによって検出された温度データは、
後述する制御部Cに供給され、また、前記温度コントロ
ーラ12Cによるドラムヒータ12Aの温度制御は、該制御部
Cからの出力信号に基づいて行われる。
前記固定絞り13は、前記反応器12の内部の反応圧力を
高めるためのものであって、該反応器12の温度を例えば
200℃以上の設定可能にし、かつ、反応液の気化が起こ
らないようにするものである。
また、前記配管9の末端、かつ固定絞り13の下流側に
は、反応器12において反応が完了した試料から二酸化炭
素を抽出する抽出器20(測定手段)が設けられている。
この抽出器20は、上下に向けて設けられて、配管9を
通じて供給された混合液を二酸化炭素とドレン水(残
査)とに気液分離する抽出塔21と、この抽出塔21の周囲
に設けられて、符号22A・22Bで示す配管を通じて給排出
される冷却水によって、前記抽出塔21を冷却する冷却管
22とから構成されたものであって、前記抽出塔21の下部
には、前記配管9から供給された流体(反応器12におい
て反応が完了して、有機炭素から生成された二酸化炭素
が含有されている)を該抽出塔21内において撹拌するた
めの、ヘリウム、窒素等の不活性ガスを送り込む配管23
が接続され、また、該抽出塔21の上部には、該抽出塔21
内で分離された二酸化炭素を乾燥させる除湿器24と、二
酸化炭素の濃度を測定するための赤外線分析器25(測定
手段)とが順次設けられてなる配管26が接続されてい
る。
そして、前記赤外線分析器25によって分析された結果
に基づき、前駆試料供給管1から供給された試料中に有
機炭素がどの位の割合で含有されるか(μg/)が図示
しない演算部において適宜演算されるようになってい
る。
なお、前記配管26へは二酸化炭素とともに不活性ガス
が混入するが、該不活性ガスの存在は、赤外線分析器25
による二酸化炭素の濃度検出に影響を与えない。また、
不活性ガスが供給される配管23の途中に設けられたもの
はマスフローコントローラー23Aであり、このマスフロ
ーコントローラー23Aによって、一定の流量の不活性ガ
スが前記抽出器20に送られるようになっている。更に、
前記抽出器20における抽出塔21下部には配管27が、前記
脱気器6の上部には配管28がそれぞれ設けられており、
これら配管27・28によって、抽出塔21において二酸化炭
素が抽出された後のドレン水を、装置運転が終了した場
合等に、脱気器6内の水溶液をそれぞれドレンタンク
(図示略)等に排出できるようになっている。
次に、第2図のフローチャートを参照して、制御部C
の制御内容をステップ(SP)毎に説明する。なお、この
制御部Cには、図示しない運転スイッチと表示部とが設
けられており、前記運転スイッチをONにすることによっ
て試料供給ポンプ1、反応液供給ポンプ4B、加圧ポンプ
10の駆動が開始されるとともに、ドラムヒータ12Aの昇
温が開始され、また、前記表示部によって、前記炭素量
測定システムに異常が発生したことを表示できるように
なっている。
<ステップ1> スタート <ステップ2> 操作者によって運転スイッチをONとする。
<ステップ3> 前記反応器12が試料と酸化剤とを反応させる場合に最
適な温度である、例えば200℃(=θ)となった、ま
た、配管7・23を通じて供給される不活性ガスの流量が
一定となった等の定常状態が得られるまで、炭素量測定
システムの立上げ運転を行う。
<ステップ4>(温度判断手段) 反応器12の温度T〔℃〕が、試料と酸化剤とを反応さ
せる場合に最適な温度であるθ〔℃〕に達したか否かを
判断し、YESの場合にステップ8に進み、またNOの場合
にステップ5に進む。
<ステップ5> 前記運転スイッチをONとしてから、一定時間x〔mi
n〕が経過したか否かを判断し(運転スイッチをONとし
てから、このステップ5において判断するまでの時間を
t〔min〕とする)、YESの場合には、炭素量測定システ
ムが定常状態になったとみなして、次のステップ8に進
み、また、NOの場合にはステップ6に進む。
<ステップ6>(第一の判断手段) 反応器12内の圧力p〔kgf/cm2〕が、逃し弁11Aの動作
圧力a〔kgf/cm2〕に5〔kgf/cm2〕を加えた(a+5)
〔kgf/cm2〕以上となったか否かを判断し、NOの場合に
は元のステップ3に戻り、また、YESの場合には逃し弁1
1Aが正常に動作しなかったものとしてステップ7に進
む。
具体例を挙げると、このステップ6において、反応器
12内に圧力pが、逃し弁11Aの動作圧力30〔kgf/cm2〕に
5〔kgf/cm2〕を加えた35〔kgf/cm2〕以上となったか否
かを判断する。
<ステップ7>(制御手段) 炭素量測定システムが異常であることを示す表示を表
示部において行い、同時に、炭素量測定システムによる
炭素量測定を停止させる。
<ステップ8>(第二の判断手段) 反応器12の温度T〔℃〕がθ〔℃〕以上になった(ス
テップ4参照)、あるいは運転スイッチをONとしてから
一定時間x〔min〕以上が経過している(ステップ5参
照)場合には、このステップ8において、反応器12内の
圧力pが、該反応器12の定常とされる圧力b〔kgf/c
m2〕以上であり、かつ、逃し弁11Aの動作圧力aから5
〔kgf/cm2〕を差し引いた(a−5〔kgf/cm2〕)以下の
範囲内に収まっているか否かを判断し、NOの場合にはス
テップ7に進み、また、YESの場合にはステップ9に進
む。具体的な例として、このステップ8では、反応器12
内の圧力pは、該反応器12の定常圧力20〔kgf/cm2〕以
上であり、かつ、逃し弁11Aの動作圧力30〔kgf/cm2〕か
ら5〔kgf/cm2〕を差し引いた25〔kgf/cm2〕)以下の範
囲内に収まっているか否かを判断する。
なお、前記ステップ6において逃し弁11Aの動作圧力
aに加えた5〔kgf/cm2〕、また、このステップ8にお
いて逃し弁11Aの動作圧力aから差し引いた5〔kgf/c
m2〕という値は、加圧ポンプ10による流体吐出特性、こ
の加圧ポンプ10から吐出される流量の変動を原因とする
炭素量測定値の誤差等の要因によって決定される。
そして、このステップ8においてNOと進む場合の原因
としては、例えば、加圧ポンプ10の動作不良、配管9か
らの流体漏れ、異物混入による配管9、固定絞り13の閉
塞等といったものが挙げられる。
上記のように構成された炭素量測定装置によれば、反
応器12の温度が最適温度に達していない(ステップ4の
NO)、または運転スイッチがONとなって一定時間経過し
ていない(ステップ5のNO)といった装置起動直後にお
いて、異常判定基準を、反応器12の圧力が逃し弁11Aの
動作圧力以上となっているか否かとしたので(ステップ
6参照)、該逃し弁11Aが正常に動作するか否かの検出
を行うことができ(ステップ6のYES)、一方、反応器1
2の温度が最適温度を検出している(ステップ4のYE
S)、または前記運転スイッチがONとなって一定時間経
過している(ステップ5のYES)といった炭素量測定時
において、異常判定基準を、反応器12の圧力が逃し弁11
Aの動作圧力以下、該反応器12の定常とされる圧力b〔k
gf/cm2〕以上となってるか否かとしたので(ステップ8
参照)、例えば、ポンプの動作不良、配管からの流体漏
れ、異物混入による配管閉塞等といった比較的、低圧状
態下の圧力変動により示される異常の検出を行うことが
でき(ステップ8のNO)、これによって、炭素量測定シ
ステムの信頼性向上を図り、かつ測定精度の向上を図る
ことが可能となるという効果が得られる。
以下、本発明の第2実施例を第1図及び第3図を参照
して説明する。この実施例に示す炭素量測定システムが
第1実施例に示すものと構成を異にする点は、第1図に
示すように、加圧ポンプ10の配管9下流側にペーハーセ
ンサ30を設けて、該配管9内のペーハーを逐次検出する
ようにした点にある。そして、このペーハーセンサ30に
よって検出されたペーハー値を示すデータは、制御部C
に供給されて、炭素量測定システムの制御に用いられる
ようになっている。
以下、ペーハーセンサ30の検出値に基づく、制御部C
による制御内容を第3図のフローチャートを参照して説
明すると、ステップ11において、配管9内のpH(=x)
がpH2からpH4の範囲から外れると判断された場合には、
上述したステップ7と同様に、表示部に対して異常であ
る旨の表示を行い(ステップ12)、かつ、炭素量測定シ
ステムの動作を停止させ(ステップ13)、また、配管9
内のpH(=x)がpH2からpH4の範囲内に収まると判断さ
れた場合には、正常であるとして炭素量の計測運転を続
行する(ステップ14)。
なお、前記配管9内のpHが正常か否かの判定基準を、
pH2からpH4の範囲内か否かとしたのは、該pH2からpH4の
範囲が、試料中に含有されていた無機炭素を脱気器6に
おいて脱気する場合に最適な値であり、かつ、該試料中
に含有されていた有機炭素から、反応器12において二酸
化炭素を生成する場合に最適な値であるからである。ま
た、前記ステップ11で示す判断は、第2図のステップ4
・6・8で示すような温度、圧力の異常が検出されない
こと前提に行われる(ステップ10)。
以上説明したように、第2実施例に示す炭素量測定装
置によれば、第1実施例に示すものと同様の作用効果が
得られるとともに、炭素量測定システムが正常であるか
否かの判断基準にpH値を利用することによって、更に、
精度の高い測定を実現することが可能となる。
以下、本発明の第3実施例を第1図及び第4図を参照
して説明する。この実施例に示す炭素量測定システムが
第1実施例に示すものと構成を異にする点は、第1図に
示すように、脱気器6の内部にフロート式のレベルスイ
ッチ33を設け、このレベルスイッチ33のON−OFFによっ
て脱気器6内の水位を調整するようにした点にある。
前記レベルスイッチ33について説明すると、このレベ
ルスイッチ33は、脱気器6の上部に接続されたポット6A
内に位置するものであって、脱気器6内の水位が上昇し
た場合に上限設定値がONとなり、脱気器6内の水位が下
降した場合に下限設定値がONとなるように、その切替え
がなされるようになっている。なお、このレベルスイッ
チ33の切替を示すデータは、前述した制御部Cに適宜供
給されるようになっている。
以下、前記レベルスイッチ33の出力データに対応し
た、制御部Cの制御内容を第4図を参照して説明する。
(i) 水位上昇の場合、 炭素量測定時(ステップ20)において、脱気器6内の
水位が上昇してレベルスイッチ33の上限設定値がONとな
った場合には(ステップ21)、試料供給ポンプ1、反応
液供給ポンプ4Bを停止させる(ステップ22)。そして、
前記ポンプ1・4Bが停止してから一定の時間(x〔se
c〕)が経過した場合には(ステップ23)、ステップ24
において再度、脱気器6内の水位が上昇していて、レベ
ルスイッチ33の上限設定値がONとなっているか否かを判
断し、NOの場合には、脱気器6内の水位が正常に戻った
として、ポンプ1・4Bの駆動を再開した後(ステップ2
5)、ステップ20に戻り、また、YESの場合には異常であ
るとして、ステップ26において表示部にその旨を表示
し、かつ炭素量測定システムの駆動を停止させる。
なお、ステップ23において示す「t」は、ポンプ1・
4Aを停止させてから判断を行うまでの時間である。
(ii) 水位下降の場合、 第4図に示すステップ27〜31は、前述したステップ21
〜25と基本とする処理が同じである。つまり、脱気器6
内の水位が下がった場合に(ステップ27)、加圧ポンプ
10の駆動を一定時間停止させた後(ステップ28・29)、
水位が回復した場合に(ステップ30のNO)、再度加圧ポ
ンプ10の駆動を行い(ステップ31)、また、水位が回復
しない場合(ステップ30のYES)にステップ26に進み、
異常であるとして表示部にその旨を表示し、かつ炭素量
測定システムの駆動を停止させるものである。なお、ス
テップ29において示す「t′」は、加圧ポンプ10を停止
させてから判断を行うまでの時間を示す。
以上声明したように第3実施例に示す炭素量測定装置
によれば、第1実施例に示す炭素量測定装置と同様の作
用効果が得られるとともに、一方で、脱気器6内の水位
を監視するようにしたから、(1)脱気器6内の水位が
不足することによって発生する、加圧ポンプ10のエア吸
込が停止される、(2)脱気器6内の水位が上昇し過ぎ
ることが防止され、炭素量測定を行う際の応答時間が短
縮化され、また、脱気器6内の試料水が配管28を通じて
無駄に外部にこぼれることが防止されるという効果が得
られる。
「発明の効果」 以上詳細に説明したように本発明では、第一の判断手
段にて、圧力センサにより検出された圧力が、逃し弁が
開放される第一の所定圧力以上になったか否かを判断
し、また、第二の判断手段にて、温度判断手段が、反応
器内が酸化剤による有機炭素の酸化に適する所定温度に
達したと判断した場合、または運転スイッチがONとなっ
てから所定時間経過した場合には、圧力センサにより検
出された圧力が前記第一の所定圧力よりも低く設定され
た第二の所定圧力以上であるか否かを判断する。
そして更に、制御手段では、これら第一の判断手段が
第一の所定圧力以上に達したと判断した場合、及び第二
の判断手段が第二の所定圧力以上でないと判断した場合
には、炭素量測定装置の動作を停止させるようにしてお
り、これによって、装置起動時において逃し弁が正常に
作動するか否かの検出を行うことができ、また、ポンプ
の作動不良、配管からの流体漏れ、異物混入による配管
閉塞等といった比較的、低圧状態下の圧力変動により示
される異常の検出を行うことができ、炭素量測定装置の
信頼性向上を図り、かつ測定精度の向上を図ることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の第1〜第3実施例を示すもの
であって、第1図は全体概略系統図、第2図は制御部の
制御内容を示すフローチャート、第3図は第2実施例に
適用される制御部の制御内容を示すフローチャート、第
4図は第3実施例に適用される制御部の制御内容を示す
フローチャートである。 10……加圧ポンプ(加圧手段)、11A……逃し弁、11B…
…圧力センサ、12……反応器、12B……熱電対(温度検
出手段)、13……固定絞り(加圧手段)、20……抽出器
(測定手段)、25……赤外線分析器(測定手段)、C…
…制御部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機炭素が含有された試料と酸化剤とから
    なる反応液を高温下で反応させて、当該有機炭素から二
    酸化炭素を生成する反応器と、前記反応器内の反応液に
    圧力をかける加圧手段と、前記反応器で前記試料より生
    成された二酸化炭素の量から当該試料中の炭素量を測定
    する測定手段と、からなる炭素量測定装置において、 前記炭素量の測定を開始させるための運転スイッチと、 前記反応器内の圧力を検出する圧力センサと、 前記反応器内の圧力が第一の所定圧力以上となった場合
    に開放状態となり、当該反応器内の圧力を低下させる逃
    し弁と、 前記反応器内の温度を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段により検出された前記反応器内の温度
    が、前記酸化剤による有機炭素の酸化に適した所定温度
    に達したか否かを判断する温度判断手段と、 前記圧力センサにより検出された圧力が前記第一の所定
    圧力以上になったか否かを判断する第一の判断手段と、 前記温度判断手段が前記所定温度に達したと判断した場
    合、または前記運転スイッチがONとなってから所定時間
    経過した場合には、前記圧力センサにより検出された圧
    力が前記第一の所定圧力よりも低く設定された第二の所
    定圧力以上であるか否かを判断する第二の判断手段と、 前記第一の判断手段が第一の所定圧力以上に達したと判
    断した場合、及び、前記第二の判断手段が前記第二の所
    定圧力以上でないと判断した場合には、前記炭素量測定
    装置の動作を停止させる制御手段と、 を設けたことを特徴とする炭素量測定装置。
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